水戸市指定地域密着型サービス事業基準条例の一部改正について 1 改正の理由 「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関 する法律」 ( 平 成 26 年 6 月 25 日 公 布 )の 施 行 に 伴 う 介 護 保 険 法 の 改 正 に よ り ,通 所 介 護 を 提 供 す る 事 業 所 の う ち ,利 用 定 員 18 名 以 下 の 小 規 模 な 通 所 介 護 事 業 所 に つ い て は ,① 少人数で生活圏域に密着したサービスであることを踏まえ,地域との連携や運営の透明 性の確保を図り,また,②市町村が地域包括ケアシステムの構築を図る観点から整合性 の あ る サ ー ビ ス 基 盤 の 整 備 を 行 う 必 要 が あ る た め ,平 成 28 年 4 月 1 日 か ら「 地 域 密 着 型 通所介護」として,市町村が指定する地域密着型サービス(※)に移行することになり ました。 現在,地域密着型サービスは,市町村の条例により人員,設備,運営等の基準を定 め て お り ,新 た に 地 域 密 着 型 通 所 介 護 の 規 定 を 追 加 す る た め ,関 係 条 例 に つ い て 所 要 の 改正を行います。 な お , 市 町 村 の 条 例 制 定 に つ い て は 経 過 措 置 が 設 け ら れ て お り , 平 成 29 年 3 月 31 日 までに施行することになっています。条例が施行されるまでの間は,国標準省令で定め る基準が適用されます。 ※【注釈】地域密着型サービスについて 地域密着型サービスとは,住み慣れた地域で生活を続けるために,地域の特性に応 じ た サ ー ビ ス が 受 け ら れ る よ う ,平 成 18 年 度 か ら 創 設 さ れ た 制 度 で す 。下 表 の 9 種 類 ( 介 護 予 防 を 含 め る と 12 種 類 ) の サ ー ビ ス が あ り , 平 成 28 年 4 月 1 日 か ら , 新 た に 地域密着型通所介護が追加されました。 この地域密着型サービスは,原則として,事業所が所在する市町村の住民(水戸市 の 被 保 険 者 )の み が 利 用 す る こ と が で き ,水 戸 市 が 指 定・指 導・監 督 権 者 と な り ま す 。 現 在 , 水 戸 市 内 に は 120( 休 止 中 の 9 事 業 所 を 含 む ) の 地 域 密 着 型 サ ー ビ ス 事 業 所 があります。 № 1 種類 定期巡回・随時対応型訪問 介護看護 サービス内容 事業 利用 所数 定員 ― ― ― ― 介 護 職 員 と 看 護 師 が 一 体 又 は 密 接 に 連 携 し ,定 期 的 に 訪 問 す る 。 ま た ,利 用 者 の 通 報 や 電 話 な ど に対して,随時対応する。 夜間に定期的にヘルパーが巡回して介護を行 2 夜間対応型訪問介護 う 訪 問 介 護 と ,緊 急 時 に 利 用 者 が 通 報 す る と ヘ ル パ ー が 急 行 す る 24 時 間 態 勢 の 訪 問 介 護 が あ る 。 1 № 種類 認知症対応型通所介護 3 (介護予防認知症対応型通 所介護) 小規模多機能型居宅介護 4 (介護予防小規模多機能型 居宅介護) サービス内容 認知症の高齢者が食事・入浴などの介護や支 援,機能訓練を日帰りで受けられる。 事業 利用 所数 定員 4 39 8 206 27 519 ― ― 2 43 1 29 78 910 120 1,746 小規模な住居型の施設への「通い」を中心に, 自 宅 に 来 て も ら う 「 訪 問 」, 施 設 に 「 泊 ま る 」 サ ービスを柔軟に受けられる いわゆる「グループホーム」と呼ばれており, 認知症対応型共同生活介護 5 (介護予防認知症対応型共 同生活介護) 6 7 地域密着型特定施設入居者 生活介護 地域密着型介護老人福祉施 設入所者生活介護 認知症の高齢者が,共同で生活できる場(住居) で ,食 事・入 浴 な ど の 介 護 や 支 援 ,機 能 訓 練 が 受 けられる。 定 員 が 29 人 以 下 の 小 規 模 な 介 護 専 用 の 有 料 老 人 ホ ー ム な ど で ,食 事・入 浴 な ど の 介 護 や 機 能 訓 練が受けられる。 