1.情報文化の枠組み • 情報と文化 – 情報 – 文化 • 情報文化 – 文化情報 – 情報文化 2011/4/7 1 事例 • 情報技術の進歩 – 社会の変化 – 新しい生活様式・行動様式の出現 • 例:利便性の向上 • 例:情報の断片化 – 図書・雑誌・新聞→Web →ブログ→twitter • • • • 例:効率化の追求 例:グローバル化 例:地域社会構造の変化 知識基盤社会と異なる 2 情報と文化 •情報 information • 習慣、事実、経験か ら習得する知識 • 知らせること • ニュース、報道、話 など告げられること • +マスメディア • コンピュータに蓄積し 検索できるデータ • 通信によって伝達さ れる内容 •文化 culture • 社会を構成する 人々によって習得・ 共有・伝達される行 動様式ないし生活 様式 • +習慣・様式・しきたり • 言語・習俗・道徳・ 宗教・制度など • 個別文化は独自の 価値を持つ 3 情報の対象範囲 • 1 【情報行動に関する内容】 – 習慣、事実、経験から習得す る知識 – 認識 – +コミュニケーション • 3 【情報技術の扱う対象】 – コンピュータに蓄積した り、検索できるデータ – インターネット、Web – 通信 • 2【情報の持つ意味に関する内容】 – 知らせること, – ニュース、報道、話など告げら れること, 知らせ – 情報の量・情報の流通 情報は人が作り活用するが、 情報技術の発展がその価値 を増大させてきた 4 日本語の文化 • • 日常①の意味で使用する 場合,英語の習慣に相当す ① 社会を構成する人々に ることが多い よって習得・共有・伝達さ – 食文化 れる行動様式ないし生活 • food culture 様式の総体。 • Food manner • Food habit ② 世の中が開けて生活水 • Food custom 準が高まっている状態 – 情報文化 (注) • Information culture ③ 学問・芸術・宗教・道徳な • Information manner ど、主として精神的活動 • Information habit から生み出されたもの 日本語の文化 世界大百科事典,goo辞書 5 英語の文化 Oxford Advanced Learner’s Dictionary ① 生活様式 個別の国やグループの習慣、信仰、芸術、生活様式、組織 の様式 the customs and beliefs, art, way of life and social organization of a particular country or group ② 信念/態度 特定のグループや組織で共有する信念や態度 the beliefs and attitudes that people in a particular group or organization share: ③ アート/音楽/文学 グループとして考えられるアート、音楽、文学 art, music, literature, etc., thought of as a group 6 学問としての文化 • 文化人類学からみた文化(生活/行動様式) – 文化または文明とは,知識,信仰,芸術,道徳,法律, 慣習その他,社会の成員としての人間によって獲得さ れたあらゆる能力や慣習の複合総体である (E.B.タイ ラー,原始文化,1871) • 社会学からみた現代における文化 – 文化とは何かと問うことよりも,文化は社会のなかでい かなる作用や機能を果たしているかが問題とされる。 – 現代の機能合理性的な価値を前提とした社会における 文化は,社会構造から乖離 (かいり) してきていること。 地域社会の変容。 7 文化の対象範囲 • 1 【生活/行動様式】 – 社会を構成する人々によって習 得・共有・伝達される行動様式な いし生活様式の総体(その土地・ 社会の) – 習慣・様式・しきたり・習得された 行動 – 道徳、習俗/慣習、宗教、制度/法 律など – 言語・学問・芸術 • 2【信念/態度】 – それぞれの人間集団は個別の 文化を持ち、個別文化は独自の 価値観を持つ。意識・感性・関 心・価値観の基盤。 • 3【習慣】(英語) – 世の中が開けて生活水準が 高まっている状態(日本語) – 日本語の文化は、英語で習慣 を意味する場合が多い • 4【精神的活動の成果物】 – 芸術・音楽・文学・学問 • 5【文明】 civilization – 「人間の技術的・物質的所産」 から作られる精神的成果物 文化は人が構成する地域や 地域・社会の中で共有・伝達さ れるもの (1, 2が主体) 8 文化の例 • 言語 – 思想・感情・意志などを互いに伝達しあうための社 会的に一定した組織をもつ、音声による記号とその 体系。あるいは伝達しあう行為。統治手段となる。 • 道徳 – ある社会で人々が善悪・正邪を判断し、正しく行為 するための規範の総称。 • 習俗(風俗/風習/ならわし) – ある社会内で習慣となった生活様式。 • 制度 – 国家・社会・団体を運営するための法や規則 – 社会的に公認され定型化されているきまりや慣習。 9 情報文化 • 情報 – 人間と情報技術の存在が前提となる • 文化 – 人間と人間が構成する地域や社会の存在が前提となる • 情報文化の枠組み – 情報技術の進展により新たに作られる社会様式/生活様式と, その様式に向き合う人間の態度 • 情報文化の視点 – 視点1 情報技術の社会や個人への影響 • 情報技術が社会・個人に社会/生活様式の変化 – 視点2 グローバル化と分断 • 情報社会のグローバル化 – 視点3 情報社会と個人 • 社会の変容に向き合う個人の態度 10 視点1情報技術による社会の変化 • IT, ICTの急速な進歩 – Information and Communication Technology – パソコン(コンピュータ)、インターネット、携 帯電話 • 情報技術が社会の仕組みに変化をもたらす – 書類の整理が手書きからワープロへ • 情報技術が個人の生活に変化をもたらす – 連絡が宅内電話から携帯へ • 情報は人間とともに存在してきたが、情報技 術の発展がその価値とその影響力を飛躍的に 増大させた 11 視点1 • コンピュータを中心とした情報通信技術の発展が、社 会や人に、負の側面も含め、大きな変化を与えている • →情報化による社会様式や生活様式の変化 – – – – – – ①情報技術による時空間の拡大 ②メディアの多様化 ③情報の共有・多様化 ④膨大な情報の処理 ⑤双方向のコミュニケーション ⑥情報の断片化 • →文化の基盤となるコミュニティ(社会構造)の 変化 12 視点1講義の内容 (情報技術による社会の変化) • 1.