表紙から 2015 2/21 CONTENTS 60 増え続ける海外移住者、関心が高まる海外資産運用。踏み切るなら、知っておくべきことは多い。アフロ、撮影：佐々木大輔【第1 特集】本気で考える海外移住資産運用＆ 62 68 富裕層、起業家を引き付ける海外 Part 1 移住編シンガポールの「磁力」真の目的は教育移住 62 税制、ビジネス機会、教育環境。日本にはないものを求め人々はシンガポールを目指すわが子を国際エリートに！ 71 海外一流大学へのパスポート「国際バカロレア」って何？ 72 移住先選択基準は「あこがれ」から「実用性」へ 73 「私の教育移住は逆張りです」小島慶子 ●タレント・エッセイスト 74 80 82 84 86 現地在住の日本人に聞いたセブ島カナダもう行きたくないオーストラリアまた住みたいニュージーランドマレーシア帰国組が打ち明ける理想と現実永住権取得には高い壁移住人気国ビザ制度総点検海外 Part 2 資産運用編脱「円」で知っておくべき失敗しない外貨選び初めの一歩はネット証券から！海外投資虎の巻株債券 REIT 初級編中・上級編 94 96 98 68 人気の移住先での暮らし名門校に子どもを通わせるため海外に移り住む教育移住組が増えている ■ 注目通貨のメリット・デメリット（→P85）米ドルメリットデメリット低コストだが相場急変時が悲惨！ FXのメリット・デメリットユーロ海外不動産投資は「新興国の成長を買う」メリット海外投資の課税は現地と日本の両方が基本 99 「出国税」に海外口座の監視狭まる「税逃れ」包囲網 100 費用と手間が想像以上！面倒な海外資産の相続 101 サラリーマン投資家が語る海外投資の悲喜こもごもデメリット資源国通貨メリットデメリット海外投資の本命今年はドル高の公算大固定利率物は不利短期収益を追求流動性が高い欧州はデフレ転落懸念産油国以外の通貨を長期保有インフレ耐性が強く安定高手数料で短期運用は不利 CONTENTS 2015 2/21 核心リポート 9 ｜経済を見る眼｜苦闘する欧州と日本の共通点／早川英男 11 ｜この人に聞く｜近藤正樹 ● 日本KFCホールディングス社長｜コンビニは脅威 29 ｜少数異見｜ピケティ世界的人気の秘密 18 海外去る日本のテレビ追い込まれて局地戦ひと烈風録 52 福島雅典医師、臨床研究情報センター長正論つらぬく反逆の医師「クスリの開発に科学を」 104 106 108 110 112 113 114 116 ｜知の技法｜後藤健二氏がシリアに行った本当の理由／佐藤優｜中国動態｜巨大財閥の香港脱出は「土地経済」終焉の兆し／陳言｜グローバルアイ｜ギリシャへは譲歩が必要／ケネス・ロゴフほか株式観測｜原油安が響く企業を除き企業業績は回復方向／伊藤高志｜為替観測｜スイスショックの歴史的意義／高島修｜価格を読む 9 経済を見る眼早川英男 11 106 中国動態陳言 21 日産が北米市場で快走中国は「危機モード」 24 社内をあえて揺さぶるサイバー藤田流人事 22 将来世代の給付改善へ年金減額がついに始動 25 ルーツの長崎にメス三菱重、造船の正念場りそなへ接近する日本生命の腹づもり精密 26 非鉄カメラ、露光装置が苦戦視界不良続くニコン 27 傍流社長の険路 32 東芝田中改革道半ば 38 経営と財界と歴代社長の光と影を書いた鈴村尚久氏に聞くほか 118 ｜ブックス &トレンズ｜『トヨタ生産方式の逆襲』 Readers & Editors 125 ｜｜読者の手紙、編集部から生涯現役の人生学 126 ｜｜水戸駅での階段落ち／童門冬二図表作成：小堺賢吾／杉本祐子本誌の記事は「東洋経済オンライン」「日経テレコン」「ジーサーチ」「ELNET」のデータベースに収録されており、フリーキーワードで検索、出力できます。 40 東芝が財務立て直しを急ぐワケ深層リポート日中タイ巨大企業の握手 42 5 ビジネスアスペクト國學院大學／大学が変わる。本気で変える。 12 立命館大学目標達成は日々の積み重ねからと知る強さ 30 日本証券アナリスト協会プライベートバンカー資格が富裕層・企業オーナー向けサービスの拡大を強力支援 58 日本郵便ワンストップ通販ソリューションが動き出す 127 BUSINESS WAVE collect サンライズ・アカウンティング・インターナショナルハードネゴシエーターは名門企業を成長軌道に乗せられるか調達部門から異例の抜擢をされて早1年8カ月。田中久雄社長の改革がわずかに動き始めた。 