定 員 が 29 人 以 下 の 小 規 模 な 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム で ,食 事・入 浴 な ど の 介 護 や 健 康 管 理 が 受 け ら れる。 利 用 者 の 状 況 に 応 じ て ,小 規 模 な 住 居 型 の 施 設 8 看護小規模多機能型居宅介 へ の 「 通 い 」, 自 宅 に 来 て も ら う 「 訪 問 」( 介 護 と 護 看 護 ), 施 設 に 「 泊 ま る 」 サ ー ビ ス を 柔 軟 に 受 け られる。 利 用 定 員 18 名 以 下 の 小 規 模 な 事 業 所 で ,食 事・ 9 地域密着型通所介護 入浴などの介護や機能訓練を日帰りで受けられ る。 合計 ( 平 成 28 年 4 月 1 日 現 在 ) 2 改正の内容 ・指定地域密着型通所介護事業の人員,設備,運営等の基準について定めます。 ・現条例で規定している既存の地域密着型サービスにおける本市独自基準との整合 性を図ります。 3 施行期日 平 成 28 年 10 月 1 日 予 定 ただし,条例施行日前に指定を受けた事業所については,本市独自基準のうち, 設備基準の一部の適用を除外します。 2 4 改正の視点・ポイント 現 条 例 は ,こ れ ま で の 条 例 制 定・改 正 時 に お い て , 「視点1 「視点2 安 全 で 安 心 な 介 護 サ ー ビ ス の 充 実 」, 「視点3 地 域 等 と の 連 携 強 化 」, 事 業 者 の 適 正 化 」の 3 つ の 視点により,国標準省令を基本として,本市独自基準を追加したものです。今回の条 例改正に当たり,現条例で規定している既存の地域密着型サービスとの整合性を図る ため,新たに追加する地域密着型通所介護についても同様に本市独自基準 を適用しま す。 なお,前述の3つの視点以外の人員基準,サービス提供拒否の禁止などに関する基準 については,国基準のとおりとします。 視点1 (1) 地域等との連携強化 地 域 包 括 ケ ア を 推 進 す る た め ,地 域 密 着 型( 介 護 予 防 )サ ー ビ ス 事 業 者 が 様 々 な 主 体( 市 ,地 域 包 括 支 援 セ ン タ ー ,介 護 保 険 施 設 ,ボ ラ ン テ ィ ア 団 体 等 )と の 連 携 に努める。 (2) 非 常 災 害 発 生 時 の 地 域 と の 連 携 強 化 の た め ,災 害 発 生 に 備 え た 地 域 と の 連 携 に 努 める。 視点2 安全で安心な介護サービスの充実 (設備基準) (3) 食堂及び機能訓練室の面積要件について定める。 (4) 要介護者が使いやすいトイレの設置について定める。 (5) 事務室の基準について定める。 (6) 事業所内の移動の円滑化について定める。 (運営基準) (7) 利 用 者 の 契 約 上 の 保 護 を 強 化 す る た め に ,サ ー ビ ス 開 始 時 の 意 思 確 認 を 書 面 で 契 約する。 (8) 事 業 者 が 保 険 外 サ ー ビ ス を 提 供 す る 場 合 ,そ の 費 用 の 根 拠 の 明 示 に つ い て 定 め る 。 (9) 必要に応じて利用者の成年後見制度の活用を支援することについて定める。 (10) 口 腔 衛 生 の 確 保 に 取 組 む こ と に つ い て 定 め る 。 (11) 運 営 規 程 の 項 目 に つ い て 「 苦 情 処 理 の 手 順 ・ 窓 口 」 を 追 加 す る 。 (12) 非 常 災 害 発 生 時 の 利 用 者 の 保 護 を 強 化 す る た め ,事 業 者 の 非 常 災 害 対 策 に つ い て , 3 ①想定される災害に対応した具体的な計画の策定,②計画の定期的な見直し, ③食糧品等の備蓄を追加する。 (13) サ ー ビ ス 提 供 上 の 事 故 発 生 時 に ,事 故 の 概 要 や 事 業 者 の 対 応 を 市 で 把 握 し ,迅 速 に対応するため,事故報告書の提出を義務付ける。 (14) 事 業 開 始 に あ た っ て , 地 域 住 民 へ の 説 明 を 行 う こ と に つ い て 定 め る 。 視点3 事業者の適正化 (15) 不 適 切 な 事 業 者 ( 水 戸 市 暴 力 団 排 除 条 例 に 規 定 す る 暴 力 団 等 ) を 排 除 す る 。 (16) 「 従 業 者 」 の 定 義 に つ い て 定 め る 。 (17) 勤 務 体 制 の 記 録 を 保 存 す る こ と に つ い て 定 め る 。 (18) 例 外 的 に 定 員 超 過 と な る 場 合 の 市 長 へ の 報 告 に つ い て 定 め る 。 (19) 記 録 の 保 存 場 所 ・ 保 存 形 態 に つ い て 定 め る 。 (20) 監 査 等 の 事 業 者 適 正 化 に お け る 証 拠 文 書 の 確 保 を 図 る た め ,事 業 者 の 介 護 サ ー ビ ス提供記録等の関係文書について,保存年限を5年とする。 5 条例(案)の概要 基 準 の 内 容 項目 国標準省令 (1) 水戸市の定める基準 地 域 の 地域との結び付きを重視し, 国 基 準 に 加 え ,連 携 す る よ う 様 々 な 団 市町村,他の地域密着型事業 努めるべき対象に地域包括支 体・施設等 者,居宅 サービ ス事 業 者,その 援 セ ン タ ー ,介 護 保 険 施 設 ,ボ との連携 他保健医療サービス及び福祉 ランティア団体等を加える。 サービスを提供する者との連 携に努めなければならない。 (2) 非 常 災 害 非常災害に関する具体的計 国 基 準 に 加 え ,① 非 常 災 害 に 時の地域と 画 を 立 て ,非 常 災 害 時 の 関 係 機 備 え た 地 域 と の 連 携 ,② 訓 練 の の連携 関への通報及び連携体制を整 実 施 に 当 た っ て ,地 域 住 民 の 参 備 し ,そ れ ら を 定 期 的 に 従 業 者 加について追加します。 に 周 知 す る と と も に ,定 期 的 に 避 難 ,救 出 そ の 他 必 要 な 訓 練 を 4 基 準 の 内 容 項目 国標準省令 水戸市の定める基準 行わなければならない。 (3) 食 堂 ・ 機 能訓練室 食堂及び機能訓練室につい 食堂及び機能訓練室につい て は ,3 平 方 メ ー ト ル に 利 用 定 て は ,3 平 方 メ ー ト ル に 利 用 定 員を乗じて得た面積以上とす 員を乗じて得た面積(調理台, るものとする。 洗面器等が設置されている面 積 を 除 く )以 上 と す る も の と し ます。 (4) ト イ レ の (なし) 利用者の使用に適したもの 仕様 (5) 事 務 室 とします。 単に「事務室」とだけ規定 利用者を処遇する場所と明 確に区画された独立したもの とします。 (6) 移 動 の 円 (なし) 利用者の処遇に充てられる 滑化 場 所 に つ い て は ,利 用 者 の 円 滑 な 移 動 に 配 慮 す る と と も に ,そ の場所が2階以上の階にある 場 合 は ,エ レ ベ ー タ ー を 1 基 以 上設けるものとします。 (7) 契 約 書 に よる契約 事業者 は,あら かじ め ,利用 国 基 準 に 加 え ,サ ー ビ ス 提 供 申 込 者 又 は そ の 家 族 に 対 し ,運 に当たり,利用申込者の同意 営 規 程 の 概 要 ,サ ー ビ ス の 選 択 は ,契 約 書 に よ る こ と を 要 す る に関する重要事項を記した文 ものとします。 書 を 交 付 し て 説 明 を 行 い ,サ ー ビス提供の開始について利用 申込者の同意を得なければな らない。 5 基 準 の 内 容 項目 国標準省令 水戸市の定める基準 (8) 保 険 外 サ 事 業 者 は ,次 に 掲 げ る 費 用 の 事 業 者 は ,介 護 保 険 サ ー ビ ス ービスの根 額の支払を利用者から受ける の提供に付随して提供するサ 拠の明示 ことができる。 ー ビ ス の 費 用 の 額 に つ い て ,具 (略) 体的な根拠を明示するものと サービスにおいて提供され します。 る 便 宜 の う ち ,日 常 生 活 に お い ても通常必要となるものに係 る 費 用 で あ っ て ,そ の 利 用 者 に 負担させることが適当と認め られるもの (9) 成 年 後 見 (なし) 事 業 者 は ,必 要 に 応 じ て 利 用 制度の活用 者の成年後見制度の活用を支 の支援 援することについて定めます。 (10) 口 腔 衛 (なし) 事 業 者 は ,口 腔 の 衛 生 の 確 保 生の確保 の取組みを行うよう努めるも のとします。 (11) 運 営 規 程の項目 ①事業の目的及び運営の方 針,②従 業者の 職種,員数及 び 職 務 の 内 容 ,③ 営 業 日 及 び 営 業 時間,④ 利用定 員,⑤ 指定地 域 密着型通所介護の内容及び利 用 料 そ の 他 の 費 用 の 額 ,⑥ 通 常 の 事 業 の 実 施 地 域 ,⑦ サ ー ビ ス 利 用 に 当 た っ て の 留 意 事 項 ,⑧ 緊 急 時 等 に お け る 対 応 方 法 ,⑨ 非 常 災 害 対 策 ,⑩ そ の 他 運 営 に 関する重要事項に関する規程 6 国 基 準 に 加 え ,「 苦 情 ・ 相 談 の窓口」を追加します。 基 準 の 内 容 項目 国標準省令 水戸市の定める基準 を定めておかなければならな い。 (12) 非 常 災 害対策 非常災害に関する具体的計 国 基 準 に 加 え ,① 事 業 所 の 立 画 を 立 て ,非 常 災 害 時 の 関 係 機 地等から起こり得る非常災害 関への通報及び連携体制を整 に対する具体的な計画を策定, 備 し ,そ れ ら を 定 期 的 に 従 業 者 ②一度立てた計画の定期的な に 周 知 す る と と も に ,定 期 的 に 見 直 し ,③ 非 常 災 害 に 備 え た 食 避 難 ,救 出 そ の 他 必 要 な 訓 練 を 料品などの備蓄について追加 行わなければならない。 します。 (13) 事 故 報 事 業 者 は ,利 用 者 に 対 す る サ 告書の提出 ービスの提供により事故が発 国 基 準 に 加 え ,事 故 報 告 書 を 市に提出するものとします。 生した 場合は,市町 村 ,家族等 に 連 絡 を 行 う と と も に ,必 要 な 措置を講じなければならない。 事故の状況及び事故に際し て採った処置について記録し なければならない。 賠償すべき事故が発生した 場 合 は ,損 害 賠 償 を 速 や か に 行 わなければならない。 (14) 住 民 へ (なし) 事 業 者 は ,そ の 事 業 の 開 始 に の説明 当 た り ,地 域 住 民 に 対 し ,サ ー ビス提供の内容等についての 説明を行うものとします。 (15) 不 適 切 法人であること。 国 基 準 に 加 え ,水 戸 市 暴 力 団 な事業者の 排除条例に規定する暴力団等 排除 でないことを要件とします。 7 基 準 の 内 容 項目 国標準省令 (16) 「 従 業 水戸市の定める基準 (なし) 従 業 者 は ,書 面 で 雇 用 契 約 が 者」の定義 (17) 勤 務 体 制の記録 (18) 定 員 超 確認できるものとします。 事 業 者 は ,利 用 者 に 対 し 適 切 事 業 者 は ,利 用 者 に 対 し 適 切 なサービスを提供できるよう, なサービスを提供できるよう, 事 業 所 ご と に ,勤 務 の 体 制 を 定 事 業 所 ご と に ,勤 務 の 体 制 を 定 めておかなければならない。 め,記録するものとします。 (なし) やむを得ず定員超過となる 過の報告 場 合 ,速 や か に 市 長 へ 報 告 す る ものとします。 (19) 記 録 文 事業者は,従業者,設備,備 書の保存期 品及び会計に関する記録を整 限 備しておかなければならない。 保存期限を5年とします。 利用者に対する指定地域密 着型通所介護の提供に関する ① 地 域 密 着 型 通 所 介 護 計 画 ,② 提供した具体的なサービスの 内 容 等 の 記 録 ,③ 市 町 村 へ の 通 知 に 係 る 記 録 ,④ 苦 情 の 内 容 等 の 記 録 ,⑤ 事 故 の 状 況 及 び 事 故 に際して採った処置について の 記 録 ,⑥ 運 営 推 進 会 議 に お け る報告 ,評 価 ,要望 ,助言等 の 記 録 を 整 備 し ,そ の 完 結 の 日 か ら2年間保存しなければなら ない。 (20) 記 録 の (なし) 事 業 者 は ,記 録 を 市 が 介 護 保 保存場所・ 険法の規定に基づき求める文 保存形態 書の提出又は提示の求めに対 8 基 準 の 内 容 項目 国標準省令 水戸市の定める基準 し ,遅 滞 な く 応 じ る こ と が で き る場所及び形態により保管す るものとします。 (21) 上 記 以 外 人 員 基 準 ,サ ー ビ ス 提 供 拒 否 の禁止などに関する基準 9 国の基準どおり
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