ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントの退職後指数調査: 日本は退職後の生活保障で世界第 17 位に上昇 • • • 世界中で退職後の生活保障が変化した要因は、政府の債務、インフレ、高齢化に伴うサービス費用 健全な年金積立と社会保障制度を受け欧州は上位に 個人は退職後の自身の生活保障により多くの責任を負うようになることが予想される 【2015 年 3 月 3 日 東京】ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントが発表した 150 ヵ国を対象とした退職後 に必要とされる生活保障に関する調査における世界ランキングで、日本の順位が上昇したことが明らかになりまし た。必要とされる政府財源が持続不可能であることや、退職者の貯蓄額を左右するマクロ経済的要因を受け、大半 の人にとって退職後の生活保障は不透明であり、個人投資家には自身の退職後の生活がより多くの責任としての しかかっていることが全体の調査結果から分かりました。 今回で 3 回目となるナティクシスの退職後指数(リタイアメント・インデックス)では、日本は一年前の 27 位から 17 位に順位を上げ、昨年は 20 位圏外となったものの、再度上位 20 位内に入りました。日本の得点は 69%から 71%へ上昇し、上位 20 ヵ国の仲間入りを果たしました。日本の順位の上昇は、退職後の健康と経済的保障を左右 する基礎的条件が引き続き良好であったことが最終的に大きく寄与したと言えます。 日本は、世界最長である平均寿命が 83.1 歳へと伸び、また国民一人当たりにかける医療費が 2 年で 15%増加し たこと、保険料のカバー率が 86%へ上昇したこと、一人当たりの病床数(1000 人当たりに 14 床)が世界一であっ たことなどから、健康指数では引き続き群を抜いて高得点を付けました。また、日本ではこの一年の金融機関のパ フォーマンス向上により、退職後の経済的保障も増加しました。銀行のバランスシートは不良債権が 7%減少したこ とで強化されたほか、日本企業のガバナンスの順位も上昇しました。そして歴史的な低金利にもかかわらず、日本 の実質金利は、当指数の対象となる他の国々に比べて大きく改善しました。 しかし、日本経済と退職後の生活の質は、2015 年に大きな問題に直面します。というのも、急速な高齢化により国 家予算と政府債務(政府債務残高の対 GDP 比は 240%と過去最高)へさらに圧力がかかるということは、日本政 府が公共支出に関して難しい選択を迫られる時が近づきつつあることを意味するからです。それにより退職後の生 活保障が大きな影響を受けるかも知れません。 ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントの米州・アジア地域の社長兼 CEO を務めるジョン・ヘイラーは 「当 社の分析が示す通り、退職後の貯蓄はほとんどが自らの力のおよばない様々な要因に左右されます。退職後の経 済的保障を確保するために貯蓄やより効果的な投資を行うなど、個人がより大きな経済的負担を負わなくてはいけ なくなると思われます。」と述べています。 政府債務と高齢化の問題が重なるため、退職者が恩恵を受ける社会保障制度への公共支出を維持することがさら に困難になります。日本では、2013 年に 25%だった 65 歳以上の人口が 2050 年までに 38%に増えると予想され ることから、今後数十年で退職者一人に対する労働者数が減少すると予想されています。 ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントの日本および北アジアの代表を務める加藤欣司は、以下の様に述 べています。「日本の医療の水準は今までになく高いものですが、医師が無償で働いているわけでもなく、国民の間 では政府の債務残高は深刻な問題で、そのつけを永久に先延ばしし続けられないとの認識が高まりつつあり、退職 後に政府が助けてくれるのかどうか多くの人々が疑問に思うようになっています。日本は高齢化と巨大な政府債務 の問題に直面しており、退職後の資金について自身で検討し決める個人が増えてくるでしょう。」また加藤はプラス 面については、「アベノミクスが日本の個人投資家の心理を大きく変える一助となったようです。個人投資家は、投 資をうまく管理し、より積極的な手段で経済的な目標を達成する必要性に目覚め始めており、これは非常に頼もしい トレンドです。」と指摘しています 退職後の生活設計 大半の投資家は、退職後の生活保障を達成するために援助が必要となります。当社のグローバル調査によると 68%の投資家に資金計画がなく、退職後の生活水準を維持するために必要な年間の収入がいくらであるか把握し ている投資家はわずか 16%に過ぎません。一方日本では、投資家の 70%に明確な資金目標がなく、76%は資金 目標達成のための資金計画がないという結果からも、この問題はより深刻であると言えます。資金計画、目標設定、 より自身の資金に向き合うなど、個人は自らの力のおよぶ要因に焦点を合わせるべきでしょう。 