消費者の行動 - 日本大学経済学部

第2章 GDPの決定
経済成長
日本を含む多くの国のGDPは拡大を続けている。
GDP成長率は一定の値ではなく,景気循環が見られる。
GDP成長率が高い状態を好況,逆にGDP成長率が低く極端な
%
場合マイナスの状態を不況といい,好況と不況が繰り返すことを景
日 本 の 実 質 GDP 成 長 率
15
気循環という。
10
5
0
-5
データ: 『新版 日本長期統計総覧』 総務省統計局研修,(財)日本統計協会編集・発行,2006。
マクロ経済学(Ⅰ)
2000
1995
1990
1985
1980
1975
1970
1965
1960
1955
1950
1945
1940
1935
1930
1925
1920
1915
1910
1905
1900
1895
1890
1885
-10
1
マクロ経済学体系のフローチャート
第2章
財 市 場
(IS曲線)
第3章
海外部門
第4章
IS・LM
モデル
総需要
曲 線
所 得 と
物価水準
の 決 定
貨幣市場
(LM曲線)
労
市
働
場
総供給
曲 線
インフレと
失業の分析
経済成長
理
論
2
マクロ経済学(Ⅰ)
第2章 GDPの決定
有効需要の原理―需要が生産を決定する
ケインズ経済学の主張(いわゆる有効需要原理):
現実の生産水準GDPが需要の大きさによって決定される。ケインズの
『雇用・利子および貨幣の一般理論』の中で,自分の考え方を論じている。
企業がある水準で生産を行っているのは,それ以上生産しても製品が
売れないからだ。もし需要が増大してより多くの製品が売れるようになれ
ば,企業はそれと並行して生産を増大させる。
ジョン・メイナード・ケインズ(John Maynard Keynes, 1883年6
月5日-1946年4月21日)イギリス生まれ,二十世紀学問史にお
いて最重要人物の一人とされる。経済学者,ジャーナリスト,思
想家,投資家,官僚として知られている。『雇用・利子および貨
幣の一般理論』(1935年-1936年)は有効需要の原理を基礎とし
て,有効需要の不足に基づく非自発的な失業の原因を論じた。
3
マクロ経済学(Ⅰ)
第2章 GDPの決定
有効需要の原理―需要が生産を決定する
ケインズ以前の経済学の主張(すなわち新古典派):
完全競争の下では,すべての財の価格は市場できまっており,企業にとって
は変えることのできない与件である。消費者・企業などすべての経済主体は,市
場で決まる価格のみを指針として行動する。
企業は限界費用が市場価格
に等しくなるような生産水準を
決定する。(ミクロ経済学の企
業の理論:企業の利潤最大化
行動)
価格,費用
しかし,ケインズ経済学では 市場価格
それを例外とみなし,全く異なる
状況を想定し,需要面での制約
を重視する。(ミクロ経済学で不
完全競争の状態)
0
マクロ経済学(Ⅰ)
限界費用曲線
(個別需要曲線)
最適生産水準
生産量
4
第2章 GDPの決定
有効需要の原理―需要が生産を決定する
ケインズ経済学の想定:
不完全競争の下では,企業はある程度の価格支配力を持っている。完全競
争の場合と異なり,製品価格は企業にとって所与ではなく,自ら戦略的に選択す
べき変数である。
企業は限界費用が限界収入に
「需要こそが生産水準を決定する」という
価格,費用
個別需要
個別需要
等しくなるような生産水準と価格 有効需要原理は,1つの企業だけでなく,マ
曲線2
曲線1
を決定する。(ミクロ経済学の企 最適
クロ経済全体についても当てはまる。一国
価格
業の理論:企業の利潤最大化行 全体の総需要が国内総生産すなわちGDP
動)。(右図では限界費用が一定 を決定するのである。
を仮定している状態)
これは「生産水準を決めるのが
需要である」とする有効需要の原
理の背後に想定されている企業
行動である。
マクロ経済学(Ⅰ)
限界費用曲線
限界収入1
限界収入2
