疫学研究に関する倫理指針及び 臨床研究に関する倫理指針の見直し

「疫学研究に関する倫理指針及び
臨床研究に関する倫理指針の見直し」について
~臨床研究・治験をめぐる最近の動向~
厚生労働省
医政局研究開発振興課
平成26年度 治験推進地域連絡会議
本日の内容
○臨床研究・治験をめぐる最近の動向
○人を対象とする医学系研究に関する倫理指針
○その他の取組みについて
 臨床研究に関する制度の在り方に関する検討
 医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討
2
臨床研究・治験をめぐる最近の動向
1.「日本再興戦略」改訂2014 -未来への挑戦-
(平成26年6月閣議決定・抜粋)
国民の「健康寿命」の延伸
(医療分野の研究開発の司令塔を創設)
○ 医療分野の研究開発の司令塔として健康・医療戦略推進
本部及び(独)日本医療研究開発機構を創設する法案成立。
○ 医薬品や医療機器などの医療分野の研究開発を各省連携
により推進していく体制の構築。
2.「健康・医療戦略」 (平成26年7月閣議決定・抜粋)
国が行う医療分野の研究開発の環境の整備
○ 臨床研究及び治験実施環境の抜本的向上
・ 革新的医療技術創出拠点(橋渡し研究支援拠点、早期・探索
的臨床試験拠点、臨床研究中核病院、日本主導型グローバ
ル臨床研究拠点)の総合活用、ARO機能の構築による
臨床研究、治験の推進。
・ 国際水準の質の高い臨床研究・治験が確実に実施できる
仕組みの構築。
4
臨床研究事案に関する主な報道
概要
ディオバン事案
ノバルティス社の高血圧症治療薬ディオバンに係る臨床研究において、データ操作
等があり、研究結果の信頼性や研究者の利益相反行為等の観点から社会問題化
(平成25年夏)。(東京慈恵会医科大学、京都府立医科大学、滋賀医科大学、千葉
大学、名古屋大学が関連)
平成26年1月にノバルティス社を薬事法違反の疑いで刑事告発。また、厚生労働
省検討委員会の検討結果について、報告書として公表(同年4月)。
白血病治療薬
タシグナ事案
(SIGN試験)
ノバルティス社の白血病治療薬タシグナに係る医師主導の臨床研究において、全
ての患者データがノバルティス社に渡っていたことなど、実質的にノバルティス社が
深く関与していたことが東大の中間報告(平成26年3月)及びノバルティス社の第
三者委員会の報告書(同年4月)で明らかになった。
CASE-J事案
武田薬品工業の高血圧症治療薬ブロプレスについて、既存の高血圧治療薬との比
較で、心血管系疾患の発生に統計学的に有意差がないのに、一定期間経過後に
は差があるかのような誤解を招きかねない広告があったことが発覚(平成26年2
月)。
J-ADNI事案
アルツハイマー病における、アミロイドPETを中心としたバイオマーカーの確立を目
的とした臨床研究において、データ改ざん等の不正があるのではないかとの報道
があった(平成26年1月)。
5
高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会
【目的】ノバルティスファーマ株式会社が販売する降圧剤バルサルタンに係る臨床研究について、研究結果の信頼性や研
究者の利益相反行為の疑い等から社会問題化していることを踏まえ、当該事案の状況把握及び必要な対応等を検討
する組織を定め、もって同様の事案の再発防止を図る。
【主な検討項目】当該事案の状況把握及び対応方針・再発防止策・臨床研究の信頼性及び質を確保するための具体
的方策
【開催実績】
【構成員】
いながき
おさむ
稲垣
治
くわじま
いわお
桑島
そね
巌
日本製薬工業協会医薬品評価委員会
委員長
特定非営利活動法人臨床研究適正評価教育機構
理事長
さぶろう
曽根
三郎
たけうち
まさひろ
竹内
正弘
たしま
ゆうこ
田島
優子
たしろ
しもん
田代
志門
はない
じゅうご
花井
十伍
ふじわら
やすひろ
藤原
康弘
みやた
みつる
宮田
満
もりした
のりこ
森下
典子
もりしま
あきお
日本医学会利益相反委員会
北里大学薬学部
臨床医学(臨床統計学・医薬開発学)教授
さわやか法律事務所
弁護士
昭和大学研究推進室
講師
全国薬害被害者団体連絡協議会
(独)国立がん研究センター
昭夫
やまもと
まさゆき
山本
正幸
代表世話人
企画戦略局長
日経 BP 社 特命編集委員
(独)国立病院機構大阪医療センター
臨床研究推進部
