スライド 1

環境学
第6回目 (H23.5.23)
環境学HP
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/
~imai/kankyougaku/kankyougaku.html
前回の宿題
・クリーンプロダクションとは何か?
レポート用紙(A4で1枚程度)に記述し、
次回講義時に提出して下さい。
課外レポート(2)(5/30提出)
p.9の設問1~4についてレポートを提出
1.自然界の物質循環と環境汚染との関係
について説明せよ。
2.20世紀型社会の経済活動に伴う
物質の流れの特徴を挙げ、循環型社会では
どうあるべきか説明せよ。
3.循環型社会における3Rとは
何を意味するのか説明せよ。
4.ゼロエミッションとはどのような概念か、
例を挙げて説明せよ。
環境問題の概観-環境 日本における法律上の環境


「環境の保全」という言葉は、法律で「地球環境保
全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その
他」を意味するとされている(環境省設置法第3条、
環境教育推進法2条)。
「環境」とは、これらの分野で保全の対象とされて
いるもの、すなわち、大気、オゾン層、海洋、野生
生物種、水、土壌、静けさ、景観、原生の自然そ
の他を意味すると解される(環境基本法2条参照)。
環境問題の概観-環境問題 環境とは


オーギュスト・コント(フランス、社会学)のミリュー
milieu
すべての命ある存在が生きていくのに必要な外的
条件や影響の全体をあらわし、人間社会を主体と
して考えるならば、その社会的・文化的環境と自然
的・科学的・物理的環境を指し示す概念である
 環境問題とは

自然環境に発生する諸問題が人間社会に及ぼす
影響
環境問題の概観-事象の根源 人類史における植民地時代の後遺症

「南北問題」、富める先進国と貧しい発展途上国
の格差
 産業革命がもたらした化石燃料に依存する諸産
業形態の負の側面

化石燃料を利用したエネルギーの獲得による負
の側面はわずか150年の歴史で地球規模に
 原子力革命がもたらした負の側面

原子爆弾や原子力発電所施設の事故
環境問題の概観-地球環境問題の概説 古代文明における環境問題→衰退
 産業革命以降、現在の環境問題が深刻に
 1950年ごろ、環境破壊の重大さは軽視

経済的な要請と環境保護の相反
 環境問題の認識の契機、レイチェル・カーソン
「沈黙の春」(1962)、ローマクラブの「成長の限
界」(1972)
 現在、環境ブーム「地球に優しい」「環境にやさし
い」製品
環境問題の概観-地球環境問題の分類(1) 地球規模の影響がある地球環境問題
 地球温暖化
 オゾンホール
 砂漠化
 森林破壊
 生物の多様性
 酸性雨
 異常気象
 有害物質による健康被害など地域の環境問題(公害に
近い)
 国際的な環境問題
環境問題の概観-地球環境問題の分類(2) 地球規模の影響がある地球環境問題
 有害物質による健康被害など地域の環境問題(公害に
近い)









ゴミ問題、産業廃棄物
大気汚染
水質汚染
土壌汚染
騒音公害
光害
有害物質(ダイオキシンなど)
塩害
土壌流出
 国際的な環境問題
環境問題の概観-地球環境問題の分類(3) 地球規模の影響がある地球環境問題
 有害物質による健康被害など地域の環境問題
(公害に近い)
 国際的な環境問題


海洋汚染
有害廃棄物の越境移動
環境問題の概観-地球規模の取組み 1972.国連人類環境会議_ストックホルム
 1992.地球サミット_リオ・デジャネイロ



国連「環境と開発」会議
「持続可能な開発」
開発と環境保全の両立
環境問題の概観-日本の環境問題 1950.高度成長への離陸
 1960.国民所得倍増と高度経済成長




過剰生産
過剰消費時代
農業・食料への影響
四大公害事件
 1970.高度経済成長の後遺症

「公害王国」日本(典型7公害)
本日の宿題(5/23)
・一昨年度行われた洞爺湖サミット
の概略とその焦点(複数)は何だっ
たかについて調べる。
レポート用紙(A4で1枚程度)に記述し、
次回講義時に提出して下さい。
環境学
第7回目 (H23.5.30)
環境学HP
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/
~imai/kankyougaku/kankyougaku.html
環境問題に対する世界の取組みの歴史
古代の環境問題
 メソポタミア文明
 森林減少、砂漠化
 中国文明

