現代社会の理論』 - 新潟国際情報大学[Niigata

ポイント:「消費社会は環境に悪い」という当たり前の主
張ではない。情報化社会の特徴が環境問題を引き起
こすこと。~それはすなわち、私たちが水俣病?!
『現代社会の理論』
見田宗介著
岩波新書
第二章
2章
1940年代アメリカ 軍需(おもに対日戦)
化学兵器製造能力拡大
日本敗戦~需要なくなった!
需要を作
る!
モードに基づいて
(必要からも文化からも解き放たれ
て)需要を自己創出
化学兵器のゆくへ
1) 日本虫を殺せ!
×必要性
2) 戦後で不潔でカワイそうな日
本人の子どもたちの頭にDDT
を振り掛けてあげる。
*DDT 現在は使用禁止。しかしまだ環境中に残留。
水俣との類似点
“農業” に必要だった
のか?
需要自己創出~「緑の革命」
農業~化学肥料・農薬
違う理由…
科学の力で収穫倍増!
農業中心の産業構造を重化学工業に!
そのために
資本
労働力
“需要”
資本・労働力・需要
小さな
農村
保護打ち切り
離農して都市へ
公共投資:重化学工業へ
建前:農業を機械化・近代化で対応!
目的:若者を都市へ! そして農薬・化学肥料を農村へ(需要創出)
貝紫
紫に染める原料
地中海原産
中国等にも伝わる
ローマ時代
高貴な色!
流行
貝をとって糸染める~貝全滅
唯一、生息 貝紫
メキシコ
なぜ? メキシコのネイティブアメリカンは
紫、使わなかった? いえいえ、やはり使
いました!
ミクロレベルの原因
ネイティブアメリカン
貝を殺さずに、紫の分泌物だけ手にとって、貝は自然に戻す
資源の長期的利用?!
たぶん、そんな概念ではないのでは?
必要以上は、取らない。
という感覚!
メキシコインディアンの調査
真偽は不明なとの意見もある
先述とは違う部族
自分
対等
しかし
おそらく各地にかつて
はあった感覚
植物・動物
必要なだけ、いただく
いつか、誰かの必要を満たす(植物の肥料)
もし、この感覚があれば!
サカナ・ネコの段階で、水俣病は終わっていた…
マクロレベル
情報化社会
ミクロレベル ・必要からの自由
・文化からの自由
“必要”ではなく“需要”
としての農薬・化学肥料
水俣病
×動植物との共生
人の声も聞こえない
自分以外は
“需要”の道具
予兆動物
•
•
•
•
•
•
•
なまず・ミミズ・トンボ→地震
せみ→干ばつ
根拠はある?
カエル→雨
ふくろう→晴天
ツバメ→火災
重要なのは
野ねずみ→大洪水
古臭い伝統・感覚
岩ツバメ→嵐
を否定してしまった
こと….
情報化
テキスト30ページ「二重の意味で自由な欲望の主体」
私に、共同体(同質な集団)に、必要なものを、必要なだけ
自然からいただく
必要・文化からの自由
モード
無限の需要の創出(情報化社会)
「需要のため」 : 自然の声、そして人の声すら
無視して、生産を続けられる感覚
モードという水俣病
水俣病~中枢・抹消神経・大脳
感覚器官が麻痺
動物の声・人の声が聞こえるか?
動物が声をあげている?人間だって、声をあげてい
る?
存在なんて動物の声だって人間の声だって証明できない
受信する側がどう捉えるか、どう捉えたいか。
モードによる需要の自己創出のために感覚
器官をマヒ
情報化社会による闇
• 人の悲鳴を無視してまで需要を創出し続
ける情報化社会
• 他の具体例はあるだろうか?
• グループで話し合って見よう!!
• グループ分け
携帯番号の末尾
配布資料
熊本日日新聞
2004年10月17日・18日
NHK クローズアップ現代
2004年6月16日
例 農薬
個人として無農薬栽培をするか選択可能
20年前の
商業用:農薬を使っていた。
ある農家
自家消費分:無農薬!
