スライド 1

現代日本財政 -市場と政府の経済学-
- 10月5日講義資料 -
日本経済復活の軌跡と
今後の構造改革の課題
2006年10月5日
本間 正明
経済財政諮問会議 前議員
大阪大学大学院経済学研究科 教授
(財)関西社会経済研究所 所長
1.日本経済復活の軌跡
1-1 GDP推移
P1
【1】バブル崩壊以降、苦しんできた日本経済 ⇒公共投資主導では景気回復せず、財政悪化を招く
(1)1993年以降2000年までに合計100兆円規模の公共投資(及び中小企業対策)実施。
(2)財政の悪化を招く(国・地方の累積債務780兆円のうち、600兆円はバブル以降)。
【2】2002年以降は、構造改革が着実な景気回復をもたらす ⇒政府財政に依存しない構造改革型の回復
(1)回復当初は外需主導、近年は内需、特に民需(民間消費と民間設備投資)が牽引。
(2)企業は、雇用・設備・債務の「3つの過剰」を解消、好業績を実現。
実質GDP成長率の推移(年度)
実質GDPの推移
兆円
600
500
470
481
494
494
488 490 504
500
506
518
526
542
16
(3%)
24
(4%)
95
(18%)
%前年度比
3.0
2.5
0
400
実質GDPの推移
3.5
外需寄与度
内需寄与度
実質GDP
3.5
3.2
3.0
ITバブル投資
(2000年問題対応)
2.8
2.5
2.3
2.0
83
(15%)
300
19
(3%)
2.0
1.7
1.5
1.5
1.1
1.0
0.6
0.5
純輸出
公的固定資本
政府最終消費
民間在庫増
民間設備投資
民間住宅
民間最終消費
200
100
0.0
-0.1
1997
305
(56%)
0.0
1998
1996
1997
1998
2000
2001
1999
2000
年度
2001
2002
2003
2004
2005
2002
2003
2004
2005
-0.5
-0.8
-1.3
1995
1999
-0.5
-1.5
1994
0.5
-1.0
0
1.0
年度
構造改革型景気回復
外需と内需のバランスの
とれた回復へ
-1.0
-1.5
P2
1-1 GDP推移 <基本事項の確認>
(1)GPD(国内総生産)
- ある一定期間に、「ある国の経済において」「生産された」、すべての財・サービスの『付加価値額』の総額。
※付加価値 = 生産者がある期間に生産した額から、その生産に投入した「原材料」や「中間生産物」の額を差し引いたもの
※帰属計算(Imputed Value)
市場で評価できない経済活動については、あたかもその財貨・サービスが市場で取引されたかのように擬制し、
その市場取引価格を想定して評価する国民経済計算上の特殊な概念。
例)帰属家賃、農家の自家消費など。ただし、主婦の家事サービスは含まれていない。
(2)GDPの三面等価
- 付加価値の合計として計上されたGDP(生産されたGDP)は、必ず、政府・家計・企業のいずれかの主体に
「分配」され、所得となる。そして、分配されたGDPは必ず「支出」される。
= 要素所得の合計
GDP(分配面)
= (家計の収入) + (企業の収入) + (政府の収入)
=雇用者所得 + 営業余剰 + 固定資本減耗 + 間接税 - 補助金
※要素所得 = 労働・土地・資本という生産要素に対する報酬(賃金、地代、利潤)
GDP
(生産面)
※固定資本減耗 = 資本設備の磨耗による価値の低下分。
GDP(支出面)
= 最終消費支出 (民間最終消費 + 政府最終消費)
+ 国内総固定資本形成 (民間住宅 + 民間企業設備 + 公的固定資本形成)
+ 在庫品増加 (民間在庫品増加 + 公的在庫品増加)
+ 財貨・サービスの純輸出(輸出 - 輸入)
三面等価の原則の成立 ⇒ 投資の中に在庫品増加(在庫投資)も含む
P3
1-1 GDP推移 <基本事項の確認>
(3)日本経済の三面等価(2005年度)
生産面からみたGDP
1.産業
1農林水産業
2鉱業
3製造業
4建設業
5電気・ガス・水道業
6卸売・小売業
7金融・保険業
8不動産業
9運輸・通信業
10サービス業
2.政府サービス生産者
1電気・ガス・水道業
2サービス業
3公務
3.対家計民間非営利サービス生産者
1教育
2その他
小計
その他の調整項目
国内総生産
すべて暦年:名目値
(10億円)
458,480
8,469
510
104,074
31,912
12,707
66,731
33,266
60,101
34,848
105,863
46,681
5,046
13,454
28,181
9,672
4,532
5,140
514,832
(-)18781
496,051
分配面からみたGDP
1.雇用者所得
2.営業余剰
3.固定資本減耗
4.間接税
5.(控除)補助金
6.不突合
国内総生産(生産側)
255,424
92,928
105,447
41,591
(-)4001
4,661
496,051
支出面からみたGDP
1.民間最終消費支出
2.政府最終消費支出
3.国内総固定資本形成
民間固定資本形成
企業設備
住宅
公的固定資本形成
4.在庫品増加
5.財貨・サービスの輸出等
6.財貨・サービスの輸入等
国内総生産(支出側)
284,922
89,075
113,369
95,871
76,476
18,661
25,876
(-)942
66,286
56,660
496,051
内閣府「国民経済計算年報2006」より
P4
1-1 GDP推移 <基本事項の確認>
(4)日本経済年表
西暦
戦後復興
高度経済成
長(1955-70)
神武景気
なべ底不況
岩戸景気
オリンピック景気
40年不況
いざなぎ景
気
※2度のオイ
ルショックを
乗り越え力
強く経済進展
第1次オイ
ルショック
第2次オイ
ルショック
円高不況
平成景気
バブル経済
日本経済
1945(S20) ・第2次世界大戦終結
・IMF(国際通貨基金)、世界銀行発足
1946(S21)
※ブレトンウッズ体制(~’71)
1949(S24) ・ドッジライン、シャウプ勧告
1950(S25) ・朝鮮戦争勃発 ⇒特需
1951(S26)
・サンフランシスコ講和条約
1952(S27)
・IMF、世銀、日本の加盟承認
1955(S30) ・自由民主党誕生
・日ソ国交回復
1956(S31)
・国連加盟
1958(S33) ・インスタントラーメン発売
・所得倍増計画(池田内閣)
1960(S35)
・カラーテレビ発売
1964(S39) ・東京オリンピック開催、東海道新幹線開業
1965(S40) ・40年不況(証券不況)、建設国債発行
・GNP世界第2位へ
1967(S42)
・3C時代到来(カラーテレビ、クーラー、車)
1968(S43)
・大阪万博開幕
1970(S45)
・関西新空港推進協議会結成
1971(S46) ・ニクソンショック(1ドル=308円)
・沖縄返還
1972(S47) ・日中国交正常化で合意
・日本列島改造論(田中内閣)
1973(S48) ・第1次オイルショック
1974(S49) ・コンビニエンスストア1号店
・ベトナム戦争終結
1975(S50)
・赤字国債発行
1977(S52) ・平均寿命男女とも世界一
1978(S53) ・新東京国際空港開発、成田空港占領事件
1979(S54) ・第2次オイルショック
1980(S55) ・イラン・イラク戦争勃発
1981(S56) ・スペースシャトル初飛行
1983(S58) ・ファミリーコンピュータ発売
・つくば万博開幕、NTT発足
1985(S60)
・プラザ合意(1ドル=250円 ⇒以降円高急速に進む ⇒円高不況)
1986(S61)
・国鉄民営化
1987(S62)
・ブラックマンデー
1988(S63) ・ソ連、ペレストロイカ
1989(H01) ・消費税3%導入
1990(H02) ・東西ドイツ統一
西暦
バブル経済
崩壊!
「失われた
10年」
1991(H03) ・湾岸戦争勃発
・「生活大国5ヵ年計画」(宮沢内閣)
1992(H04)
・神戸ハーバーランド開業
1993(H05)
・ウルグアイラウンド合意
1994(H06)
・関西国際空港開港
・阪神・淡路大震災
1995(H07)
・地方分権推進法制定
・住専処理法と金融関連6法設立
1996(H08)
・コメの販売自由化
・消費税5%に引き上げ
・香港、中国に返還
1997(H09) ・地球温暖化防止京都会議開催
・アジア通貨危機(タイ通貨バーツ切り下げが発端)
・金融機関破綻相次ぐ(三洋証券、拓殖銀、山一)
・改正外為法・日銀法が施行。日本版ビッグバンスタート
1998(H10) ・冬季オリンピック長野大会開催
・明石海峡大橋開港
1999(H11) ・ユーロ導入(現金取引は2002年1月より開始)
・2000円札発行
・そごうグループ倒産
2000(H12)
・日経ヒット番付「ユニクロ」「半額バーガー」「スターバックス」
流行語大賞「IT革命」「おっはー」
・アメリカ中枢同時多発テロ。
・完全失業率5%台へ
・小泉内閣発足(4/26)
2001(H13)
・日経ヒット番付「メード・イン・チャイナ」「イチロー」「希望退職」「200円台牛丼」
流行語大賞「改革なくして成長なし」「聖域なき改革」
「骨太の方針」「ワイドショー内閣」
2002(H14)
緩やかな
景気回復
2006年11月
にいざなぎ景
気を追い越
す
日本経済
・日韓共催2002年FIFAワールドカップ開催
・日経流行語大賞「ハリーポッター」「W杯」「写メール」「SUICA」
・イラク戦争勃発
2003(H15) 日経ヒット番付「デジタルAV」「六本木ヒルズ」「タイガース」
流行語大賞「毒まんじゅう」「なんでだろう」「マニュフェスト」
・米IBM、パソコン事業を中国レノボに売却
2004(H16) ・日経ヒット番付「韓流」「斜めドラム式洗濯機」
流行語大賞「チョー気持ちいい」「気合だー」「サプライズ」
・京都議定書発行
2005(H17) ・日経ヒット番付[iPOT」「株式ネット口座」「大容量HDDレコーダー」
流行語大賞「小泉劇場」「想定内」「クールビズ」
2006(H18) ・安部政権誕生
2007(H19) ・年金法改正 ⇒2007年夫婦の離婚危機問題?