◯ 森嶌
委員長
第1回(平成25年8月9日)
【議題】各大学及び関係企業による調査状況・今
後の進め方について
第2回(平成25年9月2日)
【議題】諸外国法規制の状況報告・中間報告に向
けた議論
第3回(平成25年9月30日)
【議題】ヒアリング概要の公表・中間取りまとめ
(案)について
臨床研究推進室
臨床研究センター
室長
名古屋大学名誉教授
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構・副機構長
基礎生物学研究所・所長
(敬称略)
○:委員長
平成25年10月8日 中間取りまとめの公表
第4回(平成25年12月25日)
【議題】滋賀医科大学、名古屋大学及び千葉大学
からのヒアリング等
第5回(平成26年3月27日)
【議題】製薬協からのヒアリング・報告書(案)
について
平成26年4月11日 報告書の公表
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高血圧症治療薬の臨床研究事案を踏まえた対応及び再発防止策について (報告書) 概要
平成26年4月11日
○ 事案の背景と問題の所在
医学的研究課題の解明に向けられたものとは言えない臨床研究であり、被験者保護の観点から問題
実態として、一個人というよりノバルティス社として今回の事案に関与
大学及びノバルティス社双方における利益相反管理上の問題
データ操作に関わっていないことの説明責任をノバルティス社及び大学関係者の双方が十分果たしていない
我が国の医学界に対する信頼性が大きく低下したことに対する責任は、双方で負うべき
(5) 臨床研究の実施責任者・倫理審査会の不十分な対応、また、資料廃棄により検証が不能
(1)
(2)
(3)
(4)
○ 今後の対応と再発防止策
・法制度に係る検討について本年秋までを目処に進める
・「臨床研究に関する倫理指針」の見直しの一環として必要な対応を図る
(1) 信頼回復のための法制度の必要性
本年秋を目処に法制度に係る検討について進めるべき
(2) 臨床研究の質の確保と被験者保護
➀
➁
➂
➃
倫理審査委員会の機能強化と審査の透明性確保
研究責任者の責務の明確化と教育・研修の徹底
データ改ざん防止体制の構築
資料の保管管理に関する体制・ルールの整備
等
(3) 研究支援に係る製薬企業の透明性確保及び管理
体制並びに製薬企業のガバナンス等
➀ 研究機関と製薬企業間の透明性確保
➁ 製薬企業のガバナンスの徹底
(4) その他
➀ 臨床研究倫理指針に関する研究機関の自己点検
➁ 事案発生時の研究機関による迅速かつ適切な調査
○ その他の重要課題
(1) 薬事法に基づく対応の必要性
(2) 学会ガイドラインについて
(3) 今回の事案による医療保険財政への影響
(4) 非常勤講師の委嘱のあり方
(5) 主な臨床研究実施機関による自主点検の結果
7
臨床研究の不正事案に関する検討の経緯について
【高血圧症治療薬ディオバンの臨床研究事案】
ノバルティスファーマ社の高血圧症治療薬ディオバンに係る臨床研究でデータ操作等があり、研究結果の信頼性や研究者の
利益相反行為等の観点から社会問題化(平成25年5月)。
【その他の臨床研究事案】
武田薬品の高血圧症治療薬ブロプレスやノバルティスファーマ社の白血病治療薬タシグナ、アルツハイマー病に関する臨床
研究等において、誤解を招きかねない広告や企業の不適正な関与、データ改ざんの疑い等が発覚。
高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会
(平成25年8月~平成26年3月)
ノバルティスファーマ社のディオバンに係る臨床研究事案について、事
案の状況把握及び対応方針・再発防止策・臨床研究の信頼性及び質を確保す
るための具体的方策を検討。
【報告書概要】(平成26年4月)
・「臨床研究に関する倫理指針」の見直しの一環として必要な対応を図る
・国は、平成26年秋を目処に、臨床研究の信頼回復のための法制度の必要性
について検討を進めるべき
(報告書の構成)
(1)信頼回復のための法制度の必要性
(2)臨床研究の質の確保と被験者保護
(3)研究支援に係る製薬企業の透明性確保及び管理体制
並びに製薬企業のガバナンス等
(4)その他
健康・医療戦略
(平成26年7月22日閣議決定)(抄)
○公正な研究を行う仕組み及び倫理・法令・指針遵守のための環境整備
