表紙から 2015 3/28 CONTENTS 【第1 特集】絶好調企業の 82 海外で稼げる力富士重工業米国でSUV大ヒット。利益率はトヨタを超えたピジョン中国ママさんから絶大な信頼を獲得アシックス欧米市場ついに攻略。ランナーが指名買いカシオ計算機再び世界で巻き起こすGショックブーム 88 浮き沈み激しいスマホゲーム業界ミクシィとガンホー、次の一手 ■ 2015年3月期で最高益更新が予想される主要企業（→P80）社名建設・不動産 82 84 85 86 サービス 90 92 93 94 マニー手術針など高シェア。栃木が誇る国際企業クラレ世界初の高機能材を生み出すニッチ化学ミネベア「研究力＋生産力」が勝利への方程式 96 パナソニック、ソニー業績回復の差はなぜかロボット需要が爆発。日本勢が中国攻める 98 100 101 102 103 女性客を魅了するTV通販の巨人キーエンス驚異の高収益生む工場向けコンサル力ステップ断トツの合格実績で神奈川を制圧三菱鉛筆成熟の文具で稼ぐ商品展開の極意 104 INTERVIEW│三品和広 ● 神戸大学教授「優勝劣敗は進んでいる」ヤオコー来店客が増え続ける最強の食品スーパージュピターショップチャンネル 106 独創的なビジネスモデル 106 108 109 110 111 112 大和ハウス工業住宅メーカーの枠超え、事業の多角化進めるクックパッド料理レシピの蓄積で有料会員の増加続くエムスリー業界の常識変えた医療情報サイト三菱商社マンが作った外食企業セブン銀行コンビニATM で生活のインフラに 120 225 920 61 NIPPO 三井不動産 320 134 200 26 776 ミクシィテンプHD 博報堂DY HD セコム 245 343 ヤクルト本社日本ハム ■ 上場企業の営業利益はリーマンショック前に迫る（→P81）営業利益（左目盛）（兆円） 40 （円／ドル） 120 ドル円ルート（右目盛） 100 非製造業 30 80 製造業 20 60 10 0 2004 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 年度三品和広神戸大学教授クリエイト・レストランツHD 企業業績の改善鮮明に。景気も回復に向かうか菊地秀朗 ●日本総研研究員（億円）戸田建設帝国ホテル食品 98 顧客をがっちりつかむ純益見通し日本空港ビルデング 90 技術力で利益創出ファナック、安川電機、不二越など秘密 78 上場企業の2015年3月期決算は最高益更新組が続出する。業績絶好調企業の強さの秘密とは。「真の勝ち組企業がようやく見えてきた」（予） 104 CONTENTS 2015 3/28 核心リポート 9 ｜経済を見る眼｜介護離職から見えてくるもの／太田聰一 11 ｜この人に聞く｜山内雅喜 ● ヤマトホールディングス次期社長｜郵政民営化 33 ｜少数異見｜選挙権18歳化を嚆矢に老人民主主義葬る改革を三 36 人三 22 海を渡るiPhone 知られざる中古の実態談あの人がいれば中古スマホの一大集積地は香港。密輸を当局が摘発するケースも 26 ラオックスが大規模増資全国へ怒濤出店のけ 28 北陸新幹線が開業うごめく次への思惑あなたにとって「忘れられない1人」は誰ですか？ 29 DeNA選んだ任天堂スマホ弱者連合の船出 30 株高でユニコーン急増バブル崩壊懸念もニュース最前線建築「高坂正堯さん」「渡辺淳一さん」田原総一朗 ● ジャーナリスト「高倉健さん」前田新造 ● 資生堂相談役 30 横尾忠則 ● 美術家巻深層リポート 44 シャープ重大局面再び 56 特 31 中国主導のインフラ銀行欧州勢参加、日本と分断集株価爆上げ２万円日経平均株価は 2000年4月以来となる1万9000円台に突入した日経平均2万円の大台回復に向けて期待が高まる株式市場。今後の株高の行方を占う。特 INTERVIEW｜郭台銘 ●鴻海精密工業董事長別企画『会社四季報』最新予想でお宝発掘「シャープよ、銀行よ！