P5
1-1 GDP推移 <基本事項の確認>
(5)近年のDGP推移と寄与度
(参考)2005年度の各四半期の実績は季節調整値
2001
実質GDP成長率%
▲ 0.8
1.1
2.3
1.7
0.7
0.3
0.3
0.4
0.5
0.3
0.0
0.8
0.3
0.8
0.1
0.4
0.0
0.4
0.3
0.0
1.2
0.5
0.5
0.0
0.9
0.2
0.5
▲ 0.6
0.0
1.1
▲ 0.3
1.0
0.1
0.8
▲ 0.3
0.3
▲ 0.7
0.0
1.4
▲ 0.9
1.3
0.0
0.9
0.2
0.3
▲ 0.1
(0.0)
1.2
▲ 0.8
0.3
0.1
0.2
▲ 0.5
0.1
0.0
(0.0)
0.4
▲ 0.4
0.4
0.1
0.0
0.2
0.0
▲ 0.1
(0.0)
0.5
0.1
0.3
0.0
0.5
0.0
0.0
0.0
(0.0)
0.4
▲ 0.5
0.3
▲ 0.1
0.6
0.0
0.0
▲ 0.3
0.0
0.1
▲ 0.3
▲ 2.1 ▲ 0.7
-1.3
-1.8
1.0
-1.3
0.5
-1.2
1.8
-1.3
▲ 0.1
-1.3
0.8
-1.6
0.4
-1.2
0.3<1.3>
-0.8
民間最終消費
民間住宅
民間企業設備
寄 民間在庫品増加
与 政府最終消費
度 公的固定資本形成
公的在庫品増加
輸出
輸入
名目GDP成長率
GDPデフレーター
▲
▲
▲
▲
▲
2002
▲
▲
▲
▲
2003
2004
2005
2006
4-6月
0.2<1.0>
年度
7-9月 10-12月 1-3月
3.2
0.3
1.1
0.8
GDP<>内は年率換算
【2001年度の日本経済】
・2000年ITバブル崩壊や、2000年8月ゼロ金利解除後の景気の急速な減速と深刻なデフレにより、
2001年3月に量的緩和政策がスタートした時期。
・2001年9月米国テロ等により、米国経済の減速が鮮明になり、輸出が激減。
・企業は、急成長を続ける中国等アジアとの競争激化、キャッシュフロー重視や時価会計等グローバル基準の
会計制度変更への対応等、電機・情報業界を中心に大リストラに取り組む。
・設備投資は、(90年代後半のIT投資の反動もあり)マイナス。
・民間消費は、前年度好調であった自動車や旅行等の分野の消費マインドは低下するも、中国製からの輸入廉
価品(例;100円ショップの拡大)に下支えされたことや、ラチェット効果によりプラス維持。
・「公的固定資本形成」は財政再建路線によりマイナス。以降、現在も続く。
1-1 GDP推移 <基本事項の確認>
P6
(5)近年のDGP推移と寄与度
【2002年度の日本経済】
・民間消費は、日韓共催ワールドカップ特需により堅調に推移。
・高成長を続けるアジア向けや米国経済の回復(2001年12月~現在)により、輸出は好調に転じる。
・企業は、大企業製造業は輸出の回復を中心に業績はプラスに転じるも、一方で構造改革を進めており、
設備投資はマイナス続く。
【2003年度の日本経済】
・民間消費は、アジアのSARS流行や前年度の反動もあり、伸び率は鈍化するものの堅調さを持続。
・輸出は、米国の好調な個人消費が経済を牽引、中国をはじめとするアジア地域向けが好調に推移し、
生産は輸出向けIT関連製品や鉄鋼などの素材製品を中心に回復。
・企業収益も大幅に改善し、設備投資も高い伸びを示す。
【2004年度の日本経済】
・中国・アジアなどの海外経済動向の変調懸念、原油価格の上昇、情報化関連財の調整局面といったリスク
要因の心配もあったものの、企業収益は増加し、輸出や設備投資も好調に推移する。
・好調な企業活動を背景に、失業率の低下など雇用情勢の改善によって雇用不安が減少。
・個人消費は、例年にない多数の台風上陸の影響(上陸数10本)も心配されたが、アテネオリンピックにより
薄型テレビなどデジタル家電が好調であったことや、雇用不安の減少したことで、消費も堅調に推移する。
【2005年度の日本経済】
・中国・アジアの高成長、ハリケーン被害を乗り越え堅調な米国経済を背景にして、輸出と設備投資が拡大という
企業部門の好調さは更に加速する。
・雇用不安の減少が、個人消費に好影響をもたらすという好循環も持続、都心部を中心に民間住宅需要も回復。
1.日本経済復活の軌跡
1-2 デフレ脱却へ
P7
【1】原油価格高止まりの影響で輸入物価上昇率は高い水準で推移
(1)急激な原油価格高騰の影響は、2006年に入り一段落。(尚、原油価格は、夏場高騰するも、9月以降
落ち着きを取り戻しつつある<10月2日(月)現在 東京ドバイ原油 1バレル=59.40ドル>)
【2】デフレを脱しつつある日本経済
(1) 国内企業物価は企業業績回復と連動して上昇したが、2004年度以降一段落傾向。
ただし、足元は、原油高騰の影響で、国内企業物価は3.4%上昇(2006年8月)。
(素原材料22.0%上昇⇒中間財7%上昇⇒最終財0.5%上昇と、川下への価格転嫁進まず)
(2)コア消費者物価は2005年末前年比プラスに転じたものの、7月は基準改訂によりプラス幅縮小。
(2006年7月 コアCPI(生鮮食品除く)前年比+0.2%、CPI(食料・エネルギー除く)は同▲0.3)
(3)2006年4-6期のGDPデフレーターは前期比+0.1%(前年同期比▲0.8%)へ
(前年比; %)
輸出入物価の推移
(前年比 %)
4.0
30.0
25.0
消費者物価(05年=100)の推移
輸出物価指数
輸入物価指数
消費者物価指数
3.0
企業物価指数
2.0
20.0
GDPデフレーター
1.0
15.0
0.0
10.0
-1.0
5.0
-2.0
0.0
-3.0
-5.0
2004/10
-4.0
2005/4
2005/10
2006/4
2001
2002
2003
2004
2005
2006
P8
1-2 デフレ脱却へ <基本事項の確認>
(1)GDPデフレーター<内閣府>
GDPデフレーター = 名目GDP/実質GDP
<パーシェ指数>
※名目GDP = 各時点の価格で測った国内総生産
実質GDP = 基準時点の価格で測った国内総生産
※GDPデフレーター前年比増加率 ≒ 名目GDP前年比増加率 - 実質GDP前年比増加率
(2)企業物価指数(CGPI)<日銀調査統計局>
- 企業間の取引に使われる価格を指標化したもの。
※古くは「卸売物価指数」(WPI)
<ラスパイレス指数>
- ①「国内企業物価指数」、②「輸出物価指数」、③「輸入物価指数」に3つに大別。
- 素原材料、中間財、最終財に区分でき、川上から川下への価格波及状況がわかる。
(3)消費者物価指数(CPI)<総務省統計局>
- 全国の平均的な世帯が購入する財・サービスの価格を指標化したもの。
<ラスパイレス指数>
- 2000年(平成17年)基準では、対象は584品目(うち、持家の帰属家賃4品目)。
- 代表的な指標は、「生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)」。近年の石油価格高騰の
影響をみるために、「食料(酒類除く)・エネルギーを除く総合指数」もよく用いられる。
- 2006年8月より、1995年(平成12年)基準から2000年(同17年)基準に変更。
P9
1-2 デフレ脱却へ <基本事項の確認>
(4)2006年8月CPIの基準改定の影響
- 改定により、おおよそ前年同月比では0.4~0.5ポイント低下。
2006年(前年同月比)
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
コアCPI<1995年基準>
0.5
0.5
0.5
0.5
0.6
0.6
0.6
0.7
コアCPI<2000年基準>
▲ 0.1
0.0
0.1 ▲ 0.1
0.0
0.2
0.2
0.3
(参考)
食品・エネルギー除く<2000>
▲ 0.7 ▲ 0.5 ▲ 0.5 ▲ 0.6 ▲ 0.5 ▲ 0.4 ▲ 0.3 ▲ 0.4
- <追
加> 薄型テレビ、DVDレコーダー、カーナビ、・・・
<整理統合> ワープロ、電気ごたつ、ビデオテープ、鉛筆・・・
- 品目別基準改定影響度ランキング(2006年6月分)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
下落寄与
移動電話通信料
テレビ(薄型)
パソコン(ノート型)
介護料
DVDレコーダー
カメラ
電気冷蔵庫
カーナビ
ハンドバッグ(輸入品)
ハンバーガー
寄与度
▲ 0.134
▲ 0.077
▲ 0.037
▲ 0.019
▲ 0.018
▲ 0.016
▲ 0.013
▲ 0.012
▲ 0.011
▲ 0.010
上昇寄与
1 外国パック旅行
2 持家帰属家賃(木造中住宅)
3 ガソリン
4 すし(回転寿司)
5 テレビ(ブラウン管)
6 ワンピース(春夏物)
7 民営家賃(木造中住宅)
8 専門学校授業料
9 国産米B
10 婦人スラックス(冬物)
寄与度
0.037
0.033
0.016
0.008
0.008
0.007
0.004