2014年秋を目処に法制度を含めた臨床研究に係る制度の在り方について
検討を進め結論を得、我が国の臨床研究の信頼回復を図る。
「臨床研究に関する倫理指針」の見直し
【厚労省・文科省合同委員会の見直し案につきパブコメを終了し、
告示準備中】
【検討の方向性】
研究の質の確保・被験者保護、研究機関と製薬企業間の透明性確保のた
め、文科省と厚労省の合同会議で、以下の規定を新設・充実する方向で検討
中。
➀ 倫理審査委員会の機能強化と審査の透明性確保のための規定を充実
➁ 研究責任者の責務の明確化、教育・研修の規定を充実
➂ データ改ざん防止のため、モニタリング・監査の規定を新設
➃ 資料の保存に関する規定を新設
⑤ 利益相反に関する規定を新設
臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会
【平成26年年内を目処に結論】
我が国の臨床研究の信頼を早急に回復するため、法制度を含めた臨床研究
に係る制度の在り方について検討。
【主な検討項目】
① 臨床研究の質の確保
② 被験者の保護
③ 製薬企業等の資金提供・労務提供にあたっての透明性の確保及び臨床
研究の実施機関における利益相反管理
他
8
疫学研究に関する倫理指針及び
臨床研究に関する倫理指針の見直し
「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」
疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直し
○疫学指針(文科省・厚労省)と臨床指針(厚労省)は、ともに医学系研究に関する指針であり、概ね5年ごとに見直し。
○近年の研究の多様化に伴い両指針の適用範囲が複雑になっており、関係者から両指針の調整の必要性が指摘。
平成25年2月より、文科・厚労両省の合同会議で両指針の見直しを一体的に検討。
【統合指針の構成】
指針名: 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針
前文
第1章 総則
第2章 研究者等の責務等
第3章 研究計画
第4章
第5章
第6章
第7章
倫理審査委員会
インフォームド・コンセント等
個人情報等
重篤な有害事象への対応
第8章 研究の信頼性確保
第9章 その他
【統合指針の主な内容】
両指針を統合し、人を対象とする医学系研究において求められる、あるいは配慮すべき事項を新たな基準で整理。
○バンク・アーカイブに関する規定の新設
○インフォームド・アセントに関する規定の新設
→ いわゆるバンク・アーカイブといわれる、試料・情報を様々な
機関から収集し、他の研究機関に反復継続して分譲する機関
について、指針上に位置付け
○研究者等の責務の明確化
→ 研究機関の長へ研究に対する総括的な監督義務を課すとと
もに、研究者への教育・研修の規定を充実
○倫理審査委員会に関する規定の見直し
→ 委員の構成を見直すとともに、委員の教育・研修を義務化
→ 倫理審査委員会の情報公開を厳格化
○インフォームド・コンセントに関する規定の整理
→ 未成年者等の社会的に弱い立場にある方々を対象として研
究を実施する場合、理解力に応じた分かりやすい説明を行い、
研究への賛意(インフォームド・アセント)を得ることを規定で明
確化
○研究に関する試料・情報等の保存
→ 研究に関する試料・情報等について保存を義務化
○利益相反の管理
→ 研究責任者や研究者が執るべき措置を明確化
○モニタリング・監査
→ 侵襲及び介入を伴う研究などにおいて、研究責任者にモニタ
リング及び必要に応じて監査の実施を求める規定を新設
→ 研究により研究対象者に生ずる危険等に応じて、インフォー
ムド・コンセントを受ける手続等を整理
平成26年12月22日告示
平成27年4月1日施行予定
(モニタリング・監査に関する規定は平成27年10月1日から施行予定) 10
適用範囲
日本の研究機関により実施され、又は日本国内で実施される
人を対象とする医学系研究を対象とする。 (第3の1)
 人(試料・情報を含む。)を対象として、傷病の成因(健康に関する様々な事象の
頻度及び分布並びにそれらに影響を与える要因を含む。)及び病態の理解並び
に傷病の予防方法並びに医療における診断方法及び治療方法の改善又は有
効性の検証を通じて、国民の健康の保持増進又は患者の傷病からの回復若しく
