PRE-20-19 急性期病院における廃用症候群患者の現状と作業療法の介入検討 Rehabilitation for Disused syndrome in the acute care hospital ○野村真弓 (OT),戸渡敏之 (PT) 労働者健康福祉機構 関東労災病院中央リハビリテーション部 Key words: Occupational therapy intervention,ADL,Disuse Syndrome 導入 当院では廃用症候群患者へのリハビリテーション(以下リハ)依頼が増加している.廃用症候群 患者の現状を調査し,作業療法の介入方法を検討した. 方法 対象は2012年4月から2013年3月までにリハを開始した277名(平均年齢79.1±10.2歳)の 入院期間,ADLおよび栄養状態について調査した.ADLをBarthel Index(以下BI)で評価し,リハ開始 時BIを4群,20点以下,25点以上40点以下,45点以上55点以下,60点以上,リハ開始時と終了時のアルブ ミン値(以下Alb値)の差を3群,増加,減少,維持に分け分散分析後多重比較を行った.患者データは全 て匿名化し使用している. 結果 入院期間50.0±33.0日,リハ開始時BI29.3±28.3点,終了時BI42.1±34.6点,開始時Alb値2.8 ±0.6g/dl,終了時Alb値3.0±0.6g/dl.開始時BI別の入院期間は,BI20点以下55.9±40.2日,20点以上 40点以下62.8±52.7日,45点以上55点以下37.2±29.7日,60点以上35.1±37.2日であった.60点 以上の群は20点以下と25点以上40点以下の群に比し有意に入院期間が短かった(p<0.01).Alb値 群別終了時BIは,増加群48.7±34.2点,減少群28.5±28.2点,維持群32.0±33.6点と,増加群は減少群 に対し有意に高かった(p<0.01). 考察 リハ開始時BIが低い患者は,入院期間が長期化する傾向があり,早期から病棟と連携し,ADLへの介 入,社会資源の利用等退院調整が必要と考えられる.低栄養状態の患者が多く,作業療法では負荷が少な く患者本人の満足度の高い作業の導入も必要である.
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