0.003
0.003
0.003
P10
1-2 デフレ脱却へ <基本事項の確認>
(5)GDPギャップ(需給ギャップ)<内閣府、日銀、IMF他で推計されている>
- 「経済全体の供給力(潜在GDP)」と「総需要(実際GDP)」の乖離率として定義
GDPギャップ =
実際のGDP - 潜在GDP
潜在GDP
×100
※ 内閣府では潜在GDPを「資本ストックや労働力を過不足なく活用した場合に達成し得るGDP」と定義。
(この定義では、GDPギャップはプラスの値もマイナスの値も取り得る)
※ GDPギャップがマイナスの場合、その幅をデフレギャップ、逆にプラスの場合、インフレギャップということもある。
- GDPギャップ(需給ギャップ)は1997年1-3月期から2005年7-9月期まで約9年間
マイナスが続いていた。
- 1996年は消費税率引き上げ(1997年)前の駆け込み需要でプラスという特殊要因を
除くと、1993年1-3月期より約13年振りの転換となる。
<内閣府>
(6)単位労働コスト(ULC)
- 実質GDP(付加価値)1単位あたりの雇用コスト。
- ULCは、賃金要因と生産性要因に分解して議論される。
ULC = 「雇用者報酬」÷「実質GDP」
= (雇用者報酬÷雇用者数)÷(実質GDP÷雇用者数)
= 「一人当たり名目賃金」÷「労働生産性」
※ 物価への影響を把握する場合にULCを用いるのは、賃金上昇率から労働生産性の上昇率を差し引いて考える
必要があるため。
1-2 デフレ脱却へ <基本事項の確認>
P11
(7)日本経済デフレ脱却への歩み
- バブル崩壊以降、特に1997年初頃から日本経済は深刻なデフレに見舞われる。
- 1999年2月、日銀『ゼロ金利政策』始まる(~2000/8)
※コール市場(民間銀行間の短期市場)の金利を手数料を除いてゼロとなるように、コール市場に大量に
資金を投入した。
※ゼロ金利政策に加え、当時、ITバブル(コンピュータの2000年問題対応等に起因)等により、
1999、2000年度と実質GDPはプラスと回復するも、解除後、景気は再び悪化。
- 2001年3月、日銀『量的緩和政策』開始。 ⇒ 「金利」から「量」の管理
- 2002年度より、日本経済の回復が鮮明になる。
- 2006年3月、日銀『量的緩和政策』解除。※実質ゼロ金利政策は維持
- 2006年7月、日銀『ゼロ金利政策解除』
- 今後は、政府がいつ「デフレ脱却」宣言を行うかが焦点となっている。
※デフレ脱却は、「消費者物価指数」「GDPデフレーター」「GDPギャップ」「単位労働コスト」の4指標で
総合的に判断される。
※消費者物価上昇率はゼロ近傍であるが、「国内の需給要因では、ほぼ後戻りしない水準」(内閣府)。
米国経済の減速や原油高などの海外リスク要因によって、再び消費者物価指数がマイナスにならない
『プラス幅ののりしろ』を十分確保しているかが課題。
※9/29大田経済財政担当相
「後戻りすることがないかもうしばらく様子を見たい。政府が掲げている2006年度中のデフレ脱却に
ついては、これまでのところ、そのシナリオに沿った動きである」(ロイター)
1.日本経済復活の軌跡
1-3 国際収支の推移
P12
【1】2005年度の経常黒字は3年連続最高値を記録、所得黒字は貿易黒字を上回る
(1)経常収支の黒字額は18兆9200億円(前年度比3.9%増)と4年連続前年比増加、3年連続最高値。
(2)貿易収支の黒字額は原油高の影響で9兆5900億円と4年振りに減少する。
(3)所得収支の黒字額は前年比30%増の12兆5000億円に拡大し、貿易収支黒字額を上回る。
(単位:億円)
国際収支の推移
項 目
(兆円)
30
(兆円) 経常収支
16
貿易・サービス収支
貿易収支(右軸)
14
25
12
20
所得収支(右軸)
10
15
8
6
10
4
5
2
経常収支(左軸)
0
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
0
05 (年度)
貿易収支
(輸出)
(輸入)
サービス収支
所得収支
経常移転収支
資本収支
投資収支
直接投資
証券投資
金融派生商品
その他投資
その他資本収支
外貨準備増減
誤差脱漏
2004年度
2005年度
182,096
189,213
95,624
72,232
131,571
95,888
(588,300) (651,762)
(456,729) (555,874)
▲ 35,947 ▲ 23,656
96,441
125,634
▲ 9,969
▲ 8,653
▲ 141,969 ▲ 140,090
▲ 137,883 ▲ 132,936
▲ 4,086
▲ 21,784
▲ 18,344
▲ 7,154
▲ 27,554
▲ 21,569
前年差
7,117
▲ 23,392
▲ 35,683
(63,462)
(99,145)
12,291
29,193
1,316
1,879
4,947
0
0
0
0
▲ 3,068
▲ 5,770
▲ 3,225
1.日本経済復活の軌跡
1-4 企業業績の回復
【1】企業業績は2004年以降ようやく顕著に回復
P13
※法人企業統計(全業種・全規模の平均値)データより
(1) バブル崩壊後、2004年に売上はようやく回復し長いトンネルを抜ける(当期利益は2002年に回復)。
(2)企業は、まず借入金返済や人件費削減等の厳しい構造改革により収益体質を強化した。
【2】金融再生や規制改革が進む
(1)銀行の不良債権比率は、8.4%(2002年3月;43.2兆円)から2.4%(2006年3月;13.4兆円)へ。
(2)1,500項目以上の規制改革実施(2006年3月までの5年間)。
企業業績の推移(1社あたり平均)
700
売上
当期利益
600
500
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
400
百万円
20.0
18.0
16.0
14.0
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
百万円
百万円
260
90
85
240
80
75
220
200
180
借入金
人件費
160
70
65
60
55
50
140
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
百万円
800
借入金・人件費の推移(1社当たり平均
P14
1-4 企業の業績回復 <基本事項の確認>
(1)法人企業統計調査<財務省>
- 金融・保険業を除く営利法人の決算計数をとりまとめたもの。
- 資本金1000万円以上の標本調査(約25000社)
- 年次別調査と四半期別調査
(2)日銀短観(全国企業短期経済観測調査)<日銀>
- 企業の景況感等をヒアリング(全国1297社)。四半期毎に実施(3月、6月、9月、12月)。
- 大企業(資本金10億円以上)、中堅企業(同1~10億円)、中小企業(同2千万円~1億円)。
- 「業況判断(DI)」「価格判断」「売上・収益計画」「設備投資額」「雇用」「企業金融関連判断」
<日銀短観>業況判断D.I.(「良い」-「悪い」:%ポイント)「全国」
製 造 業
大企業
中堅企業
中小企業
非 製 造 業
大企業
中堅企業
中小企業
全 産 業
90/2 91/2 92/2 93/2 94/2 95/2
36
31 ▲ 6 ▲ 40 ▲ 46 ▲ 18
43
36 ▲ 5 ▲ 41 ▲ 43 ▲ 7
35
33 ▲ 10 ▲ 43 ▲ 45 ▲ 16
32
29 ▲ 4 ▲ 38 ▲ 48 ▲ 24
39
31
9 ▲ 27 ▲ 29 ▲ 16
49
50
20 ▲ 28 ▲ 35 ▲ 20
43
31
9 ▲ 32 ▲ 38 ▲ 21
33
25
5 ▲ 22 ▲ 24 ▲ 14
37
31
1 ▲ 34 ▲ 36 ▲ 17
96/2
▲ 18
▲ 4
▲ 17
▲ 25
▲ 13
▲ 12
▲ 14
▲ 13
▲ 15
97/3
0
12
5
▲ 8
▲ 7
▲ 2
▲ 5
▲ 9
▲ 4
98/3
▲ 33
▲ 23
▲ 31
▲ 38
▲ 38
▲ 36
▲ 42
▲ 37
▲ 35
- 企業業績回復は、「製造業」、「大企業」が牽引。
99/3
▲ 50
▲ 47
▲ 48
▲ 53
▲ 39
▲ 34
▲ 40
▲ 38
▲ 44
00/3
▲ 18
▲ 9
▲ 12
▲ 26
▲ 26
▲ 16
▲ 24
▲ 28
▲ 23
01/3
▲ 19
▲ 5
▲ 15
▲ 27
▲ 24
▲ 13
▲ 22
▲ 28
▲ 22
02/3
▲ 47
▲ 38
▲ 47
▲ 51
▲ 36
▲ 22
▲ 32
▲ 42
▲ 41
03/3
▲ 22
▲ 10
▲ 18
▲ 29
▲ 30
▲ 14
▲ 28
▲ 36
▲ 26
04/3
4
12
5
▲ 3
▲ 11
5
▲ 7
▲ 20
▲ 5
05/3 06/3
6
12
14
20
6
12
0
7
▲ 6
0
11
18
▲ 4
3
▲ 14 ▲ 9
▲ 2
5
P15
1-4 企業の業績回復 <基本事項の確認>
