平成 27 年度 助産学専攻科入学試験 専 門 科 目

平成 27 年度 助産学専攻科入学試験
専門科目
注意事項
1 試験開始の合図があるまで、この問題冊子の中を見てはいけません。
2 この問題冊子は、表紙を含めて 15 枚あります。
試験中に問題冊子の印刷不鮮明、ぺージの落丁、乱丁及び解答用紙の
汚れ等に気付いた場合は、手を挙げて監督者に知らせなさい。
3 解答用紙には、解答欄以外に次の記入欄があるので、監督者の指示に
従って、それぞれ正しく記入し、マークしなさい。
(1)氏名欄
氏名、フリガナを記入しなさい。
(2)受験番号欄
受験番号を記入し、さらにその下のマーク欄にマークしなさい。
4 受験番号が正しくマークされていない場合は、採点できないことがあ
ります。
5 解答は、解答用紙の「記入方法」に従って、正解を1つを選び、指示
された解答番号に正しくマークしなさい。正解を2つ選ぶ設問では、
指示された解答番号に正しくマークしなさい。
6 試験終了後、問題冊子は持ち帰りなさい。
1
【問題 1】 世界保健機関(WHO)母性保健委員会の母性の定義はどれか。 a.現に子どもを産み育てているもののほか、将来子どもを産み育てるべき存在、
および過去においてその役目を果たしたもの。
b.社会的、生物学的、感情的な統一体としての母の子に対する関係を示すもの。
c.女性が母として持っている性質。また、母たるもの。
d.すべての児童がすこやかに生まれ、かつ、育てられる基盤。
解答番号[1]
【問題 2】 母体保護法による人工妊娠中絶が認められるのはどれか。
a.婚姻関係にない男女間での妊娠である場合
b.胎児が遺伝性疾患を有していることが明らかになったもの
c.配偶者が遺伝性身体疾患を有している場合
d.妊娠の継続が経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
解答番号[2]
【問題 3】 閉経前と比べ閉経後に高値となるホルモンはどれか。2つ選べ。 a.エストラジオール
b.エストロン
c.プロゲステロン
d.黄体形成ホルモン(LH)
e.卵胞刺激ホルモン(FSH)
解答番号[3,4]
【問題 4】 ヒトの染色体数として正しいのはどれか。
a.22本
b.34本
c.46本
d.58本
e.60本
2
解答番号[5]
【問題 5】 妊娠反応で検出するホルモンはどれか。 a.hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
b.hGH(ヒト成長ホルモン)
c.hPG(下垂体性腺刺激ホルモン) d.hPL(ヒト胎盤性ラクトーゲン)
解答番号[6]
【問題 6】 中胚葉から形成される器官はどれか。
a.肝臓
b.気管
c.心臓
d.中枢神経系
解答番号[7]
【問題 7】 羊水の性質について正しいのはどれか。 a.強アルカリ性
b.弱アルカリ性
c.中性
d.弱酸性
e.強酸性
解答番号[8]
【問題 8】 胎盤が完成する時期として正しいのはどれか。
a.受精後5週頃
b.受精後9週頃
c.受精後13週頃
d.受精後17週頃
3
解答番号[9]
【問題 9】 リラキシンの働きとして正しいのはどれか。 a.支持組織の柔軟化
b.胎児の発育促進
c.免疫機能の抑制
d.乳腺の発達促進
解答番号[10]
【問題 10】 レオポルド腹部触診法で第2骨盤位である。第1段法で触診できる胎児部位
はどれか。 a.頭部 b.児背
c.殿部
d.小部分
解答番号[11]
【問題 11】 バイオフィジカルプロファイルスコア(BPS)の観察項目として正しいのは
どれか。2つ選べ。 a.胎児体重
b.胎動
c.頸管展退度
d.反射
e.羊水量
解答番号[12, 13]
【問題 12】 切迫早産の治療薬はどれか。
a.塩酸テルビナフィン
b.塩酸リトドリン
c.硫酸カナマイシン
