平成13年度土木研究所研究評価所内委員会について 「独立行政法人土木研究所研究評価要領」に基づき平成13年度に実施した基盤研究(一般、萌芽研究) に係る内部評価委員会の結果について、以下のとおり公表します。 委員会構成 委員長 委 員 事務局 開催月日 6月 理 事 研究調整官、地質官、総務部長、企画部長、総括研究官 材料地盤研究グループ長、耐震研究グループ長、水循環研究グループ長 水工研究グループ長、土砂管理研究グループ長、基礎道路研究グループ長 構造物研究グループ長、研究企画官 研究企画課 6日∼14日、3月4日 <評価対象課題及び評価内容> (事前評価) (6月期) 平成14年度に新たに着手する計画の基盤研究40課題について、研究の必要性、達成すべき目標、研 究の実施体制、自己評価結果等を評価した。その結果、 ①計画に基づいて実施する課題 7課題 ②計画を一部修正して実施する課題 21課題 合計 28課題を採択した。 残り12課題については、研究の必要性、達成すべき目標等を再検討し、内部評価委員会に諮るものと した。 (3月期) 前回の内部評価委員会の評価結果等を踏まえ、平成14年度に新たに着手する計画の6課題について、 研究の必要性、達成すべき目標、研究の実施体制、自己評価結果等を評価した。その結果、計画を一部修 正して実施する課題として 5課題 を採択した。 (事前評価採択課題 33課題 ) (中間評価) (6月期) 平成11年度開始課題及び研究計画に変更があった課題等35課題について、研究の進捗状況、研究計 画の修正の必要性、自己評価結果等を評価した。その結果、 ①計画に基づいて研究を継続する課題 21課題 ②計画を一部修正して継続する課題 11課題 ③他の課題と統合することにより効率的に研究が実施される課題 1課題 と決定した。残り2課題については、研究計画を検討し、再度内部評価委員会に諮るものとした。 (3月期) 6月の内部評価委員会で再度内部評価委員会に諮るものとされた2課題 について、研究の進捗状況、研 究計画の修正の必要性、自己評価結果等を再評価し、1課題については修正計画どおり研究を継続するも のとし、1課題については、計画をさらに一部修正し継続するものとした。 (継続実施課題 - 1 - 34課題 ) 1.事前評価課題 (1)計画に基づいて実施する課題(7課題) 1.硬化コンクリートの品質検査方法に関する研究 2.遺伝子解析手法を用いた環境ストレスの検出技術の開発に関する基礎的研究 3.補強材等を用いた新形式基礎の支持力評価法に関する研究 4.改良地盤による構造物基礎の経済的な耐震設計手法に関する研究開発 5.凍結防止剤の開発および効率的利用に関する試験調査 6.限界状態を考慮した擁壁の耐震設計法に関する試験調査 7.高機能材料を用いた道路橋橋脚の耐震設計法に関する試験調査 (2)計画を一部修正して実施する課題(21課題) 1.表層地盤の動的特性の原位置調査技術に関する研究 【指】 S バイブレーターについて、さらに広範囲な利用方法を検討する。 2.CO2固定と循環型社会形成のための土木分野における間伐材利用技術の開発 【指】 本研究課題における研究の範囲は基礎的研究までに止め、現場実証実験は、本研究の成果を待 って、次期研究課題において実施する。 3.下水処理水再利用のための残存物質の高度除去手法に関する研究 【指】 本研究課題における研究の範囲は基礎的研究までに止め、下水処理システムについては、本研 究の成果を待って、次期研究課題において研究する。 4.土壌汚染物質の地盤による無害化能力とその活用方策に関する研究 【指】 本研究期間内に達成する目標を具体的に示し、着実に研究を実施する。 5.三次元入力を受ける鉄筋コンクリート構造物の耐震性評価に関する研究 【指】 構造物の三次元応答特性の解明という研究の趣旨を明確にする。 6.水文データの乏しい流域での水資源評価手法の開発 【指】 本研究期間内に達成する具体的な目標を示す。研修用プログラムの作成という目標は、より質 の高い内容に変更する。 7.不確定性を考慮した地下水モデル構築に関する研究 【指】 大学などにおける既往の研究との差異を示し、本研究の達成目標の新規性を明確にする。 