(3)鉱工業生産・在庫・出荷指数<経済産業省>
※毎月公表
- 鉱工業の生産・在庫・出荷の状況を指数化したもの<ラスパイレス指数;現在は2000年基準>
125
120
121.1(中 部 )
生産は着実に回復。
特に中部(自動車等)が牽引
115
110
105
103.5(全 国 )
100.4(関 西 )
100
98.1(関 東 )
95
90
85
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ
98
99
2000
関西
01
02
関東
中部
03
04
05
(四半期)
全国
(4)設備投資関連データ ⇒ 主に日本政策投資銀行、日銀短観が用いられる。
(兆円)
35
30
28.2
26.5
28.3
24.8
24.4
24.7
23.1
25
22.8
19.5
68.9%
20
67.3%
68.5%
66.8%
15
69.8% 66.5%
60.8%
68.3%
10
5
31.5% 31.1%
32.7%
33.2%
97
98
30.2%
20.8
22.5
33.5% 31.7%
63.1%
70.2%
67.6%
29.8%
32.4% 36.9%
39.2%
0
1995
96
99
製造業
2000
01
非製造業
02
03
04
05 (年度)
設備投資も上昇傾向
を取り戻す。
製造業だけでなく
非製造業も回復へ
(日本政策投資データ)
P16
1-4 企業の業績回復 <基本事項の確認>
(5)全国銀行不良債権額の推移
- 金融システム不安を引き起こした不良債権問題も解消へ
(2006年大手都銀は公的支資金完済へ)。
1995年度
1996年度
1997年度
1998年度
1999年(3月期)
2000年(3月期)
2001年(3月期)
2002年(3月期)
2003年(3月期)
2004年(3月期)
2005年(3月期)
2006年(3月期)
不良債権額
28.5
21.8
29.8
29.6
33.9
31.8
33.6
43.2
35.3
26.6
17.9
13.4
(単位:兆円)
注釈
破綻先債権、延滞債権、
金利減免等債権の合計額。
1999年以降:金融再生法による
金融再生法開示債権の合計額
で、その内容は破産更正等債
権、危険債権、要管理債権を指
す。
(6)規制緩和(2006年4月:規制改革・民間開放推進会議)
- 「公共サービス改革法案」
例)ハローワーク関連業務、社会保険庁関連業務、地方自治体窓口業務
- 重点分野(医療、教育、放送、通信など)118項目の改革提言
- その他未解決の重要課題を取りまとめ
P17
1-4 企業の業績回復 <基本事項の確認>
(7)国内部門別貯蓄投資差額の動向
- バブル崩壊以降、政府部門が大幅な投資超過となる中、企業部門は貯蓄超過に。
1985~89 1990~94 1995~99 2000~03
非金融法人企業
金融機関
一般政府
家計
▲22.9
▲27.8
▲2.0
7.2
(▲6.2%)
(▲5.8%)
(▲0.4%)
(1.4%)
▲0.5
3.9
12.2
15.1
(▲0.1%)
(0.8%)
(2.4%)
(3.0%)
1.0
▲2.9
▲33.3
▲36.5
(0.3%)
(▲0.6%)
(▲6.5%)
(▲7.3%)
31.6
36.8
27.6
23.1
(8.6%)
(7.7%)
(5.4%)
(4.6%)
単位は兆円。( )内は対名目GDP比。年度平均値
- 1990年~2003年の企業部門の貯蓄投資差額の内訳を見ると、
①「純貯蓄」は、「営業余剰」の低迷にもかかわらず「利払い」の減少等により、
6<90-94>⇒11<95-99>⇒17兆円<00-03>と増加。
・「営業余剰」は、景気の悪化により低迷(64⇒54⇒47兆円)
・「利払い」は有利子負債圧縮と金利低下により減少(▲46⇒▲26⇒15兆円)
②「固定資本純形成」は32⇒21⇒14兆円に減少(設備投資への資金が減少)。
- 2004年以降、企業部門はさらに「営業余剰」を拡大(2005年度上場企業は最高益)。
設備投資(固定資本純形成)も回復へ。
- 家計は、所得の伸び悩みや住宅投資の回復により貯蓄超過額は減少へ。
P18
1-4 企業の業績回復 <基本事項の確認>
(8)企業のキャッシュフロー最大化行動
キャッシュフロー(割引現在価値)を最大化する企業を考える。キャッシュフローは以下の式で
表すことができる。
CF  pF( K , L)  rK  wL  qI  T
(1)
ここで、CFはキャッシュフロー、pは生産物価格、Fは生産関数、Kは資本ストック、L労働投入、
rは利子率、wは賃金率、qは投資財価格、Iは投資量、Tは納税額を示す。
(1)式は国民経済計算(SNA)上においては次式で表される。
「貯蓄投資差額」+「固定資本減耗」
=「国民総生産」―「財産所得(支払)」―「雇用者報酬」―「固定資本形成」
― 「所得・富等に課される経常税」―(「生産・輸入品に課される税」―「補助金」)
<参考>SNA上での所得概念の簡単な整理
①所得の発生
国民総生産―固定資本減耗=雇用者報酬+(生産・輸入品に課される税―補助金)+営業余剰(純)
②企業部門における所得の分配
a)企業部門における第1次所得の配分
財産所得(支払)+第1次所得バランス=営業余剰(純)(=営業余剰(総)-固定資本減耗)
b)企業部門における第2次所得の配分
第1次所得バランス=所得・富等に課される経常税+可処分所得
c)企業部門における可処分所得の使用
可処分所得=貯蓄
d)資本の調達勘定
貯蓄=固定資本形成+貯蓄投資差額
1.日本経済復活の軌跡
1-5 雇用情勢の改善
P19
【1】着実に改善を続ける雇用情勢
(1)2006年8月の完全失業率(季節調整値)はともに4.1%と、約8年振りの低水準。
(2)有効求人倍率は2006年8月1.08倍と2005年12月より9ヶ月連続で1.0を超える
水準まで回復。
<参考>バブル最高値1.40倍(1990)、最低値0.48(1999)
雇用情勢の推移
(倍)
(%)
6.0
1.10
1.00
完全失業率(左軸)
有効求人倍率(右軸)
0.90
5.5
0.80
0.70
5.0
0.60
0.50
4.5
0.40
ITバブルで一時的に
雇用情勢も改善
0.30
4.0
0.20
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
2000
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
2001
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
2002
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
2003
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
2004
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
2005
Ⅳ
Ⅰ
1-5 雇用情勢の回復 <基本事項の確認>
P20
(1)基本用語
○就業者
従業者(調査週間中に収入を伴う仕事を1時間以上したもの者)と
休業者(仕事を持ちながら、調査週間中に少しも仕事をしなかった者)
合わせたもの。
○完全失業者
以下の3つの条件を満たす者。
1) 仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない)。
2) 仕事があればすぐ就くことができる。
3) 調査期間中に、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた。
(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)
○労働力人口
15歳以上の人口のうち、就業者と完全失業者を合わせたもの。
○労働力人口比率 15歳以上の人口に占める労働力人口の割合
○完全失業率
労働力人口に占める完全失業者の割合
※一般に「遅行指数」
=100 × 完全失業者/(就業者 + 完全失業率)
○有効求人倍率
ハローワークで仕事を探している1人に対し、何件の求人があるかを
示した数値。
※一般に「一致指数」。
P21
1-5 雇用情勢の回復 <基本事項の確認>
(2)地域別雇用情勢
- 中部の好調が際立つものの、関西も近年キャッチアップ中。
完全失業率
<総務省>
労働力調査
(%)
7.0
6.5
6.0
5.5
5.0
4.5
5.2(関西)
4.4(全国)
4.3(関東)
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1992
3.2(中部)
93
94
95
96
97
関西
有効求人倍率
98
99
関東
2000
01
02
中部
03
04
05 (年)
全国
(倍)
2.5
<厚生労働省>
職業安定業務統計
(一般職業紹介状況)
2.0
1.5
