RH‐PAC2地域医療ビジョン・地域医療計画ガイドライン実践編ステップ4/③ データの収集と分析～意味が見いだせる“編集”を～発表者埴岡健一（東京大学公共政策大学院医療政策教育・研究ユニット特任教授）データの収集と分析    RH‐PAC1ガイドラインでの推奨内容地域医療を動かす RH‐PAC データの収集と分析とは：地域医療の現状と将来の分析に関するデータの収集と分析を行うこと推奨施策「地域医療計画情報・指標サービス」（各都道府県や2次医療圏などのSPO指標、各地の施策と目標設定、施策の好事例候補、各地で実施されている調査票と結果などを全国から収集し、比較可能、検索可能とする推奨ツール（「施策・指標マップ」）（次ページ）出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 2 データの収集と分析 RH‐PAC1ガイドラインでの推奨内容（推奨ツール）地域医療を動かす RH‐PAC 出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕 3 地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編データの収集と分析実践への課題と論点整理（RH‐PAC1推奨内容の検討）地域医療を動かす RH‐PAC 千葉県医療審議会委員アンケート・コメント（6つ）・分析、加工、発信し、「情報」として活かしやすくための組織横断的な仕組み  RH‐PAC2メンバーからの意見（5項目計約50件）・さまざまな情報源からデータを編集し、意味を読み解けるかたちにする・データの取得・開発、報告・公表に関する行政への働きかけ（が重要）・寄せられた指標を評価して、取捨選択してフィードバックする目利き（管理人）が必要・中間アウトカムを充実させ、経年変化や県の違いが定量的に分かるようにする  出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 4 データの収集と分析実践への課題と論点整理（厚労省GLのデータについて）地域医療を動かす RH‐PAC 地域医療構想策定ガイドラインのデータ収集に関する部分について25の意見（RH‐PAC2メンバーから）・この6種類のデータで求める指標が得られるか疑問・6年後の医療提供のあるべき姿が、現状をベースにしている点が疑問・試算結果だけを提供されても、批判的検討ができない（元データや計算プロセスを示してほしい）・介護保険施設だけでなく、地域における在宅介護・生活支援サービス（の数値）を把握することが必要  出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの分析と収集）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 5 データの収集と分析データ表示、情報源、意味地域医療を動かす RH‐PAC 出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 6 データの収集と分析 1 地域医療を動かす情報源と特性 RH‐PAC 名前主なデータ内容 S P O 備考人口動態統計疾病別死亡数（県、医療圏、 △ × ○ 疾病分類が限定的 ○ △ × 数を示すが、質やアウト市町村別）など 2 医療機関機能情報施設別・疾病別症例数、施設別専門的医療者数など 3 DPC データ疾病コード別・重症度別・複カムを示せない ○ △ △ 雑度別件数などそのままでは十分なアウトカムデータにつながらない 4 臨床指標（QI) 標準治療順守率など △ ○ △ 計測はまだごく一部。公開さえることは少ない 5 レセプトデータ医療行為・手技別件数、費用 ○ △ × などそのままでは十分なアウトカムデータにつながらない出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 7 データの収集と分析 5 レセプトデータ地域医療を動かす情報源と特性2 医療行為・手技別件数、費用 ○ RH‐PAC △ × などそのままでは十分なアウトカムデータにつながらない 6 7 ナショナルデータベレセプトデータに基づく医療 ○ ース圏別の医療提供状況など臨床現場の疾病登録症例数、手技別件数、重症度・ ○ △ × 市民が使えない ○ ○ リスク別件数・成績など 8 NCD（ナショナル・手術に関する件数、内容、リクリニカル・データベスク調整済治療成績など行政は使えるが、患者・カバー率が不十分。