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RH‐PAC2地域医療ビジョン・地域医療計画ガイドライン 実践編
救急医療編
~実情解析の試み~
発表者
前村聡(日本経済新聞社 大阪本社社会部デスク)
田渕典之(横浜市立みなと赤十字病院 心臓外科部長)
地域医療を動かす
RH‐PAC
救急医療
パート1 現状と課題
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
2
救急医療
基本認識
地域医療を動かす
RH‐PAC
・ 病院前救護、救急医療機関、その他連携が重要
・ 救急医療体制の実情に即した集約整備が急務
・ 救急体制に関する明快な情報提供の不足
<課題>
千葉医療計画は医療機関リストの列挙のみ、実稼働の明示と
機能改善への具体的提案に乏しい。
(千葉県医療策定ビジョン資料 H23年)
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
3
東葛南部医療圏
救急医療機関 分布
二次救急 告知病院
26病院
東京ベイ、東京歯科、他
三次救命救急センター
2病院
順天堂、船橋市立
救急医療
DPC公開データから
救急医療機関集約度を描出
地域医療を動かす
RH‐PAC
救急センター
調査対象疾患
非公開
高度救急相当のDPC6桁
年間患者数を調査
50030
急性心筋梗塞、再発性心筋梗塞
10020
100040
くも膜下出血、破裂脳動脈瘤
胃十二指腸潰瘍、幽門狭窄
(穿孔を伴うもの)
DM性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡
160990
多部位外傷
160980
骨盤損傷
60141
(総務省資料)
疾患名
MDC6
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
5
救急医療
東葛南部医療圏2次3次救急施設
重症疾患の年間患者数
地域医療を動かす
RH‐PAC
他医療圏ベンチマーク病院
400
400
(救命救急センター)
300
300
200
100
200
0
香取医療圏 29万人
100
0
東葛南部医療圏 171万人
安房医療圏 13万人
(2013年度 DPC公開データからの解析)
救急医療
現況と課題(需給ギャップ)
地域医療を動かす
RH‐PAC
1)実状を俯瞰出来る詳細データが必要。
現データからの推論を例示。
① 二次と三次救急の役割分担は機能不全?
② 三次救急施設は より拡充が必要?
③ 二次救急施設の効率化には、 急性期相当の入院患者数の推移予想
統合が必要?
2)人口構成の将来変化
救急需要維持圏と減少圏
需給ギャップの是正必要
7
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編 (経産省:将来の地域医療と保険者のあり方研究会)
救急医療
現況と課題(論点整理)
地域医療を動かす
RH‐PAC
課題1 急増する救急出動件数
収容までの時間短縮、軽症患者への対応、 病院前救護活動
課題2 二次救急と三次救急医療の機能分化
二次と三次医療の受け入れ対象患者の明確化と機能分化
三次医療機関の重症患者対応能の拡充
メデイカルコントロール体制の拡充
課題3 医療圏で異なる需給ギャップ推計への対応
都市部では2025年以降、救急需要は増加
過疎地域では2025年以降、救急需要は減少
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
8
地域医療を動かす
RH‐PAC
救急医療
パート2 推奨施策
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
9
地域医療を動かす
施策・指標マップ
救急医療
番
号
1
C 個 別 施 策
住民対象の応急手当講習
の実施
指
標
2
4
8
移 動 時 間 30分 以 上 件 数
心肺蘇生率実施率
1
救 命 で き る傷 病 者 を社 会 復
帰させている
指
標
心肺停止社会復帰率
病 院 前 救 護 体 制 (搬 送 時
の 対応による救命 率の向
上 )を整 備 し て い る
2
指
標
病院前心拍再開率
覚 知 後 60分 以 上 件 数
救急搬送選定困難率
2
救 急 セ ン ター調 査 対 象 疾 患
データ
外 傷 データバ ンク登 録 数
保険者が参加した効率的
医療検証体制の構築
指
標
A 分 野 ア ウ トカム
特定行為検証件数
救急医療の質の検証体制
の整備
指
標
7
番
号
2次 3次 医 療 機 関 の 集 約 化
と連携の充実
指
標
6
指
標
救急搬送困難時の搬送
ルールの策定
指
標
5
1
救 急 現 場 か ら救 急 医 療 機
関 へ の アクセスの 整 備
指
標
B 中 間 ア ウ トカム
住民の救命活動への協力
体 制 (発 症 の 早 期 対 応 に よ
る 救 命 率 の 向 上 )を整 備 し
ている
講 習 実 施 回 数 と AED使 用 率
メ デ イ カ ル コ ン ト ロ ー ル (医
師による救急 救命士 活動
の 質 の 担 保 )の 整 備
指
標
3
番
号
RH‐PAC
3
迅 速 に 治 療 を行 う救 急 医 療
機 関 の ネ ットワ ー クを整 備
している
指
標
救 急 診 療 を必 要 と す る傷 病
者 に 効 率 の 高 い適 切 な医
療 を提 供 し て い る
指
標
予 測 生 存 率 > 0 .5 の 外 傷 傷 病
者死亡率
救急医療機関救急診療件数
救急搬送連携入院加算
DPC デ ー タ、 レ セ プ トデ ー タ利
用率
住民対象の救急医療に対
する情 報提供 の充実
指
標
健康診断受診率
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
10
救急医療
あるべき姿とアウトカム
地域医療を動かす
RH‐PAC
分野アウトカム
 救命できる傷病者を社会復帰させている。
 効率の高い適切な医療を提供している。
中間アウトカム



住民の救命活動への協力体制(発症後の早期対応)を
整備している。
病院前救護体制(搬送時の対応)を整備している。
迅速に治療を行う救急医療機関のネットワークを整
備している。
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
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救急医療
推奨施策
地域医療を動かす
RH‐PAC

二次三次医療機関の集約化と連携の充実

救急医療の質の検証体制の整備

保険者が参加したデータに基づく効率的体制の構築

住民対象の救急医療に対する情報提供の充実
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
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救急医療
指 標
地域医療を動かす
RH‐PAC
1) 移動時間 30分以上件数:
収容医療機関決定から医療機関到着まで30分以上を要した搬送件数
(アウトカム指標、 出典:消防統計)
2) 救急搬送 選定困難率:
重症以上傷病者の救急搬送における 医療機関に受け入れ照会
4回以上の割合 (アウトカム指標、 出典:消防統計)
3) 救命救急センター調査対象重症患者数:
各救急医療施設に搬入された重篤な患者実数
(アウトカム指標、 出典:各医療機関)
4) 外傷データバンク登録数:
各救急医療施設における日本外傷データバンク登録数
(アウトカム指標、 出典:各医療機関)
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
救急医療
地域医療を動かす
まとめ
RH‐PAC

医療計画策定には、DPCデータ等の開示不足。

保険者参加で データ提供が望まれる。

2次3次医療機関の集約化と連携強化が必要。

将来的需給ギャップを考慮し、医療圏統合も要検討。
地域医療ビジョン/地域医療計画策定ガイドライン 実践編
14
ありがとうございました
保険者参加によるデータ開示が望まれます。