2013年7月 - 鹿児島経済研究所 KER

経済情報
2013
7
No.280
P05
CONTENTS
交流人口増やし所得・雇用創出
南の風
01
調査レポート
02
調査レポート
08
平成25年度上期の消費動向調査
企業紹介
14
ヤマエ食品工業 株式会社
景況プラスワン
18
平成25年夏のボーナス支給計画
トピックス
20
経営情報
22
ビジネス法務Q&A
24
鹿児島県の景況
26
経済概況
指標
29
主要経済指標
35
主要金融指標
36
経済概況
39
経済指標
40
鹿児島県内
41
全国・九州
42
宮崎県内
アジアインフォメーション
43
進む高学歴社会
歴史まち歩き
44
BOOKs
45
ビジネスインフォメーション
46
親栄電設・南栄電機・朋友
山佐産業・弓場建設・吉留住設
ご案内
48
2013年 8月・9月ビジネスセミナーのご案内
宮崎県の景況
経済日誌
本坊 修/鹿児島県経営者協会 会長
選択肢増えた高齢者向け住宅
~サービス付き高齢者向け住宅の現状と将来性~
先行きに期待感強まる
南九州の特産物生かした商品づくり
白砂青松とウミガメの里吹上浜からの発信
~日置市で環境自治体会議開催~
経営幹部に求められる役割について
昔のことは聞かないでください!
(前科は採用面接時に告知すべきですか?)
49
川内の中心市街地をまちあるき
~向田地区を中心に~その①
今月の一冊
6月のベスト10
経営幹部塾のご案内
新入社員フォローアップセミナーのご案内
P16
調査レポート①
選択肢増えた高齢者向け住宅
~サービス付き高齢者向け住宅の現状と将来性~
【要 約】
・高齢者人口の増加に伴い、高齢者単独世帯や高齢夫婦のみの世帯が増えるとともに、要介護
人口も膨らんでいることから、介護サービスを提供する施設・住宅のニーズが高まっている。
・これまで高齢者向け施設として中心的役割を担ってきた介護保険施設は、介護保険財政のひっ
迫に伴い供給が抑制されている。そこで高齢者向け施設に代わる新たな受け皿として、2011 年
10 月に「サービス付き高齢者向け住宅」(以下、サ高住)制度が創設された。
・サ高住は住宅に関する基準として床面積を原則 25㎡以上とすることや、高齢者向けに生活相談
サービスを提供することなどを基準化し、より入居者保護による利用促進と供給促進を重視した
制度である。また国土交通省も「今後 10 年間で 60 万戸」 のサ高住の整備促進を打ち出し、
各種支援措置を充実させており、制度開始以来順調に供給戸数は伸びている。
・鹿児島県や宮崎県では調剤薬局が訪問服薬指導と組み合わせて事業展開したり、フランチャイズ
化や異業種が参入したりする動きもある。また調査機関の評価で全国トップとなった事業所もある。
・ただ、入居者の要介護度が高くなった場合の対応や、供給増に伴う競争激化への対応などが課
題となる。今後もサ高住の需要は高水準で推移し、供給戸数も増えていくと思われる。事業者
が様々な工夫を凝らし、入居者の高い満足度も備えたサ高住が普及することを期待したい。
はじめに
10 年 の 25.0 % か ら 30 年 に は 32.7 % へ 大
高齢化の進展、高齢者単身世帯及び介護人
きく増加する見込みである(図表 2)。今後
口の増加などを背景に高齢者が安心して住む
家族以外の介護を必要とする世帯の増加が
ことができる施設・住宅のニーズが高まって
見込まれる。
いる。本レポートでは、11 年 10 月から制
度開始となったサ高住の現状と課題をまと
め、今後の展望を述べる。
介護を要する高齢者は 10 年間で 1.4 倍に
高齢化の進展に伴い要介護等認定者数も増
加傾向であり、介護保険制度が開始された
増加する高齢者のみの世帯