は生活の質の向上に資する知識を得ることを目的として実施される活動 (第2
の⑴)
※他の指針の適用範囲に含まれる研究にあっては、当該指針に規定されて
いない事項についてはこの指針の規定に従う
<指針の対象としない研究>
• 法令の規定により実施される研究
• 法令の定める基準の適用範囲に含まれる研究
• 既に学術的な価値が定まり、研究用として広く利用され、かつ、
一般に入手可能な試料・情報のみを用いる研究
• 既に連結不可能匿名化されている情報のみを用いる研究
11
教育・研修
疫学研究倫理指
針
研究者等
(研究責任者
を含む。)
研究機関の長
倫理審査委員
会の委員、
事務に従事す
る者
倫理審査委員
会の設置者
【規定なし】
【規定なし】
【規定なし】
臨床研究倫理
指針
人を対象とする医学系研究
に関する倫理指針
(研究機関の長
も含めて)
研究の実施に先
立ち教育・研修
を受ける
• 研究の実施に先立ち教育・研修を受け
る
• 研究期間中も適宜継続して教育・研修
を受ける
研究者等が教
育・研修を受け
ることを確保す
るため必要な措
置
• 研究者等が教育・研修を受けることを
確保するため必要な措置
• 自らも教育・研修を受ける
【規定なし】
(第4の3)
(第6の2⑸)
• 業務に先立ち教育・研修を受ける
• その後も適宜継続して教育・研修を受
ける
(第11の1⑹)
【規定なし】
倫理審査委員会
委員の教育・研
修に努めなけれ
ばならない
倫理審査委員会の委員、事務に従事する
者が教育・研修を受けることを確保する
ため必要な措置
12
(第10の2⑷)
倫理審査委員会
疫学研究
倫理指針
臨床研究倫理指針
•
•
設置
原則として、
研究機関の長
による設置
•
•
•
•
•
•
構成
•
•
•
審議
又は
採決
臨床研究機関の長
一般社団法人又は一般財
団法人
特定非営利活動法人
医療関係者により構成さ
れた学術団体
医療機関を有する学校法
人、国立大学法人、地方
独立行政法人
医療の提供を主な業務と
する独立行政法人
人を対象とする医学系研究に関する倫理指針
設置者の要件
• 審査に関する事務を的確に行う能力
• 倫理審査委員会を継続的に運営する能力
• 倫理審査委員会を中立的かつ公正に運営する能
力
① 医学・医療の専門家等、自然科学の有識者
② 倫理学・法律学の専門家等、人文・社会科学の有
医学・医療の専門家等自然科学の有
識者
識者
法律学の専門家等人文・社会科学の有識 ③ 研究対象者の観点も含めて一般の立場から意見を
者
述べることができる者
一般の立場を代表する者
④ 設置者の所属機関に所属しない者が複数
外部委員を含むこと
⑤ 男女両性で構成
男女両性で構成
⑥ 5名以上
※①~③は重複不可
規定なし
人文・社会科学の有識者又
は一般の立場を代表する有
識者が1名以上出席
•
•
会議の成立も、①~⑥と同様の要件
倫理審査委員会の意見は、全会一致をもって決定
するよう努めなければならない
13
研究の信頼性確保(1)
○
利益相反の管理(第18)
研究者等
研究に係る自らの利益相反に関する状況について、研究責任者に報告し、透
明性を確保するよう適切に対応
商業活動に関連し得る研究に係る利益相反に関する状況を、インフォームド・コ
ンセントを受ける手続において研究対象者等に説明
研究責任者
商業活動に関連し得る研究を実施する場合については、当該研究に係る利益
相反に関する状況を把握し、研究計画書に記載
○
モニタリング及び監査(第20)
【対象とする研究】侵襲(軽微な侵襲を除く。)かつ介入を行う研究
モニタリングに従
事する者、
監査に従事する
者
研究責任者
研究機関
の長
守秘義務
モニタリングに従事する者は、モニタリングの結果を研究責任者に報告
監査に従事する者は、監査の結果を研究責任者及び研究機関の長に報告
研究機関の長の許可を受けた研究計画書に定めるところにより、モニタリング及
び必要に応じて監査を実施
モニタリングに従事する者、監査に従事する者に対して必要な指導・管理
研究に関する情報等の閲覧その他モニタリング及び監査の実施に協力
14
研究の信頼性確保(2)
○
研究に係る試料及び情報等の保管(第19)
 研究に用いられる情報及び当該情報に係る試料を正確なものにしなければならない
研究者等
研究責任者
 研究計画書に研究に係る試料・情報等の保管方法について記載
