ステップ3/④ 既存施策の評価

RH‐PAC2地域医療ビジョン・地域医療計画ガイドライン 実践編
ステップ3/④ 既存施策の評価
~現状把握が、議論の出発点~
発表者
渡邊清高(帝京大学医学部内科学 腫瘍内科)
既存施策
の評価




RH‐PAC1ガイドラインでの
推奨内容
地域医療を動かす
RH‐PAC
既存施策の評価とは、これまでの医療計画の目的、
理念、基本骨子などを振り返り今後の施策の策定に
活用すること。
課題と問題意識 「地域の医療提供体制の目指すべ
き姿」を常に念頭に置いた上で、既存の課題が解決
に向かっているかについて、評価を行う。
医療連携体制を構築するにあたって、患者動向、医
療資源及び医療連携に関する情報等を収集する。
推奨施策
「施策・指標マップ」を用いた現状把握/施策効果に
関する評価の実施
「施策概要シート」を用いた立案と評価プロセスの振
り返り
出典:RH‐PAC2地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン プロセス編(既
存施策の評価)(暫定版)
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
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既存施策
の評価
実践への課題と論点整理
(RH‐PAC1推奨内容の検討)
地域医療を動かす
RH‐PAC
H‐PAC/RH‐PAC策定委員アンケート
推奨施策5「施策・指標マップ」に基づいた施策効果に
関する評価(n=12)
・必要
6人
・どちらかといえば必要
5人
 施策評価を行うための指標を簡潔に設定すること
 アウトプット目標だけでアウトカム目標設定がされて
いないことが多く補強が必要。
 病床機能報告に基づく有床・無床区別だけでは医療
過疎の実態を容易に把握できないため、より実態に
即した評価指標づくりが必要。
 指標の合理性・妥当性の検討。
出典:H‐PAC/RH‐PAC策定委員アンケート(回答者12人)
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
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既存施策
の評価
実践への課題と論点整理
(RH‐PAC1推奨内容の検討)
地域医療を動かす
RH‐PAC
RH‐PAC2メンバーからの意見
 施策の理解
行政担当者を含め関係者がアウトプットとアウトカム
の違いについて理解することが必要。
 評価の範囲
達成の有無の単純な評価に留まらず、その要因まで
含めて評価すべき。
施策分野について、具体的に質的な評価を書き下し
ていくことが効果的。
 評価の方法
評価の基準を示す必要がある。客観的な事実をあぶ
りだす評価が重要。施策評価のステップを示す
出典:RH‐PAC2メンバーからの意見集約(回答者46人のうち、設問への回答件
数=18)
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既存施策
の評価



実践への課題と論点整理
(実践への課題)
地域医療を動かす
RH‐PAC
RH‐PAC1推奨施策の検証を経た課題のまとめ
共通する論点は多く、施策の課題を可視化すること、
また両者が共通の場で意見交換することも課題の1
つに挙げられた。
施策の理解の促進
アウトプットとアウトカムの違いについて理解を広げ
る。
評価の方法
参照すべき指標を独自の取り組みや過去の施策を
踏まえて適切に選定する。
施策評価を行うための指標を設定する。
病床機能報告制度に加え必要な指標を組み合わせ
るなどにより、実態に即した評価指標づくりが必要。
H‐PAC/RH‐PAC策定委員アンケート、RH‐PAC2メンバー意見集約をもとに作成
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地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
既存施策
の評価
地域医療を動かす
実践に向けたシミュレーション
RH‐PAC
RH‐PAC1推奨施策の検証を経た課題のまとめ
RH‐PAC2メンバーにより、千葉県の地域医療計画を参照
し、3疾病2事業(がん、脳卒中、糖尿病、救急医療、在
宅医療)について評価を行った。