私と話をしよう」 66 118 120 122 124 126 127 128 129 130 134 145 146 頭アジアこれはバブルか本物か危機脱出からわずか1年半でまた経営難に陥ったシャープ。取引行もいらだちを隠せない。 48 IT 東洋ゴムがデータ偽装なぜ不正を繰り返す先日発売された『会社四季報』最新号有望銘柄ランキング300 2015 年度 66 株主還元＆ROE上昇期待ランキング100 ｜春節「爆買い」ブーム、再現に不可欠な情報発信／陳言 68 最高益更新率ランキング50 70 好業績＆低PERランキング50 ｜グローバルアイ｜株価上昇と金利低下が世界同時発生する謎／ケネス・ロゴフ 69 営業増益率ランキング50 71 0 好業績＆高配当利回りランキング50 ｜知の技法｜信頼できる専門家をどう見分けるか②／佐藤優｜中国動態｜フォーカス政治｜安倍首相の価値観とは? 言動と実践に距離／山口二郎｜株式観測｜緩やかな円安インフレは非製造業にもポジティブ／伊藤高志｜為替観測｜ドル相場は安定リスクオンの円安に／亀岡裕次｜価格を読む｜大人の音楽教室｜他の習い事との競争で料金は固定化も｜マクロウォッチ｜欧州の量的緩和に勝算は？｜ゴルフざんまい｜アマチュアの夢かなうルール適合外品／三田村昌鳳を書いた中田考氏に聞く｜ブックス &トレンズ｜『イスラーム生と死と聖戦』｜ Readers & Editors｜読者の手紙、編集部から｜生涯現役の人生学｜耳が聞こえなくなっても／童門冬二 3月21日号訂正情報 PR 5 14 34 40 42 52 73 114 140 ビジネスアスペクト菱電商事／ＧＳＰ宣言菱電商事の最適解を導き出す提案力と調達力インタラクション明海大学不動産学部日本賃貸住宅管理協会指定都市市長会 JR東海動き続けるビジネスパーソンこそ｢ＥＸ予約｣＆｢プラスＥＸ｣な理由リクルートキャリアローソン・玉塚元一×縄文アソシエイツ・古田英明対談 BRIDGE オムロンビジネスコアトヨタ自動車／トヨタ流「自然と地域との共生」広告特集チャンスを引き寄せる海外出張の “新常識” CTC cloudageフォーラム 25ページ、伊藤忠商事の囲み記事で、「14年12月にはTOB（株式公開買い付け）によって」とあるのは、正しくは「14年12月には株式買い付けによって」です。図表作成：小堺賢吾／杉本祐子本誌の記事は「東洋経済オンライン」「日経テレコン」「ジーサーチ」「ELNET」のデータベースに収録されており、フリーキーワードで検索、出力できます。らシャープ社内では、﹁バイ・シャう資金繰りのヤマ場を越えた。し、計3300億円の社債償還といには約1300億円の増資を果たープ運動﹂と称する自社製品の購買延長を軸とする支援を実施。年秋奨励策が行われている。低迷する収からくも延命してからわずか1年半、シャープはまたもや危機に瀕しましょう！﹂││。2月か益の下支えが狙いだ。﹁同業他社がている。年度は黒字計画が一転、ャープ製品を積極的に買いベースアップをする局面で、なぜう「シ 13 れないのが正直なところだろう。しては、もはやなりふり構っていらは白けた声が漏れる。だが経営側とちだけ購買運動なのか﹂。社員からより収益悪化したのが要因だ。この情報家電、太陽電池の3事業が想定通しである。液晶パネルとデジタル 300億円の最終赤字に転落する見直面したシャープ。救済したのは銀 2011～年度に計9000億円超の巨額赤字に陥り、経営危機にた。年度の中期経営計画が未達となっ結果、銀行支援の条件だった～行だった。主力取引行の三菱東京Ｕシャープは主力2行に再び金融支援を要請しており、3月5日には髙ＦＪ銀行とみずほ銀行が協調融資の（億円）（億円） 12,000 25,000 10,000 20,000 8,000 15,000 6,000 10,000 4,000 5,000 2,000 ごミットメントをかくも早々に反故にほ役員と協議した。だが経営再建のコされたとあっては、主力2行もすぐには要請に応じられない。年末時点でシャープは巨額の有利子負債を抱える。