1.34(中部)
1.11(関東)
0.95(全国)
0.94(関西)
1.0
0.5
0.0
1975
85
87
89
関西
91
93
関東
95
97
中部
99
01
03
全国
05 (年)
P22
1-5 雇用情勢の回復 <基本事項の確認>
(3)年齢別雇用情勢
- 厳しかった若年層の雇用情勢も、ここにきて急回復。
<完全失業率>
総数
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2.1
2.1
2.2
2.5
2.9
3.2
3.4
3.4
4.1
4.7
4.7
5.0
5.4
5.3
4.7
4.4
15~24歳
4.3
4.5
4.4
5.0
5.6
6.1
6.6
6.7
7.7
9.1
9.1
9.6
9.9
10.1
9.5
8.7
25~34
2.4
2.3
2.5
2.9
3.4
3.8
4.0
4.2
4.9
5.5
5.6
6.0
6.4
6.3
5.7
5.6
35~44
1.5
1.5
1.5
1.8
2.0
2.2
2.2
2.3
3.0
3.3
3.2
3.6
4.1
4.1
3.9
3.8
45~54
1.2
1.2
1.2
1.5
1.8
1.9
2.0
2.1
2.5
3.1
3.3
3.4
4.0
3.7
3.4
3.0
55~64
2.7
2.5
2.5
3.0
3.6
3.7
4.2
4.0
5.0
5.4
5.5
5.7
5.9
5.6
4.5
4.1
65歳以上
0.8
1.0
1.0
1.0
1.4
1.3
1.5
1.5
2.1
2.2
2.2
2.4
2.3
2.5
2.0
2.0
若年層は就職
後すぐ退職する
割合も多いた
め、完全失業
率は総じて高
い傾向を示すこ
とに
留意。
中高年者の就職
は厳しい
<有効求人倍率>
年齢計 19歳以下 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65歳以上
H12年6月
0.51
1.55
0.65
0.59
0.82
0.97
0.85
0.45
0.27
0.15
0.07
0.15
H13年6月
0.53
1.56
0.69
0.60
0.78
0.95
0.85
0.50
0.27
0.18
0.08
0.17
H14年6月
0.46
1.45
0.59
0.48
0.61
0.74
0.67
0.42
0.22
0.17
0.13
0.41
H15年6月
0.54
1.70
0.69
0.57
0.68
0.82
0.74
0.50
0.26
0.18
0.14
0.41
H16年6月
0.72
2.46
0.91
0.74
0.86
1.02
0.95
0.67
0.38
0.25
0.21
0.64
H17年6月
0.83
3.12
0.95
0.76
0.85
1.04
1.03
0.85
0.56
0.39
0.39
1.19
H18年6月
0.93
3.67
1.06
0.84
0.9
1.08
1.11
0.96
0.69
0.44
0.56
1.31
P23
1-5 雇用情勢の回復 <基本事項の確認>
(4)雇用形態別・職種別
<雇用形態別> パートタイムの求人数にくらべ、正社員の求人数は低迷続く。
- パートタイム有効求人数 1992年24万人から2005年71万人と3倍に急伸。
(パートタイム以外は、この間126万人から150万人に増加)
- 2006年8月の正社員有効求人倍率
0.62倍
パートタイム有効求人倍率
1.31倍
<職種別> 「保安」「専門・技術」「運輸・通信」「サービス」「販売」で1倍を超えるも、
「事務」「管理」「農林漁業」の求人は低水準。
有効求人倍率
専門的・技術的職業
管理的職業
事務的職業
販売の職業
サービスの職業
保安の職業
農林漁業の職業
運輸・通信の職業
生産工程・労務の職業
2006年
8月
特に好調な職種
機械・電気技術者(5.23倍)、医師・薬
1.72 剤師(5.07)
0.64
0.32
1.06
1.21
3.96
0.67
1.34
1.04
建設躯体工事の職業は5.43
金属材料、窯業製品、金属加工・溶接、
輸送用機械組立、ゴム・プラスチックは
2倍を超える
1.日本経済復活の軌跡
1-6 税収の回復
P24
【1】税収の回復
(1)国税の収入は、2003年度に43.3兆円と底をうち、2005年度には49.1兆円まで回復。
(2) 2005年度の49.1兆円の税収は、当初予算44兆円、補正予算47兆円を大きく上回った。
2006年度も、当初予算における税収45.9兆円を数兆円上回る可能性が大きい。
(注)2006年度予算において税収が減少しているのは、所得税の一部を地方自治体へ税源移譲したため。
国税収入の推移
国税収入累計額 対前年同月比
兆円
56
125
53.9
50.7
115
49.4
49.1
45.9
45.6
46
43.3
6月
5月
4月
3月
2月
度
6月
算
予
度
年
20
06
05
年
度
20
04
年
度
20
03
年
度
20
02
年
度
20
年
01
20
年
00
20
年
99
19
年
98
19
年
97
度
85
度
40
度
90
度
42
1月
95
12
月
44
100
11
月
43.8
105
10
月
47.2
48
110
47.9
9月
50
7月
52
19
2005年度
2006年度
120
8月
54
1.日本経済復活の軌跡
1-6 税収の回復
P25
【1】法人税収の回復
(1) 税収の回復は、法人税によるところが大きい。
(2) 法人税収は、近年最も税収が少なかった9.5兆円(2002年度)から、13.1兆円
(2006年度予算)まで回復している。
(3) 国税に占める、法人税収の割合も22%(2002年度)から28%(2006年度予算)まで上昇し、
法人税の基幹税としての役割が大きくなっている。
国税・税目別収入比率の推移
22%
22%
22%
23%
23%
21%
22%
23%
25%
27%
34%
32%
32%
32%
28%
算
度
年
20
06
20
28%
予
年
05
年
04
年
03
20
37%
37%
度
22%
度
20%
度
19%
度
33%
21%
20
予
度
34%
20%
年
算
度
06
年
度
05
年
20
20
度
04
年
20
度
03
年
20
度
02
年
20
度
01
年
20
度
00
年
20
度
99
年
19
98
年
19
19
97
年
度
0
36%
21%
02
12.8
22%
度
15.6
22%
01
14.7
その他
21%
度
13.9
23%
消費税
20%
20
14.8
23%
法人税
年
17.8
13.1
25%
00
18.8
15.4
10.1
11.4
13.3
22%
度
17.0
9.5
10.5
20%
20
10.8
10.0
9.7
17%
年
19.2
10.3
10.6
99
10
11.7
11.4
20
9.8
9.5
度
13.5
9.8
10.4
9.6
9.5
9.5
22%
19
9.8
10.1
30
9.7
22%
年
9.3
10.1
22%
98
40
10.4
10.5
所得税
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
度
10.9
その他
19
12.0
消費税
年
50
法人税
97
所得税
19
60
20
兆円
年
国税・税目別収入の推移
2.日本経済の現況と見通し
2-1 GDP見通し
P26
【1】2006年度 実質GDP見通しは民間平均2.4%と前年度下回るも堅調に推移
(1)2006年4-6月の実質GDPは前期比0.2%(年率換算1.0%)と堅調。
- 前期(2006年1-3月)の反動が出るも堅調に推移。
- 名目0.3%、実質0.2%と、12四半期振りに「名実逆転」解消
- 6四半期連続のプラス成長。民間消費と民間設備投資が寄与。
(2)9月日銀短観も好調維持(6月をやや下回るのではという事前予測を超える)
(3)2006年7-9月期のGDPはやや減速が予想されているものの、底堅い。
- 「夏場の天候不順による消費の伸び悩み」や「米国経済減速や原油高による企業活動低下」が
懸念されていたが、予想以上に底堅い。
2006年度実質GDP予測
機関名
三菱UFJリサーチ&コンサル
ドイツ証券
農林中金総合研究所
野村證券金融経済研究所
大和総研
第一生命経済研究所
日本経済研究センター
関西社会経済研究所
ニッセイ基礎研究所
みずほ総合研究所
日本総合研究所
日興シティグループ証券
三菱東京UFJ銀行
BNPパリバ証券
14機関平均
(参考)予測値は2006年8月に発表された値
予測値
3.0
2.7
2.6
2.6
2.5
2.4
2.4
2.3
2.3
2.3
2.2
2.2
2.1
2.0
2.40
日銀短観(2006/10/3)
05/9 05/12 06/3 06/6
製 造 業
素
材
加
工
大企業
中堅企業
中小企業
非 製 造 業
大企業
中堅企業
中小企業
全 産 業