森林の伐採による黄河
の洪水
 インダス文明

レンガ造りのための燃料
としての樹木の消費
環境問題に対する世界の取組みの歴史
産業革命~ストックホルム会議(1972)
 イギリス産業革命から始まる産業公害
の歴史


大気汚染の歴史
 ロンドンでスモッグによる過剰死亡者
(1952)など
都市衛生(水道・下水道)問題
 進む経済発展と軽視された環境破壊
 自然保護運動の動き
 ICBP,IUCN,ICBP,WWF
 ラムサール条約
(http://www.biodic.go.jp/jpark/ramsar.
html)
登録湿地 (釧路湿原)
環境問題に対する世界の取組みの歴史
ストックホルム会議(1972)
 国連人間環境会議



1972年6月5日から2週間
人間環境宣言と行動計画の採択
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/d
efault.asp?documentid=97&l=en
環境問題に対する世界の取組みの歴史
ストックホルム会議(1972)
 国連人間環境会議
 1972年6月5日から2週間
 人間環境宣言と行動計画の採択
 会議の背景
 環境容量の概念





経済発展に伴う産業公害の激化
環境資源の無限の希釈能力の否定
生産技術の二面性
「宇宙船地球号」
開発途上国の環境問題と、貧困からの脱却によ
る解決
環境問題に対する世界の取組みの歴史
ストックホルム会議(1972)
 国連人間環境会議

人間環境宣言
環境問題に対する世界の取組みの歴史
ストックホルム会議(1972)
 国連人間環境会議

行動計画
環境問題に対する世界の取組みの歴史
成長の限界(1972)
 MIT工科大学の
Donella Meadowsらの
ローマクラブへの報告

ローマクラブ
http://www.clubofro
me.org/
 人口増加や環境悪化
などの現在の傾向が続
けば100年以内に地球
上の成長は限界に
環境問題に対する世界の取組みの歴史
ストックホルム会議~国連ナイロビ会議(1982)
 「行動計画」の勧告に
基づく国際環境条約の
発効

ワシントン条約
http://www.cites.org/

船舶の汚染の防止に
関する条約
ロンドン条約
http://www.londonco
nvention.org/


遺産保護に関する条
約
Buddhist Monuments in the
Horyu-ji Area (1993)
環境問題に対する世界の取組みの歴史
ストックホルム会議~国連ナイロビ会議(1982)
 西暦2000年の地球(1980)
 アメリカ合衆国政府特別調査報告
 厳しい結論(成長の限界と比べ)


人口増加が大きな要因となってさ
まざまな環境悪化が予測
世界の環境政策が変わらなけれ
ば地球上の土地、水、大気に大き
な変化
環境問題に対する世界の取組みの歴史
国連ナイロビ会議(1982)
 1982年5月
 ナイロビ宣言(ストックホルム会議の成果のまとめ)
 「行動計画」の結果は不満足



環境保全の長期的価値の洞察と理解が不十分
環境保全の方法と努力が不適切
など
環境問題に対する世界の取組みの歴史
国連ナイロビ会議~地球サミット(1992)
 環境と開発に関する世界委員会(1984)

ブラントラント委員会



報告書“Our Common Future”(邦題
『地球の未来を守るために』)
「持続可能な開発」の概念



Brundtland Commission - formally the
World Commission on Environment
and Development (WCED)
将来世代のニーズを損なうことなく現在
の世代のニーズを満たすこと
持続的な発展のためには、環境の保全
が必要不可欠
地球サミットにおける「アジェンダ21」へ
環境問題に対する世界の取組みの歴史
国連ナイロビ会議~地球サミット(1992)
 オゾンホールの確認-1982

「オゾン層保護のための条約(ウィー
ン条約)-1985採択
 チェルノブイリ原子力発電所事故-
1986
 有害廃棄物の越境移動とその処分の
規制に関するバーゼル条約-1989
 タンカー「バルディーズ号」原油流出
事故-1989

