バンドの絵 格子なしの場合 E 格子があると、ゾーン境界で ギャップができる。 E このエネルギーは とれない 0 0 -1 -π/a 0 k π/a 0 0 k E∝k2(自由電子)のグラフで、 ブリルアンゾーンに全部折り返した 1 バンドの絵:もっと模式的に描くと E E 第3バンド 第2バンド 第1バンド 0 0 k k バンドへの電子の詰まり方により、 金属、半導体、絶縁体の性質を持つ。 2 絶縁体、半導体、金属 E 絶縁体 E 半導体 E 電子 k ホール k 金属 電子が1つのバンドを 満たしてない。 k 余分な電子がない。 下のバンドに電子が足りない。 ホールがある。 実際のバンドはもっと複雑。 半導体は他にも種類がある。 3 ここから、 磁性体、統計力学の復習 4 磁性 原子の持つ磁気モーメントにより、 物質が磁性を示す。 例 磁気モーメントの方向が揃うと 強い磁性を示す 磁気モーメントの方向がランダムだと、 磁性は弱くなる。 5 なぜ原子は磁気モーメントを持つか? 古典的に考えると、電荷が円運動すれば、 磁気モーメントを持つ。 -B 磁気モーメント=定数 e B 2mc x 軌道角運動量 ボーア磁子 スピンも磁気モーメントを持つ -2B s 6 磁性を議論する時の基本的な量 H:磁場 (外からかける) M:磁化 χ:帯磁率 F MH F: ヘルムホルツの 自由エネルギー M H 7 いろいろな磁性体:常磁性(paramagnetic) 常磁性:磁場Hをかけると、磁化Mが磁場の方向を向く。 H=0で、磁化M=0. 隣同士の磁気モーメントの相互作用が弱い。 χ=C/T キュリーの法則。 H 磁場なし 磁場あり 8 いろいろな磁性体 強磁性(ferromagnetic):磁場がゼロでも、全体の磁化が残る。 (ヒステリシス現象) Fe,Co, Niなど。 隣同士の磁気モーメントの相互作用が強い。 強磁性 フェリ磁性 C T TC 反強磁性 (anti-ferromagnetic) T>Tcで常磁性 T<Tcで強磁性 キュリー・ワイスの法則 高温では、常磁性になる。(H=0で、M=0) 9 常磁性体の簡単なモデル: 独立な磁気モーメントの場合 磁場Hの方向に、gμBm (m=J, J-1, ..., -J)の 磁気モーメントが単位体積中にn個ある。 異なる磁気モーメントは独立とする。 問題1:この系のエネルギーEを書け。 問題2:この系の分配関数Zを書け。 問題3:磁化Mを求めよ。 磁場Hが小さい時の関数形を書け。 磁場Hが大きい時はどうなるか? 問題4:磁場Hが小さい時、 帯磁率χの温度依存性が、 χ=C/Tであることを示せ。 10 解答 分配関数とは。 E Z exp( ) kT 全ての状態 磁場Hの方向に、gμBm (m=J, J-1, ..., -J)の磁気モーメントが 単位体積中にn個ある。異なる磁気モーメントは独立とする。 問題1:この系のエネルギーE(n個の磁気モーメント gμBmi, i=1,...n を使って書く。) n E g B H mi i 1 11 解答続き 問題2:この系の分配関数Zを書け。 J J J E g B H n Z exp( ) .. exp( mi ) kT kT i 1 全ての状態 m1 J m2 J mn J g B H a kT Z とおくと、 J J m1 J m2 J J n ... exp(a mi ) mn J i 1 J J m1 J m2 J 1 n sinh( J )a J 2 exp(am) a m J sinh 2 J ... n exp(am ) mn J i 1 i n 12 統計力学の復習 カノニカル分布 (T, V, Nが一定) の場合を考える。 ボルツマン因子 温度Tが一定の時、エネルギーEをとる確率は、 E ボルツマン因子 に比例する。 exp( kT 分配関数 Z 全ての状態 exp( E kT ) ) 高温では、どのエネルギーも 同程度の確率(等分配則) 低温では、低いエネルギーの 状態が確率が高い。 なぜ分配関数を考えるか? ・いろいろな量の平均を出す時の、 規格化因子(分母)になる。 ・物理量がZから出てくる。(微分する。) 13
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