臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について - パブリックヘルス

臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について(大橋靖雄)
第18回CSPOR・CRCセミナ―(2009/2/28∼3/1)
2009年02月28日@CSPOR
改定の背景に何があったか
臨床研究・疫学研究に関する倫理指針
何が変わったのか?
‹
NPO
J-CRSU
(財)パブリックヘルスリサーチセンタがん臨床研究支援事業(CSPOR)運営委員長
NPO日本臨床研究支援ユニット理事長
スタットコム(株)取締役会長
NPO日本メディカルライタ協会理事長
東京大学医学系研究科 公共健康医学専攻 生物統計学
大橋靖雄
‹
厳しすぎるという批判(とくに疫学研究) もっと自由に
一方で、海外では臨床試験は一律GCP規制下
‹
薬剤提供ギャップが隘路となる臨床試験の遅れ、制度の
遅れ、古い制度解釈の曖昧さ(保険医療費担当規則、55
年通知、支払い基金の特例)
‹
将来はIND そのためにはまず実績と試行
薬剤提供に関する最近の事例
班研究なら薬剤提供可能、施設作成のプラセボ使用、
高度医療評価制度
‹
PMDAを拡大、どこの管轄下?
内容
‹
研究倫理
臨床研究の倫理指針の改定
臨床試験の登録制度とCONSORT
‹
疫学研究の倫理指針の改定
‹
‹
柴田大朗氏による (JMCA臨床研究セミナー2009FEB26)
え!
研究データ・論文の正しさをいかに保証するか?
近年の最大の不正行為:
転移性乳癌に対する大量化学療法 Lancet 2000; 355:999-1003
南アフリカBezwoda医師によるASCO plenary session発表(1999)
無効とする他3演題に対して唯一の有効データ
2000年1月に監査実施 大量化学療法 17/75 確認できず
標準治療はまったく確認できず
プロトコルは監査直前に作成
同意書存在せず、倫理委員会承認書偽造、
不適格例登録
J.Clin Onco 1995; 13:2483 (90例:354回引用)の比較試験もほぼ捏造
使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる
1
臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について(大橋靖雄)
第18回CSPOR・CRCセミナ―(2009/2/28∼3/1)
研究の科学性・倫理性
‹
倫理の原則と立場
広義のresearch ethics
‹
狭義のresearch ethics
ヒトを対象とした研究における被験者保護が主体
ヘルシンキ宣言などの倫理ガイドライン
Research integrity
誠実な、真実を希求する、公正な研究活動
不正行為scientific misconductを避ける
自立性の尊重
autonomy
害をなさない、善行
non-maleficence, beneficence
研究負担と利益の公正性 justice
‹
Rights-based
‹
研究倫理
臨床研究の倫理指針の改定
臨床試験の登録制度とCONSORT
‹
疫学研究の倫理指針の改定
‹
社会への福祉を重要視
研究者の義務として対象者のリスクと不利益を最
小化・許容可能化、対象者の人権と尊厳を守る
個人の自己決定件を尊重しプライバシー保護
捏造fabrication
改竄falsification
盗用plagiarism
内容
‹
立場
Goal-based
Duty-based
出版倫理
利益相反conflict of interest
*不正行為
原則
臨床研究の倫理指針
‹
‹
‹
平成15年(2003年)7月30日
平成16年(2004年)12月28日全部改正 個人情報保護法を受けて
平成20年(2008年)7月31日全部改正
臨床研究の倫理指針
主な改訂点
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/kousei/i-kenkyu#4
臨床研究に関する倫理指針
■ 倫理指針(本文)(平成20年厚生労働省告示第415号)(平成21年4月1日施行)
■ 倫理指針(本文)(平成16年 厚生労働省告示第459号)
■ 施行通知(全部改正時)(平成20年7月31日)
■ 施行通知(全部改正時)(平成16年12月28日)
■ 施行通知(策定時)(平成15年7月30日)
■ 疑義照会集(Q&A)(平成21年1月掲載版)
■ リンク(倫理指針のページ)
‹
‹
‹
‹
‹
‹
‹
使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる
倫理審査委員会関係
健康被害に対する補償
研究者等の教育の機会の確保について
臨床研究計画の事前登録について
臨床研究の適切な実施確保について
観察研究、試料等の保存及び他の機関等の試料等の利
用について
その他、用語等
2
臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について(大橋靖雄)
第18回CSPOR・CRCセミナ―(2009/2/28∼3/1)
教育の機会
‹
補償の問題
研究者等(第2の1研究者等の責務等(6)関係)
研究者等は、臨床研究の実施に先立ち、臨床研究に関する倫
理その他必要な知識についての講習等必要な教育を受けな
ければならない
‹
必ずしも金銭の支払いに限られるものではない、とされ
たが・・・
‹
保険商品の開発は?