8.構造物への新材料適用に関する研究 【指】 新材料チームが実施している一連の研究課題との内容の調整を図り、本研究の範囲を明確にす る。 9.交差点立体化等の路上工事短縮技術の開発 【指】 土木研究所が担うべき研究領域を考慮し、よりソフトな技術の開発を目指す。また、施工技術 チームを中心に個々のチームの連携を高める。 10.建設汚泥のリサイクル技術に関する研究 【指】 行政との役割分担を明確にし、土木研究所が担うべき研究領域に重点を置く。 11.粉じん対策技術の評価・開発 【指】 個々の具体的な技術開発は共同研究で実施する。この際、土木研究所の役割分担を明確にする。 12.性能に基づく地中構造物の耐震設計法に関する試験調査 【指】 すでに実施中の研究課題「下水道施設の液状化対策に関する調査」との差異を明確にするとと もに、その成果を活用し、効率的な研究を行う。 13.舗装路面の性能評価法に関する研究 【指】 キャリブレーション舗装という位置づけから、その性能を長期にわたり確実に維持する方法に ついても検討する。 14.超長大橋橋面構造のコスト縮減技術に関する試験調査 【指】 すでに実施中の研究課題「経済性・耐風性に優れた超長大橋の上部構造に関する研究」との差 異を明確にするともに、その成果を活用し、効率的な研究を行う。 15.浮体橋設計法の開発に関する調査 【指】 本研究課題の研究範囲は浮体橋の設計方法の提案までとし、研究費を用いたケーススタディは 行わない。 16.ゲート設備の健全度と寿命評価に関する研究 17.ダム・河川管理施設の新しい防食材料に関する研究 【指】 上記 2 課題を統合するとともに、それぞれのチームの役割分担を明確にした上で、連携をとり ながら研究を実施する。 18.樋門・樋管構造物の健全度診断と空洞対策の評価に関する研究 【指】 本研究期間内に達成する目標を具体的に示し、着実に研究を実施する。 19.フィルダムの堤体設計法の合理化に関する研究 【指】 長期的かつ戦略的視点に立って、より本質的な設計の高度化を目指す。 20.地下水流動状況の把握技術に関する研究 - 2 - 【指】 民間との共同研究を実施し、より効率的な技術開発を行う。 21.積雪・融雪に伴う土砂生産の調査法およびモニタリングに関する研究 【指】 本研究期間内に達成する目標を具体的に示し、着実に研究を実施する。 (3)3月内部評価委員会で採択された課題(5課題) 1.ITを活用した情報化施工技術の開発 【指】 国土交通省本省、国土技術政策総合研究所、土木研究所の役割分担を明確にするとともに、プ ラットフォームの作成を念頭に置いた戦略的な研究開発を行う。 2.大変位地すべりの発生場の条件に関する研究 【指】 大変位地すべりの場の条件については、短期間にとりまとめ、地すべりの挙動、移動特性の検 討に重点を置く。 3.地すべりアンカー工の配置計画および設計に関する調査 【指】 応力解析にあたっては、地すべりブロックの地質と物性値に関する情報が必要であり、解析法 の提案だけでなく、応力解析にあたって入力条件として必要となる地質情報や物性値、およびそ の取得方法についての研究を追加する。 4.トンネル覆工コンクリートの耐火性能に関する研究 【指】 覆工の材料特性や火災時の覆工の挙動の解明など、研究内容を基礎的な項目に絞るとともに、 研究期間も 2 ∼ 3 年とする。具体的な技術開発に関する共同研究は、本研究の成果を待って、次 期研究課題において実施する。 5. 第三紀層地すべりにおける地すべり地塊の強度低下機構に関する研究 【指】 本研究期間内に達成する目標を具体的に示し、着実に研究を実施する。15 年度に要求している 施設整備費(X 線回折装置)は現段階では認められず、必要てれば、14 年度の内部評価委員会 で改めて要求する。 - 3 - 2.中間評価 (1)計画に基づいて継続する課題(21課題) 1.都市域表層地盤の探査技術に関する研究 2.高速流路施設の設計手法の高度化に関する研究 3.液状化判定法の高度化に関する研究 4.河原の保全と復元に関する研究 (改題:「河川の自然環境におけるインパクトとレスポンスに関する研究」 ) 5.