一部のみ公開 ○ ○ ○ プロのベンチ―マーキング用で公開されないース） 9 10 地域がん登録などの罹患率、生存率、死亡率（医疾病登録療圏別、施設別）など患者体験調査患者満足度、患者経験、患者 ○ ○ ○ 計測から発表までに長時間を要する × △ ○ 意識など標準調査票で広い分野で計測されていない出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 8 データの収集と分析実践への課題と論点整理（実践への課題）地域医療を動かす RH‐PAC 「地域医療計画情報支援センター」 ◎必要性とニーズは高い。実現が急がれる ◎運営は第三者的に行われることが重要である・・・  「施策・指標マップ」など、データ体制の整備 ◎有効なツールであり、活用と普及が重要 ◎中間アウトカムに関する指標の設定がポイント・・・  データの活用について ◎データを分析して意味を見出す力をどうつけるか ◎収集データを一望に見るアクセスの確保・・・  出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 9 データの収集と分析      実践への課題と論点整理（論点整理）地域医療を動かす RH‐PAC （1）それぞれの都道府県の努力だけに負わせることなく、全国で共有できる仕組みを作ること（2）継続的、計画的に整備して、各都道府県の関係者が安心して活用、参加、協力できるようにすること（3）各都道府県には難度が高い、指標の開発については、全国的な知恵の共有の仕組みを作ること（4）データの収集と分析の意味と体系がよく理解できるような説明と情報提供を行うこと（5）それを評価する方法と仕組みが整備されてこそ、施策の改善とアウトカムの向上につながるため、分析と評価に関するガイドを作成する必要がある（ステップ3 既存施策の評価参照）出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 10 データの収集と分析推奨施策（その1）地域医療を動かす RH‐PAC 推奨施策①データの収集と整備6カ年計画を策定・国および関係者は、データの収集と分析に関する6カ年計画をともに策定する。都道府県、医療提供者などはそれぞれの役割に応じて、それに対応した行動計画を策定する）  推奨施策② 「施策・指標マップ」の指標整備・国・都道府県等は地域医療計画のPDCAサイクル管理の基本ツールとして「施策・指標マップ」を使用し、その分野アウトカム、中間アウトカム、個別施策のロジックモデル（論理構造）やそれを計測する指標を共有する。  推奨施策③ 「構造化指標集」の整備・国・都道府県は「構造化指標集」を使用する。  出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 11 データの収取と分析推奨施策（その2）地域医療を動かす RH‐PAC 推奨施策④ 「地域医療構想指標集」の整備・病床機能報告制度における報告項目、地域医療構想策定に必要とされているデータなどを、2次医療圏別や都道府県別などに収集、整理して提供する。  推奨施策⑤ 分析力の強化支援策・データを収集したあと、どのように解釈し、施策の開発や改善にむすびつけるか、ガイダンスを提供する。  推奨施策⑥ 調査の実施・「施策・指標マップ」のいわゆる空白指標、要開発指標などに関して、調査方法を開発する。  推奨施策⑦ 「地域医療計画情報支援センター」設置・RH‐PAC1での推奨施策を再提案する（ステップ8参照）  出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 12 データの収集と分析推奨施策（全体施策）地域医療を動かす RH‐PAC ステップ編の最終パートで説明出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 13 データの収集と分析  推奨ツール1 地域医療を動かす RH‐PAC 「施策・指標マップ」作成ガイド（試行版）（ステップ8/⑦で説明）出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 14 データの収集と分析      まとめ地域医療を動かす RH‐PAC 各地の創意工夫と全国的な知恵の共有の相互作用が働く仕組みが必要データの収集と分析に関するグランドデザインが必要で、個々のデータの専門性もさることながら、トータルなデザインと“編集”が重要そのためにミッションを決め、中期的計画で取り組む必要がある「地域医療計画情報支援センター」がデータの収集と分析に関する総合的支援を行う「施策・指標マップ」「構造化指標集」「地域医療構想指標集」などキーツールを普及させることが有効出典：RH‐PAC2地域医療ビジョン／地域医療計画ガイドラインプロセス編（データの収集と分析）〔暫定版〕地域医療ビジョン／地域医療計画策定ガイドライン実践編 15 ありがとうございました～意味が見いだせる“編集”を～