論文内容要旨(乙) JtldfJ / /// Prevalenceofserratedpolyposissyndromeanditsassociationwith synchronous advanced adenoma and lifestyle (Serratedpolyposis syndrome の有病率と臨床病理学的特徴) MOLECULARAND CLINICALONCOLOGY ( V o l .3 N o .12015年掲載) 内科学(消化器内科学分野)(横浜市北部病院) 豊嶋直也 背景 C o 過形成性ポリープに代表される鋸歯状病変は大腸癌のリスクはないと考 えられていたしかし,鋸歯状病変の中には癌化の可能性を持っているも のが存在し,その癌化経路は腺腫性病変と異なることがわかってきた.新 たに Serratedpolyposis syndrome (SPS)と定義された大腸に多数の鋸歯 状病変を有する疾患は大腸癌リスクとされているが,日本ではその臨床病 理学的特徴や原因は報告されていない. 目的 SPSの有病率は 0 .0 1 0 .05%と報告されているが,まだ拡大色素内視鏡検 査による詳細な報告はされていない.過形成性ポリープの検出には適切な 前処置および色素撒布が必須であるため,拡大色素内視鏡検査を用い て , WHOの臨床基準に基づいて, SPSの臨床病理学的特徴,および advanced adenoma ( A D A ) I大腸癌の発生率の評価を目的とした. l O 方法 6ヶ月の期間に国立がんセンター中央病院で大腸内視鏡検査を受けた 249 症例を対象とし,拡大大腸内視鏡を用いて,盲腸から直腸まで色素散布し た後に病変を検出した.発見した病変の位置、大きさ及び数を記録し、生 検もしくは/拡大内視鏡を用いて SPSを診断した( SPSの定義 a)鋸歯状ポ リープが全結腸に 20個以上認める. b )s 状結腸より口側結腸に 5つ以上 鋸歯状病変があり、そのうち 2つ以上が 1 0阻を超えている.いずれかを満 たす症例) .SPSに該当する症例とそれ以外を 2群に分けて臨床的特徴( 年齢,性別,体格指数(BMI),喫煙,飲酒,大腸癌家族歴,内視鏡所見)を比 較検討した 結果 SPSは 2 1症例( 8 .4%)で,いずれの症例も結腸に 20個以上過形成性ポリ ープを認めたが,右結腸に 10皿以上の過形成性ポリープを認めた症例は 0 , 5% (76/249)の症例で ADAもしくは大腸癌を認め なかった.全体の 3 / (<0 た. A D Aもしくは大腸癌を認めた症例数は S P Sでない群と比較し S P S群で 高い傾向を認めた( P= 0 .0 7 5 ) .また臨床病理学的特徴では性別,噌好歴, 大腸癌家族歴に有意差は認めなかったが, S P S群のほうが年齢( P=0 .0 1 8 ) p く0 .0 1)が有意に高い結果であった. 及び B M I( 考察 S P Sの有病率は既存の報告より高い結果であった.鋸歯状病変の内視鏡的 特徴は典型的な腺腫性病変と異なり、色調は正常粘膜と同様で粘液が表面 に付着しているため血管透過性も弱く,肉眼型は平坦型がおおく通常観察 では発見が困難である.今回の検討では色素拡大内視鏡を用いていること からより多く病変を検出していることが考えられた.鋸歯状病変も癌化 リスクがあると報告されていることから,色素拡大内視鏡検査を施行する ことにより通常光観察で見逃されていた病変を検出し pitpatternを評価 することが重要である. 今回の結果では S P S患者に大腸癌を多く認、めたが有意差は認めなかった. しかし,今回の検討では検討施設ががん専門病院であり,サンプルサイズ も少ないなど limitationがあるため、一概に大腸癌のリスクでないとは 判断できない. 結論 S P Sの臨床病理学的特徴としては年齢, B M Iが高いことが示唆された.ADA や大腸癌のリスクは統計学的な有意差は認めないものの S P S患者で多い 傾向を認めた. l b
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