主には短期借入金約7000億円と、主力2行による年3月が返済期限の協調融資枠 3600億円だ。短期借入金については通常ならロールオーバー︵借り経営状態であることが大前提とな換え︶を繰り返すが、それは健全な ▲4,000 （注） 2014年度の純資産は14年12月末時点の数値（出所）決算資料から本誌作成だが大ナタを振るえば、関連損失める。縮小をすれば一定程度の回復が見込だ残っており、不採算事業の撤退・合機など安定的に稼ぐ優良事業がま語る。シャープには白モノ家電や複のある経営幹部はそう厳しい口調で﹁事業撤退も含め、とにかくやれることをやってほしいね﹂。主力行ＤＥＳの条件は抜本的な再建計画繰り広げられている。ぎりぎりの駆け引きが今、水面下で金融支援をめぐるシャープと銀行のープに破綻されては元も子もない。 30,000 る。もはや慢性的な経営不振といっ 0 0 ▲6,000 14 年度正、中計の見直しを発表てよいシャープには無条件では当て（予） 13 12 11 2010 社長交代橋興三社長が都内で2行の審査担当 3月台湾・鴻海精密工業と資本業務提携で合意 4月山幹雄氏から奥田司氏へ社長交代 8月 2000人規模の希望退職募集を公表 ▲2,000 純資産（右目盛）売上高（左目盛） 2015年 2月 1 4 年度決算の下方修 10月公募と第三者割当増資で約1300億円調達の中小型転換発表業務提携販売からの撤退を発表 5月中期3カ年経営計画を発表 6月奥田氏から髙橋興三氏へ 2011年 6月三重・亀山第 2 工場 3月韓国サムスン電子と資本 2014年 7月欧州の太陽電池生産から撤退 8月パイオニアとの資本提携解消 9月欧州のテレビ生産、白モノ家電 2013年 2012年はまらない。とはいえ銀行側もシャ純利益（右目盛）主力取引行の三菱東京 UFJ銀行とみずほ銀行は、またもや危機に陥ったシャープを救うのか ─シャープの業績推移と主な出来事─ 再び最終赤字転落 15 44 2015.3.28 週刊東洋経済撮影：ヒラオカスタジオ週刊東洋経済 2015.3.28 45 再 14 14 営難また経がプ引。シャー主力取１年半にか勢ずわない姿出からち出さ打危機脱を策うこた。抜本。杉本りに陥っせない健太、斐隠許を本誌：らだち行はい 13 16 プー面ャ局シ重大び 12 深層リポートシャープ重大局面再びげ上爆円価万株日経平均株価の2万円台回復がいよいよ視野に入ってきた。日経平均は2月日に2007年以日に年4月以来となる1万900 後、それから1カ月足らずの3月来となる1万8000円台に乗せた 16 0円台に突入︵㌻左上図︶。この 00 株高期待をより高める「リフレ銘柄」の再脚光くれた。株価チャートを手に熱弁を振るってを築いた個人投資家に会うと、早速だ。アベノミクス相場で資産1億円株がある。銀行を中心とした金融株今後の株高の行方を占う﹁指標﹂として投資家の間で注目されているを見せている。がるという、これまでにはない強さ間、米国株が下がっても日本株は上 58 彼が取り出したのは、三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ︵ＦＧ︶の直近3年分のチャートだ。これを見ると、年末からのアベノミクス相場で上昇した株価は年5月に7 12 上昇、年の高値を超えて足元ではていた。それが今年2月に入って急 32円の高値をつけた後、モミ合っ 13 800円に迫ってきている。﹁三菱ＵＦＪＦＧのような大型株が上値を取ってくると、次は中小型株の株価もつれて上がってくるはず﹂。株高に向けた期待は高まる。金融株に注目するのはプロの投資家も同じだ。﹁金融株や不動産株が﹃リフレ銘柄﹄として再び脚光を浴びるのではないか﹂。三井住友アセットマネジメントの葛原健吾シニアファンドマネージャーは願望を込めてこのように話す。銀行を中心に停いけば、日経平均やＴＯＰＩＸ︵東滞ぎみだった金融株が上値を超えて証株価指数︶など指数のさらなる押し上げ要因にもなる。このような株高継続シナリオは夢物語ではない。