0 最適生産水準1 最適生産水準2 生産量
5
第2章 GDPの決定
消費関数
2000年の日本の名目GDP(総需要)512.6兆円のうち,家計の消費支
出286.8兆円(構成比56%),民間設備・住宅投資の計98.6兆円(構成比
19%)となっている。民間の消費と投資は日本経済の総需要の3/4を占め
ている。
%
マクロ経済学(Ⅰ)
民間投資
国民可処分所得
データ: 『新版 日本長期統計総覧』 総務省統計局研修,(財)日本統計協会編集・発行,2006。
2000
1995
1990
1985
1980
1975
1970
1965
1960
家計最終消費支出
1955
家 計 に よ る 消 50
費は所得とかな 40
り安定的な関係
30
を持つ。
投 資 は 不 安 定 20
である。
10
ケインズは消
費を決めるもっと 0
も重要な変数は -10
所得であると考
えた。
6
消費関数
ケインズは消費を決めるもっとも重要な変数は所得であると考えた。
この関係を消費関数(consumption function)
線形消費関数: C= C0+cY
(C0 > 0, 0 < c < 1 )
限界消費性向(marginal propensity to consume,略MPC):
消費の変化DCを所得の変化DYで割った比率DC/DYである。 DC/DY=c
所得Yの増加につれて,消費C
も増加すると考えられる。しかし所
得の一部は貯蓄に回されるので,
消費の増加は所得の増加より小さ
い。限界消費性向cは1より小さい
正数である。
C
C=C0+cY
消費関数
限界消費性向
MPC =c
所得Yがゼロの場合でも消費 C0
するので,基礎消費 C0 は正である。
0
マクロ経済学(Ⅰ)
Y
7
消費関数
ケインズは消費を決めるもっとも重要な変数は所得であると考えた。
この関係を消費関数(consumption function)
線形消費関数: C= C0+cY
(C0 > 0, 0 < c < 1 )
限界消費性向(marginal propensity to consume,略MPC):
消費の変化DCを所得の変化DYで割った比率DC/DYである。 DC/DY=c
平均消費性向(average propensity to C
consumer,略APC):
C=C0+cY
消費関数
所得Yのうち消費Cの割合である。C/Y
限界貯蓄性向(marginal propensity to
save,略MPS):
貯蓄の変化DSを所得の変化DYで割った
比率DS/DYである。 DS/DY=s=1-c
限界消費性向
MPC =c
平均貯蓄性向(average propensity to
C0
save,略APS):
所得Yのうち貯蓄Sの割合である。S/Y
マクロ経済学(Ⅰ)
0
平均消費性向APC =C/Y
Y
8
会計上の恒等式と経済理論の均衡式
経済学:需要と供給が一致する時に,市場の均衡と考えている。
会計学:市場が均衡しているか否かにはとらわれず,ともかく実際
に生じた取引を事後的に記録する。
リンゴ市場の例
リンゴの需要曲線:
ある価格水準で,これだけのリンゴを
購入したいという消費者の「願望」を表す
ものである。
リンゴ
の価格
需要曲線
供給曲線
100円
リンゴの供給曲線:
ある価格水準で,これだけのリンゴを
供給したいという農家の「願望」を表すも
50円
のである。
0
マクロ経済学(Ⅰ)
10
20
30 リ ン ゴ
9
の個数
会計上の恒等式と経済理論の均衡式
経済学:需要と供給が一致する時に,市場の均衡と考えている。
会計学:市場が均衡しているか否かにはとらわれず,ともかく実際
に生じた取引を事後的に記録する。
リンゴ市場の例
リンゴ
リンゴの価格が100円/個のときにのみ, の価格
需要量と供給量がともに20個となり,経
済学ではこれを市場の均衡状態と考え
ている。(E点)
しかし,市場価格が常に100円/個とは
