ベイズ的ロジスティックモデル に関する研究 畜産経営管理学講座 統計研究室 松原 慶尚 1 目次 目的 伝統的ロジスティックモデル ベイズ的ロジスティックモデル 応用例 1. 2. 3. 4. – – データ 考察 5. まとめと課題 2 1. 目的 • 伝統的ロジスティックモデルの拡張 • 実際例(尿路感染症データ)への適用・考察 3 2.伝統的ロジスティックモデル • • Y 1 x exp g x px (1) 1 exp g x 説明変数 x とパラメータ の関係 g ( x) x x x である確率 p 0 1 1 2 2 q q (2 ) 4 オッズ比の推定 オッズ比 (odds ratio) exp 5 最尤推定法 • 対数尤度関数 L n j1, x J j 1 y log 1 p x j (3) j を で偏微分して=0とおいた連立方程 式の解が最尤推定値 6 最尤推定法の限界 • 標本数が小さい場合 • アンバランスなデザインの場合 • データ以外の情報が存在する場合 最尤推定値の信憑性が欠ける 7 3.ベイズ的ロジスティックモデル • パラメータ p を確率変数とみなす • p は共役分布としてのBeta分布に従う • p の密度関数 j j j 1 B , • 1 1 p 1 p j j 、0 p j 1 (7 は未知のハイパー・パラメータで、 1 ) 8 推定法 • 事後対数尤度関数 p y log 1 l n p j 1 j j n j y j 1 log 1 p (9 ) j を最大にするものを推定量として用いる 9 4.応用例 • リスクファクターの特定と分類が目的 • オッズ比 exp の変化について考察を 行う • の値を変えるということは、事前情報の 量を変える、ということである 10 表1:尿路感染症データ A 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 B 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 C 0 1 1 1 1 1 0 0 0 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 1 1 D 0 0 0 1 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 1 1 0 0 0 1 E 1 0 1 0 1 1 0 0 1 0 0 1 0 1 0 1 1 0 1 1 0 1 0 1 F 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 y 1 14 3 10 12 1 44 3 0 15 1 2 7 3 2 1 1 1 0 1 5 0 3 0 n 2 16 4 18 30 1 86 3 1 16 1 2 12 9 2 1 1 3 4 1 19 1 4 2 A B C D E F 年齢(24以下) 経口避妊薬 コンドーム 滑剤付きコンドーム 殺精剤 隔膜 y 発症者数 n 観測者数 11 exp ˆ 2 0.929 0.9285 0.928 0.9275 1.2 1.4 1.6 1.8 2 0.9265 図1: 全モデルでのBに対するオッズ比 12 1.08 1.07 1.06 1.05 1.04 1.2 1.4 1.6 1.8 2 図2:DとFを除外した場合のBに対するオッズ比 13 0.24 0.24 0.22 1.2 1.4 1.6 1.8 1.2 2 0.18 0.18 0.16 0.16 0.14 0.14 0.12 0.12 図3:Bを除外した場合のDに対 するオッズ比 0.22 1.4 1.6 1.8 2 図4:全モデルでのDに対する オッズ比 14 25 11 10 20 9 15 8 10 7 6 1.2 1.4 1.6 1.8 図5:Bを除外した場合のCに対 するオッズ比 2 5 1.2 1.4 1.6 1.8 2 図6:Bを除外した場合のFに 対するオッズ比 15 0.56 0.54 1.2 0.52 1.2 1.4 1.6 1.8 0.68 2 0.66 1.4 1.6 1.8 2 0.48 0.46 図7:Bを除外した場合のEに対 するオッズ比 0.64 図8:BとCを除外した場合のE に対するオッズ比 16 考察 • コンドームと隔膜においては尿路感染症 のリスクファクターとして非常に高い関連 性がある • 経口避妊薬は尿路感染症にほとんど関 連性はない 17 5.まとめ • 以上、ロジスティックモデルの拡張として、 ベイズの定理を導入したベイズ的ロジス ティックモデルの有効性を確認した 18 課題 事前分布の想定を含む最適ベイズモデル の選択が重要な問題 交差確認法や一般化情報量規準を用い て最適モデルを発見する 19
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