臨床研究機関の長の責務
臨床研究機関の長は、研究者等が必要な教育を受けることを
確保するために必要な措置を講じなければならない
‹
‹
高額な掛け金
がん、免疫抑制剤は適用外(治験と同様)
侵襲的な医療機器は現在の案では適用外
倫理審査委員会の設置者(第3倫理委員会(8)関係)
倫理委員会の設置者は、倫理審査委員会委員の教育および
研修に努めなければならない
ICRweb 厚生労働省科研費による研究事業
http://icrweb.jp/icr/
日本医師会治験促進センター eLearning
http://etrain.jmacct.med.or.jp
臨床試験の登録
内容
‹
背景
急速な展開とICMJEの宣言
‹
UMIN(大学病院医療情報ネットワーク)での登録と研究デザイン
‹
‹
研究倫理
臨床研究の倫理指針の改定
臨床試験の登録制度とCONSORT
‹
疫学研究の倫理指針の改定
‹
‹
背景
ICMJE: International Committee of Medical Journal Editors
参考 臨床評価 2000; 27(3) 特集:臨床試験の情報公開と国際保健, 441-614.
臨床医薬 2005; 21(1) 第21回日本臨床薬理学会年会シンポジウム
「臨床試験の登録と結果の公表」, 27-62.
JAMA日本語版 2004年10月号 14-5, 54-61.
UMIN Webサイト http;//www.umin.ac.jp/ctr/index-j.htm
木内・津谷「世界のなかの日本の臨床試験登録公開システム設立へ」,
臨床薬理 2004; 35(6): 313-4.
背景:スポンサー会社の臨床試験への関わり
‹
‹
‹
‹
スポンサー製薬会社の出版への干渉
出版バイアスとメタアナリシス
ヘルシンキ宣言 2000, 2002年改訂
27項: ネガティブな結果もポジティブな結果と同様に,
刊行または他の方法で公表利用されなければならない
‹
GSKパロキセチン訴訟
使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる
企業資金と学術的独立性の問題
研究資金がアカデミアから民間・CROへのシフト
計画・解析・解釈・出版へのスポンサーの影響
Lancet 2001; 358:1893-5 “Industry-sponsored clinical research :a
double-edged sword”
‹
International Committee of Medical Journal Editors声明
Lancet 2001; 358:854-6
著作権とは説明責任と独立性
スポンサーが単独でデータをコントロールしたり出版を許可しない
ような状況で行われた研究は拒否する
投稿統一規定(まだ発表なし)
Conflict of interestの開示
著者は、データへのアクセス、公表決定権についてサイン
3
臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について(大橋靖雄)
第18回CSPOR・CRCセミナ―(2009/2/28∼3/1)
進行・再発大腸癌患者に対する5FUの成績
authors
# of patients response (%)
Sharp and Benefeil
13
85
なぜバラツキ?
Hall and Good
Rochlin et al.
Allaire et al.
Cornell et al.
Every
Field
Bell
Weiss and Jackson
Ferguson and Humphrey
Hurley
ECOG
Talley
Hyman et al.