 研究者等に対する指導・管理、紛失等の防止のため必要な管理
 試料・情報等の保管状況について、研究機関の長へ報告
 試料・情報等の保管に関する手順書を作成の上、当該手順書に従って適切に保管されるよう必要
な監督
 研究に係る情報等を可能な限り長期間保存するよう努め、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究
であって介入を伴うものについては、以下の図の通り保管
 試料・情報等を廃棄する場合には、匿名化されるよう必要な監督
研究機関
の長
研究に係る記録・加工デー
タ
可能な限り長期間
保管(努力義務)
研究対象者から
取得した情報
他の機関から提供を
受けた情報
研究の開始
研究の終了
【対象とする研究】侵襲(軽微な侵襲を除く。)かつ介入を行う研究
研究結果の
最終の公表
少なくとも、
研究終了後5年又は
研究結果の最終の公表後3
年のいずれか遅い日まで保
管(義務)
15
その他の取組みについて
○臨床研究に関する制度の在り方に関する検討
○医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討
臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会
目的
我が国の臨床研究の信頼を早急に回復するため、法制度を含めた臨床研究に係る制度の在り方についての検討を目的とし、
医政局長の私的諮問機関として、本検討会を開催。
(※)ノバルティスファーマ株式会社が販売する降圧剤バルサルタンに係る臨床研究事案に関し、再発防止策等の検討を行って
いる「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」の報告書において、国は、平成26年秋を目途に、臨床研究の信
頼回復のための法制度に係る検討を進めるべき、とされている
主な検討事項
臨床研究に係る次の事項について、臨床研究の信頼回復のための具
体的方策及び法制度の必要性について検討・提言する。
① 臨床研究の質の確保
② 被験者の保護
③ 製薬企業等の資金提供・労務提供にあたっての透明性の確保及び臨
床研究の実施機関における利益相反管理
他
開催実績・スケジュール
第1回(平成26年4月17日)
【議題】臨床研究を取り巻く状況と対応について/今後の検討の進め方について
第2回(5月16日)・第3回(6月25日)・第4回(7月23日)・第5回
(8月27日)・第6回(10月1日)
【議題】有識者等からのヒアリング(日本製薬工業協会・日本医学会・国立がん
研究センター・海外制度研究者等)/論点整理に向けた議論
第7回(10月22日)・第8回(11月6日)・第9回(11月26日)
【議題】臨床研究に係る制度の見直しの方向性について/骨子案
(今後のスケジュール)
○ 平成26年内 報告書のとりまとめ
委員
えんどう
ひさお
◯ 遠藤 久夫
きりの
学習院大学経済学部
教授
たかあき
桐野 高明
独立行政法人国立病院機構
理事長
くすおか ひでお
楠岡 英雄
こだま
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 院長
やすし
児玉 安司
新星総合法律事務所
弁護士・医師
こんどう たつや
近藤 達也
独立行政法人医薬品医療機器総合機構
理事長
だいもん たかし
大門 貴志
むとう
武藤 香織
むとう
兵庫医科大学医学部
准教授
かおり
東京大学医科学研究所
教授
てついちろう
武藤 徹一郎 公益財団法人がん研究会
メディカルディレクター・名誉院長
もちづき まさたか
望月 正隆
東京理科大学薬学部
教授
やまぐち いくこ
山口 育子
やまもと りゅうじ
山本 隆司
NPO法人 ささえあい医療人権センター
COML理事長
東京大学法学政治学研究科
教授
(敬称略)
○:座長
17
日本と欧米の法的規制の現状(規制の対象範囲)
○ 治験については各国とも法的規制があるが、臨床研究については規制の対象範囲が異なる。
○ 日本では、臨床研究については法的規制が存在しない。
治験
臨床研究
日本※1
米国※2
欧州※3
医薬品
○
○
○
機器
○
○
○
未承認
適応外
医薬品
×
○
○
機器
×
○
○
承認あり
適応内
医薬品
×
×
○
機器
×
×
○
×
×
×
手術・手技
※1 日本は、臨床研究については倫理指針で対応。