100円
限りない。
もし≠100円/個のとき,
経済学から見て:市場均衡していない
50円
0
マクロ経済学(Ⅰ)
需要曲線
供給曲線
E
10
20
30 リ ン ゴ
10
の個数
会計上の恒等式と経済理論の均衡式
経済学:需要と供給が一致する時に,市場の均衡と考えている。
会計学:市場が均衡しているか否かにはとらわれず,ともかく実際
に生じた取引を事後的に記録する。
リンゴ市場の例
もし≠100円/個のとき,
経済学から見て:市場均衡していない
リンゴ
の価格
需要曲線
会計学から見て:統計記録
① 例えば,市場価格=50円のとき,
供給(生産)=10個,
100円
需要(支出)=30個
もし30個のリンゴが取引されたら,
供給(生産)=需要(支出)-在庫品増加 50円
10個×50円=30×50円-20×50円
500円=500円
0
マクロ経済学(Ⅰ)
供給曲線
E
10
20
30 リ ン ゴ
11
の個数
会計上の恒等式と経済理論の均衡式
経済学:需要と供給が一致する時に,市場の均衡と考えている。
会計学:市場が均衡しているか否かにはとらわれず,ともかく実際
に生じた取引を事後的に記録する。
市場が均衡していようといまいと,会計上需要と供給は必ず等
リンゴ市場の例
リンゴ
しくなるのである。
の価格
もし≠100円/個のとき,
需要曲線
経済学から見て:市場均衡していない
会計学から見て:統計記録
150円
② 例えば,市場価格=150円のとき,
供給(生産)=30個,
100円
需要(支出)=10個
もし10個のリンゴが取引されたら,
供給(生産)=需要(支出)+在庫品増加 50円
30個×150円=10×150円+20×150円
4500円=4500円
0
マクロ経済学(Ⅰ)
供給曲線
E
10
20
30 リ ン ゴ
12
の個数
会計上の恒等式と経済理論の均衡式
売残り扱いと「三面等価」
国民所得統計における総供給と総需要は「約束事」によって常に
等しくしただけであり,統計上の総供給と総需要が一致しているから
といって,現実の経済が「均衡状態」すなわち生産された商品がす
べて計画通りに売れる状態にあるわけではないのである。
国民経済計算においては,消費財と投資財の区別があくまで便宜
的なものであり,消費財の売れ残りが生じた場合,それが追加的な
在庫品になり,たちまち投資財として扱われ,投資項目の中で在庫
品増加(在庫投資ともいい)として計上される。
しかし,その在庫品増加は一般の計画通りの投資のような「意図
した投資」と違って,計画外の出来事である。この部分は「意図せざ
る」在庫品増加であることを留意すべきであろう。
13
マクロ経済学(Ⅰ)
財市場におけるマクロの需給均衡とGDPの決定
国民経済計算の支出面から見ると,支出(需要Y)項目は消費C,
投資I,政府支出G,輸出Xと輸入Mがある。
Y=C+I+G+(X-M)
ケインズの有効需要原理をより分かりやすくに説明するために,
ここで,まず政府支出G,および輸出Xと輸入Mを無視することに
する。
Y=C+I
支出面
民間消費(C )
民間投資(I )
政府支出(G ) 純輸出(X-M)
分配面
雇用者報酬
営業余剰・混合所得
固定資本減耗
間接税
(控除)補助金
生産面
付加価値総額 (Y )= 産出総額 - 中間投入総額
14
マクロ経済学(Ⅰ)
財市場におけるマクロの需給均衡とGDPの決定
国民経済計算の支出面から見ると,支出(需要Y)項目は消費C,
投資I,政府支出G,輸出Xと輸入Mがある。
Y=C+I+G+(X-M)
ケインズの有効需要原理をより分かりやすくに説明するために,
ここで,まず政府支出G,および輸出Xと輸入Mを無視することに
する。
総供給
Y=C+I
総需要
有効需要原理は財市場がマクロ的に均衡equilibriumするよう
ケインズは消費を決めるもっとも重要な変数は所得であると考えた。