農薬づけのものは自分は
口にしない
個人としては、農薬を使った方がラク
散布する時の苦しさから、
害を実感(自分で食べれ
ないものを売る矛盾~農
家だってこんなことしたく
ない。未来の経済のため
に“今を犠牲”)
山形のさくらんぼ農家~禁止された農薬を使用:栽培容易
社会的ジレンマ
ゲーム論的解決
ISO14000・容器放送リサイクル法・各種規制・
エコファンド
1)一人一人の人間にとって「協力」か
「非協力」かどちらかを選択できる状況
2)一人一人の人間にとっては「協力」を選
択するよりも「非協力」を選択する方が望
ましい結果が得られる。
ジレンマ
3)全員が自分にとって個人的に有利な「非
協力」を選択した場合の結果は、全員が「協
力」を選択した場合の結果よりも悪いものに
なってしまう。
もの コ
ト方 コ
を
クが 変
な個 更
よ人 。
うに 「
にと 協
!っ 力
て」
ゲーム論は一つの解決法
しかし、これだけで解決できるか?
次々と新しい技術
農薬規制
規制されていない収穫後に農薬散布
(ポストハーベスト)~農薬野菜より危険!!
残留農薬規制:(「食品衛生法等の一部を改正する法律」(平
成15年5月30日公布)ポジティブリスト制(基準が設定されて
いない農薬等が一定量以上含まれる食品の流通を原則禁止
する制度)を改正法の公布後3年以内に導入~遅い
遺伝子組替え~虫がつかない、いたみ難い野菜・果
物農薬イラナイ⇒残留農薬が規制され始める頃には
もう次の技術!
技術が“遺伝子”だから、生態系への影響、大変難しい
もしかしたら、農薬野菜より深刻かもしれない
“水俣病”は終わらない
需要生まれる~予期せざる結果
制度を作るまでのタイムラグ
フロンガス~大変安定したガス:LPガスに比べ安全かつ人体に
影響なし:20世紀最大の発明⇒オゾン層破壊(予期せざる結果)
規制までに時間(意図的?)事態深刻化(間に合わなかった!)
ならびに行政・企業・政治家との癒着
例1:アメリカ~京都議定書署名せず
~米国企業の圧力→ゲーム論
例2:リサイクル・省エネ~これも新たな需要として利用
いままでの製品よりも環境にやさしいので買い換えてくれ
なぜ繰り返されるのか?~1
水俣病
有機水銀
特定の企業が悪い
監督官庁が悪い
政治家が悪い
もちろん悪い。しかしそれ
だけなのか?
“しかたがない”
法律に反していない
(まだ規制がない)の
だから、構わない。
自然の声はおろ
か、人間の声こ
えすら気になら
ない。
情報化社会
必要・文
化からの
自由
:モード
背後にある社会のしくみ
このしくみが、“水俣病”と概念化
(本講義)
需要創出
伝統・文化で培った感
覚をなくすことで、新た
な需要。
なぜ繰り返されるのか?~2
いわゆる水俣病患者
有機水銀中毒によって
感覚中枢の機能障害
“水俣病”
モードによる必要・文化の
感覚の障害
“水俣病”を作り出すしくみ変わっていない。
規制・制度をかえても、それは“症状(それぞれの社会問題)”を
押さえる対処療法~次々とカタチを変えて、現れる
薬害エイズ・三菱リコール隠し
Food and Drug Administration 米国食品医薬品局.
1983年初め:FDA「エイズの危険性が高いグループ
から血液を採ることは避けるべきだ」
日本でのみ未回収
http://www.t3.rim.or.jp/~aids/nhk970119.html
米高速道路交通安全局
欠陥が原因と疑われる事故報告~調査に乗り出す
国土交通省~リコール隠し見つける体制なし(作らず?!)
法律
法律・制度(マクロレ
ベル)
ミクロなレベルで何
を引き起こすか
“社会”を考慮しなければ、目的を
達成する法律・制度は作れない。
社会
によって異なる