d.硫酸ビンクリスチン
4
解答番号[14]
次の文を読み【問題13】〜【問題15】に答えよ。
28歳の初産婦。身長 155cm、体重 47kg(非妊時体重 48kg)。本日、自宅近くのク
リニックを受診し妊娠6週と診断された。「市販の検査薬で妊娠しているとわかってい
たんですけど、見ていただいて安心しました」と笑顔で話した。
【問題 13】「朝、ムカムカして気分が悪いです。食欲がなくて、体重が減ってきてしまい
ました。心配です」と看護師のあなたにいう。食事指導で適切なのはどれか。 a.運動による空腹感の誘導
b.規則正しい食事習慣
c.高たんぱく食
d.水分摂取
解答番号[15]
【問題 14】「赤ちゃんが心配なので、気分が良いときにはサプリメントを飲んでいます」
という。催奇形性の観点から過剰摂取に注意が必要なのはどれか。 a.ビタミンA
b.ビタミンB
c.ビタミンC
d.葉酸
解答番号[16]
【問題 15】 次回に妊婦健康診査を受診する時期として適切なのはどれか。
a.1週間後
b.2週間後
c.4週間後
d.8週間後
5
解答番号[17]
【問題 16】 早発一過性除脈の原因として適切なのはどれか。
a.児頭の圧迫
b.臍帯の圧迫
c.胎児の低酸素症
d.胎盤の循環不全
解答番号[18]
【問題 17】 図のA点で児心音を聴取した。正しいのはどれか。 a.第1頭位
b.第2頭位
c.第1骨盤位
d.第2骨盤位
e.横位
解答番号[19]
【問題 18】 ディック・リード(Read. D)の理論で図のBに入る用語はどれか。 a.あせり
b.期待
c.恐怖
d.興奮
解答番号[20]
【問題 19】 パルトグラムについて正しいのはどれか。 a.妊娠経過を示した図表
b.胎児発達曲線を示した表
c.分娩経過を示した図表 d.産褥期の授乳記録
6
解答番号[21]
【問題 20】 骨産道について正しいのはどれか。 a.産科学的真結合線は峡部にある。
b.骨盤入口部では前後径が長径である。
c.左右の寛骨および仙骨、尾骨からなる。 d.女性骨盤の恥骨弓の角度は90°以下である。 解答番号[22]
【問題 21】 分娩の3要素として正しいのはどれか。2つ選べ。 a.産道
b.心理
c.睡眠
d.体位
e.娩出力
解答番号[23, 24]
【問題 22】 胎児面からの胎盤娩出様式はどれか。 a.キュストネル
b.シュルツェ
c.シュレーデル
d.ストラスマン
7
解答番号[25]
次の文を読み【問題23】〜【問題25】に答えよ。
30歳の初産婦。妊娠38週。21時に陣痛が発来し、23時に入院した。入院時、子宮
口2cm開大、未破水、陣痛周期8分程度、発作20秒。「いよいよお産になると思うと
緊張する」と言っていたが、しばらくすると間欠時にはウトウトしている。
【問題 23】 この時のケアとして最も適切なのはどれか。 a.口当たりの良いものを摂取させる。
b.部屋を暗くして休ませる。
c.入浴を勧める。
d.廊下歩行を勧める。
解答番号[26]
【問題 24】 その後、順調に経過し、10時に自然破水した。羊水混濁はない。この時のケ
アとして、最も優先順位の高いのはどれか。 a.骨盤高位にする。
b.児心音を聴取する。
c.清潔なナプキンをあてる。
d.分娩室に入室する。
解答番号[27]
【問題 25】 13時に全開大となり、14時5分に2,850gの男児を正常分娩した。14時25分
に胎盤娩出。分娩所要時間として正しいのはどれか。
a.4時間25分
b.15時間25分
c.17時間25分
d.19時間25分
8
解答番号[28]
【問題 26】 産褥期の生理的変化で正しいのはどれか。
a.脈拍は、産褥早期には 40~50/分程度の徐脈が認められることがある。
b.血圧は、非妊時よりも 10~20 mmHg程度上昇したまま経過する。
c.体温は、産褥7日までは 37.5℃前後で経過し、その後低下する。
