ニュースリリース

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※ 本リリースはドイツ・ダルムシュタット 5 月 6 日発表英文リリースの日本語抄訳版です。
2015 年 5 月 20 日
メルクミリポアの「Strat-M®」合成メンブレン、皮膚透過性試験において
ヒトおよび動物の皮膚と同等の予測力を発揮することが研究で実証
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ヒト皮膚、ラット皮膚、Strat-M®メンブレンにおいて、同等の透過係数を確認

Strat-M®メンブレンが、透過性試験における動物またはヒトの皮膚の代替品として有効であることを実証

Strat-M®メンブレンは、医薬品や化粧品のさまざまな成分の経皮拡散試験に最適
メルク株式会社(本社東京、会長兼社長ラルフ・アナセンツ)の親会社Merck(本社ドイツ・ダルムシュタット、会長
カール-ルドウィッグ・クライ)のライフサイエンス部門メルクミリポア事業部(以下、メルクミリポア)は、同社の経
皮拡散試験モデル「Strat-M®」合成メンブレンが、in vitro経皮拡散試験における化合物の皮膚透過性につい
て、ヒトあるいは動物の皮膚と同等に効果的な予測ができることを示した研究結果が発表されたことをお知らせ
いたします。この研究は、城西大学の研究者によって行われたもので、『European Journal of Pharmaceutical
Sciences』2015年1月25日号で論文が発表されました。
Strat-M®メンブレンは、非動物由来の合成品で、医薬品有効成分、化粧品活性成分、パーソナルケア製品、農
薬、その他の化学物質など、さまざまな化合物や製剤のヒト皮膚における拡散を予測することが可能です。
Strat-M®メンブレンは極めて均一性が高く、再現可能な拡散データを提供することができ、生体モデルでたびた
び生じるようなロット間のばらつきもありません。
城西大学によるこの新たな研究では、さまざまな化合物の皮膚透過性を推定する際に、Strat-M®メンブレンがヒ
トおよび動物の皮膚の代替品として機能するかどうかの評価が行われました。13種類の化合物について、ヒト摘
出皮膚、無毛ラット皮膚およびStrat-M®メンブレンを用いて試験を実施したところ、Strat-M®メンブレンで得られた
透過係数は、ヒトおよびラットの皮膚で得られる透過係数の予測に使用できることが明らかとなりました。
この論文の著者であり、皮膚透過に関する第一人者である城西大学薬学部教授の杉林堅次博士は、「in vitro
皮膚透過性試験は、新たな経皮送達システムの開発に不可欠です。皮膚透過性試験では生体モデルが頻繁に
使用されますが、生体モデルにはロット間のばらつき、入手のしにくさ、安全上の懸念、保管の制約など、さまざ
まな難点があります」と述べています。さらに、論文の共著者である城西大学の藤堂浩明博士は、「我々の研究
によって、Strat-M®メンブレンが、透過性試験において、ヒトおよび動物の皮膚の代替品として機能することが実
証されました。研究者にとって、候補化合物のスクリーニング用の貴重なツールとなります」とコメントしていま
す。
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メルクミリポアのバイオサイエンス事業部責任者であるパトリック・シュナイダー博士は、「杉林博士と藤堂博士に
よる論文は論文審査で同分野の専門家に検証もされており、Strat-M®メンブレンが経皮拡散試験に使用できる
ことが立証されたといえます。研究結果は、同製品の有用性を裏付けており、研究者による認識が高まることで
採用が加速し、経皮製剤のin vitro試験が促進されると考えられます」とコメントしています。
Strat-M®メンブレンは、2012年に提供が開始された経皮拡散試験モデルで、ヒトの皮膚と同様に複数層で構成
されています。プレカットディスクとして個包装されているため、保管が容易で、使用前に水和させる必要もありま
せん。
詳細はwww.merckmillipore.com/stratmをご覧ください。
日本語製品サイト: http://www.merckmillipore.com/JP/ja/product/,MM_NF-C112892
メルクについて
Merck(メルク)はドイツのダルムシュタットに本社を置く世界的な医薬・化学品会社です。ヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマ
ンスマテリアルズの分野において最高水準の品質と高度な技術に基づく革新的な製品を提供しています。6つの事業(メルクセロー
ノ、コンシューマヘルス、アレルゴファーマ、バイオシミラー、メルクミリポア、パフォーマンスマテリアルズ)を展開し、グループ従業
員総数は約39,000人、事業展開地域は世界66カ国に上り、2014年売上高は約113億ユーロとなっています。会社としての起源は
1668 年まで遡り、以来世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社として、革新性・事業の成功・責任ある企業家精神を軸に、患者
様のQOLの向上や顧客企業の支援、地球的規模の課題の解決に向け取り組んでいます。またメルクの株式は創業家が全体の
70%を保有しています。なおメルクは北米では「EMD」として事業を行っています。
メルク株式会社はメルクの日本法人として1968 年に設立。液晶や顔料などの化学品の研究開発・製造・販売や、試薬・分析機器
などバイオサイエンス基礎研究や医薬品製造、創薬にかかわるライフサイエンス関連製品・サービスを手がけています。2011年に
日本ミリポア株式会社を吸収合併、2014年にはグループ傘下にAZエレクトロニックマテリアルズを統合。パフォーマンスマテリアル
ズとライフサイエンスの両分野で高付加価値製品とソリューションを幅広く提供しています。
メルク株式会社についての詳細は、www.merck.co.jp をご覧ください
メルクミリポアについて
メルクミリポアはドイツに本社を置くメルクのライフサイエンス部門です。バイオテクノロジーや医薬分野での研究・開発・製造向けに
革新的で優れた製品とサービスを提供しています。研究開発への投資額はライフサイエンス企業の中でトップ 3 に入り、科学・工学
分野の最先端の研究によって顧客企業の戦略的パートナーとしてライフサイエンスの発展を支えています。米国マサチューセッツ
州ビレリカを拠点に、現在 66 カ国で事業を展開、従業員数は約 10,000 人です。2014 年の売上高は 27 億ユーロでした。北米で
は「EMD Millipore」として事業を行っています。
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