時系列の予測 時系列:観測値を時刻の順に並べたものの集合 時系列モデルの予測(forecasting) –vs- 回帰分析の予 測(prediction) 時系列モデルの予測の場合、推定の基となるデータ の領域外にある系列の値を推測しようとする(外 挿) 経済時系列の回帰分析:“ラグ”つきの説明変数を伴 う場合 ランダム・ウォーク yt = yt - 1 + εt または yt - yt - 1 εt 時刻 t と t-1 における値の差がランダムな誤差 トレンドもパターンもない εt の平均は 0 yt+1 の予測値は yt とするのが最 適 時系列解析の基本的考え方 時系列規則的な動きをする部分と不規則な部分と に分けられる 規則的な動きをする部分は予測可能 規則的な動きをする部分 周期性を持つもの トレンド(長期的傾向)を持つもの 良い時系列モデル=規則的な動きをなるべく多く説明 できるモデル 経済時系列の分解(古典的考え方) 長期的変動(T) 長期に渡る基本的な変動 滑らかな動き(直線、または滑らかな曲線) 周期変動(C) 景気変動など 3~10年周期 Tを中心として上下動を繰り返すもの 季節変動(S) 1年周期で循環を繰り返すもの 不規則変動(I) 規則性を持たない変動 加法モデル 乗法モデル yt Tt Ct St It yt Tt Ct St It log yt logTt log Ct log St log It トレンドの分析 トレンド:時間を通じて安定的に増加、又は減少する傾向 直線的に増加、或いは減少する傾向がある場合 yt = α β t εt 曲線的傾向がある場合(非線形回帰) yt = et t log yt=log α β t log εt 成長曲線(ロジスティック曲線) yt A t y= log - t 1 e A yt t 移動平均法:型を仮定せずに時系列を滑らかにする方法 yˆt = yt k yt k 1 yt yt k 1 yt k 2k 1 差分法(トレンド除去が目的の場合) yt = yt yt 1 ロジスティック回帰(クロスセクションデータ) 従属変数が質的(二値)変数の場合 pi 1 1 e xi pi xi i ln 1 pi 誤差項の分散は不均一 正確な推定には加重最小二 乗法が必要 例)持ち家率を所得に回帰させる オッズ比 季節調整 季節変動:移動平均法によって取り除くことが可能 季節変動、経済外的な理由で発生 政策などでは管理できない 分析の前に除去する場合も センサス局法Ⅱ(X-12-ARIMA) 季節調整されたデータラグ(時間的遅れ)の構造、 解明できない 季節性のあるデータを用いた分析 四半期データの場合 ダミー変数法1 yt α β0 xt β1Q1 β2Q2 β3Q3 εt Qi : 第i四半期だけ1、後は0をとるダミー変数 ダミー変数法2 yt α β0 xt β1Q1xt β2Q2 xt β3Q3 xt εt 時系列データの回帰分析 問題点:誤差が互いに独立でない恐れ 系列相関 分析は不正確に yt = α βxt ut ut= ut-1 εt , -1 ρ 1 時系列データの分析の際には系列相関に注意 ダービン・ワトソン検定:1階の系列相関を検定 H0:ρ=0 (1階の系列相関無し)(DW ≈ 2) H1:ρ>0 (系列相関あり) (DW ≈ 0) n 検定統計量 DW= t 2 (uˆt uˆt 1 ) 2 n t 1 uˆt 2 時系列モデルの例 AR(1) yt = yt 1 ut AR(p) yt = 1 yt 1 2 yt 2 p yt p ut 分布ラグモデル yt = 1xt 2 xt 1 p xt p ut 2015/9/28 自己相関係数 時差 h ( h次)の自己相関係数 相関係数の時系列バージョン 自分自身の過去との相関を測る尺度 -1と1の間の値を取る コレログラム:rh をhの関数みなしたもの 偏自己相関: ラグ内の要素の影響を取り除いた下で の偏相関係数 11 2015/9/28 相互相関(交差相関)係数 2種類の時系列データxi , yiに対して 時間的先行遅 行関係まで考慮した相関係数 変数 x と h 期先行する変数 y との間の相関係数 12
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