統計基礎(第6回) 大数の法則と中心極限定理 早稲田大学大学院商学研究科 2015年5月20日 大塚忠義 1 Agenda 第6回 大数の法則と中心極限定理 • ベルヌーイ試行 • 大数の法則 • 中心極限定理 • 正規分布の活用 2 ベルヌーイ試行(1) 統計上、算術平均は極めて重要 1 X ( X1 n Xn) は観測平均または観測確率と呼 ばれ ベルヌーイ試行と確率論上重要な二つの 法則に基づき、真の確率を導くために使用 される 3 ベルヌーイ試行(2) 本校の学生の1年間に交通事故の発生率 (p)を知りたい 事故にあった人:1、合わなかった人:0 事故の発生は互いに独立と仮定 事故にあう確率はpは未知 Sn X1 X n は交通事故の実際の発 生者数で確率変数である S n は2項分布に従うと想定できる 4 ベルヌーイ試行(3) B(n, p)より、平均はnp Xも の関数なので、確率変数である E ( Sn ) np E( X ) p は実際の調査で得られた値であり、そ の平均は、発生確率となる 5 大数の法則(1) 大数の法則:観測平均 と真の平均(確 率)pの関係を示したもの lim P( X p c) 0 n 観測平均と真の平均の乖離が任意の常 数cより大きくなる確率は、観測数が無限 大になれば、ゼロに収束する 真の平均は母平均といい、一般的には μで表すが、確率を示すためpとしている 6 大数の法則(2) 偶然発生の事象は観測数が多くなるほど 実際の結果が真の結果に近づく (実際の結果÷観測数)は発生確率に近 づく 大標本で観測された平均は母集団の真の 平均(母平均)とみなしてよい 未知の母平均を知るためにはどの程度の 標本数、モデルを作成すればよいか? 7 大数の法則(3) 正確なコイントスイング(確率は0.5) すべて表の確率は 1回:0.5 10回:0.00098 0.5の10乗 50回: 0.00000000000000089 0.5の50乗 大数の法則(4) 正確なコイントス(確率は0.5) ちょうど半分表が出る確率は 10回投げて表が5回:0.25 100回投げて表が50回:0.080,49回: 0.079,48回:0.073,47回:0.067・・ 47-53回表が出る確率:0.518 中心極限定理(1) 大数の法則より一般化された理論 近代統計学の基盤をなす定理 母集団分布が何であれ、母平均、母分散 が存在すれば Sn X1 X n の確率 分布はnが十分に大きいとき、概ね正規 分布に従う 二項分布の場合 Sn : B(n, p) : N (np, npq) pq X : N ( p, ) n 中心極限定理(2) 厳密に表すとnを無限大にすると次のよう になる b S n n 1 lim P(a b) e a n n 2 x2 2 dx 正規分布の活用 ある集団について「XX以上の人数」「上 位YY番目になる点数」という問いに答え るために正規分布(正規分布表、エクセ ル関数)を活用することができる ただし、データが独立あること その確率 分布が正規分布に従うと仮定できること が条件 設問 商学部の学生1000人に対し数学の試験 を行った。その結果は平均点:65点、標 準偏差:12点であった 1)50点から70点までの成績の人は何人 くらいいると考えられますか 2)80点以上の人は何人くらいいると考え られますか 3)上位50番目以内に入るためには何点 以上取ればよいですか Question? お疲れ様でした 14
© Copyright 2024 ExpyDoc