Moore et al.
Ansfield
Mayo
Ellison
Kennedy
Knoepp et al.
Olson and Green
19
47
17
13
12
37
22
37
12
150
48
271
30
80
141
358
87
22
11
12
63
55
47
46
41
41
36
35
33
31
26
21
20
19
17
17
12
9
9
8
Funnel:漏斗
患者選択
全身状態
評価部位
代謝
腫瘍の性質
・・・
バイアス要因
治療
併用治療
用量変更
・・・
観察評価
報告 出版バイアス
missing
そして誤差的バラツキ
津谷喜一郎氏の引用による
GSKパロキセチン訴訟
‹
‹
2004.6.2 ニューヨーク州司法長官E.Spitzerは,選択的セレトニン
再取り込み阻害薬(SSRI)パロキセチン(Paxil)のメーカーGSKを
起訴
直後,英国医薬品管理庁がGSKの捜査に着手
GSKパロキセチン訴訟(続き)
‹
‹
‹
‹
‹
‹
‹
重症鬱児に対するSSRIの効果に対する疑問,自殺リスク上昇?
の議論
ガイドライン作りのために要請された未公表データは提供されず
ネガティブな二つのPaxilのプラセボ対照試験結果(1998)が2004.4
の段階でも公表されず(当時はSKB)
そして・・・
2000
‹
2004.6
2004.9.
2004.10
2004.10
2004.11
2005.1
‹
‹
‹
‹
参考:Rennie, D. Trial registration. A great idea switches from ignored to
irresistible.
JAMA 2004; 292(11): 1359-62.
(前掲)JAMA日本語版 2004年10月号 14-5, 54-58.
ICMJEの宣言
臨床試験の事前登録
ヘルシンキ宣言改訂(エジンバラ)
‹
‹
‹
GSは前から臨床試験の情報効果に熱心なはず(1999から制度)
2004.6 AMAは登録制度を国に要請
2004.6.18 GSKはすべての臨床試験の概要・結果を提供する公
開制度を発表
2004.8.26 GSKとSpitzerの間に和解成立
パロキセチンの18歳未満への投与は禁忌
GSKの Paxil (paroxetine) scandal
医学雑誌編集者国際委員会(ICMJE)
オタワ会議 オタワ声明
NY: WHO Int’l CT Registry Platform Meeting
Mexico: Ministerial Summit on Health Res.
国際製薬工業協会(IFPMA) 声明
2004SEP16 NEJM
他にLancet, JAMA,
Ann.Int.Med., …
参考 (前掲) 臨床医薬 2005; 21(1) 臨床試験登録・公開特集号
津谷喜一郎氏による
使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる
4
臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について(大橋靖雄)
第18回CSPOR・CRCセミナ―(2009/2/28∼3/1)
臨床試験の事前登録
登録すべき項目(ICMJE宣言)
WHOによる20項目の設定(2005SEP現在;国際製薬協との調整)
‹
‹
‹
ICMJE International Committee of Medical Journal Editorsの宣言
研究倫理とhonestな報告の確保
2005July01以降に登録開始となる臨床試験については事前登録が雑誌掲
載の条件(既に開始したものについては2005Sep13までに登録)
‹
ユニークなID
‹
介入法と比較法
仮説
プライマリとセカンダリのエンドポイント
適格条件*
‹
‹
登録システムを限定する意図はなし、ただし一般国民が無料でアクセスで
きるようnon-profit組織が管理運営すること
‹
‹
‹
主な日付
登録日,開始(予定あるいは実際の)日,追跡終了(予定あるいは実際
の)日,
データ入力終了(予定あるいは実際の)日,データが完全となった日付
‹
‹
登録に必要なデータの規定
当時はNLMのwww.clinicaltrials.govのみが満足
UMINもICMJEに公認
わが国では治験についてはJAPIC、一般の(薬剤に限らない)試験は
UMIN、医師主導治験については医師会、ポータルを保健医療科学院が
提供
WHOによる国別のポータル指定
予定被験者数
資金源
総括医師
‹
アメリカでは臨床試験登録が法制化
‹
‹
‹
‹
*
登録の必要性
‹
臨床試験推進
公知
患者・医師リクルート (日本のみで治験の広告禁止の問題)
類似試験間の調整
‹
‹
UMIN登録のポイントと試験デザイン
‹
‹
‹
正しいエビデンス構築のため公表
出版バイアスを避ける
メタアナリシスの基盤
倫理性の確保
主なものでよいであろう。たとえば参加呼びかけに必要な程度
‹
‹
方法論を知らないと,プロトコルの記載が曖昧だと登録できない!
