中級マクロ経済学 2011年度 担当:塩路悦朗 1 注意事項 • 授業中は携帯の電源を切ること。 • 飲んでも食べるな。 2 授業の目的 • 経済学の知識を要する職業につく者を念頭 に置き、彼らが最新の経済学の考え方を理 解して職に当たることができるようになること を主眼とする。 • 易しくはない、難しい。 3 参考書 この授業に特定の教科書はない。参考書は • 宮尾龍蔵『コア・テキスト マクロ経済学』新世社 • オリビエ・ブランシャール『ブランシャール マクロ経 済学』東洋経済 • サックス、ラレーン『マクロエコノミクス』東洋経済 • 齊藤他『マクロ経済学』有斐閣 4 連絡事項 • 成績は中間・期末試験による。 • TAはいない。 • オフィスアワーは今のところ火曜日昼休みに 設定している。そのうち変更する予定。 • オフィスは第2研究館の208号室。 • 5月28日(土、振替)休講予定 5 • この授業のホームページは http://www.econ.hit-u.ac.jp/~shioji/ からアクセスできる。 • 講義資料もアップするが、重要なところが空 白になっている「穴埋め式」ノートである。 • 昨年度全資料をアップ済み、必要に応じ改訂。 • 講義概要は次ページのとおり 6 0. 基礎的なマクロ経済学の復習 I. 経済成長 II. 家計と企業の行動 II-1. 消費 II-2. 投資 II-3. 労働市場 II-4. 貨幣需要 III. 景気変動と経済政策 III-1. 実物的景気循環理論入門 III-2. 技術水準と日本の景気循環 III-3. 伸縮価格モデルにおける貨幣と物価 III-4. 物価水準と実体経済 III-5. ニューケインジアンのマクロ経済学と金融政策 III-6. 金融市場の役割 III-7. 経済政策 IV. 開放経済 IV-1. 経常収支 IV-2. 為替レート IV-3. 変動為替レート制のもとでの経済政策 IV-4. 固定為替レート制のもとでの経済政策 IV-5. 最適通貨圏の議論 7 0. 基礎的なマクロ経済学の復習 8 2つのモデル • 「長期」または「古典派」 • 「短期」または「ケインズ派」 • どちらもモデルの「部品」は同じ、価格の役割 についての仮定が違うだけ。 9 財市場 • 総供給 • 総需要 10 貨幣市場 • 貨幣供給 • 貨幣需要 11 「長期」または「古典派」 • 仮定:全ての価格は伸縮的(flexible)であり全て の市場は常に古典派の意味での均衡にある。 12 長期の理論は以下の3式からなる 13 長期の図解(比較静学は黒板で) r Y 14 「短期」または「ケインズ派」 • 仮定:名目価格の硬直性。総生産は総需要 で決まる。 15 短期の理論は以下の3式からなる 16 短期の図解(比較静学は黒板で) r Y 17 何が足りないのか? ① 消費者:将来のことを考えて現在の消費を 決定しているはずではないか。 ② 企業:投資をするのは将来のことを考えて、 のはずなのに、将来何が起きるかがモデル 化されていない。 ③ 貨幣需要:取引に便利だから貨幣を用いる、 のであれば、(実質)貨幣の量に取引も依存す るはずではないか。 18 何が足りないのか?続き ④ 価格設定:短期的には、たとえばいくらMを 増やしてもPは固定されているのか?!いく らでもYを増やせるのか。 ⑤ 政策効果:政府が現在何をするかだけでなく、 将来何をするかも重要なのではないか。 ⑥ 生産性:本当に短期的には何も効果を持た ないのか。将来の生産性上昇の予想は現時 点で何か効果をもたらさないのか。 ⑦ 金融市場:銀行は出てこない? 19 何が必要なのか • 家計や企業が将来のことを考えながら現在 の行動を決定するモデル • したがって、時間の流れのあるモデル(動学 モデル) • 人々は将来の政策や生産性についても予想 を立てつつ現在の行動を決定するので、それ らが現在の均衡にも影響する。 • 金融市場の役割を明示的に取り入れる。 20
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