小暮研究会2 第1章ベイジアンアルゴリズム • • • • • • 2値選択 ベルヌーイ試行 尤度原理 同一性 交換可能性 尤度についてのまとめ 環境情報学部3年 渡邊洋一 1 尤度:p(y|θ)に関する例、その3:2値選択 • 2値:経済が成長する、あるいは衰退する • このような2値(y)が他の変数(x)に依存 する • Xが大きいときy=1(経済が成長) • 2値変量はy=1である確率を述べることで 分布が特定できる 2 尤度:p(y|θ)に関する例、その3:2値選択 • Xが大きいとき,よりyが1になる経済モデル P(Y=1|x)=p(x) • Xを与えた上でのyの確率分布 PY |X (y | x) p(x)y (1 p(x))1y , y {0,1} (1.10) 3 尤度:p(y|θ)に関する例、その3: 2値選択 • 計量経済学的には(P(Y=1|x)=)p(x)=Φ(βx) (Φ(.)は標準正規密度関数) • したがってYはxの非線形回帰 • Φ(βx)はxの非線形関数であるからこれは非 線形回帰モデルとなる • xとyにn個の観測値が独立していると仮定し たとき尤度は確率の積として l(;y, x) n i1 (x i ) yi (1 (x i ))1yi (1.11) 4 尤度:p(y|θ)とシミュレーション (3)2値データの生成とプロット • 1、nとβを選択する • 2、xの値をシミュレーションする • 3、yの値をシミュレーションする >n <- 50; beta <-0) >x <- runif(n,10,20)) >y <- rbinom(n,1,pnorm(beta*x))) 5 Rでのプロット 6 Rでのプロット 2種類の尤度のプロット 7 ベルヌーイ試行 • 数学的には単純、変数間の関係を含まない • ベイズの考えを説明するのに便利 • N回の実験を繰り返して成功と失敗の確率を知 る状況 • 条件1:試行の回数nが指定されている • 条件2:n回の試行を通して期待値yが一定 • 条件3:各々の試行が独立 8 ベルヌーイ試行 • N回の試行である実験が成功する(ここで は”1”)期待値が分かっているとき(0 1, y {0,1}) s ns (1.12) p(y | ,n) (1 ) • 条件付き確率は • Y∈{0,1}はベクトル(y 1,y2,..yn) n • s i1 y i はn回試行中に成功した(1だっ た)総数 • Yが既知のときθに関する尤度関数は l(;y) (1 ) ,0 1 s ns (1.13) 9 ベルヌーイ試行による確率分布 • ベルヌーイ試行は二項分布としても知られ ている • まずベルヌーイ試行による確率分布をRで プロットしてみる(n=100,θ=0.5) > plot(dbinom(0:100,100,0.5),type="l") 10 ベルヌーイ分布(二項分布)の例 11 ベルヌーイ試行の尤度関数 >thetaval <- seq(0,1,length=100) >n <- 51 >y <- rbinom(n,1,thetaval) >s <- sum(y) >plot(thetaval,dbeta(thetaval,s+1,ns+1),type=“l”) 12 ベルヌーイ試行による尤度関数の例 13 興味のあるパラメータ • ベルヌーイ試行では尤度を構成するあらゆるパ ラメータに対して興味のある多くの異なったパラ メータを主張するのに向いている • ある人がn回のベルヌーイ試行を両者が確率0. 5で行いs=7回成功したとする、しかし何回行っ たかというnを教えてくれなかったとする • したがってnが興味のあるパラメータ、θがデータ になる 14 興味のあるパラメータ • N回の試行においてs回成功するベール ヌーイ試行は2項式で P(S s | n,) n s (1 ) s ns (1.14) s 0,1,2,..,n 0 1 • ここで既知のデータs=7,θ=1/2を用い、パ ラメータnについての尤度を求める n n! 1 l(n;s, ) (n 7)!2 n7 15 興味のあるパラメータ:プロット • N=7,8,..,30においてプロット • Nが14付近が尤度が大きい(s/7=7/0.5は 多くの人が推測する試行回数) 図1.5:Nについての尤度 16 尤度原理 • 比例する2つの尤度は(同じ事前分布が与えら れた下で)同じ推論結果を導かねばならない • 事後のカーネルがあれば異なる尤度が同じ事後 分布を導き、そして同じ推論を導く カーネル:パラメータを含まないかけ算の項を省いた確率密度を 書いたときの残ったものを分布のカーネル(kernel)という • 事後のカーネルを得た後は、事後確率を積分す ると1になることを確実にする基準化係数を求め るために積分 p(y | )p()d を行う 17 尤度原理:ベイズ推定が尤度原 理をみたいしている実例 θに関して同様の信念を持つA,B A:n=20回の試行でs=7回の成功 B:s=7まで試行、n=20まで試行したときにs=7となった Aの尤度は20回のベルヌーイ試行を行った時の成功する回数の分布 l1(;n 20,s 7) 20 7 7 (1 ) 13 (1.15) 7回目成功するのに必要な全試行回数nの確率分布(負の2項分布) s ys p(n | s,) n1 (1 ) , y s,s 1,S 2,... s1 (1.16) 従ってBの尤度は 7 13 l2 (;n 20,s 7) 19 (1 ) 6 (1.17) 18 尤度原理:ベイズ推定が尤度原 理を満たしている実例 l1( | n 20,s 7) l2 ( | n 20,s 7) 7 (1 )13 • 何回試行して何回成功したという情報があ れば、比例関係にある尤度関数からは同 じ結論が導きだされる 19 尤度原理:同一性 y(y ) において p(y | ) p(y | ) が成立する場合 パラメータθは同一でなくてはいけない 20 尤度原理:交換可能性 • N回のベルヌーイ試行において成功する 確率sが等しければ成功、失敗の順番に関 らず確率p(y)は同じである • ドゥフィネッティの定理:n回の試行にたいし て成功するかどうかの確率p(y1,y2,…,yn) がp( y ,..,y ) (1 ) p( )d 1 1 n 0 y {0,1}, y かつ lim n y p( ) n n s s n i1 yi 21 尤度原理:交換可能性 • 交換可能性の性質の証明から尤度と事前 情報が存在することが示された • このことから古典統計学のように独立でラ ンダムな変数を集めたと言い張る必要が なくなった! 22 尤度についてのまとめ • 尤度はモデルパラメータθについてのベイ ズ統計使用者の信念を表している • 尤度をどう決めるかは自由だが、それは合 理的で一貫した経済モデルと適切な確率 構造を持たなければいけない 23
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