なYの水準に決まることを主張する。
この関係を消費関数(consumption function)
投資Iは消費Cと比べてはるかに不安定である。この投資の決
線形消費関数: C= C0+cY
(C0 > 0, 0 < c < 1 )
定要因については,4章と8章で学ぶことにして,ここではとりあえ
ず投資がある水準に決まったとして話を進めることにする。
15
マクロ経済学(Ⅰ)
財市場におけるマクロの需給均衡とGDPの決定
Y=C+I
C=C0+cY
(C0 > 0, 0 < c < 1 )
Y=C0+cY+I
Y*=(C0+I)/(1-c)= (C0+I)/s
Y*は財市場が均衡におけるYの
水準である。
C+I=YD
C+I
C=C0+cY
E
総
需
要
I
C0
45°
0
Y*
Y
16
マクロ経済学(Ⅰ)
財市場におけるマクロの需給均衡とGDPの決定
Y=C+I
C=C0+cY
(C0 > 0, 0 < c < 1 )
Y=C0+cY+I
Y*=(C0+I)/(1-c)= (C0+I)/s
C+I
仮に, Y = Y1 , Y1 > Y* ときに,
総
Y1 > YD
需
総供給 > 総需要
要
超過供給が発生する
そのとき生産された財のすべてが販
売されることなく,企業部門の「意図せざる」
在庫品の増加を招き,企業は設備の操業度
を落とし,労働雇用量を削減し,産出と所得
Yが左へ低下する。
この低下傾向は超過供給が解消する
0
まで持続する。
マクロ経済学(Ⅰ)
C+I =YD
超過供給
E
45°
Y*
Y1
Y
17
財市場におけるマクロの需給均衡とGDPの決定
* に等しくなくても,常にY* に近づこうとする力
Y=C+I
このように,YがY
C=C0+cY
(C0 >*は安定(stable)である
0, 0 < c < 1 )
が働いているのである。このことを均衡Y
という。
Y=C0+cY+I
Y*=(C0+I)/(1-c)= (C0+I)/s C+I =YD
C+I
逆に, Y = Y0 , Y0 < Y* ときに,
総
Y0 < YD
超過需要
需
総供給 < 総需要
要
超過需要が発生する
そのとき生産された財のすべてが販
売され,企業部門の「意図せざる」在庫品の
減少を招き,企業は設備の操業度を高め,
労働雇用量を増加させることで,産出と所得
Yが右へ増大する。
45°
この増大傾向は超過需要が解消する
0
まで持続する。
マクロ経済学(Ⅰ)
E
Y0
Y*
Y
18
財市場におけるマクロの需給均衡とGDPの決定
Y=C+I
C=C0+cY
(C0 > 0, 0 < c < 1 )
Y=C0+cY+I
Y*=(C0+I)/(1-c)= (C0+I)/s
財市場のマクロ的均衡: 総供給=総需要
Y=C+I
↓
貯蓄・投資均等式:
Y-C =I
S=I
貯蓄=投資
19
マクロ経済学(Ⅰ)
財市場におけるマクロの需給均衡とGDPの決定
数値例(1)
消費関数: C=50兆円+0.8Y
投 資: I=50兆円
C+I
そのときの均衡国民所得の計算:
Y*=C+I
Y*=50+0.8Y*+50
Y*=100/(1-0.8)=500兆円
C+I
あるいは
Y*=(C0+I)/(1-c)
=(50+50)/(1-0.8)=500兆円
I
50兆円
0
C=50兆円+0.8Y
Y
45°
Y*=500
Y
20
マクロ経済学(Ⅰ)
乗数
財市場を均衡させるGDP水準:
Y*=(C0+I)/(1-c)= (C0+I)/s
限界貯蓄性向sが一定である限り,均衡GDP水準Y*の変動は自
律的需要C0 +Iの変動によって引き起こされる。ケインズは,資本
主義経済において景気循環(Yの変動)を生み出すもっとも重要な
原因は投資Iの変動であると考えた。
投資の変動DIによって,引き起こされるGDPの変動はDYであれ
ば,DYのDIの倍数を乗数multiplierという。
投資の変動=DI のとき,
GDPの変動=DY=Y*'-Y*