全国より高齢化が進行する鹿児島、宮崎で
は、25 年に 65 歳以上の高齢者人口はピー
クを迎え、本県が 52 万 3 千人、宮崎県が
35 万 5 千人と予想されている(図表 1)。
00 年度から 10 年度までに要介護等認定を
図表1 高齢者人口の推移
(万人)
60
40
家族化が進んだ影響で、高齢者のみの世帯
30
は 増 加 傾 向 で あ る。65 歳 以 上 の 高 齢 者 単
20
独世帯や世帯構成が高齢夫婦のみの世帯
10
27.9%から 30 年には 34.1%へ、宮崎県は
宮崎県
50
高齢者人口の増加とともに、少子化や核
が総世帯に占める割合は、本県が 10 年の
鹿児島県
52.3
0
35.5
2010
15
20
25
30
35
40 (年)
資料)
国立社会保障・人口問題研究所
「日本の地域別将来推計人口」
調査レポート②
平成25年度上期の消費動向調査
先行きに期待感強まる
【要 約】
・現在の暮らし向きについては、前回調査(平成 24 年 10 月実施)同様、「普通」と回答す
る人が 6 割を超えた。収入は半年前と比較して「変わらない」とした人が大半を占めたも
のの、支出は円安による原材料価格高の影響を受けた食料品価格や、通信関係費の上昇を
理由に増加している。
・今後の暮らし向きについては、「変わらない」とする人が 6 割を占める一方、「良くなる」
「やや良くなる」と回答した人は前回調査より 10.4㌽多くなり、先行きに対する期待が表
れた結果となった。
・今後半年間の支出については、前回調査同様、教育費や住宅関係(リフォームなど)の支
出を増やすとした人が多かった。また、減らす品目としては一般雑貨・アクセサリー、娯
楽費などがあげられ、節約志向は継続していることがうかがえる。
・食料品・日用品の主な購入先については、「スーパー」が 8 割を超え最多となった。商品
購入の際重視する項目は、「価格」が 82.5%で最多だった。
・観光については、過去半年間に、県外に住む知人や親戚が観光目的で鹿児島を訪れたか聞
いたところ、回答者の約 4 割で親戚、知人の来鹿があり、人数は 2 人が最も多かった。そ
の際の宿泊数は 2 泊が最多となっている。
【調査の概要】
■調 査 時 期:平成 25 年 4 月中旬
■調 査 対 象:鹿児島銀行県内本支店の窓口来店者
■調 査 方 法:回答者本人が記入(無記名式)
■回 答 数:有効回答数 728 人
■回答者属性:
【性別】
男性34.1% 女性52.1% 不明13.9%
【年齢別】
10代 0.7% 20代22.7%
30代19.0% 40代22.9%
50代16.3% 60代12.2%
70代以上4.5% 不明1.6%
【地域別】
はじめに
本調査は、県民の暮らし向きや収入、
支出を調査し消費の現状を把握すると
ともに、今後の消費がどのように変化
していくか見通しを示し、卸・小売業
者など流通関係者の事業活動に利用し
てもらうことを目的として行った。ま
た、今回は観光関連業者の事業に役立
つことをねらいに、観光に関する質問
を設けた。調査の実施は 24 年 10 月に
続く 3 回目となる。
鹿児島地区49.9% 南薩地区7.5%
北薩地区10.8% 姶良・伊佐地区12.3%
大隅地区9.8% 熊毛地区2.8%
大島地区5.4%
【職業別】
会社員59.7% 商工業自営7.6%
団体職員6.2% 公務員4.5%
その他自営2.0% その他20.1%
現状は「普通」が 7 割弱
「現在の暮らし向き」については「普
通」が 67.6%と最も多く、「どちらかと
言うと良い」(13.0%)、「どちらかと言
うと悪い」(10.0%)、「良い」(7.5%)、
「悪い」(1.9%)となった(図表 1)。