質の向上を期待
登録の手間は大きい 代行を検討
項目はCONSORTも参考にWGで議論,パブリックコメントにより
改訂
ICMJEによる公認
ヘルシンキ宣言
‹
UMINでは,臨床試験の質向上も目標
現時点での見通し(2007SEP)
登録でひっかかりそうなポイント
‹
目的
安全性,有効性(優越性),有効性(非劣性,臨床的同等性),
用量反応性,PK/PD, Validation
‹
フェーズと試験の種類
探索的or検証的 説明的or実践的
‹
‹
ランダム化と割り付け
日付け 試験進行に伴い改訂が必要
‹
‹
国内はUMIN、JAPIC、医師会の3サイト
UMINはICMJEに公認
‹
保健科学院による国民向けの統一ポータルの構築
JAPIC、医師会もICMJEに認証されたいらしい
‹
厚生労働省の検討会開始
‹
国際的にはWHOによる調整:
‹
成書の出版
‹
認証と国際統一番号(2006春の予定が延期)
Mary Ann Foote ed. Clinical Trial Registry, Birkhaus Verlag, 2006
使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる
5
臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について(大橋靖雄)
UMIN臨床試験登録システムに登録された
UMIN臨床試験登録システムに登録された
臨床試験プロトコル情報の分析
UMIN Registration System of Clinical Trials
Analysis of Registered Data
第18回CSPOR・CRCセミナ―(2009/2/28∼3/1)
臨床試験登録:
臨床試験登録: Clinical Trial Registry
„ 臨床試験登録の意義
‐ 出版バイアスの防止
‐ 研究者の倫理的義務 (ヘルシンキ宣言27
条)
(ヘルシンキ宣言27条)
‐ 臨床試験参加者募集の促進
„ 医学雑誌編集者国際委員会(ICMJE
)による
る
医学雑誌編集者国際委員会(ICMJE)によ
登録データ項目:
登録データ項目: Items for Registry
声明 (2004年
2004年9月)
‐ 臨床試験論文の掲載条件
ƒ ノンプロフィットな登録機関へのプロトコルの
ノンプロフィットな登録機関へのプロトコルの
事前登録
ƒ 現行の試験は2005
年9月13日までに登録
現行の試験は2005年
13日までに登録
登録件数の推移:
登録件数の推移: Registered Trials
„ 基本登録データ項目 „ UMINUMIN-CTR独自の項目
CTR独自の項目
登録された試験の傾向(全260
件中)
登録された試験の傾向(全260件中)
Regisered Trials : Summary
„
„
„
„
„
„
疾患区分
‐ がん170
件(65
65%)、がん以外
%)、がん以外90
90件(
件(35
35%)
%)
がん170件(
目標参加者数
‐ 50人未満
70件(
件(26.9
26.9%)、
%)、200
200人未満が全体の
人未満が全体の62
62%
%
50人未満70
基本デザイン
‐ 並行群間140
件(53.8
53.8%)、単群
%)、単群111
111件(
件(42.7
42.7%)
%)
並行群間140件(
ランダム化
‐ ランダム化試験145
件(55.8
55.8%)
%)
ランダム化試験145件(
ブラインド化
‐ 測定者もブラインド化されていないオープン試験217
件
測定者もブラインド化されていないオープン試験217件
(83.5%)
83.5%)
コントロール
‐ 実薬/
件(40.8
40.8%)、無対照
%)、無対照95
95件(
件(36.5
36.5%)
%)
実薬/標準治療106
標準治療106件(
使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる
294件
300
登
録
件
数
全体
解析対象
250
260件
200
150
件
100
)
(ICMJEによる基本項目)
ICMJEによる基本項目) (ランダム化に関する項目)
– ランダム化の単位
– 試験名
– 層別化
– 対象疾患名
– 動的割付
– 主要アウトカム項目
– 試験実施施設の考慮
– 副次アウトカム項目
– ブロック化
– 基本デザイン
– 割付コードを知る方法
– ランダム化
– ブラインド化
– コントロール など
