ギリシャ金融危機 - ホーム

棚倉・水田
 2007年
仏金融機関パリバ傘下の投資信託の経営危機
⇒欧州での金融機関への経営不安が広がったため流動性緩和を
行うが、結局金融緩和に失敗する
 2008年9月リーマンショック
⇒主要中央銀行は一斉に金融緩和へ
 2008年後半
鉱工業成長率やインフレ率の低下に直面し、欧州が
経済危機に陥ったとの認識を強めた
» 経済格差が残存した中での通貨統合
これらが複合
的に影響し
» 欧州成長国のバブル発生と崩壊
あって危機が
訪れた!!
» 金融統合と金融機関の行動変化
しかしギリシャには国
際競争力のある産業が
経済高成長
ほとんどない!
スペイン
アイルランド
ポルトガルetc
経済ファンダメ
経済停滞
ンタルが弱く成
長基盤がほとん
どない!
ドイツ
フランス
水面下で財政赤字がどんどん
過度な経済成長のため、ペイ
ン・ポルトガルなどには資本
増えていった・・・・
がEU域内外から流入し、バブ
ル経済が形成された。
EU内での資本移動の自由化が完成し、EU内での金融機関の競争が激化。
伝統的な預貸業務から
の収益低下
手数料収入、投資収益を
求めるように
銀行は安全資産への投資に限定
されていたはずであったが、リ
スクを適格に格付けすることが
できていなかったため、欧州の
金融機関は大きな損失を被った。
» ギリシャの金融危機の原因
1. ギリシャはユーロ参加の基準を満たしていない
2. 公的セクターに依存した経済経営
3. 脱税の横行、手厚い社会保障等
4. 経済格差が残存した中での経済統合
マーストリヒト条約においてユーロに参加するには以下の基準を満たすこ
とが定められている。
ギリシャの2000年の
ギリシャのユーロ採用の
公的債務残高の対
妥当性を検討した時、
①財政赤字がGDP比3%以下、債務残高がGDP比60%以下であること
「3%基準を満たしては
GDP比は104%
いるが財政改善の必要あ
②過去1年間、消費者物価上昇率が、消費者物価上昇率の最も低い
り」と言われている
3ヶ国の平均値を1.5%より多く上回らないこと
③2年間、独自に切り下げを行わず、欧州通貨制度の為替相場メカニ
ズムの通常変動幅を尊重すること
④過去1年間、長期金利が消費者物価上昇率の最も低い3ヶ国の平均
値を2%より多く上回らないこと
・ユーロ統一通貨を導入した結果、景気調整の経済的手段の一つとし
てきた為替政策を失った。
・貿易競争力の高いドイツと、貿易競争力の弱いギリシャが同じユー
ロを使用することで無理が生じる。
・またユーロ採用によってギリシャは資金調達の費用が低下し、さら
にユーロというドイツの信認に支えられた通貨の採用によって海外か
らの借り入れが容易になった。その結果、財政規律を弱めてしまった。
2009.10
・ギリシャの財政赤字粉飾決算が発覚
2010. 4
2010.11
・ギリシャがEU,IMFに財政支援要請
・ユーロ圏、IMFがギリシャ支援の意向を発表し、市場の緊張は落ちついたかのように見えたがその
後もギリシャ国債の格付けは引き下げられ、長期国債利回りは上昇
・EU,IMFが計7,500億ユーロの欧州安定化機構(EFSF)創立を発表
・ユーロ圏、IMFのギリシャへの融資が正式に決定
周縁国への危機波及懸念より、国民の反対に押されていたドイツも支援を承認。
・EUはEFSFの後継機関として欧州安定メカニズム(ESM)を創設することで基本合意
2011. 4
・ギリシャの2010年の財政赤字削減計画の不達成が明らかに
2011. 7
・欧州銀行監督局はEU域内主要銀行の健全性を審査したストレステストの結果を公表
スペイン5行、ギリシャ2行、オーストリア1行が資本不足で不合格に。
2011. 7
・ユーロ圏首脳会議開催:EFSFによる国債購入などEFSF機能拡充を含む対ギリシャ支援策をまと
める。実行には原則、各国の議会承認が必要となる。
2011. 9
・ギリシャ、2011年のGDP成長率を▲3.5%から▲5.0%に下方修正。
財政赤字目標(=財政赤字をGDP 比7%台に抑える)の達成は困難と表明。
2010. 5
ギリシャ危機の周縁国への拡大懸念を防止するために発表さ
れた、3つの柱からなる総額7500億ユーロの包括的な支援策
金融市場の緊張を和らげるため、
ECBがドル流動性供給の再開、公社
債市場への介入を決定した。