2014年5月 - 鹿児島経済研究所

経済情報
2014
5
No.290
CONTENTS
P05
P08
ご乗船ありがとうございます。
南の風
01
寄稿
02
調査レポート
06
調査レポート
11
景況プラスワン
22
アジアインフォメーション
25
経営情報
26
SNSでのトラブル防止
ビジネス税務Q&A
28
消費税率の1回目UP
(5%→8%)
の影響
成長戦略
28
30
《観光》日本一の滞在・交流・体験型の観光地づくり
31
《環境》森林資源とエネルギー
大山 直幸/鹿児島市 船舶事業管理者 船舶局長
“地域密着型スモールビジネス”
と創造的地域づくり
-鹿児島を
「文化の薫りあふれるまち」
へ-
旅の魅力高める観光列車
~地域に眠る素材とのコラボを~
第135回 県内企業・業況調査結果
平成26年度賃金改定計画・
新入社員の初任給改定計画について
上海のタクシー事情
~配車アプリの競争激化~
―第2回 木質バイオマス発電の動向―
32
《農業》焼 酎の香味を科学的に検証する
焼酎・発酵学教育研究センター
33
《医業》病床規制と医療市場の変容
~経営リスクの変化~
鹿児島県の景況
34
ランキング鹿児島
38
指標
39
主要経済指標
45
主要金融指標
46
経済概況
49
経済指標
50
鹿児島県内
51
全国・九州
52
宮崎県内
ビジネスインフォメーション
53
谷吉造園土木・中森進建設
歴史まち歩き
54
南薩の戦争遺産をたずねて
BOOKs
55
今月の一冊・4月のベスト10
ご案内
56
2014 年 5・6・7月ビジネスセミナーのご案内
57
サイトアドレス(URL)変更のお知らせ
宮崎県の景況
経済日誌
経済概況
〈空き家率〉…全国8位
調査レポート②
調査レポー
ト①
旅の魅力高める観光列車
~地域に眠る素材とのコラボを~
【要 約】
・九州は全国よりも人口減少、少子高齢化が速いスピードで進んでおり、交通手段同士の生き
残りをかけた競争が激しい。そうした中、JR 九州は 2004 年の九州新幹線部分開業をきっ
かけに交流人口の増加やシニア層の旅行市場開拓を図ろうと観光列車に力を入れている。
・鹿児島―指宿を走る「指宿のたまて箱」は運行開始以降、高い人気を誇っており、今年
2 月には“いぶたま効果”を波及させようと、終点を枕崎まで延長させた臨時列車が 1 日
限定で走った。
・第 3 セクター・肥薩おれんじ鉄道は沿線人口の減少で苦戦を強いられている中、沿線外か
ら観光客を呼び込むため、13 年 3 月から「おれんじ食堂」の運行を始めた。乗客に沿線
の食材を提供・販売することで、農漁業、製造業、小売業など幅広い業種が潤い、地域経
済の活性化に貢献している。今後はおれんじ食堂を基点に観光の広がりを生み出すための
観光地づくりを考えていかなければならないだろう。
・鹿児島の観光基盤をさらに強めるためは、観光列車を使った「着地型観光」が重要と考え
る。そのためには、観光列車を軸とした周辺地域の連携が不可欠である。また、地域に眠
る観光資源を掘り起こし、磨き上げること、そしてその魅力と観光を上手く結び付け、国
内外へ情報発信することが鍵になると思われる。
観光列車増加の背景
1)。その後、11 年 3 月の九州新幹線全線
九州は全国よりも人口減少、少子高齢化が
開業効果で 12 年度はやや増加した。また、
速いスピードで進んでおり、車、鉄道、高速
同社は九州新幹線部分開業をきっかけに、交
バス、航空機など交通手段の競争が厳しい地
流人口の増加やシニア層の旅行市場開拓を図
域である。
ろうと観光列車に力を入れている。11 年の
九 州 内 の 鉄 道 輸 送 人 員 は、1995 年 度 を
全線開業以降は「指宿のたまて箱」など、新
ピークに減少後、2004 年の九州新幹線部分
たに 3 本の観光列車を投入し、現在では 9 本
開業以降、ほぼ一定に推移していた(図表
の観光列車が走っている。
図表1 九州内の鉄道輸送人員の推移
乗車率好調を維持
(億人)
6
JR 九 州 で は 観 光 列 車 を「D & S 列
車」と位置付けている。「D」=特別な
4
「デザイン」、
「S」=運行する地域に基
づく「ストーリー」のことで、その地域
にある逸話や特徴をデザインした列車の
2
ことである。例えば、「指宿のたまて箱」
0
1965 75
85
95 2005 06
資料)
九州運輸局
「九州運輸要覧」
07
08
09
10
11
12(年度)
は、指宿地域に伝わる竜宮伝説が名前の
由来で、ドアが開いた時に煙に見立てた
調査レポート②
第135回 県内企業・業況調査結果
平成26年1~3月期の業況は「大幅に改善」
平成26年4~6月期の業況見通しは「大幅に悪化」
用語:今 期=平成26年1~3月期
来 期=平成26年4~6月期
前 期=平成25年10~12月期
前年同期=平成25年1~3月期
予 想=前期調査時
(平成25年12月下旬)
の今期見通し
D.Ⅰ.=
「良い」
-
「悪い」
「
、増加」
-
「減少」
、いずれも回答企業割合
【概 況】
●今期の業況D.I.は7と、前期(▲4)
から大幅に改善しプラスに転じた。
D.I.がプラスとなるのは、平成3年10 ~ 12月期以来22年3カ月ぶり。
消費増税前の駆け込み需要により、小売業の改善幅が特に大きい。
公共事業の増加に加え、消費増税前の民間住宅の駆け込み需要もあり、建設業のD.I.は高水準で推移して
いる。
●来期の業況見通しD.I.は▲19と、今期(7)から大幅に悪化しマイナスに転じる見通し。
●今期、設備投資を実施した企業割合は36%と、前期(34%)と比べてやや増加した。
来期に設備投資を予定している企業割合は34%となり、今期(36%)と比べてやや減少する見通し。
●経営上の問題点は、
「競争激化」
(48%)が最も多く、「原材料・仕入品価格高」
(41%)が続いた。「原材料・仕
入品価格高」
は建設業(54%)
が全体の水準を押し上げており、コスト高の状況にある傾向がうかがわれた。
以下、「売上・受注不振」
(30%)
、
「人手不足・求人難」
(29%)、「採算・収益の悪化」
(19%)の順となってお
り、上位項目の順序に変動はなかった。
【調査要領】
1.対 象 企 業 県内主要企業 500 社 [調査方法]郵送方式
2.調 査 時 期 平成 26 年 3 月下旬
3.対 象 期 間 平成 26 年 1 ~ 3 月期実績見込み 平成 26 年 4 ~ 6 月期見通し
4.質 問 項 目 業況、 生産高、 売上・完工高、 在庫、 販売価格、 仕入価格、 損益、
資金繰り、 雇用人員、設備投資、 経営上の問題点
5.回 答 企 業 数 357 社(回答率 71.4%)
(製造業 71.2%、 建設業 78.7%、 卸売業 82.4%、 小売業 56.6%、 その他産業 72.4%)
業況D.Ⅰ.の推移
30
22年3カ月ぶりのプラス
予想
良い
10
悪い
▲10
▲30
D.Ⅰ.
▲50
▲70
Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ
15年
16年
17年
18年
19年
20年
21年
22年
23年
24年
25年
26年
(期)