350
(
疫学・生物統計学講座
疫学・生物統計学講座
指導教員 大橋 靖雄 教授
42022 田邉 要子
50
9/13
0
6/1
7/1
8/1
9/1
10/ 1
11/1
12/1
ランダム化試験の情報未入力割合
Missing Information of Registered RCT
ランダム化の単位
層別化
動的割付け
施設の考慮
ブロック化
コードを知る方法
20%
24%
26%
26%
30%
21%
6
臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について(大橋靖雄)
第18回CSPOR・CRCセミナ―(2009/2/28∼3/1)
CONSORT
結論: Conclusion
CONSORT statement
‹
„ 試験デザインに関する項目への不十分な
登録情報の存在
„ 試験実施者側の試験デザインについての
理解の不足の可能性
„ プロトコルの不備の可能性
‹
‹
‹
‹
‹
‹
臨床疫学者、統計学者、主要医学雑誌編集者グループICMJEの活動
成果 (Scientific valid, ethically sound)
1996年発表、2001年改訂
150->300を超える(医学雑誌が採用
ランダム化臨床試験(2群)の標準報告様式、しかし概念は共通
フロー図、チェックリスト
他の標準報告様式も*
QUOROM(ランダム化試験メタアナリシス)、MOOSE(観察研究メ
タアナリシス)、STARD(診断技術)、STROBE(疫学研究)
記載ないものの強く望まれる項目
倫理委員会による承認
資金源
臨床試験登録番号(ISRCTN)
・医学研究の質を高めるための支援サイトhttp://www.equator-network.org/
・津谷・中山編:臨床研究と疫学研究のための国際ルール集、ライフサイエンス出版
CONSORT
CONSORT Statement
フローチャート
CONSORT statement
CONSORT
1996年版
Begg C, Cho M, Eastwood S et al. : Improving the quality of reporting of
randomized controlled trials, JAMA 1996; 276: 637-9.
2001年版
Moher D, Schulz KF, Altman D for the CONSORT Group, The CONSORT
Statement: Revised recommendations for the improving the quality of
reports of parallel-group randomized trials, JAMA 2001; 285: 1987-91
Lancet 2001; 357: 1197-4. Annals Int. Medicine 2001; 134: 657-62.(JAMAの
日本語版 2002年6月号:118-24)
http://www.consort-statement.org/ 2007年11月10日現在
(日本語版http://homepage3.nifty.com/cont 2007年11月10日現在)
詳細な説明もホームページにあり ( Annals Int. Medicine 2001; 134: 663-94)
CONSORT
CONSORT Statement
チェックリスト
CONSORT Statement
‹
‹
‹
CONSORT
タイトルと抄録
参加者はどのように割り付けられたか
はじめに
背景 科学的背景とrationale
方法
参加者
介入
目的
アウトカム
症例数
ランダム化
記号列の作成
Concealment
実施
使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる
7
臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について(大橋靖雄)
CONSORT Statement
‹
‹
‹
第18回CSPOR・CRCセミナ―(2009/2/28∼3/1)
CONSORT
方法(続き)
盲検化/マスキング
統計的手法
結果
参加者の流れ
募集
ベースラインデータ
解析された人数
アウトカムと効果の推定
補助的解析
有害事象
考察
解釈
一般化可能性
全体としてのエビデンス
JAMAの臨床試験投稿に関する宣言
JAMA 2008; 299: 95-6.
