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熱電発電セラミックス材料
第15回セラミックス放談会
1998年6月6日
千葉大工学部 西山伸
話す内容
• 熱電発電概論
– 熱電発電とは
– 熱電発電材料に求められる
特性:性能指数
– Jonker Plot による熱電変換
効率の評価
– キャリア濃度の最適化とそ
の評価
• 各論1.n型酸化物半導体
– 酸化物半導体
– n型熱電材料
– Zn2SnO4
– ZnSb2O6
– MgIn2O4
– その他
• 各論2.p型酸化物半導体
– p型熱電材料
– La2CuO4
– La2NiO4
– Nd2NiO4
– NaCo2O4
• 各論3. p-n両用酸化物
– BaIn2O4
• まとめ
熱電発電
素子のゼーベック効果を用いて熱を電気に変換する方法
• 特徴
– 小型軽量
– 無騒音
– 環境にやさしい
• 現状での利用
– 人工衛星用発電
– 腕時計
– 焼却炉の廃熱利用発電
H.T.
L.T.
e
e
e
(+)
(-)
V
ゼーベック効果
変換効率の高い
材料が必要!
熱電発電材料に求められる特性
• 高い変換効率
• 高温安定性(耐熱
性、化学的安定
性)
• p型-n型半導体
• 環境安全性
- 高いゼーベック係数(α)
- 高い電気伝導度(σ)
- 低い熱伝導率(κ)
・熱電変換性能指数
2
Z =

パワーファクター:熱電変換の電気的指標
2
=
 
P
キャリア濃度 減少
σ 減少
α 増加
キャリア濃度 増加
σ 増加
α 減少
2.0
12
2
0.5
1
6
4
2
0.0
0
20
22
24
c/m
26
-3
28
30
0
2
SmV K
1.0
-3

2
3
-1
-1
7
 / 10 S m
8

 / mVK
4
1.5
  / 10
10
2

-2
5
Jonker Plot
500
k
N
 =
ln( ) + A
e
c
 = ec 
 = const.
400
| | / VK-1
電気伝導度の対数と
ゼーベック係数の関係
300
  = - a log  + b
200
| | = 2/ln10 · a
100
ただし 、
| | = -a log  + b
0
0
1
log ( / S·cm-1)
2
a = ln10 ×
k
 198 VK-1
e
k
(ln  Ne + A )
b=
e
Jonker Plotより
最高の
PowerFactorとなる
条件を導く
Power Fact or 一定の直線を
 2 = P
と する 。 こ の式と
 = - a log + b
から 、  を 消去する と 、
P
 = - a log 2 + b

と なる 。 こ こ で、 それぞれの文字を
任意の単位で除し て無次元数に置き
換える 。
 = - 2a log + alogP - b = 0
こ こ で、 左辺を αの関数と し て f ( ) と おく 。
f ( ) =  - 2a log + a logP - b
df ( )
2a 1
= 1 ln10
d
こ こ で、 直線と 曲線が接し ている と き
df ( )
=0
d

2
=
a  0.87 a
ln 10
b
2
b
log  =  - 0.87
a ln 10 a
キャリア濃度の最適化とその評価
300
ZnSb2O6 -system
|| / VK
-1
250
200
La2CuO4
150
100
50
0
Mg1-x Cu x In2O4
0.5
1.0
1.5
log (  / S cm )
-1
2.0
・キャリア濃度の異なる一
連の熱電変換材料の電
気伝導度とゼーベック
係数の測定結果より、
最適なキャリア濃度で
の熱電変換の性能を評
価できる。
→ 材料本来の熱電変換
性能を評価することが
できる。