4∼6月に米国の利上げ観測やギリシャ不安で株価がいったん調整を迎える可能性はあるが、市場関係者が指摘する日本株にそろった三つの好条件の説得力は日に日に増しているからだ。株高の好条件て、株価見通しをいち早く引月からの日本株上昇を受け堅調な企業業績２き上げたのがゴールドマン・サック経平均が3カ月後に1万9400 ス証券だった。新たな見通しでは日円、6カ月後に2万0600円、年末時点で2万1700円に到達するとしている。この強気見通しの根拠として、1番目に挙げるのが堅調な企業業績だ。 56 2015.3.28 週刊東洋経済週刊東洋経済 2015.3.28 57 外部環境は確かに改善そろった3つの好条件まが高待き期えてけて見向もに弊害読む。回復の台大相場ら先を欽一円ので官製か緒方万化：２誌本一方境変平均日経市場。ぐる環め式る株本株を日た。 13 株高の理由ルバブ物か本はれこ 13 1 か２撮影：尾形文繁巻頭特集株高爆上げ 2 万円本企業の業績改善が鮮明になっている。東洋経済の集計で 5円、対ユーロで円以上の円高。しかも労務費も当時より2000億度の予想営業利益のほうが年度よ円増えている。にもかかわらず今年トヨタは最高益となる今期、中長期の競争力を見据えて環境・安全技大きさゆえだ。 7年間で積み上げた原価改善効果のり4000億円以上も大きいのは、 07 デザイン：池田梢進行管理：宮澤由美撮影：尾形文繁、梅谷秀司、ヒダキトモコ日は、3月期決算の上場企業︵金融や会計基準・決算期の変更企業を除く日、トヨタは、第3四半期までの好調な業績を受けて通期の業績予想を上方修正し、営業利益を2兆700 0億円、純利益を2兆1300億円へと引き上げた。いずれも2期連続で過去最高となる。円安がトヨタの好業績をもたらしたことは事実だ。同社は昨年度︵年度︶に、リーマンショック前の年度に記録した営業利益を6年ぶりだため、為替だけで9000億円もに更新。昨年度は急激に円安が進んの営業益が底上げされる形になっ為替による増益要因が2150億円見込まれている。ただし円安だけに頼った最高益ではない。今年度︵年3月期︶の年度の業績と比較すると、そのことはより鮮明になる。当時と比べ力は間違いなく上がっている。ヨタ幹部が評するように、その収益及ぶ。﹁より筋肉質になった﹂とトど、原価改善効果も2550億円に更やカイゼン活動によるムダ取りな増益要因を分析してみると、設計変 15 20 秘密 2079社が対象︶のうち、533 社が今2015年3月期に純利益で過去最高を更新する見通し。過去期以上の比較対象実績がある企業にる。3月期決算は4月下旬から本格限定しても、最高益は437社に上的な発表が始まるが、最高益ラッシュとなるのが確実だ。金額ベースで見ると、利益の伸びが著しいのは、輸出企業を中心とする製造業︵㌻図︶。円安の進行で急激に回復した前期に続き、今期も増益基調が見込まれ、製造業全体の利益額は過去最高だったリーマンシで回復する。その象徴ともいえるのョック前の世界好景気時の水準にまがトヨタ自動車だ。より強くなったトヨタ余力を残しての最高益﹁オールトヨタで心を一つに、必死になって原価改善の努力をしてきた成果が表れた﹂。トヨタの佐々木 12 決算の場で、こう胸を張った。この 14 た。今年度も対ドルで円安が進展、 07 13 年度・第3四半期︵年4∼ 月︶卓夫常務役員は、2月に発表した 10 14 81 14 ると、年度の平均為替は対ドルで 07 本誌：中川雅博、二階堂遼馬、常盤有未、渡辺拓未、前田佳子、松崎泰弘、山田徹也、宇都宮徹、許斐健太、冨岡耕、中原美絵子、大滝俊一、猪澤顕明、鈴木良英、筑紫祐二、山田泰弘、長谷川愛、又吉龍吾、福田淳、山田雄大、山本直樹、渡辺清治絶好調企業の円安やアベノミクスによる国内景気回復もあり、上場企業の今2015年3月期決算は最高益更新組が続出する見通しだ。実力で最高益を更新する絶好調企業にスポットを当て、その強さを追った。 78 2015.3.28 週刊東洋経済週刊東洋経済 2015.3.28 79 14 第１特集特集／絶好調企業の秘密