8
2
12
19
5
3
▲ 3
15
0
▲ 11
2
12 12 12
8
4
4
14 17 17
21 20 21
9 12 13
7
7
7
0
0
2
17 18 20
1
3
4
▲ 7 ▲ 9 ▲ 6
5
5
6
06/9
13
5
17
24
14
6
1
20
5
▲ 8
6
先行き
12月
12
7
15
21
11
7
1
21
4
▲ 9
6
2.日本経済の現況と見通し
2-2 金融マーケットの動向(金利)
P27
【1】7/14ゼロ金利解除後、金融マーケットは米国経済の動向と日銀の再利上げ時期をうかがう
(1)足元: <短期金利>ゼロ金利解除以降、安定推移。
※短期金利指標は、「TIBOR3M」と「無担保コールO/N(銀行間取引翌日物)」
<長期金利>足元では一進一退からやや低下(基準改定CPIが予想より低く利上観測後退)。
(2)(米国経済の勢い低下が懸念される中)
・米国経済の減速顕在化 ⇒ 日本経済の牽引役である輸出鈍化 ⇒ 日本の金利は低位のまま
⇒ 米国金利引き下げ予測台頭
⇒
同上
・米国経済の力強さ持続 ⇒ 日本経済の好調持続(過熱傾向へ) ⇒ 日本の金利上昇傾向へ
・日本のデフレ脱却鮮明化 ⇒ 日本経済の好調持続確認
⇒ 日本の金利上昇傾向へ
(%)
量的緩和解除後の長期金利の動き
2.1
TIBOR3M
2
1.9
1.8
1.7
TIBOR1M:東京市場の
銀行間金利(3カ月物)
新発10年国債
1.6
(資料)日本銀行「金融経済統計月報」
(年、日次)
2006/3/1
2006/3/8
2006/3/15
2006/3/22
2006/3/29
2006/4/5
2006/4/12
2006/4/19
2006/4/26
2006/5/3
2006/5/10
2006/5/17
2006/5/24
2006/5/31
2006/6/7
2006/6/14
2006/6/21
2006/6/28
2006/7/5
2006/7/12
2006/7/19
2006/7/26
2006/8/2
2006/8/9
2006/8/16
2006/8/23
2006/8/30
2006/9/6
2006/9/13
2006/9/20
1.5
2006/3/1
2006/3/8
2006/3/15
2006/3/22
2006/3/29
2006/4/5
2006/4/12
2006/4/19
2006/4/26
2006/5/3
2006/5/10
2006/5/17
2006/5/24
2006/5/31
2006/6/7
2006/6/14
2006/6/21
2006/6/28
2006/7/5
2006/7/12
2006/7/19
2006/7/26
2006/8/2
2006/8/9
2006/8/16
2006/8/23
2006/8/30
2006/9/6
2006/9/13
2006/9/20
0.50
0.45
0.40
0.35
0.30
0.25
0.20
0.15
0.10
0.05
(%)
短期金利の推移(TIBOR3M)
(資料)日本銀行「金融経済統計月報」
10/2日(月)現在
短期金利 TIBOR3M 0.4418%
長期金利 1.725%(前週末比+0.059)
(年、日次)
2.日本経済の現況と見通し
2-2 金融マーケットの動向(為替)
P28
【1】為替は5月前半に日米金利差から離れ円高へ、その後米国の利上げ見送りを受け円安に戻る
(1)昨年度の動きは、ほぼ日米金利差で説明(ゼロ金利の日本と、好景気を背景に小刻みに利上げしてきた米国)
(2)今年度4月末~5月前半は、以下のような複合要因により日米金利差を離れて円高へ。
①3月量的緩和解除後、企業の業績好調を受け、6月に日本も利上げに踏み切るとの憶測。
②景気回復が鮮明になってきた日本に対し、「割安」とみたヘッジファンドが大口の円買・ドル売り。
③4/21G7の「経常収支の世界的なインバランス是正」発言を受け、中国人民元切り上げ観測台頭。
⇒ 市場の「ドル離れ」、同じアジア通貨である日本円もつられて上昇。
④米国の4月雇用統計が市場予測を下回り、米国の利上げ観測が遠のく。
(3)その後徐々に円安へ、日米金利差トレンドに近づいている。
(4)今後は、米国経済の動向や、日本の利上げ観測が判断材料。
・米国経済を牽引してきた住宅投資や消費を支える雇用環境に陰りがみられる。
9/6 FRBの地区連銀経済報告で、景気の総括判断が下方修正
・輸出企業の採算レートは104-105円と言われており、円高の影響は大きい。
為替
5.5
日米金利差
トレンドへ
5
4.5
4
複合要因で
円高へ
3.5
円/ドル
FF金利-無担保コールO/N
3
2.5
2
2005/4/1
2005/4/15
2005/4/29
2005/5/13
2005/5/27
2005/6/10
2005/6/24
2005/7/8
2005/7/22
2005/8/5
2005/8/19
2005/9/2
2005/9/16
2005/9/30
2005/10/14
2005/10/28
2005/11/11
2005/11/25
2005/12/9
2005/12/23
2006/1/6
2006/1/20
2006/2/3
2006/2/17
2006/3/3
2006/3/17
2006/3/31
2006/4/14
2006/4/28
2006/5/12
2006/5/26
2006/6/9
2006/6/23
2006/7/7
2006/7/21
2006/8/4
2006/8/18
2006/9/1
2006/9/15
(円/ドル)
122
120
118
116
114
112
110
108
106
104
(資料)日本銀行「金融経済統計月報」、FRB
-8-
10/2日(月)現在
東京市場1ドル=
118円28~30銭
(25銭安)
(年、日次)
2.日本経済の現況と見通し
2-2 金融マーケットの動向(株価)
P29
【1】米国株価との相関が強く、米国景気と為替動向に左右
(1)米国株価との相関が強い(前夜の米国株価動向が当日の日本の株価に強く影響)。
(2)今年度に入り、米国景気減速懸念の中で強い材料見当たらず一進一退を続けていた。
(3)直近では、新政権誕生下、米国の予想以上の持続力もあり、緩やかな上昇トレンドを取り戻しつつある。
(ただし、強い材料が見当たらないことに変わりはない)
(円)
株価(短期)
18000
ライブドアショック(1/17)
17000
16000
15000
14000
13000
12000
株誤発注(12/8)
上場企業の中間決算好調
円安進展
東証システムダウン(11/1)
郵政選挙(9/11)
自民党圧勝
政府・日銀が踊り場
脱却宣言(8/9)
・円高進行など悪材料重なる
(4/24)
・グローバルな株価調整の
一環として結論付けられる
11000
日経平均株価
2005/1/4
2005/1/18
2005/2/1
2005/2/15
2005/3/1
2005/3/15
2005/3/29
2005/4/12
2005/4/26
2005/5/10
2005/5/24
2005/6/7
2005/6/21
2005/7/5
2005/7/19
2005/8/2
2005/8/16
2005/8/30
2005/9/13
2005/9/27
2005/10/11
2005/10/25
2005/11/8
2005/11/22
2005/12/6
2005/12/20
2006/1/3
2006/1/17
2006/1/31
2006/2/14
2006/2/28
2006/3/14
2006/3/28
2006/4/11
2006/4/25
2006/5/9
2006/5/23
2006/6/6
2006/6/20
2006/7/4
2006/7/18
2006/8/1
2006/8/15
2006/8/29
2006/9/12
10000
(資料)日本銀行「金融経済統計月報」、その他資料より作成
(年、日次)
9/27日(水)現在 日経平均1万6254円29銭(前日比+126円71銭)
2.日本経済の現況と見通し
2-2 金融マーケットの動向(原油)
P30
【1】原油:夏場の高騰は一服するも、先行きは不透明
(1)近年、原油の高騰が続いている。
(背景)①世界的な金余り状態が続く中、投機筋がオイルマーケットに流入。
②中国をはじめアジアやBRICsの台頭により、世界的な原油需要が高まっている。
③近年、中東を中心に地政学的リスクが高まっている。
(2)2006/7/14に高値更新(WTI1バレル=77ドル)するなど夏場の高騰が足元では一服
⇒今後も不安定要因
(ドル/バレル)
は足元解消
原油価格(長期時系列)
①地政学的リスクの増大 ⇒ レバノン・イスラエルの和平、イラン核問題等
②夏場の需要期と米国ハリケーン再来懸念 ⇒石油備蓄量を昨年より増加
(ドル/バレルSP)
80
18
70
16
スプレッド
WTI(NY、期近)
ドバイ(東京)
60
14
12
50
10
40
8
30
6
20
4
10
2
0
0