情報文化の枠組み • 2.情報通信技術の人への影響 • 3.情報通信技術とコミュニティー1 – 地域コミュニティとインターネットコミュニティ • 4.情報通信技術とコミュニティー2 – インターネットコミュニティの特徴とその将来 • 5.情報に対する感性 13 視点2:グローバル化と文化 • 情報技術の発展によるグローバル化の現状 – 経済・政治・文化のグローバル化の進展 – 情報技術の発展と組織・企業活動の変化 • グローバル化による地域/社会の変化 – 国・政治への影響 – グローバル化と地域/社会の分断 – 文化(地域の社会様式や地域の価値観)への影響 • 英語とグローバル化 – 情報伝達言語としての英語の存在感 • インターネットとグローバル化 – 分断と地域化の進行 2010/4/8 14 視点2 • 情報技術がグローバル化を推進 – グローバル化が民族、国民、社会、組織に影響を 与えるとともに、変革を要請している • 経済のグローバル化 • 政治のグローバル化 • 文化のグローバル化 2011/4/7 15 視点2講義の内容 (グローバル化と文化) • 6グローバル化の概念 • 7経済のグローバル化 – 情報技術の発展と組織・企業活動の変化 • 8デジタルディバイドと社会の分断 – グローバル化と地域内格差 • 9文化のグローバル化 – グローバル化が地域に与える変化 • 10英語による情報と文化の支配1 – 情報伝達言語としての英語 • 11 英語による情報と文化の支配2 16 視点3:情報社会に向き合う個人の態度 • 情報行動の重要性の理解 – ルールと倫理、内部統制 – 適切な情報の処理や流通 – 適切な情報行動が、情報化の進展した現代社会では 不可欠 • 社会や地域に根ざした異文化の尊重 – グローバル化しない文化もある – 民族・国家・組織により大きく異なる • アイデンティティ – 異文化を知ることは自己を知ること • 知識ベース社会の実現 2010/4/8 17 視点3 • 情報社会・グローバル社会と個人 • ①倫理・コンプライアンス・危機管理 – 倫理やコンプライアンスの順守 • ②多文化の共存・異文化の尊重 – 社会や地域に根ざした異文化の尊重 • ③グローバルコミュニケーション – 自己のアイデンティティの確認 – 地域(日本社会)の理解 18 講義の内容 視点3:情報社会に向き合う個人の態度 • 12 情報社会の光と影1 – 効率化と利便性の向上 • 13 情報社会の光と影2 – プライバシーとコンプライアンスと倫理 • 14 アイデンティティとグローバルコミュニケーション – 個人アイデンティティと意図 • 15 アイデンティティとグローバルコミュニケーション – 社会アイデンティティと誤解 – グローバルコミュニケーションにおける感性 • 16 試験 19 講義の目的(再確認) • 相互に影響し合う3つの視点から情報文化の理 解を深める – 視点1 情報技術による社会の変化 • コンピュータを中心とした情報通信技術の発展が、 社会様式や生活様式に大きな変化を与えている – 視点2グローバル化と文化 • 情報技術がグローバル化を推進し、その結果とし て情報社会が民族、国民、社会、組織の様式に対 し影響を与え、変革を要請している – 視点3 社会の情報化に向き合う個人の態度 • 社会の変容は、社会や地域に根ざした異文化の尊 重と、自己のアイデンティティの確認を個人に 迫っている 20 技術 情報文化 視点1 情報技術による社会の変化 社会 視点2 グローバル化と文化 【1】様式の文化 情 報 通 信 技 術 視点3 社会の情報化に向 き合う個人の態度 行動様式ないし生活様式 【2】地域の文化 言語、道徳、宗教、制度 情報社会と向き合う 態度 ―プライバシー ―著作権 ―アイデンティティ ―グローバルコミュニ ケーション 【3】習慣 習慣・様式・しきたり 【4】文明 情報社会 社会のグローバル化 個人 21 <成績評価法> • 学期末に行う筆記試験で評価する。 • 学期末に行う筆記試験は、3分野から1問づつ、 計3問出題する。 – 視点1 情報技術の社会や個人への影響 • 30% – 視点2グローバル化と分断 • 30% – 視点3 情報社会と個人 • 40% • 1/3以上欠席した場合評価の対象としない – 出席をとります • 配布資 http://www.nuis.ac.jp/~takagi/ 22 • 前年度文も全てUPしています。予習に使用してください。 演習問題 • Q1英語の文化の意味に含まれないもの を選択せよ。 ①個別の国の習慣,②個別の国の生活様式, ③世の中が開けて生活水準が高まっている状 態,④特定の組織で共有する信念,⑤特定 の地域の音楽 • Q2情報の意味と異なるものを選択せよ。 ①事実 ②経験から習得する知識 ③知らせる こと④伝達される内容 ⑤コンピュータの出力 23 • Q3グローバル化しにくいものを選択せよ。 ①経済②政治③文化④言語⑤企業活動 • Q4情報技術について間違っているものを選択 せよ。 ①情報技術がグローバル化を推進した②情報通信技 術は人に負の側面を含まない変化を与えた③情報技術 は社会に影響を与えている④情報社会はグローバル 化している⑤情報技術はコンピュータを中心として 発展した • Q5自分の生活に重要と思われる情報技術をあ げてください(科目名の欄に記入してくださ い) 24
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