確率・統計Ⅰ 第11回 中心極限定理 と 大数の法則 ここです! 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均 確率変数の分散 確率変数の共分散 ベルヌイ試行、二項分布 二項分布(続き)、幾何分布 ポアソン分布 正規分布 正規分布(続き) 大数の法則、中心極限定理 統計学の基礎1(母集団と標本、確率論との関係) 統計学の基礎2(正規分布を用いた推定・検定) 中心極限定理と大数の法則 1. 中心極限定理 2.大数の法則 3.二項分布の場合 4.意味の確認 中心極限定理 X1, X2, …, Xn を 独立な確率変数とし、 Sn = X1 + X2 + … + Xn とおく。 ただし、 E(Xi) =μ, V(Xi) =σ2 とする。 n→∞のとき Sn は、 正規分布 N(nμ, nσ2) に“近づく” Sn の平均と分散 一般に、 E(Xi) =μ, V(Xi) =σ2 とするとき、 E (Sn ) n V ( S n ) n 2 Sn の平均と分散 E (S n ) E( X1 ) E( X 2 ) E( X n ) n V (S n ) V ( X1 ) V ( X 2 ) V ( X n ) n 中心極限定理(別表現) X1, X2, …, Xn を 独立な確率変数とし、 X = (X1 + X2 + … + Xn ) / n とおく。 ただし、 E(Xi) =μ, V(Xi) =σ2 とする。 n→∞のとき X は、 正規分布 N(μ, σ2 / n ) に“近づく” X の平均と分散 X = Sn / n = (X1+…+Xn) / n とおくとき、 (ただし、X1, …, Xn は独立で、E(Xi)=μ, V(Xi)=σ2 ) 1 1 E ( X ) E ( S n ) n n n 1 1 2 V ( X ) 2 V ( S n ) 2 n n n n 2 中心極限定理 補足 X X / n * とおくと、 n→∞のとき X ( Sn ) は、 標準正規分布 N(0, 1) に“近づく” * * 中心極限定理と大数の法則 1. 中心極限定理 2.大数の法則 3.二項分布の場合 4.意味の確認 大数の法則 n→∞のとき E (X ) は変化なし 2 V (X ) / n 0 これは次のことを意味する: (「大数の法則」) X の分布が、μ= E(Xi) に“近づく” 大数の法則(例) p=0.5 n=50 の二項分布の相対度数 X のグラフ P(X/n = r’) 0.1 0.08 0.06 0.04 0.02 0.2 0.4 0.6 0.8 1 大数の法則(例) p=0.5 n=200 の二項分布の相対度数 X のグラフ P(X/n = r’) 0.05 0.04 0.03 0.02 0.01 0.2 0.4 0.6 0.8 1 大数の法則(例) p=0.5 n=2000 の二項分布の相対度数 X のグラフ P(X/n = r’) 0.0175 0.015 0.0125 0.01 0.0075 0.005 0.0025 0.2 0.4 0.6 0.8 1 中心極限定理と大数の法則の 関係 X N (0,1) 中心極限定理 n 大数の法則 X 0 精密化 Sn / 1 は発散し、 X = Sn / n は平均に集中する(大数の法則) 。 中心極限定理は、その中間のオーダーで割った Sn /√n を考え ている。 正確な大数の法則 厳密な数学の定理としては、 大数の弱法則 (ベルヌーイの大数の法則) 大数の強法則 の2つがある。 大数の弱法則 任意のε>0 に対して lim P X 1 n 大数の強法則 P lim X 1 n チェビシェフの不等式(復習) P(| X | ) V (X ) μ=E(X) 2 中心極限定理と大数の法則 1. 中心極限定理 2.大数の法則 3.二項分布の場合 4.意味の確認 二項分布の場合 Xi がベルヌイ分布の場合、 Sn は二項分布になる。 