呼吸器系モニタリング

呼吸器系モニタリング
• 呼吸の「数値」を知ることではない
• たしかに呼吸していることのモニター
• パラメーターは?
• 私個人の考え方と方針
• 参考文献など
必要なのは数値ではない
• 酸素飽和度:90%あればまあ何とか
• Petco2 :とにかく曲線が出ていれば!
• 呼吸数:1分間5以上、40以下
• 呼吸が停止すると!
呼吸停止5分後の値
• PAo2 < 30 mmHg
• Pao2 < 30 mmHg 以下
– 心臓が動いていたとして
• Paco2 > 70 mmHg 以上
• その他もろもろの後遺症
• なければラッキー
「たしかに呼吸している」
をどう確認するか
• ”あらゆる条件で”は意外に困難
– 例:脊椎麻酔で伏臥位で部屋が暗い
• 標準はカプノグラフィだが
• 東大のやり方:現時点では薦められない
– 質量分析計の欠点
– 非連続
» 時間の遅れ
» それ以上に、「注意を払わない」
カプノグラフィ
• 質量分析計:時代遅れ、高価
– 数分前の記録は「昔の」こと
– だから無関心
• 赤外線分析:これが標準
–
–
–
–
廉価
完全に連続
実時間
麻酔医が注意を払う
カプノグラフィは万能か
• 普及度の問題
• 絶対の信頼がおけるか?
• 回路が閉じていない場合
– 脊椎麻酔・硬膜外麻酔の時は?
– 部分麻酔の呼吸モニターは未解決
脊椎麻酔・硬膜外麻酔の
呼吸モニター
• 麻酔レベルとの関係
• 併用する鎮痛薬・鎮静薬との関係
• 体位との関係、特に伏臥位
– マスクをどう当てる?
• 呼吸回路をどう使うか
• 脊麻後遅発性呼吸循環停止:カプラン
脊麻後遅発性呼吸循環停止
• 概念
• 頻度?
• 重要性:存在は?
• カプランの論文
– 日本でも裁判例には類似例が多い
カプノグラフがない条件
• パルスオキシメータは絶対に必要!
• 聴診器?(食道?胸壁?)
• 胸の動き?
• バッグの動き
• バッグの押し心地・押し加減
カプノグラフの補助
• 換気量とガス交換のモニター
– オキシグラム(情報あり?)
– パルスオキシメーター:絶対に必要
• 換気量モニター
• 換気数モニター:胸壁の動きでも
• 換気力学のモニター
– 気速流量
– 気道内圧と圧量曲線
• 吸入麻酔薬の曲線:別の情報
波形の意味と実時間の意味
• モニターは波形が原則
• 気道内CO2にもパルスオキシメーターにも
– 数字はアラームが鳴るまで見ない?
• 数秒の遅れは許す
• 数分の遅れは不可
– だから、スキャン式の質量分析は不可
個人的な方針
• パルスオキシメーターは全例
• 部分麻酔+鎮静・鎮痛薬は極微量
– どうしても必要なら呼吸のモニター
– たとえば吸入麻酔で補強
• バッグの動き、手の感触も無視しない
• 自発呼吸も場合によって使用
• 挿管用筋弛緩薬と筋弛緩用筋弛緩薬を
分ける。でもサクシンは?
未解決の問題
• Paco2 はいくつまで許すか
• 脊麻後遅発性呼吸循環停止
– メカニズム(呼吸が先?)、頻度
• 速効性の非脱分極性筋弛緩薬
– 欲しい筋弛緩薬はこれだけ!
研究のレベルでは
• 代謝のパラメーター
– 酸素と二酸化炭素
• その他の物質代謝:特に閉鎖系で
• 吸入麻酔薬のレベル:特に脳のレベル
の反映として
• 循環のパラメーターを捉えられないか
– できれば無侵襲だが
参考文献
• カプラン:ぜひ読んで下さい
– Anesthesiology 68:5-11. 1988.
• 島田先生の論文
– J Anesthesia 8:1-5. 1994.
– 脊椎麻酔でいかに事故が多いか
結 論
• 最低限
– パルスオキシメーター
– +バッグの動きかバッグを押すか
– +呼吸音
• 原則はカプノグラフ
• むずかしいのは、気道が開いていて
– カプノグラフの信頼度が低い時