・施策の現状・課題の記述に十分/不十分な点はあるか。
・施策の振り返りに必要なデータ、指標はあるか。
・データの参照先として適切か、代替できるものはあるか。
・ストラクチャー、プロセスの指標が多い現状のもとで、安定した
アウトカム指標として妥当なものがあるか。
・RH‐PAC1期の設定した指標でよいか、振り返るべき施策や指標
があるか。
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既存施策
の評価
実践への課題と論点整理
地域医療を動かす
RH‐PAC
(1)アウトカムベースのインパクト評価
(2)実行したかのプロセス評価
(3)事後的に施策が妥当(ロジカル)だったかというセオ
リー評価
・患者満足度の情報が妥当か/適切に利用されているか
・提供体制に関するデータや指標が多い
・予防だけでなく、罹患後のアフターフォロー、リハビリまで含めた
対応が必要
・医療機関のリスト作成は必須(手挙げ方式から、検証方式へ)
・在宅医療の方向性を示す(担い手は市区町村/在宅診療所?)
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既存施策
の評価

実践への課題と論点整理
(論点整理)
地域医療を動かす
RH‐PAC
データの参照先として適切か?代替できるものはあ
るか
•医療や介護・在宅関連NPOの活動状況
•消防統計、2/3次救急データ、DPCデータなど
•ガイドラインに準拠した、医療提供内容の評価指標
•情報のやりとりに関する指標(連携パス、認知・啓発活動実
績、連携加算や指導料算定など)
•介護に関する指標(人的配置、サービス内容、働く人の状態
について、など)が必要
•県と中学校区などの指標の単位について、病床区分との関
連での検討が必要
出典:RH‐PAC2地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン プロセス編(既
存施策の評価)(暫定版)
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既存施策
の評価

推奨施策(その1)
地域医療を動かす
RH‐PAC
「施策・指標マップ」を用いた現状把握に関する評価
の実施
・都道府県がこれまでどのようなデータを活用してきたかを把
握する。医療提供体制の現状、患者の受療動向等を分析し、
都道府県域全体及び医療圏毎の課題を把握する。
・施策と評価指標について、用語の定義を明示する。
・現状の報告にとどまらず、評価が可能になるための指標の
抽出を行う。
・プロセス、ストラクチャーで都道府県が利用可能な外部デー
タ(市区町村データ、消防統計など)を活用する。
出典:RH‐PAC2地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン プロセス編(既
存施策の評価)(暫定版)
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既存施策
の評価

推奨施策(その2)
地域医療を動かす
RH‐PAC
「施策・指標マップ」に基づいた施策効果に関する評
価の実施
・施策の策定時のみならず評価の際にも、「施策・指標マップ」
を用いて、施策がアウトカム指標にどのような効果をもたらし
たかの観点から評価を実施する(施策・指標マップについては、
「PDCAサイクルと指標」の章を参照)
出典:RH‐PAC2地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン プロセス編(既
存施策の評価)(暫定版)
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
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既存施策
の評価

推奨施策(その3)
地域医療を動かす
RH‐PAC
「施策概要シート」を用いた立案と評価プロセスの振
り返り
・何が施策として立案されてきたか。ステークホルダー間の合
意形成を振り返る。
・地域医療計画策定の全ステップを踏まえて、立案と評価プロ
セスを振り返る。
出典:RH‐PAC2地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン プロセス編(既
存施策の評価)(暫定版)
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
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既存施策
の評価
推奨ツール1

ツール4 「施策効果チェックシート」

アウトプット、アウトカム記入
評価の記入
地域医療を動かす
RH‐PAC

出典:RH‐PAC2地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン プロセス編(既存施
策の評価)(暫定版)
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既存施策
の評価





まとめ
地域医療を動かす
RH‐PAC
既存施策の評価の目的は、これまでの医療計画の
目的、理念、基本骨子などを再確認し、今後の施策
の策定に活用すること。
「施策・指標マップ」を活用し施策の効果の検証を行う。
施策がアウトカム指標にどのような効果をもたらした
かの観点から評価を実施する。
地域医療計画策定の全ステップに沿って、立案と合
意形成、評価のプロセスを振り返る。
将来の「評価」に向けて、策定プロセスから基準や指
標を議論する。
出典:RH‐PAC2地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン プロセス編(既
存施策の評価)(暫定版)
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
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ありがとうございました
現状把握が、議論の出発点
施策の振り返りから、将来を展望する