「バルディーズ原則」:企業の環境問
題に対する責任の判断基準
宿題(5/30)
・有機リン酸系農薬の毒性(どんな
殺虫効果があるか? 現在使用
が禁止されている農薬についてな
ど)について調べる。
レポート用紙(A4で1枚程度)に記述し、
次回講義時に提出して下さい。
環境学
第8回目 (H23.6.6)
環境学HP
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/
~imai/kankyougaku/kankyougaku.html
環境問題に対する世界の取組みの歴史
地球サミット(1992)
 国連「環境と開発」会議
 地球サミットーリオ・デジャネイロ会議
 160カ国の代表+国連専門機関の代表=5000名
 民間団体(NGO)1200団体の参加
 リオ宣言と行動計画「アジェンダ21」
 「持続的な惑星の開発」「エコ産業革命」
 http://www.earthsummit.info/
リオ宣言
行動計画
「アジェンダ21」
環境問題に対するわが国の取組みの歴史(1)
 日本における資本主義の発達から
1887 年ごろからの足尾銅山の
鉱毒事件, 1897 年ごろからの
別子銅山の煙害事件など
 産業公害の激化
 WWII以降(1950年以降)
 水俣病、イタイイタイ病
 薬害被害
 1960年代
 有機リン酸系農薬の農民被害
 睡眠薬サリドマイドの副作用

環境問題に対するわが国の取組みの歴史
公害
 原因



企業が利潤追求のため環境保全や安全の
費用を節約
無計画なモータリゼーションや大量消費生
活様式の普及
国家 (自治体を含む) が環境保全の政策を
怠る
 現象

自然および生活環境の侵害であって,それ
によって人の健康障害または生活困難が
生ずる社会的災害
環境問題に対するわが国の取組みの歴史
四大公害1
 イタイイタイ病
 水俣病
 阿賀野川有機水銀中毒(新潟水俣病)
 四日市喘息
環境問題に対するわが国の取組みの歴史
四大公害2
 イタイイタイ病

富山県神通川流域の農村地区で,第 2 次世界大戦後
の数年間を中心に,主として更年期以降の経産婦がか
かったといわれる骨軟化症様の病気。全身の激痛を訴
えることから,この病名が通称として用いられるように
なった。 1955 年に河野稔らがこの病気を初めて学会に
報告し, 1968 年にはこの病気を神通川上流の三井金
属鉱業神岡鉱業所より排出されたカドミウムCd に起因
する公害病と認めた厚生省見解が発表された。
 水俣病
 阿賀野川有機水銀中毒(新潟水俣病)
 四日市喘息
環境問題に対するわが国の取組みの歴史
四大公害3
 イタイイタイ病
 水俣病

工場排水に含まれたメチル (有機) 水銀が海や川の魚
介類を汚染し,それを食べたヒトに発症したメチル水銀
中毒。熊本県水俣市で最初発見されたのでこのように
呼ばれている。公害病の代表的なものとして内外に有
名。 アセトアルデヒド製造工程で副生されたメチル水銀
が原因で,水俣の場合は,新日本窒素肥料 (のち,チッ
ソと改名) 水俣工場が汚染源であった。原因究明は
1959年7月,熊本大学医学部水俣病研究班によってな
されたが,政府がそれを正式に認定したのは1968年9
月であり,この遅滞が対策の遅れをもたらし,政府が正
式に解決策を提示したのは実に1995年12月であった。
 阿賀野川有機水銀中毒(新潟水俣病)
 四日市喘息
環境問題に対するわが国の取組みの歴史
四大公害4
 イタイイタイ病
 水俣病
 阿賀野川有機水銀中毒(新潟水俣病)

1965 年 6 月,新潟大学椿忠雄が新潟県下の阿賀野川下流流域に居住する漁民に水俣病
患者が集団的に発生していると公表した。原因は,河口から六十数km上流にある昭和電工
鹿瀬 (かのせ) 工場のアセトアルデヒド製造工程から流された排水中のメチル水銀化合物に
よるものであったが,昭和電工は,新潟地震の際,新潟港埠頭 (ふとう) 倉庫に保管されてい
た水銀農薬が津波に流され,信濃川から日本海に出,塩水くさびによって阿賀野川下流を汚
染したとして抗争したため, 1967 年 6 月,患者が昭和電工を被告とする日本初の本格的公
害裁判を提起した。 1971 年 9 月,新潟地方裁判所は,原告患者全面勝訴の判決をだし,こ
の裁判は確定した。患者とその支援団体は,引き続き昭和電工と直接交渉を行い, 1973 年
6 月,患者の要求をほぼ完全に認めた補償協定が締結され,新たな患者も救済された。しか
し,その後,国の水俣病認定基準が厳しくなり,水俣病認定申請を棄却される者が続出する
に及び,再び社会問題化していた。 1982 年 6 月,これら〈未認定患者〉は,新潟水俣病を引
き起こした根源的な責任は国にあるとして国をも被告とする国家賠償裁判を提起,その後
1995 年 12 月に和解が成立した。
 四日市喘息
環境問題に対するわが国の取組みの歴史
四大公害5
 イタイイタイ病
 水俣病
 阿賀野川有機水銀中毒(新潟水俣病)
 四日市喘息

