第6章 標本分布 母集団と標本:基本概念 母集団パラメーターと標本統計量 標本比率の標本分布 基本概念 母集団:無限母集団、有限母集団 標本(Sample) 標本調査(Sample Survey) 単純無作為抽出 (Simple Random Sampling) IIDデータ: n個のXがなるべく独立的、同一分布 Independently and Identically Distributed 母集団特性値と標本変動 母集団特性値(Population Parameter): 母集団のある一つの性質を表す数量 n:標本の大きさ(size) x:標本ごとに変化する変数(標本変動) 母集団特性値は一定であるのに対して 標本は変数である 標本統計量 標本統計量:母集団の特性値についての 推測のため標本から求められるもの 標本比率: pˆ x n 標本平均: x 標本分散: S 2 確率変数 標本分布 標本分布:標本統計量は確率変数であり、 ある確率分布を持っている。この標本統計 量の確率分布をその統計量の標本分布 (Sampling Distribution)という。 標本比率の標本分布の例 内閣支持率を仮に40%とする(p=0.4) 5人に聞く(n=5) 支持という回答の可能性が6の通り 5 x P( xi )5 Cx 0.4 0.6 x x pˆ P ( pˆ ) x pˆ n 0 1 2 3 0 0.2 0.4 0.6 0.078 0.2592 0.346 0.2304 4 5 0.8 1 0.0768 0.0102 標本比率の標本分布 二項分布の特性値 E( X ) np V ( X ) npq nが大きいとき、xの分布は近似的正規分布 である。Xの分布は近似的 N (np, npq) である。但し、 q 1 p 標本比率 x Pn 不偏推定量: x 1 1 E ( p) E ( ) E ( x) np p n n n 一致推定量: x 1 1 pq V ( p) v( ) 2 v( x) 2 npq n n n n まとめ 標本比率 p の標本分布はnが大きいとき pq ) である。従って 近似的に N ( p, n Z p p pq / n は、近似的にN(0,1)に従う。 練習問題 硬貨を10回投げたとき、表の出る比率の 標本分布を作れ、そして、その期待値と 分散を直接求め、 pq E ( p ) p, V ( p ) n となることを確かめよ。ただしP=1/2とする。 解答 X:表の出る回数、xが二項分布に従う。 二項分布: p( x)10 Cx 0.5x 0.510 x 表の出る比率: P x n 確率: P( P) P( x) である 表の出る比率の標本分布 X 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 P P ( P) 0.00 0.00 0.04 0.11 0.20 0.24 0.20 0.11 0.04 0.00 0.001 1 98 4 7 5 6 5 7 4 98 証明の結果 期待値 10 E ( pˆ ) pˆ P( pˆ ) 0 0.001 0.1 0.0098 0.5 p i 0 分散 10 V ( pˆ ) ( pˆ 0.5) 2 P( pˆ ) (0 0.5) 2 0.001 (0.1 0.5) 2 0.0098 0.025 i 0 pq n
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