バイオアッセイによるエストロゲン様物質の指標に関する研究 6.岩盤の力学特性評価手法に関する研究 7.山腹斜面における受食性、地被状態の変化を考慮した微細土砂生産モデルと数値解析手法に関する 研究 8.積雪層の脆弱化と雪崩発生危険度に関する研究 9.河川環境影響の定量的評価手法検討 10.レーダ雨量計の精度評価に関する研究 (改題:「レーダを活用した流出予測システム検討に関する研究」 ) 11.省エネルギー型セメントを用いたダム用コンクリートの利用技術に関する調査 12.ダム挙動の安定性評価手法の検討 13.地理情報システム(GIS)を用いた土砂災害情報管理システムの構築に関する調査 14.光触媒を用いたNOx低減材料の適用に関する試験調査 15.セメント系固化処理土に関する検討 16.地震ハザードマップの作成手法の開発に関する調査 17.岩盤斜面の調査法及びモニタリングに関する試験調査 18.舗装の機能的破損に関する研究 19.基礎の地震時支持力特性の新しい評価手法に関する調査 20.冬期路面管理水準策定に関する試験調査 21.古環境変化に基づく災害発生時期推定法に関する研究 (2)計画を一部修正して継続する課題(11課題) 1.高分子系土木用構造材料の促進劣化試験方法に関する研究 【指】 達成目標と年次計画の整合性を図る。 2.社会基盤等を活用した省エネ及び都市の気候緩和に関する研究 【指】 路面発電システムについては、これまでの研究から実現可能性を精査し、研究の継続の是非を 検討する。 3.軟弱地盤対策の選定とその効果に関する国際共同研究 【指】 達成目標と年次計画の整合性を図る。 4.耐震性能の検証技術に関する研究 【指】 すでに実施中の研究課題「土木構造物の耐震性能評価方法に関する国際共同研究」との研究内 容の差異を明確にするとともに、その成果を活用し、効率的な研究を行う。 5.堤防強化対策の選定手法に関する調査 【指】 研究期間が長すぎるため、14 年度で一旦研究を区切って成果をとりまとめ、それを踏まえて、 新たな研究課題を立案する。 6.中小河川向け洪水予測手法に関する研究 【指】 研究項目のうち地下水管理手法に関する調査は、本研究の内容としてふさわしくないため、本 研究課題の中での研究は中止する。 7.水文観測精度評価と非接触システム開発に関する研究 【指】 2 つの独立した研究という印象を受けるため、本研究課題の目的、達成目標を明確にした上で、 適切な研究課題名に修正する。 8.新熱源を利用した道路消融雪技術 【指】 14 年度で研究を一旦終了し、成果のとりまとめを行う。現地試験については、得られた成果を もとに実施の是非を検討し、必要に応じて次期研究課題において実施する。 9.小断面トンネルの換気・照明設計法に関する調査 (改題:「地域特性を生かした道路計画手法に関する調査」 ) 【指】 研究内容を表す研究課題名に修正する。 10.GISを活用した河川流況予測システムの研究開発 【指】 すでに実施中の研究課題「レーダを活用した流出予測システム検討に関する研究」との研究内 容の差異を明確にするとともに、その成果を活用し、効率的な研究を行う。 11.交通振動の軽減に資する舗装構造に関する研究 【指】 重点プロジェクト研究の「走行車両による橋梁振動の抑制手法に関する試験調査」との研究内 容の差異を明確にするとともに、その成果を活用し、効率的な研究を行う。 - 4 - 統合:道路交通振動の環境アセスメント技術の高度化に関する試験調査 【指】 重点プロジェクト研究の新規要求課題である「走行車両による橋梁振動の抑制手法に関する試 験調査」へ統合する。 (3)3月内部評価委員会で評価した課題(2課題) 1.地盤環境とその変化が生態系に及ぼす影響に関する研究 (改題:「地形地質環境の多様性を考慮した多自然型土地づくりに関する研究」) 2.都市内歩行者系道路舗装の総合評価に関する研究 【指】 当初計画の達成目標を明確し、14 年度中に確実な成果が得られるような計画とする。 ※ 【指】= 主な指摘事項等 - 5 -
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