三重県四日市市南部の塩浜地区を中
心に, 1960 年頃より主として中高年
以降の人々を中心として多発した喘
息性疾患。 1963 年に三重大医学部
の吉田克巳らが,この喘息性疾患の
多発が同地域での高濃度の硫黄酸化
物による大気汚染と強い疫学的関連
性があることを大気汚染研究協議会
(大気汚染学会) に発表して以来,四
日市喘息の名まえで広く全国に知ら
れるようになった。
環境問題に対するわが国の取組みの歴史(2)
 公害裁判
 70~80年代
 水俣病訴訟、イタイイタ
イ病訴訟、四日市公害
訴訟、など
 「列島改造論」
 工業発展と環境対策が
同時進行
環境問題に対するわが国の取組みの歴史
典型七公害








大気汚染
水質汚濁
騒音
振動
地盤沈下
悪臭の 6 典型公害
+土壌汚染
公害対策基本法、環境基本法で公害と
して定義
環境問題に対するわが国の取組みの歴史
公害対策
 公害対策基本法
公害対策に関する最も基本的な法律 (1967 年公
布)
 公害
 事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当
範囲にわたる大気汚染,水質汚濁等によって人の
健康,生活環境に被害が生ずる場合
 公害対策基本法にいう公害は,一般にいわれてい
る環境汚染より狭く,法律上限定されたもの
 国の施策
 現に公害が著しく,かつ,公害防止の総合的施策
を必要とする地域等につき,内閣総理大臣が関係
都道府県知事に対し, 公害防止計画の作成を指
示すること
 1993 年環境基本法制定に伴い,本法は廃止

環境問題に対するわが国の取組みの歴史
公害補償
 公害健康被害補償法
1969年公害に関わる健康被害の救済に関する特
別措置法(旧法)
 1973年(昭和49年)制定
 健康被害を第一種地域と第二種地域
 第一種地域




大気の汚染が生じ,その影響による疾病が多発してい
るが,汚染物質と健康被害との間に特異的な関係がな
く,被害者個々人について原因物質を特定することが
困難な疾病の多発した地域
四日市ぜんそく
第二種地域


大気の汚染または水質の汚濁が原因で,ある物質との
関係が一般的に明らかであり,かつその物質によらな
ければかかることがない疾病が多発している地域
水俣病、イタイイタイ病、慢性ヒ素中毒症
環境問題に対するわが国の取組みの歴史(3)
 大気汚染防止の技術、日本は世界最先端
 第2次オイルショック(1978年)による、生産のエネ
ルギー効率の改善、原料生産の効率改善、公害
防止の達成
 日本企業、海外で公害問題
 公害対策基準の二重基準
宿題(6/6)
・人為的地球温暖化説否定派(二酸
化炭素排出が主な温暖化原因で
はないとする科学者)について調
べる。
レポート用紙(A4で1枚程度)に記述し、
次回講義時に提出して下さい。
気候変動に関して
 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
 1988年11月国連環境計画と世界気象気
候の共催で発足
 地球温暖化問題に関する科学的知見、影
響、対応策などに関して行われた各研究
を収集、評価検討、広報
 気候変動枠組条約(1992)
 第3回気候変動枠組条約締約国会議
(1997)

京都議定書
 ヨハネスブルグ地球サミット(2002)

http://www.johannesburgsummit.
org/index.html
地球再生計画
 1990年ヒューストンサミットにて提唱
 産業革命以来200年かけて変化した地球を今後数十年
かけて再生する
 技術開発および技術移転による地球環境問題の解決
 技術による問題解決

環境保全、経済成長、エネルギーの安定供給
地球再生計画
参考文献
 環境問題の社会史
 飯島伸子著
 -- 有斐閣,2000.7. –
参考文献
 http://www.eic.or.jp/
 国立環境研究所の環境
情報案内・検索サイト
 EICネット。国立環境研究
所環境情報センターが提
供。環境情報やエコライ
フガイド、保全活動促進
情報等の紹介。
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