※2 米国は、公的研究費の対象となる研究については別途法規制が存在する。広告に用いられるものも対象としている。
※3 欧州は、機器を用いた臨床研究については、医薬品よりも規制事項が少ない等の差がある。
18
検討会報告書のポイント (1)
1.法規制の必要性等
○ 医薬品・医療機器等開発の国際化を踏まえると、5年後・10年後を
見越した制度の検討が必要。
○ 不適正事案が判明した場合の調査、再発防止策の策定等の迅速
な対応に現状の制度では限界があり、信頼回復のためには倫理
指針の遵守だけでは十分とは言えない。
○ 他方、過度な規制導入は研究の萎縮をもたらすなどの影響を懸念。
自由な研究環境を確保しつつ法規制による研究の萎縮防止のため
には、法規制と研究者等の自助努力・法規制以外の対応方策との
バランスが重要。
○ これらのことから、我が国においても欧米の規制を参考に一定の
範囲の臨床研究に法規制が必要。その際、運用面において研究者
に過度な負担を課すことがないよう配慮が必要。
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検討会報告書のポイント (2)
2.法規制の範囲
臨床研究に参加する被験者に対するリスクと、研究結果が医療現場の治療方針に与える影響の度合い
等の社会的 リスクの双方を勘案した以下の範囲とすることが妥当。
・ 未承認又は適応外の医薬品・医療機器等を用いた臨床研究
・ 医薬品・医療機器等の広告に用いられることが想定される臨床研究
3.具体的な規制や対策の内容について
(1)倫理審査委員会
倫理審査委員会が具備すべき委員構成等の要件を設定し、質を確保。
(2) 臨床研究に関する情報の公開等
情報公開は透明性確保等に有効。一方で、知的財産権保護への配慮が必要。
(3) 臨床研究の実施基準
モニタリングの実施、記録の保存等について、ICH-GCP等を踏まえた基準の策定・遵守が必要。
(4) 有害事象発生時の対応
予期しない重篤な有害事象の倫理審査委員会への報告。保健衛生上の必要性に応じ行政も把握。
(5) 行政当局による監視指導及び研究者等へのペナルティー
罰則は、改善命令に応じないなどの悪質な場合に限定。
(6) 製薬企業等の透明性確保
業界の取組についてより一層の努力を求め、製薬企業等の取組状況も踏まえ、法的規制も視野に
対応を検討。
4.その他
・ 生物統計等の専門家養成、医学生に対する早期の倫理教育等の臨床研究に関係する人材育成が必要。
・ 製薬企業や業界団体における広告審査の枠組みづくり、行政機関による監視・指導体制の強化を行うことによって、
医療用医薬品の広告の適正化を図るべき。
20
臨床研究中核病院の医療法での位置づけについて
概要
日本発の革新的医薬品・医療機器の開発などに必要となる質の高い臨床研究を推進するため、国際水準の臨床研究や
医師主導治験の中心的役割を担う病院を臨床研究中核病院として医療法上に位置づける。
※ 臨床研究は、医療行為を行いながら、医療における疾病の予防、診断並びに治療の方法の改善、疾病の原因及
び病態の理解に関する研究を同時に行うものであり、臨床研究の推進は、良質な医療の提供に資するものである
ため、医療法の趣旨に合致する。
目的
質の高い臨床研究を実施する病院を厚生労働大臣が臨床研究中核病院として承認し、名称を独占することで、
・
臨床研究中核病院が、他の医療機関の臨床研究の実施をサポートし、また、共同研究を行う場合にあっては中核となっ
て臨床研究を実施することで、他の医療機関における臨床研究の質の向上が図られる
・ 臨床研究に参加を希望する患者が、質の高い臨床研究を行う病院を把握した上で当該病院へアクセスできるようになる
・ 患者を集約し、十分な管理体制の下で診療データの収集等を行うことで、臨床研究が集約的かつ効率的に行われるよう
になる
ことにより、質の高い臨床研究を推進し、次世代のより良質な医療の提供を可能にする。
内容
一定の基準を満たした病院について、厚生労働大臣が社会保障審議会の意見を聴いた上で、臨床研究中核病院とし
て承認する。
【承認基準の例】
・出口戦略を見据えた研究計画を企画・立案し、国際水準(ICHーGCP準拠)の臨床研究を実施できること
・質の高い共同臨床研究を企画・立案し、他の医療機関と共同で実施できること
・他の医療機関が実施する臨床研究に対し、必要なサポートを行うことができること 等