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07
(資料)FQ
(年、月次)
(ドル/バレル))
80
75
70
65
60
55
50
45
40
35
30
原油価格(短期時系列)
WTI(NY、期近)
ドバイ(東京)
2005/1/4
2005/1/18
2005/2/1
2005/2/15
2005/3/1
2005/3/15
2005/3/29
2005/4/12
2005/4/26
2005/5/10
2005/5/24
2005/6/7
2005/6/21
2005/7/5
2005/7/19
2005/8/2
2005/8/16
2005/8/30
2005/9/13
2005/9/27
2005/10/11
2005/10/25
2005/11/8
2005/11/22
2005/12/6
2005/12/20
2006/1/3
2006/1/17
2006/1/31
2006/2/14
2006/2/28
2006/3/14
2006/3/28
2006/4/11
2006/4/25
2006/5/9
2006/5/23
2006/6/6
2006/6/20
2006/7/4
2006/7/18
2006/8/1
2006/8/15
2006/8/29
2006/9/12
※夏場の高騰要因
(資料)FQ
10/2日(月)現在
(年、月次)
東京ドバイ原油 1バレル=59.40ドル
2.日本経済の現況と見通し
北海道
景況判断 持ち直している
内閣府
1 「地域経済動向」
2006年5月30日
東北
持ち直している
鉱工業生産は横ば
消費は横ばい
い
鉱工業生産が上方
個人消費は横ばい
修正
雇用情勢が上方修
雇用は横ばい
正
持ち直しの動きに
景況判断 足踏み感がみられ
ている
雇用者所得がやや
弱く、個人消費が回
復間に乏しい状況
にある。設備投資
は底堅く推移し、生
産は緩やかに持ち
直している。
日本銀行
2 「地域経済報告」
2006年7月6日
緩やかに回復して
いる
緩やかな持ち直し 地域間格差を伴いな
日本銀行
4 「短観」
2006年7月3日
業況判断:
全体
製造業
非製造業
()は前回差
北関東
南関東
回復している
回復している
鉱工業生産は横ば
い
個人消費は横ばい
雇用情勢は横ばい
鉱工業生産は横ば
鉱工業生産は横ば
鉱工業生産が上方 鉱工業生産は横ば
鉱工業生産は横ばい い
い
修正
い
個人消費は横ばい 個人消費が上方修
個人消費は横ばい
個人消費は横ばい 個人消費は横ばい
雇用情勢は横ばい 正
雇用情勢は横ばい
雇用情勢は横ばい 雇用情勢は横ばい
雇用情勢は横ばい
着実に回復を続けている
設備投資は製造業
は前年を大幅に上回 雇用情勢は引き続き改善しており、消費
り、非製造業もしっか も緩やかな増加基調である。設備投資
りとした計画。住宅 は着実に増加しており、生産も緩やかに
投資も高水準を維持 増加している。
している。
総括判断 の動きが続いてい がらも持ち直しの動
財務省
「管内経済情勢
3
報告」
2006年4月26日
2-3 地方経済の回復も鮮明に
る
き
住宅建設は前年を
下回っているが、消
費・生産・雇用は緩
やかな持ち直しの
動きがみられる。設
備投資は前年度を
上回る見通し
消費は弱含みながら
持ち直しの動きが見
られ、雇用情勢は厳
しいながらも緩やか
な持ち直し。生産は
足元では減少するも
堅調
-13(+3)
-3(+1)
-17(+5)
-8(+5)
7(+5)
-18(+5)
東海
北陸
力強く回復してい
回復している
る
拡大している
近畿
中国
緩やかに回復し
回復している
ている
P31
四国
九州
緩やかに回復し 緩やかに回復し
ている
ている
鉱工業生産は横ば
い
個人消費は横ばい
雇用情勢が上方修
正
鉱工業生産は横ば
い
個人消費が上方修
正
雇用情勢は横ばい
全体として回復を 緩やかながら持ち 着実に回復して
着実に回復してい
拡大を続けている
る
直しの動きが続く いる
続けている
雇用情勢は高水準で 設備投資は高水準
推移しており、消費も の前年を上回る増
緩やかに回復してい 加が見込まれ、生
る。設備投資・生産と 産も増加傾向であ
も着実に増加してい る。個人消費も持ち
る
直している。
設備投資が大幅に
製造業を中心に設 設備投資は高水準
設備投資は高水準
増加し、生産も好調
備投資が回復して で推移している。雇
である。雇用者所得
である。雇用者所得
おり、雇用情勢も緩 用者所得は引き続
は緩やかな増加傾
が増加に転じてお
やかな改善を続け き前年を上回り、消
向にあり、消費も持
り、消費も緩やかに
ている。消費は全体 費も緩やかに持ち
ち直している。
増加している。
として底堅い
直している
一部に弱さが見ら
引き続き回復してい 緩やかに回復を続 緩やかに回復して おおむね回復して 引き続き緩やかに
れるものの緩やか
る
けている
いる
いる
持ち直している
な回復
個人消費は持ち直
消費は底堅い動きが
個人消費は緩やか
個人消費や緩やかに回復しており、輸出 続き、輸送用機械や しの動きがみられ、 輸出が好調に推移 に増加しており、生 個人消費は家電販 個人消費は弱さが
は増加している。設備投資は増加、住宅 電気機械中心に生産 生産活動も緩やか し、設備投資や企 産は自動車・造船・ 売が順調である。生 見られるものの、底
建設は堅調なため、生産は緩やかに増 も増加している。こう に増加している。設 業集積も前年を上 化学等を中心に高 産は上昇の動きが 堅い。企業利益は
加し、企業収益・雇用情勢も改善してい した動向をうけて雇 備投資は前年度を 回っている。雇用の 水準で推移してい 強くなり、企業収益 減益見込みである
上回る見込みで雇 改善もこれまで以
も増益が見込まれ が生産は引き続き
る。
用情勢も改善してい
る。雇用情勢も引き
用情勢も改善して 上に進んでいる。
る。
上昇している。
る。
続き改善している。
いる。
緩やかに回復している
7(-5)
17(-7)
-4(+1)
注)色つきの項目は、前回調査から上方修正した地域。内閣府「地域経済動向」と財務省は全ての地域が横ばい
14(0)
18(+1)
10(+2)
1(-2)
9(+9)
-4(-4)
10(+2)
15(+1)
5(+3)
0(+2)
12(0)
-10(+2)
-12(-2)
7(+2)
-23(-3)
2(-3)
12(0)
-4(-4)
P32
2-3 地域経済の回復も鮮明に<基本事項の確認>
(1)経済回復の地域差
- 各地域共に回復基調を取り戻しているものの、その度合い・スピードは
地域間で異なる。
地域別設備投資動向(土地投資額含む)
(前年度比、%)
北海道 東北 北陸 中部 近畿 中国 四国 九州 全国
2004年度(実績)
8.0
5.7 17.5
9.6
2.9 14.0 ▲4.3
6.2
5.5
2005年度(実績見込み) 12.5 ▲4.5
7.9
15
8.3 10.1
7.8
6.1
8.9
2006年度(計画)
▲10.9 28.1 10.5 14.1 11.8 ▲5.6
1.2 ▲4.2
6.2
(日銀短観)
有効求人倍率
北海道
東北
南関東
北関東・甲信
北陸
東海
近畿
中国
四国
九州
1990年度 1995年度 2000年度 2004年8月 2005年8月 2006年8年
0.67
0.54
0.48
0.56
0.63
0.63
1.25
0.72
0.61
0.67
0.68
0.76
1.57
0.5
0.6
0.93
1.14
1.27
2.37
0.91
0.9
1.05
1.11
1.19
1.96
1.03
0.73
0.93
1.07
1.24
2.31
0.77
0.82
1.23
1.43
1.59
1.22
0.51
0.51
0.79
0.95
1.11
1.78
0.88
0.74
0.96
1.12
1.21
1.3
0.82
0.67
0.79
0.85
0.9
0.96
0.54
0.48
0.61
0.65
0.76
3.日本経済の課題
3-1 構造改革の質が問われる
P33
【1】調整色はあるものの、日本経済の緩やかな回復基調は変わらない。
ここ一年は、『外的リスク』への対応力が問われる。
(1)3月に「量的緩和」という緊急避難的な政策から脱し、7月14日に「ゼロ金利政策」が解除。
- 日本経済の底堅さに大きな変化はない。
①内需の着実な回復。
②企業業績は3年連続最高値を示し、各種改革の結果高い国際競争力を持つ企業が多い。
③労働環境の着実な回復(8月:失業率4.1%、有効求人倍率1.08倍、労働不足感の台頭)。
(2)原油や為替、米国の経済変調、地政学的リスクなどの外的リスクへの対応力が試される。
しかし、日本経済は、景気が回復基調を持続しているということだけで、
『経済の質やレベル』が基本的に変わったということではない。
『内なる問題』※すなわち『構造改革』への取り組みの質が問われる。
※リスクは発生するかどうは不明、問題は確実に発生。
3.日本経済の課題
3-2 骨太の方針(3つの優先課題)