d.呼吸は、分娩後の横隔膜の位置の変化により、腹式から胸式呼吸に変化する。
解答番号[29]
【問題 27】 後陣痛の特徴について正しいのはどれか。
a.急激に分娩が進行した場合に強く出現する。
b.分娩後24時間は規則的に強く反復する。
c.経産婦よりも初産婦に強く出現する。
d.悪露の停滞がある場合には減弱する。
解答番号[30]
【問題 28】 乳頭への吸啜刺激により下垂体後葉から分泌されるホルモンは何か。
a.エストロゲン b.プロラクチン c.オキシトシン d.hPL(ヒト胎盤性ラクトーゲン)
解答番号[31]
【問題 29】 マタニティブルーズの特徴で誤っているのはどれか。
a.産後におこる涙もろさを主徴とする一過性の精神的な変化である。
b.出現時期は産褥10日目以降が多い。
c.経産婦よりも初産婦に多い傾向がある。
d.原因の一つに分娩後の急激なホルモン環境の変動が挙げられる。
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解答番号[32]
【問題 30】 日本人の食事摂取基準(2010年度版)による母乳分泌が良好な授乳婦の付加エ
ネルギー量について、正しいのはどれか。
a. 50 kcal/日
b.250 kcal/日
c.350 kcal/日 d.450 kcal/日
解答番号[33]
【問題 31】 妊産婦の関連法規と内容の組み合わせのうち、誤っているのはどれか。
a.保健指導を受けるための時間の確保・・・男女雇用機会均等法
b.養育医療・・・・・・・・・・・・・・・母子福祉法
c.新生児訪問指導・・・・・・・・・・・・母子保健法
d.出産手当金・・・・・・・・・・・・・・健康保険法
解答番号[34]
【問題 32】 正常分娩した産褥1日の褥婦への援助のうち、優先順位が低いものはどれか。
a.産褥体操の指導
b.母児同室に関する指導
c.授乳指導
d.沐浴指導
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解答番号[35]
次の文を読み、【問題33】〜【問題35】に答えよ。
27歳の初産婦、前日21時に正常分娩した。
産褥1日の9時の観察では、体温37.2℃、脈拍66/分、血圧116/74 mmHg、子宮底
臍高、子宮は硬く触れる、血性悪露中等量、乳房の形態はⅡa、乳頭の形は正常であ
る。乳房緊満感はなく、乳管開口左右2~3本、会陰裂傷部位の縫合部痛がある。
【問題 33】 産褥1日の健康状態のアセスメントで正しいのはどれか。
a.バイタルサインは正常から逸脱している。
b.子宮復古は産褥日数に比べて遅れている。
c.乳房の状態は産褥日数に応じて順調である。
d.会陰裂傷部位には感染徴候がみられる。
解答番号[36]
【問題 34】 観察後、児が欲しそうな様子をみせたので授乳を試みたが、乳頭がうまく口
に入らない。この時点で優先して指導すべきことは何か。
a.児の抱き方
b.乳房マッサージ
c.人工ミルクの作り方
d.乳管開通法
解答番号[37]
【問題 35】 産褥2日、異常を示す症状はどれか。
a.乳房緊満がない
b.歩行時の縫合部痛
c.子宮底が臍下3横指
d.左下肢の疼痛
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解答番号[38]
【問題 36】 新生児の定義・分類のうち正しいのはどれか。 a.新生児期とは生後0~28日未満をいう。
b.早産児とは在胎12週~36週で出産した児をいう。
c.低出生体重児とは 2,500g以下で出産した児をいう。
d.ジスマチュア児とは十分な成熟度に達していない児をいう。
解答番号[39]
【問題 37】 出生直後の新生児の状態で正常から逸脱しているのはどれか。
a.心拍数 160/分