※ なお、医学の教育又は研究のため特に必要があるときに、遺族の承諾を得た上で死体の全部又は一部を標本として保存できることを定め
た死体解剖保存法第17条の規定に臨床研究中核病院を追加する。
21
医療法に基づく臨床研究中核病院
医療法に基づく臨床研究中核病院
○日本発の革新的医薬品・医療機器等の開発を推進するため、国際水準の臨床研究等の中心的役割
を担う病院を「臨床研究中核病院」として医療法上に位置づけ
(平成27年4月施行予定)
医療法に基づく臨床研究中核病院になることで期待されること
○「臨床研究中核病院」の名称を掲げることで、国際水準の臨床研究等の中心的役割を担う病院とし
て認知され、より質の高い最先端の臨床研究・治験が実施できるため、
①臨床研究・治験に参加したい被験者が集まり、症例が集積される
②臨床研究・治験を実施するための優れた研究者等の人材が集まってくる
③他の施設からの相談や研究の依頼が集まってくる
などの効果が期待される。
被験者
優秀な研究者
集積
研究依頼
臨床研究中核病院
革新的医薬品等の
実用化の促進
22
医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討会
目的
臨床研究中核病院として厚生労働大臣の承認を受けるための具体的な基準等の検討を目的とし、医政局長の私的諮問機関と
して、本検討会を開催。
(※)「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(平成26年法律第83号)において、日本発の革
新的医薬品・医療機器の開発等に必要となる質の高い臨床研究を推進するため、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的な役割を担う医療
機関として、臨床研究中核病院が法律上位置づけられた。
主な検討事項
医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件について、下記の視点から検
討する。
◯ 特定臨床研究(厚生労働省令で定める基準に従って行う臨床研究をいう。
以下同じ。)に関する計画を立案し、実施する能力を有すること
◯ 他の病院又は診療所と共同して特定臨床研究を行う場合にあっては、特定
臨床研究の実施の主導的な役割を果たす能力を有すること
◯ 他の病院又は診療所に対し、特定臨床研究の実施に関する相談に応じ、
必要な情報の提供、助言その他の援助を行う能力を有すること
◯ 特定臨床研究に関する研修を行う能力を有すること
他
開催実績・スケジュール
第1回(平成26年9月12日)
・法制化の経緯について ・今後の検討の進め方について
第2回(平成26年10月8日)、第3回(平成26年11月5日)
・臨床研究中核病院の承認要件に関する主な論点について
第4回(平成26年11月27日)
・承認要件に関する検討 ・取りまとめに向けた議論
第5回(平成27年1月23日)
・取りまとめに向けた議論
⇒上記議論を踏まえ、1月30日に報告書を取りまとめた。2月4日から
パブリックコメントを募集している。今後、所要の手続きを経て、平成
27年4月に臨床研究中核病院の承認要件に関する省令を施行予定。
委員
あおたに
えりこ
青谷
恵利子 学校法人北里研究所 北里大学臨床研究機構
臨床試験コーディネーティング部 部長
いずみ
けいしろう
和泉
おおつ
啓司郎 (独)国立国際医療センター病院
薬剤部長
あつし
(独)国立がん研究センター
早期・探索臨床研究センター長
大津
敦
くすおか
ひでお
○ 楠岡 英雄 (独)国立病院機構大阪医療センター 院長
こんどう
たつや
近藤
達也
しもせがわ
下瀬川
なかがわ
徹
中川
俊男
よういち
中西
洋一
はしもと
ひろあき
橋本
花井
理事長
東北大学病院
病院長
としお
なかにし
はない
(独)医薬品医療機器総合機構
とおる
宗明
公益社団法人日本医師会
副会長
九州大学病院ARO次世代医療センター長
日経ドラッグインフォメーション
編集長
じゅうご
十伍
全国薬害被害者団体連絡協議会
大阪HIV薬害訴訟原告団代表
代表世話人
(敬称略)
○:座長
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医療法に基づく臨床研究中核病院の
承認要件に関する検討
【検討のポイント】