Xi 確率 0 q 1 p このとき、 一致(結果的に) E ( X i ) 1 p 0 q p V ( X i ) (1 p) p (0 p) q pq 2 だから、和 Sn については…: 2 二項分布の場合 E (S n ) E( X1 ) E( X 2 ) E( X n ) p p p np V (S n ) V ( X1 ) V ( X 2 ) V ( X n ) pq pq pq npq Snの平均と分散のまとめ Sn = X1 +…+ Xn E(Sn) = nμ V(Sn) = nσ2 E(Xi) =μ, V(Xi) =σ2 特にベルヌイ分布の場合 q p 0 二項分布 Sn = X1 +…+ Xn 1 E(Xi) = p, V(Xi) = pq E(Sn)=np, V(Sn)=npq 中心極限定理(二項分布の場合) 「ド・モアブル-ラプラスの定理」 (二項分布の正規近似) は、 中心極限定理の特別な場合。 Sn が二項分布 B(n, p) に従うとする。 n→∞のとき Sn は、 正規分布 N(np, npq) に“近づく” 大数の法則(二項分布の場合) Sn が二項分布の場合、 Sn は成功度数だから X = Sn / n の意味は 「相対度数」 (確率 p の事象が起きた回数の割合) だから、「大数の法則」は次のことを意味する: 一回の成功確率が p の試行を繰り返して いくと、成功の相対度数が p に “近づく” 中心極限定理と大数の法則 1. 中心極限定理 2.大数の法則 3.二項分布の場合 4.意味の確認 大数の強法則(例) p=0.5 の二項分布の相対度数 X の n=102~104 における実験値(10回分) 0.575 0.55 0.525 0.5 0.475 0.45 0.425 2.25 2.5 2.75 3 3.25 3.5 3.75 4 対数目盛り 103=1000 104=10000 大数の強法則(例) p=0.5 の二項分布の相対度数 X の n=1~104 における実験値(10回分) 0.575 0.55 0.525 0.5 0.475 0.45 0.425 2000 4000 6000 8000 10000 大数の強法則(例) p=0.5 の二項分布の相対度数 X の n=102~105 における実験値 0.575 0.55 0.525 0.5 0.475 0.45 0.425 対数目盛り 2.5 3 3.5 103=1000 4 4.5 104=10000 5 105=100000 大数の法則? p=0.5 の二項分布の度数 Sn の pからのずれ n=1~103 における実験値(1回分) 40 20 0 -20 -40 200 400 600 800 1000 大数の法則? p=0.5 の二項分布の度数 Sn の pからのずれ n=1~104 における実験値(1回分) 100 75 50 25 0 -25 -50 -75 2000 4000 6000 8000 10000 大数の法則? p=0.5 の二項分布の度数 Sn の pからのずれ n=1~104 における再実験値(1回分) 100 75 50 25 0 -25 -50 -75 2000 4000 6000 8000 10000 大数の法則? p=0.5 の二項分布の度数 Sn の pからのずれ n=1~104 における実験値(10回分) 100 75 50 25 0 -25 -50 -75 2000 4000 6000 8000 10000 大数の法則? p=0.5 の二項分布の度数 Sn の pからのずれ n=102~104 における実験値(10回分) 100 75 50 25 0 -25 -50 -75 対数目盛り 2.25 2.5 2.75 3 3.25 103=1000 3.5 3.75 4 104=10000 大数の法則(再) p=0.5 の二項分布の相対度数 X の n=102~104 における実験値(10回分) 0.575 0.55 0.525 0.5 0.475 0.45 0.425 2.25 2.5 2.75 3 3.25 3.5 3.75 4 対数目盛り 103=1000 104=10000 賭けと中心極限定理 例 : μ= -0.1, σ=1 の賭け 正規分布 0.45 μ=-0.1,σ=1 μ=-10,σ=10 0.4 0.35 0.3 100回累積後の分布 (常にほぼ正規分布) 0.25 0.2 0.15 0.1 マイナスになる確率 =P(Z*<1) =0.84 0.05 0 -50.0 -0.05 -40.0 -30.0 -20.0 -10.0 σ μ σ 0.0 10.0 20.0 30.0 メニューに戻る メニューへ
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