確率モデル遺伝的アルゴリズム EHBSAにおける戦略、パラメータ の調査 1G01P0467 酒井大輔 1 背景と動機 • 厳密解を求めることの難しい問題について近似解を求める 手法の必要性が高まっている (例:データマイニング、生命情報学) • このような手法として遺伝的アルゴリズム(GA)がある。しか し従来のGAは直観性に欠け、その分広い範囲の応用が難 しい。またパラメータなどに直観性に欠け計算時間もかかる という問題がある。 • 生物の高い探索能力とコンピュータへ素直に実装可能な手 法として確率モデルGAに着目した • 実際への応用はほとんど研究されていないが、TSPについ ての解法であるEHBSAがあるのでそれを調べた。 2 確率モデルGA • 従来のGAは交叉と突然 変異を用いて子個体を生 成 • 確率モデルGAは集団の 個体分布を確率モデルで 近似し、それを基に子個 体を生成 • 従来のGAに比べ高い探 索能力が期待されている 初期集団の選択 確率モデル を基に次世 代の個体を 生成 遺伝オペレー タによって次 世代の個体 を生成 終了条件? 3 EHBSA(edge histogram based sampling algorithm) 1. 個体をランダムに生成する 2. 選択オペレータを用い、有望集団を作る 3. 有望集団からEHM(edge histogram matrix) を作成する 4. EHMを基に子個体をサンプリングする 5. 終了条件が満たされるまで2から5を繰り返 す 4 実装 • EHBSAアルゴリズムを複数の フェーズに分け、各フェーズご とにいくつかの戦略を選択でき るようにした。その際、計測を 効率的にするため、パラメータ の直積を計算し、それを基に 計測しグラフ化するユーティリ ティを作成した。 • プログラミング言語はOCaml を用い、MPIを使った並列化も 行った • ehbsawo, ehbsawt, mpiehbsawo, mpiehbsawt を実装 パラメータの基となるファイルを 手動で作成 直積を計算 計測 or グラフ化 5 集団数 集団の選択 ×4 templateの選択 sampling nodeの選択 送受信数 送信 受信 ×4、×4 カット数 ×3、×2 EHMの作成 ×2 局所的 改善手法 ×2 6 実験結果の例 70000 60000 50000 40000 戦略1 戦略2 戦略3 30000 20000 10000 0 0世代 50世代 100世代 戦略1:工夫なし 戦略2:EHMの重み付け、2opt 戦略3:戦略2のMPI版、送受信はエリート戦略 150世代 都市数:400 集団数:100 集団の選択法:エリート戦略 7 実験結果のまとめ • 初期集団の選択の戦略ではエリート戦略、トーナメ ント戦略が優れていて計算時間、解の精度共に同 程度の性能を示した • EHMの重み付け戦略は有効である • EHBSAWTでのカット数は増やすと世代交代にか かる時間は少なくなるが解の精度は悪化する • 集団数は都市数の4分の1程度が適切で、収束に は100世代程度かかる。これは都市の数に依存し ない • 送受信の戦略はエリート戦略が適切で、解の精度 が1.3倍から1.6倍程度向上した 外乱効果を増やすことで性能向上できる可能性 8
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