以下の能力を有する病院に必要な体制・実績・人員等の検討
➀国際水準の質の高い臨床研究(特定臨床研究)に関する計
画を自ら立案し、実施する能力を有すること
➁多施設共同の特定臨床研究を行う場合、主導的な役割を
果たす能力を有すること
➂他の医療機関に対し、特定臨床研究の実施に関する相談、
情報提供、助言等の支援を行う能力を有すること
④特定臨床研究に関する研修を行う能力を有すること
他
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臨床研究中核病院の承認要件について〔概要〕
医療法第四条の三に規定されている臨床研究中核病院の承認要件について、「能力」、「施設」、「人
員」の観点から検討。
能力要件
実施体制
○不適正事案の防止等のため
の管理体制の整備
• 病院管理者の権限及び責任を明
記した規程等の整備
• 病院管理者を補佐するための会議
体の設置
• 取組状況を監査する委員会の設置
*上記の他、申請時に過去の不適正
事案の調査、再発防止策の策定等
の義務づけ。
(四条の三第一項第一号~第四号,第十号)
実績(別紙参照)
○自ら行う特定臨床研
究の実施件数
○論文数
臨床研究支援体制
データ管理体制
安全管理体制
倫理審査体制
利益相反管理体制
知的財産管理・技術移転体制
国民への普及・啓発及び研究対象
者への相談体制
Ⅰ 特定臨床研究に関
する計画を立案し実
施する能力
人員要件
(四条の三第一項第七号)
○診療科
・10以上
○病床数
・400以上
○主導する多施設共同
の特定臨床研究の実
施件数
○以下の体制について担当部
門・責任者の設置、手順書の ○他の医療機関が行う
特定臨床研究に対す
整備等を規定
•
•
•
•
•
•
•
(参考)法律上の規定
施設要件
(四条の三第一項第五号、
六号、八号、九号)
る支援件数
○特定臨床研究を行う
者等への研修会の開
催件数
Ⅱ 他の医療機関と共
同して特定臨床研
究を行う場合に主導
的な役割を果たす
能力
Ⅲ 他の医療機関が行
う特定臨床研究の
援助を行う能力
Ⅳ 特定臨床研究に関
する研修を行う能力
○技術能力
について
外部評価
を受けた
臨床検査
室
※特定機能病院
の要件を参考
に設定。
○臨床研究支援・管
理部門に所属する
人員数
・医師・歯科医師
5人
・薬剤師
10人
・看護師
15人
・臨床研究コーディ
12人
ネーター
・データマネージャー
3人
2人
・生物統計家
・薬事承認審査機関経 1人
験者
※平成23年度に選定された
5拠点の整備状況を参考
に設定。
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特定臨床研究の能力要件の基準値について
1.特定臨床研究を実施する能力(Ⅰ、Ⅱ)に関する基準値
◯ 特定臨床研究の実施件数は、基本的に医師主導治験について、①自ら実施した件数、②多施設
共同研究を主導した新規件数について設定。併せて関連する論文数も設定。
◯ 基準値は「健康・医療戦略」の達成目標との整合を図りつつ、平成23年度に選定された5拠点の
実績を参考に設定。
※ただし、特定疾病領域(医療上の必要性が高いものの企業による開発が進まない、難病・希少疾病、小児疾患、新興・再興感染症)を中心に行
う病院については、要件を緩和。
特定臨床研究の新規実施件数(過去3年間)
特定臨床研究に関する論文
数(過去3年間)
①自ら実施した件数
②多施設共同研究を主導した件数
(括弧内は特定疾病領域の場合)
(括弧内は特定疾病領域の場合)
(括弧内は特定疾病領域の場合)
医師主導治験が4件 (2件)
又は
臨床研究*が80件 (40件)
医師主導治験が2件 (1件)
又は
45件
臨床研究*が30件
(22件)
(15件)
(ただし医師主導治験を1件以上実施)
*医薬品・医療機器等を用い、介入・侵襲を伴うものに限る。
*医薬品・医療機器等を用い、介入・侵襲を伴うものに限る。
2.特定臨床研究を援助する能力(Ⅲ)・研修を行う能力(Ⅳ)に関する基準値
◯基準値は平成23年度に選定された5拠点の実績を参考に設定。
· 他の医療機関が行う特定臨床研究に対する援助の件数
· 特定臨床研究を実施する者を対象とする研修会の開催件数
· 特定臨床研究を支援する者を対象とする研修会の開催件数
15件(過去1年間)
6件(過去1年間)
6件(過去1年間)
等
26
ご清聴ありがとうございました