「新たな挑戦の10年へ」
-長期低迷のトンネルを抜け出し、筋肉質の経済構造に変貌した日本経済は、ようやく未来への明るい
展望を持てる状況となった。
-骨太の方針2006は「新たな挑戦の10年」の出発点。
3つの優先課題
1.成長力・競争力強化
-「経済成長戦略大綱」の推進による成長力の強化
例)国際競争力の強化、生産性の向上、地域・中小企業の活性化、
改革の断行による新たな需要の創出、生産性向上等の5つの制度インフラ
-民の力を引き出す制度とルールの改革
例)規制改革、市場活力や信頼の維持と向上、公を支えるシステム改革
2.財政健全化への取り組み
(1)歳出・歳入一体改革<小泉内閣の財政健全化(2001~2006年度)を第Ⅰ期>
『財政健全化第Ⅱ期』(2007年度~2010年代初頭)
2011年にプライマリーバランス(国債の発行や元利払いなどを除いた財政収支をゼロ)へ
『財政健全化第Ⅲ期』(2010年代初頭~2010年代半ば)
債務残高GDP比を減少(増加を止める)へ
(2)「簡素で効率的な政府」への取り組み
3.安全・安心の確保と柔軟で多様な社会の実現
-社会保障制度の総合的改革、再チャレンジ支援、総合的な少子化対策、生活におけるリスクへの対処
P34
3.日本経済の課題
3-3 骨太の方針(成長力・競争力強化)
<課題1>成長力・競争力強化
□ 「経済成長戦略大綱」の推進による成長力の強化
-「経済成長戦略大綱」及び「工程表」を踏まえ、長期的な視点から、一貫性のある取り組み推進
-成果目標、政策手段を明確に掲げ、PDCAサイクルを着実に実施(毎年度ローリングを行い改定)
(1)国際競争力の強化
①我が国の国際競争力の強化
②アジア等海外のダイナミズムの取り込み
③資源・エネルギー政策の戦略的展開
(2)生産性の向上(ITとサービス産業の革新)
①ITによる生産性向上と市場創出
②サービス産業の革新
③世界最先端の通信・放送に掛かるインフラ・サービスの実現
(3)地域・中小企業への活性化(地域活性化戦略)
①地域経営の活性化
②中小企業の活性化
③都市再生・中心市街地活性化
(4)改革の断行による新たな需要の創出
(5)生産性向上型の5つの制度インフラ(ヒト、モノ、カネ、ワザ、チエの革新)
□民の力を引き出す制度とルールの改革
(1)規制改革
(2)市場活力や信頼の維持と向上
(3)公を支えるシステム改革
P35
3.日本経済の課題
3-3 骨太の方針(財政健全化)
P36
<課題2>財政健全化 - (1)歳出・歳入一体改革
□ 『財政健全化第Ⅱ期』(2007年度~2010年代初頭)
2011年に国・地方の基礎的財政収支の均衡<プライマリーバランスゼロ>
(国債の発行や元利払いなどを除いた財政収支をゼロ)へ
-名目経済成長率3%程度の堅実な前提に基づいて、改革実施
-要対応額は16.5兆円(歳出削減又は歳入増が必要な額)
(1)歳出改革 ⇒ 毎年度ローリングにより見直し
財政健全化第Ⅱ期(2007~2011年度)における歳出改革の概要
2006年度
2011年度
①自然体
2011年度
②改革後の姿
人件費
30.1兆円
35.0兆円
32.4兆円程度
公共投資
18.8兆円
21.7兆円
16.1~17.8兆円程度
社会保障
31.1兆円
39.9兆円
38.3兆円程度
その他の分野
27.3兆円
31.6兆円
27.1~28.3兆円程度
合計
107.3兆円
削減額
②-①
備考
▲2.6兆円
公共事業関係費▲3%~▲1%
▲5.6~▲3.9兆円 地方単独事業(投資的経費)▲3%~▲1%
科学技術振興費 +1.1%~経済成長の範囲内
▲1.6兆円 ODA ▲4%~2%
▲4.5~▲3.3兆円
128.2兆円 113.9~116.8兆円程度 ▲14.3~▲11.4兆円
(2)歳入改革
-2011年度単年度における目標の達成だけでなく、長期的な目標を達成しえる体質を踏まえて
抜本的に税制改革に取り組む
3.日本経済の課題
3-3 骨太の方針(財政健全化)
P37
<課題2>財政健全化 - (1)歳出・歳入一体改革
【総人件費改革】
(1)既に決まっている改革だけでなく、さらなる取り組みへ
<規定の改革>
①定員削減
国 2006-2010年:年5.7%純減
地方
同
;国と同程度の純減
②給与構造改革
地域の民間賃金の反映等
<追加的な改革努力の例>
①定員削減
・2011年まで純減を継続
②国の給与
・民間給与の適切な反映(調査対象企業範囲の拡大)
③地方の給与
・地域の民間給与の更なる反映、ボーナス支給月数の地域格差反映
・特殊勤務手当や互助会への補助金削減、教職員等人件費削減
・知事等の高額な退職手当を適正化、級別職員構成の是正
(2)公務員制度改革
①民間企業の実態を踏まえ、能力主義や実績評価に基づいた制度へ
②人事院勧告制度のあり方
(3)独立行政法人、公益法人
①独立行政法人、国立大学法人の人件費は、規定の改革の達成とともに、国家公務員改革の取り組み
を踏まえてさらに抑制。
②公益法人については、給与の点検・見直し、補助金等の抑制、随意契約の適正化
3.日本経済の課題
3-3 骨太の方針(財政健全化)
<課題2>財政健全化 - (1)歳出・歳入一体改革
【公共投資】
(1)一般政府固定資本形成(Ig)の対名目GDP比(2004年)
日本
3.9%に対し
仏3.2%、米2.5%、英1.8%、独1.4%
(参考)1994年時点の日本の比率は約6.5%
(2)建築工事費の官民比較(2004年)
⇒民間の単価を適用した場合の国・地方の単価(加重平均)は22%低下
(3)これまでの努力
①国は、2002年度に11%減、以降3%を上回る削減
②地方においては、これを上回る削減
(4)今後の改革努力 -景気対策としてではなく、真に必要な社会資本整備へと転換
①これまでの改革努力(名目対前年度比▲3%)を継続
②事業分野ごとのメリハリ付け
③官民格差等を踏まえたコスト引き下げ
P38
3.日本経済の課題
3-3 骨太の方針(財政健全化)
<課題2>財政健全化 - (1)歳出・歳入一体改革
【社会保障】
※優先課題3「安全・安心確保と柔軟で多様な社会の実現」にて社会保障総合改革のあり方を検討
-「雇用」「生活保護」「介護」「医療」の分野別の見直しに加え、
社会保障番号の導入など社会保障給付の重複調整という視点からの改革なども検討
【地方財政・交付税の改革】
-地方公務員人件費削減、地方単独事業の「選択と集中」に区分け、地方交付税の制度改革
(1)地方分権を目指した地方交付税等の制度改革
①地方交付税制度の改革・不交付団体比率の引き上げ
-現在の財源保障型から歳入保障型へ
②地方債発行の自由化 -併せて破綻法制(再建型)を早期に整備
③地方行政改革の新たな指針の策定
(2)地方歳出と地方交付税総額の削減
①地方歳出の大胆な削減
②地方交付税総額の削減
(3)国・地方間のバランスの取れた財政再建の実現
⇒地方は2006年度時点で既に黒字を達成
【その他】
農林水産、文教、科学技術予算、防衛関係費、政府開発援助、エネルギー対策、電子政府関係、
その他裁量経費の見直し
P39
3.日本経済の課題
3-3 骨太の方針(財政健全化)
<課題2>財政健全化 - (1)歳出・歳入一体改革
【第Ⅲ期における歳出・歳入一体改革】
-基礎的財政収支(プライマリーバランス)が黒字化しても、
利払い費を含めた財政収支の赤字は依然として大きい(GDP比3~4%程度)
-2010年代半ばに、債務残高GDP比の発散を止める
2004年度末実績;債務残高は国・地方合計で733兆円、債務残高GDP比は147.6%
※EU加盟基準は60%以内
<課題2>財政健全化 - (2)「簡素で効率的な政府」への取り組み
①「郵政民営化の確実な実施」
③「不交付団体の拡大等」
⑥「公会計制度の整備」
②「政策金融改革の推進・独立行政法人の見直し」
④「資産・債務改革」
⑦「予算制度改革」
⑨ITの活用による行政の簡素化・効率化
⑤「資産・債務改革」
⑧公共サービス改革
⑩統計制度改革
P40
3.日本経済の課題
3-3 骨太の方針(柔軟で多様な社会の実現)
<課題3>安全・安心の確保と柔軟で多様な社会の実現
1.社会保障制度の総合的改革
-社会保障の一体的見直し
-医療、年金、介護その他、の個別改革
-社会保険庁改革
2.再チャレンジ支援
(1)人生の複線化による柔軟で多様な社会の仕組み
-「働き方の複線化」「学び方の複線化「暮らし方の複線化」
(2)個別の事情に応じた再チャレンジ支援
-努力する意欲はあるが、困難な状況に直面している人の再チャレンジ支援」
例)事業に失敗した人・リストラ退職者の支援、障害者支援、など
-新たなチャレンジを目指す若者、助成、高齢者などの支援
3.総合的な少子化対策の推進
※昨年、出生数106万人、合計特殊出生率1.25と過去最低を記録
4.生活におけるリスクへの対処
-災害対策、治安対策、国際的な取り組み・テロ対策、安全性・信頼性の再構築、
地球環境の保全・循環型社会の構築、大陸棚調査
5.豊かな生活に向けた環境整備
-幼稚園・保育所などの幼児への教育機能強化、子供への教育的支援、文化芸術、スポーツ
P41