社会的ジレンマ 具体例とその弊害の恐怖 定義復習 • 1.一人一人の人間にとって「協力」か「非協力」か、 どちらかを選択できる。 • 2.一人一人の人間にとっては「協力」を選択する よりも「非協力」選択する方が望ましい結果が得 られる。 • 3.全員が自分にとって個人的な有利な「非協力」 を選択した場合の結果は、全員が「協力」選択し た場合の結果よりも悪いものになってしまう。 社会的ジレンマタイプ1: 共有地の悲劇型 産業革命以前の伝統的なイギリスの農村 共有の牧草地(コモンズ)を持っていた。 羊を放牧し、自給自足していた。 •羊毛の需要が急増 •産業革命 •利益のために各家で競って放牧。 •あまり多く放牧すると牧草が不足。 •共有地から最大利潤を上げるためには羊 の数を一定数に限定する必要がある。 例 村:100軒。一家に10頭の羊。1頭あたり1万円の利益 Aさん 1万円×10頭=10万円 1頭増やすと1頭あたりの利益が100円分だけ減少する。 9900円×11頭=10万8900円 8900円の増額! •定義の要件1・2を満たす。 •村全体で損益を計算すると •1頭増やす前 1万円×1000頭=1000万 •1頭増やした後 9900円×1001頭=990万9900円 •共有地全体では減収…(定義の要件3を 満たす) •村人は羊を増やすこと、そのままの頭数 を維持すること、どちらも選択できる。 •ひとり一人にとっては、羊を増やした方 が収入が上がる。 •しかし共有地全体では、羊を増やさない状 態がもっとも生産性が高い。 •もし村人の一部が「自分一人ぐらいが増 やしても大丈夫」と考えたら •各自が羊を増やす。 •羊がやせ始め、収入が落ちる。はじめ 羊を増やさなかった人々も自分の生活を 守るために羊を増やすしかない。 •共有地に牧草が生えなくなって、羊全滅! 同タイプの皆さんの例 •主に環境問題・共有スペースの掃除 •環境に配慮するも、しないも個人の 選択に任されている。 •ひとり一人は、環境に配慮しない生 き方の方がラク •しかし環境問題がおきれば、全体と して見れば、大変大きなコストがか かる(例:地球温暖化) 社会的ジレンマタイプ2 ホッケーヘルメット型 •あるホッケー選手がヘルメットをかぶら ないでプレー •人気が出る •みんな真似する。 •かぶらなくても人気がでなくなったば かりか、競技がキケンになった… ポイント •ひとりだけがやっていると効果が出 る。しかし皆がはじめると効果がない ばかりか、はじめる前よりも全体とし て不利益が生じている。 (定義の1・2・3を満たしている) 受験科目数 •優秀な受験生を確保したい •受験科目を減らすと多くの受験生が受 験してくれ、学生を選抜できるので、優秀 な学生を確保しやすい。 •他の大学もマネをすると、受験科目を 減らしても、学生が集まらない。 •学生が集まらないばかりか、科目を減 らしたことで受験生が勉強しなくなり、 全体の学力が低下 •不適切な例のポイント •定義の要件3を満たしていない。 例:個人のジレンマ 煙草を吸いたいが、肺がんになりたくない •定義の要件1を満たしていない。 そもそも選択権が個人にない 例:デフレスパイラル •『プラネテス』 •NHK BS2 •毎週土曜日朝08:05より放送中 •原作: 幸村 誠(講談社『モーニング』誌 にて不定期連載中) •この話に含まれる社会的ジレンマ問題を ピックアップしてください。 •現在の問題と対応してください。 •デブリ問題の社会的ジレンマ デブリ回収 誰かがやらなければならない。 衛星軌道上・航行ルート上にデブリすぐに回 収しなければ、直接に自社に被害~回収 緊急性低ければ自社が回収せずに他社の が回収してくれるのをまてば経費がかからない (半課~通常の課の半分の人員) ◎全体のことを考え、回収に積極的な企業 ~その分、経費がかさむ。本業(宇宙開発・旅 客・貨物・衛星管理・打ち上げ)の競争に負け る。全体のことを考え(協調したい)企業 も 非協調するしかない。
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