‹
ICMJEの認めるサイトへの事前登録(日本はUMIN)
CONSORTに沿った記述
‹
アカデミア統計家による解析
‹
内容
‹
研究倫理
臨床研究の倫理指針の改定
臨床試験の登録制度とCONSORT
‹
疫学研究の倫理指針の改定
‹
‹
疫学研究の倫理指針
‹
‹
‹
‹
平成14年(2002年)6月17日
平成16年(2004年)12月28日全部改正 個人情報保護法を受けて
平成17年(2005年)6月29日一部改正
平成19年(2007年)8月16日全部改正
使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる
匿名化データを送るなら
疾患登録や薬剤疫学研究において同意は不要、
提供元の倫理審査も不要
疫学研究の倫理指針
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/kousei/i-kenkyu/index.html#2
疫学研究に関する倫理指針
■ 倫理指針(本文)(平成19年 文部科学省・厚生労働省告示第1号)
■ 施行通知(全部改正時)(平成19年8月16日)
■ 施行通知(全部改正時)(平成16年12月28日)
■ 施行通知(策定時)(平成14年6月17日)
■ 参考資料(倫理指針平成19年改正部分表示)
■ 疑義照会集(Q&A)(平成19年11月掲載版)
■ インフォームド・コンセント等の具体的方法について
■ がん登録事業の取扱いについて
■ 通知(平成17年6月29日)(一部改正)
■ リンク1(倫理指針のページ)
■ リンク2(文部科学省の関連ページ)
8
臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について(大橋靖雄)
‹
第18回CSPOR・CRCセミナ―(2009/2/28∼3/1)
薬剤疫学会タスクフォースの活動
過剰な?被験者保護
学会ホームページ参照
薬剤疫学研究での経験
PMS検討会報告書2003年7月
‹
研究倫理の問題については不十分
2002年「疫学研究の倫理指針」適用と解釈に施設間のバラツキ
‹
タスクフォース2004年3月発足 11月中間報告
‹
2005年5月 報告書「薬剤疫学における研究倫理」提出
‹
2006年12月25日 「疫学研究の見直しに関する専門委員会」への要望書
2007年3月29日 厚生科学課訪問
旧指針下では、匿名化処方データであっても対応表が存在する
以上、倫理審査と研究拒否の権利を保証することが求められた。
院内・Web等への掲示では不十分と判断され、説明会開催が求
められた Æ 出席者は0
大橋靖雄、岡本悦司、久保田潔、津谷喜一郎
作成経過と要望事項を合わせ関係者に配布、雑誌に掲載
‹
「降圧薬ガイドラインによる処方行動変化調査」の挫折
‹
日本版PEM(prescription event monitoring)の崩壊
研究拒否の権利を保証することが求められ、薬局内の掲示のみ
では不十分と判断され、説明により参加者が激減した。
意見をパブリックコメントとすることを要望される
現行指針の解釈の違いに唖然!
