研究の概要について ≪研究主題≫ 「豊かな関わりの中で学び合い、自らの生き方を考える子どもが育つ社会科学習」 ~丁寧な子ども理解と確かな教材研究をもとに~ 1.研究主題について (1)これまでの本県社会科学習の取り組みから 山形の社会科学習は、丁寧でしっとりとした授業が特徴的だとよく言われます。 これまで山形県社会科研究協議会や冬季研修会で積み上げてきた成果と課題を整 理しながら私たちが社会科学習の中で大切にしてきたことを洗い出してみました。 社会科はもちろん内容教科ですが、一方で教材の取り扱いも含めてダイナミッ クな授業展開が可能な教科でもあります。私たちは、系統主義と経験主義の双方 のよさを生かした問題解決型の授業提案をめざしてきました。 丁寧な子ども理解 ○個々の学びを重視 ○重点的に育てたい子ども ○学び合う集団 小西正雄先生(鳴門教育大) 担任力(県教委) 問題解決的な単元構成 提案(出力)型 ワークショップ型授業 地域素材の教材化 確かな教材研究 ○単元の本質 ○地域素材の開発 ○資料の収集 ○生活との関連(自分ごと) ○知識を総動員する学び ・提案(出力)型授業 江間史明先生(山形大) ・ワークショップ型授業 藤井千春先生(早稲田大) ・問題解決学習のストラテジー ・子どもを捉えて育てる 奈須正裕先生(上智大) 子どもの思考に 寄り添った本時 丁寧な資料の読み取り 比較・関連・類推等 学び合いのある授業 ・子どもと創る授業 ・教師の仕事と授業技術 小林宏巳先生(早稲田大) ・担任力・構築教材 北俊夫先生・安野 功先生 (当時文部科学省調査官) 澤井陽介先生 (現文部科学省調査官) ・社会科で身につけたい力 ・社会科学習の楽しさ ○つけたい力の明確化 ○資料の精選と吟味 ○前時の学びが生きる本時 ○座席表を生かした本時案 ○実感のある学び合い ○焦点化された振り返り 学びの実感 思考・判断・表現力 社会参画への意欲 ○評価と一体となった振り 返り(変容の自覚) ○自己の生き方・考え方の 問い直し ○公民的資質の基礎 (2)めざす子どもの姿 ①豊かな関わりの中で学び合う子ども ○学び合いを通して自らの考えを再構成しながら社会認識を深めていく子ども ②自らの生き方を考え続ける子ども ○学習したことを生かしながらよりよい社会を築こうとする子ども 2.研究の視点 【視点1】子どもが自分のこととして学習できる単元を構成する(単元づくり) ◎「単元の構造図」を組みたてながら子どもが社会的事象を自分との関わりで 考えることができるような単元を構想する →「教師が学ばせたいこと」が「子どもが学びたいこと」になっているか? ○単元を通して身につけさせたい力を確認する(単元のねらい、習得させたい知識・技能等) ○子どもの実態に応じた単元構成を工夫する(子どもの興味関心、素材、調べ方、判断内容や表現方法等) ○子どもにとって必然性があり単元の中核となる課題を吟味する ○出力を意識した学習形態を工夫する(提案型・ワークショップ型・ディベート的交流等) 【視点2】子どもの思考を大切にした授業を創る(授業づくり) ◎「板書構造図」を描きながら子どもの社会認識が深まる授業を構想する →自分の考えが再構成され思考を深める学習になっているか? ○前時までの子どもの学びを生かした本時の学習を構成する (構築教材・本時案・座席表の活用、第一発言者の吟味等) ○読み取らせたいこと整理しながら資料を精選する ○子どもたち一人一人の学びが深まる交流を組織する(根拠を明らかにした考え) ○小集団の力を生かした学習の進め方を検討する(ダイナミックで柔軟な小集団学 習) 【視点3】子どものよりよい社会参画への思いを表出させる振り返りを行う(評価の仕方) ◎「指導と評価の一体化」を意識しながらふり返り内容や方法を吟味する →学習内容を活用しながら社会的な見方や考え方を成長させたふり返りにな っているか? ○学習したことを活用しながら自分の言葉でまとめる活動を取り入れる ○学習したことをくらしや社会を豊かにするためにどのように生かせるかを 自分なりに考え表出させる振り返り活動にしていく ≪研究全体構想図≫ 【研究主題】 「豊かな関わりの中で学び合い、自らの生き方を考える子どもを 育てる社会科学習」 ~丁寧な子ども理解と確かな教材研究をもとに~ 【学習の中でめざす子どもの姿】 (1)豊かな関わりの中で学び合う子ども ともに学ぶ中で自己の考えを再構成しながら社会認識を深める子ども (2)自らの生き方を考える子ども 社会的事象のもつ意味を考えることを通してよりよい社会の形成をめ ざす子ども 学習内容の系統性 を大切にした問題解 決型の学習(系統主義 に立つ学習) 【めざす学習スタイル】 丁寧な子ども理解と確 かな教材研究にもとづい た社会科学習 子どもの興味・関 心や生活経験を生か した学習(経験主義 に立つ学習) 【基本的な学習過程と 3 つの視点】 「気づく」 「問いをもつ」 → 「調べる」「考える」 → 「表現する」「ふり返る」 【視点1】単元づくり 【視点2】授業づくり 【視点3】評価の仕方 自分のこととして学習 することができる単元 子どもの思考を大切に した授業 社会参画への思いが表 出されるふり返り 【具体的な手立て】 【具体的な手立て】 【具体的な手立て】 ◎構造的な単元設計 (単元の構造図) ・子どもの実態把握 ・ (地域)素材の教材化 ・中心課題の吟味 ・出力(提案)型の授業 ◎構造的な授業設計 (板書構造図) ・学習状況の把握 ・資料の精選と丁寧な読 み取り(比較・関連) ・小集団を生かした学習 ・学び合いのある交流 ◎表現活動の工夫 (指導と評価の一体化) ・社会的事象の意味把握 ・根拠のある意志決定 ・評価と一体となった表 現活動 【ポイント】 【ポイント】 【ポイント】 ・問題解決的な学習 ・ねらいと学習内容の整 合性 ・くらしとの関わり ・個々の学習の深まり ・根拠をもった交流 ・社会認識の深まり ・学習内容の活用 ・「公」の視点での考察 ・評価を兼ねた表現 (平成 27 年度全国大会会場校) ◇山形市立第二小学校会場 自分の生活を見つめ、くらしを豊かにしようとする資質を高める社会科学習 ◇山形市立東小学校会場 主体的に学び合いながら社会参画の芽を育む社会科学習 【会場校テーマ】 ≪研究全体構想図≫
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