118 PR 円安が市況に勝ったニッケル乱高下の顚末巻頭特集｜マクロウォッチ｜日銀保有の国債は負債でない？ブックス＆トレンズ『トヨタ生産方式の逆襲』鈴村尚久ドンキ安田会長が引退毀誉褒貶の激烈人生生保 26 ｜BDレコーダー｜「全録」機種の投入でも価格反発せずこの人に聞く日本KFCホールディングス社長近藤正樹 20 ニュース最前線｜フォーカス政治｜「テロとの戦い」の高揚感で憲法をいじるな／山口二郎｜パナやシャープ、東芝が海外でのテレビ生産から撤退。韓国・中国勢の攻勢続く伊藤忠 1月23日の記念式典で。左から謝国民、常振明、岡藤正広、謝吉人（謝国民氏の長男）の各氏異次元投資の真相伊藤忠商事がタイの財閥と組んで中国の国有企業に 1.2兆円を投資。本誌だけが知る交渉の深層を明かす。 46 INTERVIEW｜岡藤正広 ●伊藤忠商事社長「伊藤忠にとって最初で最後、最大のチャンス」 49 CITICを生んだ「赤い資本家」の栄光と没落東芝田中改革路険の長社流傍︵年3月期︶を垂れ流すところへ、タイル事業が510億円の営業赤字道半ば退の計画で、今後は台湾メーカーに東芝ブランドを供与する﹁ライセンすると発表した。3月に北米から撤よ﹂。田中は少しばかり自慢げに語スビジネス﹂に変わる。欧州やアジ年はやめよう﹄と言っていましたを語る││ 。東京・浜松町の東芝本る。そしてこうも付け加えた。﹁まアでも同様の事業モデル転換を進めの経営者も﹃それはいい。うちも来社ビル階ホールで開かれてきた東あ、一部反対の人もいましたけどる計画だ。ように立ち、社長が年頭の辞芝の年賀式。これが2015年は姿ね﹂。田中は改革のメスを入れた。万人が躍動する、節目にふさわし﹁東芝は今年、創業140周年を迎えます。この1年を東芝グループたという。新年をことほぎつつ、東らも一堂に会する数少ない機会だっに加え、経営の一線を退いた相談役反対したのは、お歴々の先輩諸氏だったのではないか。年賀式は社員断行する。ノートパソコンシリーズして、国内外の拠点・人員の削減もを強化する方針を打ち出した。関連これに先立つ昨年9月には個人向けパソコン事業を縮小し、法人向け遅くないだろうか。の程度だというのはあまりに歩みがだが社長就任以来の1年8カ月で、田中が着手できた〝改革〟がこ市場が横向く空虚な最高益い年にしていきましょう﹂。仕事始足元の業績は決して悪くはない。年3月期は半導体事業のＮＡＮＤパソコン事業は、現役役員にも事業れ、営業利益が3300億円︵前期フラッシュメモリの好調に牽引さ﹁ダイナブック﹂で知られる東芝のを再確認する場。それを田中は、過出身者が多く、〝抵抗勢力〟もあっ比・5％増︶に達する見通し。こ芝ファミリーにおける自身の居場所去と決別するように廃止した。たはずだ。それでもテレビとパソコン、白モノ家電を柱とするライフス続いて1月日。東芝は海外のテレビ事業の自社開発・販売から撤退れは1990年3月期を上回り過去ロイター/アフロ本誌：富田頌子、前田佳子、杉本りうこ右に門松。壁の社旗を背負うを消した。左調達部門から異例の抜擢をされて早１年８カ月。東芝社長の田中久雄の改革がわ =敬称略= ずかに動き始めた。めの1月5日。社長の田中久雄は自送った。上で国内外の全社員にメッセージを身の写真を添えて、イントラネット 20 ﹁気づいたんですよ。年賀式ってグローバルじゃないよね、と。他社 29 32 2015.2.21 週刊東洋経済週刊東洋経済 2015.2.21 33 39 14 15 13 巻頭特集東芝月日、香港中心部のホテどを抱え、金融を中心に事業を拡大長は、深い安堵感に包まれていた。香港証券取引所に上場するＣＩＴＩＩＴＩＣグループの中核子会社で、してきた。伊藤忠が出資するのはＣ社運を懸けた交渉がやっと実を結んＣリミテッド︵中国中信股份︶。最ル。伊藤忠商事の岡藤正広社だのだ。﹁ストレスが心臓に来て、終的には、伊藤忠とＣＰが6000 １ 2回も検査を受けた。もう、こんなッドの株式の2割を取得する。億円ずつを投じてＣＩＴＩＣリミテ藤社長︶。交渉は金輪際やりたくないわ﹂︵岡岡藤社長と固い握手を交わしたＣＩＴＩＣグループ︵中国中信集団︶当初の提案は「６％」伊藤忠は２割に固執の常振明董事長、タイのチャロン・最初に動いたのは、ＣＩＴＩＣリミテッドのトップを兼ねる常董事長だった。懇意のＣＰグループ幹部民︶会長も、長くタフな交渉を終えン・チャラワノン︵中国名は謝国忠とＣＰがそれぞれ％折半出資すＴＩＣの中間持ち株会社から、伊藤のになった。