‹
‹
2007年6月15日パブリックコメント提出 8項目
2007年8月16日指針改正
学会からの要望事項
‹
倫理の原則
‹
各種指針と基準の適用範囲について
‹
情報公開の方法について
Goal-based Duty-based Rights-based バランスをとって欲しい
現行指針間でどれを適用するか曖昧
2002年4月「インファームドコンセント等の具体的方法について」
(観察研究ではホームページへの掲載で足りる)を細則に採用して欲しい
‹
対象者からの同意の取得について
既存データの観察研究では、匿名化されれば同意は免除されてよい
Æ同意免除でも拒否の権利を保証すると研究が成立しない
‹
倫理委員会による個々の研究審査について
Æ中央審査あるいは代表する施設での審査を受け入れるか簡易審査
Æは委員への要望書
使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる
9
臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について(大橋靖雄)
最大のギャップ:対応表の所在
‹
‹
‹
‹
旧指針下では個人情報対応表を提供元は「有している」と判断され、
同意は不要であるが拒否の権利を保証することを求められ
さらに「ホームページ掲載のみでは不十分」とされたことも経験した
新指針では該当箇所が「対応表を提供しない」に変更、同意は不要
であることが明確となった
そもそもデータを提供する側は研究者とみなされないので審査も不
要と解釈されている
第18回CSPOR・CRCセミナ―(2009/2/28∼3/1)
第4 個人情報の保護等 3 他の機関等の資料の利用
(2) 既存資料等の提供に当たっての措置
既存資料等の提供を行う者は、所属機関外の者に研究に用いるための資料を
提供する場合には、資料提供時までに研究対象者等から資料の提供及び当該
研究における利用に係る同意を受け、及び並びに当該同意に関する記録を作成
することを原則とする。ただし、当該同意を受けることができない場合には、次の
いずれかに該当するときに限り、資料を所属機関外の者に提供することができる。
[1] 当該資料が匿名化されていること。(連結不可能匿名化又は連結可能匿名
化であって対応表を提供しない有していない場合)。ただし、当該資料の全部
第2 倫理審査委員会等 4 研究機関の長の責務
第2 倫理審査委員会等 4 研究機関の長の責務
(2)倫理審査委員会の設置 <倫理委員会の設置に関する細則>
2 共同研究機関等に設置された倫理審査委員会に審査を依頼することができる
場合は、次のとおりとする。
[1] 研究機関が小規模であること等により当該研究機関内に倫理審査委員会を
設置できない場合
[2] 共同研究であって、専らデータの集積に従事する等の従たる研究機関である場合
[3] 共同研究であって、第2の1(1)に掲げる倫理審査委員会の責務及び構成の観点
にかんがみ、共同研究機関等に設置された倫理審査委員会に審査を依頼することが、
疫学研究の円滑な推進に特に必要であると認められる場合
(3) 倫理審査委員会への付議
研究機関の長は、研究者等から3(1)[3]の規定により許可を求められたときは、
倫理審査委員会の意見を聴かなければならない。ただし、次のいずれかに
該当する研究計画については、この限りでない。
[1] 倫理審査委員会に属する者その他の者のうちから倫理審査委員会が
あらかじめ指名する者([2]において「あらかじめ指名する者」という。)が、
当該研究計画が次に掲げるすべての要件を満たしており、倫理審査委員会
への付議を必要としないと判断した場合
ア 他の機関において既に連結可能匿名化された情報を収集するもの、
無記名調査を行うものその他の個人情報を取り扱わないものであること。
イ 人体から採取された試料を用いないものであること。
ウ 観察研究であって、人体への負荷又は介入を伴わないものであること。
エ 研究対象者の意思に回答が委ねられている調査であって、その質問内容
により研究対象者の心理的苦痛をもたらすことが想定されないものであること。
[2] あらかじめ指名する者が、研究者等が所属する医療機関内の患者の診療録等の
診療情報を用いて、専ら集計、単純な統計処理等を行う研究であり、倫理審査委員会
への付議を必要としないと判断した場合
[3] 次に掲げる事項についての規定を含む契約に基づき、データの集積又は統計処理
のみを受託する場合
ア データの安全管理措置
イ 守秘義務
第5 用語の定義
Q&A 4 研究対象者からインフォームドコンセントを受ける手続き等
(1) 疫学研究