=(C0+I+DI)/s-(C0+I)/s=DI/s
∴ DY/DI=1/s > 1
投資乗数DY/DIは限界貯蓄性向sの逆数である。
マクロ経済学(Ⅰ)
21
乗数
乗数の波及メカニズム
例えば,総需要は投資が DI を増加することによって増えた場合
Y
C,C+I
I
初期需要増
ーーーーーー
需要増DI
↓
生産増DI
↓
所得増DI
ーーーーーー
↓
貯蓄(1-c)DI
2次派生需要 3次派生需要
ーーーーーー ーーーーーー
需要増c2DI
需要増cDI
DI
↓
↓
生産増c2DI
生産増cDI
↓
↓
所得増c2DI
所得増cDI
ーーーーーー ーーーーーー
↓
↓
貯蓄(1-c)cDI 貯蓄(1-c)c2DI 0
E'
E
c<1
45°
Y**
Y*
DY
マクロ経済学(Ⅰ)
Y
22
乗数
乗数の波及メカニズム
例えば,総需要は投資が DI を増加することによって増えた場合
波及乗数:
2
D
Y

D
I

c
D
I

c
DI  E'
C, I
C+I
総需要増分の合計
cDY
ーーーーーーーーーー
初期需要増DI
DY  cDY
+
2次派生需要増cDI
(1  c)DY
DI
+
3次派生需要増c2DI
DY
+
:
:
ーーーーーーーーーー
=DI+cDI+c2DI+・・・・・・=DI / (1-c)
0
=DY
 cDI  c 2 DI  c 3 DI  
 DI
 DI
DI c < 1DI


1 c
s
B
E
45°
Y**
Y*
DY
マクロ経済学(Ⅰ)
Y
Y
23
乗数
数値例(2)
C+I+DI
消費関数: C=50兆円+0.8Y
投 資: I=50兆円
そのときの均衡国民所得:
Y*=(C0+I)/(1-c)
=(50+50)/(1-0.8)=500兆円
投資乗数:
DY/DI=1/s=1/(1-c)
=1/(1-0.8)=5倍
C+I
DI=10
C0+I=100
投資需要が10兆円増える場合:
DI=10兆円
DY=(1/s)DI=5×10兆円=50兆円
0
つまり ,10兆円の投資需要の増加に
よって,50兆円のGDPの増加を引き起こ
されることになる。
Y
C+I
c=0.8
45°
500 550
Y
DY=50
24
マクロ経済学(Ⅰ)
乗数
数値例(2)
C+I+DI
投資需要が10兆円増える場合:
有効需要の増加=初期需要増+2次派生需要+3次派生需要+4次派生需要+
・・・
DI=10兆円
DY = 10兆円 +
8兆円 + 6.4兆円 + C+I
5.12兆円 + ・・・
DY=(1/s)DI=5×10兆円=50兆円
= 50兆円
Y
C+I
初期需要増 2次派生需要
ーーーーーー ーーーーーー
需要増DI=10 需要増cDI=8
↓
↓
生産増DI=10 生産増cDI=8
↓
↓
所得増DI=10 所得増cDI=8
ーーーーーー ーーーーーー
↓
↓
貯蓄(1-c)DI 貯蓄(1-c)cDI
=1.6
=2
3次派生需要
ーーーーーー
需要増c2DI=6.4
DI=10
c=0.8
↓
生産増c2DI=6.4
↓ C0+I=100
所得増c2DI=6.4
45°
ーーーーーー
0
↓
貯蓄(1-c)c2DI
4次派生需要
=1.28
ーーーーーー
500 550
Y
DY=50
需要増=5.12
25
マクロ経済学(Ⅰ)
貯蓄とGDP
財市場を均衡させるGDP水準:
Y*=(C0+I)/(1-c)= (C0+I)/s
節約のパラドックス
限界貯蓄性向sが上昇すると,貯蓄が増えるが,限界消費性向c
が小さくなり,派生需要や乗数も小さくなり,GDP水準Y*は下落す
る。
Y
C+I
ミクロ的に見ると,人々の貯蓄行
動がその人の所得に影響しないが,
マクロ的見ると,個人の貯蓄行動は
貯蓄Sを増加させ,限界貯蓄性向s
が上昇し,GDP(経済全体の所得)
水準を下落させる。 (合成の誤謬)
45°
0
Y*'
Y*
Y
26
マクロ経済学(Ⅰ)