b.一過性の心雑音
c.呼吸数 70/分
d.周期性呼吸
解答番号[40]
【問題 38】 新生児の免疫グロブリンのうち、初乳に多く含まれているのはどれか。
a.IgA
b.IgD
c.IgE
d.IgG
解答番号[41]
【問題 39】 新生児の原始反射でないものはどれか。 a.緊張性頸反射
b.バビンスキー反射
c.把握反射
d.ランドー反射
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解答番号[42]
【問題 40】 新生児ケアの際に「手や器具は温めてから使用すること」は、どの熱喪失の
経路と関連しているか。正しいものを選べ。 a.対流
b.輻射
c.伝導
d.蒸散
解答番号[43]
【問題 41】 新生児のフィジカルアセスメントの方法のうち正しいのはどれか。
a.バイタルサインは体温、呼吸、心拍の順に測定する。
b.授乳直後の児が満足している時に行う。
c.反射を見る際には全身観察のあとに行う。
d.親の同席は勧めない。
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解答番号[44]
次の文を読み【問題42】〜【問題44】に答えよ。
在胎41週0日で出生、女児,出生時体重 3,150g、アプガースコアは1分後9点、
5分後10点であった。
【問題 42】 日齢1日、児の体重は 3,000g、体温37.1℃、呼吸数 50/分、心拍数 140/分、
大泉門は平坦で、左頭頂骨に産瘤がみられた。少量の性器出血がみられた。アセスメントで
正しいのはどれか。 a.体重減少は生理的範囲を逸脱している。
b.性器出血は生理的な所見である。
c.呼吸数は正常範囲を逸脱している。
d.児の娩出胎位は第1前方後頭位である。
解答番号[45]
【問題 43】 日齢3日、児の体重は 2,900g、バイタルサインは正常、皮膚には軽度の落屑
と黄染がみられる。血清総ビリルビン値は12.0mg/dl、母児同室中であり、前日24時間の授
乳回数は10/日、排便回数4/日、排尿回数10/日、哺乳力は良好であった。対応で適切なの
はどれか。 a.体重測定は1日2回実施する。
b.母乳哺育を継続する。
c.人工ミルクの補足を検討する。
d.保育器で経過観察する。
解答番号[46]
【問題 44】 日齢5日、体重は 2,960g、バイタルサインは正常、頭部にうっすらと肉眼的
黄染がある。母乳のみを哺乳しており、排便回数5/日、排尿回数10/日、臍帯はミイラ化し
ている。本日中に退院が予定されている。必要度の高い検査・処置はどれか。 a.血清総ビリルビン検査
b.身長測定
c.ビタミンKの投与
d.臍の再結紮
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解答番号[47]
【問題 45】 胎児循環の特徴のうち、誤っているのはどれか。 a.臍帯静脈は酸素や栄養に富む血液を胎児に運ぶ。
b.動脈管は肺動脈と大動脈をつなぐ。
c.臍帯動脈は二酸化炭素や老廃物を胎盤に送る。
d.卵円孔は左右の心室をつなぐ。
解答番号[48]
【問題 46】 日本の平成24年(2012年)における合計特殊出生率に最も近いのはどれか。
a.1.0
b.1.4
c.1.8
d.2.2
解答番号[49]
【問題 47】 日本の死亡統計の説明のうち、誤っているのはどれか。 a.平成24年(2012年)の死産率は、自然死産率よりも人工死産率の方が高い。
b.妊産婦死亡は、妊娠中または妊娠終了後満8週未満の女性の死亡をいう。
c.平成24年(2012年)の周産期死亡は、世界的にみても低率国である。
d.乳児死亡とは生後1年未満の死亡をいう。
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解答番号[50]