明確に特定された人間集団の中で出現する健康に関する様々な事象の頻度及び分布
並びにそれらに影響を与える要因を明らかにする科学研究をいう。
<疫学研究の定義に関する細則>
Q4
−2
指針第3の1(2)観察研究を行う場合 [2]人体から採取された試料を用いない場合
において、「この場合において、研究者等は、当該研究の目的を含む研究の実施に
ついての情報を公開し、」とあるが、「公開」とは具体的にどのようなことを指すのですか。
A4
−2
平成14年6月17日付け通知「疫学研究に関する倫理指針の施行等について」の
参考資料(別添2)において、インフォームド・コンセント等の具体的方法について示
されているので、参照してください。
1 医師等が、主に、自らの又はその属する病院若しくは診療所の今後の診療に反映
させるため、所属する機関が保有する、診療記録など人の健康に関する情報を縦覧し
知見を得る行為は、この指針でいう疫学研究には該当しない。
2 市町村、都道府県、保健所等が地域において行う保健事業や、産業保健又は学校
保健の分野において産業医又は学校医が法令に基づくその業務の範囲内で行う調査、
脳卒中情報システム事業やいわゆるがん登録事業等は、この指針でいう疫学研究に
は該当しない。
疫学研究指針の対象となる研究の最低限の要件を、以下のとおりとする。
・有効性や予後等の知見が未知であるか、又は既知の知見の検証
・対象者本人のみが受益を受けるよりも、広く社会に貢献することに比重を置く
観察研究の場合はホームページへの掲載でも足りる。
使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる
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臨床研究・疫学研究に関する倫理指針の改正について(大橋靖雄)
第18回CSPOR・CRCセミナ―(2009/2/28∼3/1)
疫学研究に関する倫理指針改正のポイント
指針適用範囲
「疫学研究に関する倫理指針」の見直しの方向性について
臨床
臨床試験
予後調査
診断研究
疫学研究
1.疫学研究指針と臨床研究指針の適用範囲を明確にする(第1 2)
臨床の場での観察研究は疫学指針、臨床の場での介入研究は臨床指針、
ただしフィールドでの介入研究は疫学指針。食品の臨床試験も疫学指針。
フィールド
(治療)症例報告
(稀少)症例報告
ケースシリーズ
質的研究
健康増進教室
予防介入試験
コホート研究
症例対照研究
疫学研究
事例研究
介入研究
事例研究
フォーカスグループ観察研究
質的研究
2.診療と疫学指針適用範囲を明確にする(第1 2)
自施設内での検討、公開を目的としない勉強会、年報掲載などは「研究」に
あたらない。予後調査も調査自体は診療の一環。
3.倫理審査委員会への付議を要しない研究の設定(第1 4(3))
個人情報を扱わない・ヒト資料を用いない・観察研究あるいは負担のないア
ンケート調査なら、倫理審査委員会が予め指名するものの判断でよい。
臨床研究指針の対象
疫学研究指針の対象
4.多施設共同研究の場合、分担研究機関は迅速審査を行うことができる(第2
1(2)④)
疫学研究に関する倫理指針改正のポイント
5.人体から採取された試料の利用(第4 2(2))
研究開始前に採取されたものでも対象者の同意を原則とする。しかし匿名
化・情報公開などの条件が満たされ、倫理審査委員会の承認と研究を行う
機関の長の許可があれば利用可能。
6.他の機関等の資料の利用(第4 3、本文参照)
資料を集める研究者が、その所属機関の倫理審査委員会の承認と長の
許可を受ける。
資料提供元は研究対象者から同意を得てその記録を作成することを原則
とするが、
①匿名化(対応表を提供しない連結可能でも可)されていれば同意・倫
理委員会審査不要。人体から採取された試料の場合は提供元の長へ
の報告があればよい。
②③匿名化されていない場合でも情報公開と拒否の権利を与えるなど、
適切な配慮を行い、提供元の倫理審査委員会の承認と長の許可があ
れば提供可能。
使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる
振り返って・・・
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倫理委員会との「格闘」は徒労であったのか
指針等の行政からの文書からの読み方は難しい、解釈
は一環しているのか、あえて判りにくくしているのか
学会からの働きかけは有意義であった
しかし
‹ 果たして、本指針は理解されているのか???
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