2015年4月にＣＩ難航した交渉の経過を物語るかのように、提携のスキームは複雑なも円︶で買い受けてグループの中核企資産を総額370億㌦︵約3・8兆同社は、年8月に系列企業の主要ック︵中信泰富︶という名前だったのだ。もともとＣＩＴＩＣパシフィ ∼6％取得しないか﹂と持ちかけたに、﹁ＣＩＴＩＣリミテッド株を5 た高揚感を隠せずにいた。円で株式％を売却︵下図①︶。そるＣＴＢ︵正大光明︶へ5150億ポカパン︵ＣＰ︶グループのタニ大コングロマリットであるＣＩＴＩ伊藤忠がタイ最大の財閥であるＣＰグループと組み、中国きっての巨優先株式を6890億円で引き受け厳しいことから、経営の効率化や透る香港市場は中国市場よりルールが業に変身したばかり。同社が上場すう。そんな、同社史上最大のディーる︵②︶。年1月までには普通株明化が進むという触れ込みだった。の後、月に普通株・4％相当のルが成約にこぎ着けたのだ。へ転換し、伊藤忠とＣＰの出資比率それに先立ち、内外の社からの出 1 優先株発行 CTB 16年1月までに優先株式を普通株式に転換。累計して20%出資へ（注） CTBが2014年8月に取得したCITICリミテッド株1%は15年4月までに売却％を保有しており、浮動株比率それでもなお、ＣＩＴＩＣリミテッドの株式はＣＩＴＩＣグループが資を新たに受け入れている。（中国中信股份）グループ資本業務提携は計％に達する︵③︶。（正大光明） 2 3 CITICリミテッド 15年10月、 6890億円で出資比率縮小 78%から 60%へ 15年4月、5150億円で CITICの普通株式10%を売却 100% （正大集団） 2014年7月に 100% ＣＩＴＩＣは傘下に中国1位の信託会社や証券会社、同7位の銀行なＣに1・2兆円もの巨額投資を行 14 ％以上を原則とする上場基準に達していなかった。常董事長には、そうしたグレーな状況を解消したいとの思惑があった。しかし、6％程度の出資ではお付き合いの域を出ず、ＣＰグループとしてもメリットがはっきり見えない。ＣＰグループ中国法人は、資本提携を水面下で交渉していた伊藤忠に相乗りを持ちかけた。伊藤忠はひとまずＣＰグループと 42 2015.2.21 週刊東洋経済写真提供：伊藤忠商事週刊東洋経済 2015.2.21 43 50 13 25 （中国中信集団） 25 16 中間持ち株会社2社本誌：西中国政府の資投 10 10 20 78 卓村豪太、秦１月23日の記念式典で。左から謝国民、常振明、岡藤正広、謝吉人（謝国民氏の長男）の各氏 CP 伊藤忠商事（財政部） 50% 50% CITICグループ相真 CITIC株の20%を伊藤忠とCPグループで分け合う巨大企業の握手 23 企業中国の国有でん組とはいイの財閥の巨人連合イ伊藤忠がタタ中日を投資。の巨額投異次元」に1.2兆円「。かの成立した撃取材を交直のへかにして長社た岡藤正広かす。資を決断しの深層を明渉交る知けがえ、本誌だ弥日中タイ忠藤伊深層リポート伊藤忠異次元投資の真相本気で考える海外海外へ移り住む人が増え続けている。資産課税強化に不満を抱える富裕層。日本の将来や教育に不安を感じている子育て世代。そして、成長市場にビジネスチャンスを求めて海を渡る起業家たち。外務省の海外在留邦人数調査統計によると、永住権を取得して海外で暮らす日本人は2013年月時点で万8747人。過去年間で約 10 万人増加した。外を視野に入れた資産運用に本気で減りするリスクを回避するには、海を抱く人も多いはずだ。円資産が目フレ﹂の可能性を耳にすると、不安日本にとどまるにしても、さらなる円安や経済停滞を伴う﹁悪いインけてみたらどうだろうか。なのか。一歩踏み出す前に、耳を傾海外へ飛び立った同胞は今、どうしているのか、移住先の生活は快適れほど容易なことではないからだ。い描いていた暮らしを営むのは、そ習慣も文化も食べ物も異なる国で思日本を脱出しさえすれば不満、不安がすべて解消されるわけではない。飛び出しただけでは夢をかなえられない胸に新天地に向かう姿は皆同じだ。移住動機は人それぞれ異なるが、日本ではかなえられない夢や希望を 10 取り組むのも選択肢の一つだ。フレに円安・イン備えるで」ッポン「脱ニ移住＆資産運用「ここではない、どこかへ」──。生活の場を、そして資産運用の場を海外へ移す。その決断を後で悔やまないために、知っておくべきことは数多くある。本誌：山本直樹、緒方欽一、中原美絵子デザイン：池田梢　進行管理：福山智美 41 13 60 2015.2.21 週刊東洋経済週刊東洋経済 2015.2.21 61 第１特集特集／本気で考える海外移住＆資産運用