「ファイナンシャル・アドバイザーは、お客様が目標を設定し、投資における固有のリスクを理解する手助けを行うな どして、教育する役割も担っています。また、長期的に安定したリターンを生む投資戦略を講じるよう、提案すること もできます。」と加藤は述べています。 グローバルの動向 当指数は、4 つの広義のカテゴリーにおける 20 の動向を基に対象となった 150 ヶ国を順位づけしています。4 つの カテゴリーは、個人所得、財政、健康と医療の質、社会経済的な要因です。これらの動向は、各国で退職者および 退職が近づいている人達に予想される生活の状況と保障を総合的に測る目安となります。 今回も引き続き欧州の国々が退職後の生活において経済的保障が最も良いとされ、2 年連続で 1 位がスイス、2 位がノルウェーとなった他、上位 10 国中 8 国は欧州が占めました。欧州以外の国で 10 位以内に入ったのは、3 位 のオーストラリア、10 位のニュージーランドでした。 2015 年の調査で最も順位の変動が大きかったのは、日本、カタール、クウェートで、それぞれ 10 ランク以上順位を 上げました。日本は 27 位から 17 位へ、カタールは 31 位から 21 位へ、クウェートは 40 位から 26 位となりました。 この二つの湾岸国は急速に成長し、一人当たりの所得ランキングではそれぞれ 1 位と 2 位を占め、失業率は 1.5%を下回りました。カタールでは退職者が受ける医療の質がこの数年で大幅に向上しました。反対に、ギリシャ は 37 ランク下げて 76 位、スペインは 26 ランク下げて 55 位となりました。 退職後の生活保障が最も少ない国々は、主にサハラ以南のアフリカ、中東、東南アジア諸国の中の発展途上国で す。 上位ランク入りの国々は財政問題、人口の高齢化に直面 通常、上位の国々に共通して見られるのは、経済成長、強固な金融制度・規制、医療その他の福祉サービスを受け る権利を広く提供する公共政策、インフラおよび技術への多額の公共投資です。また、労働者には、退職後に備え た強制的あるいは半強制的な貯蓄制度が提供されています。 そうした国々も先進国としての問題に直面しています。市民の大半が退職年齢に差し掛かっており、その多くが退職 後も数十年生き続けます。同時に、退職者が頼りにしている社会保障を支える労働年齢の人口が減っています。こ れらの国々の多くは既に高い税金を課しており、政府は重い債務負担を負っていることから、退職後の保障の長期 的な存続は危険にさらされる恐れがあります。 「理想的には、安心できる退職後の生活のためには、政府、雇用主、そして個人による深い関与が求めら れます。もし退職者への生活保障の提供に関する政府が果たすべき能力が限られているか損なわれていれ ば、どこか別のところに責任がのしかかってきます。労働者、貯蓄者、投資家がより多くの責任を自身で 負うものと予測されます。」と加藤は指摘しています。 調査対象となった全 150 カ国の順位を含むナティクシスのグローバル退職後指数のより詳しい内容については、 www.durableportfolios.com をご覧下さい。 調査方法 調査報告書は、ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントの委託により、英国の金融調査会社 CoreData によって作成されたも のです。報告書は、世界銀行や国連など様々な情報源からのデータを元にしています。調査員は、各カテゴリー内の中央値を計算し、 カテゴリーの合計値を元に、調査対象となった全 150 ヵ国の総合順位が作成されました。調査カテゴリーには以下のものが含まれます。 • 健康指数 (平均寿命指標、一人当たりの医療費指標、人口 1,000 人当たりの医師数指標、 保険外医療費指 標、 病床数指標) • • 物質的な豊かさ指数 (一人当たり所得指標、所得平等指標、 失業指標) • 生活の質と環境指数(幸福指標、大気汚染指標、水質汚染指標、生物多様性と居住環境指標、気候変動指標) 財政指数 (投資環境指標、高齢者の労働者依存度指標、インフレ指標、金利指標、税負担圧力指標、 銀行不 良債権指標、政府債務指標、制度的強度指標) ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメント S.A.について ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントは、傘下にある欧州、米国およびアジアを拠点とする 20 社を超える投資運用会社への 1 ® アクセスを提供する世界トップクラスの資産運用会社です 。Durable Portfolio Construction 理念を通じて、機関投資家、ファイナンシ ャルアドバイザー、個人投資家に対して最近の市場が抱えるあらゆる問題解決に役立つ資産配分、リスク管理に関する革新的な提案 をしています。ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントは、欧州、米国およびアジアを拠点とする複数の投資運用会社の専門能 力を結集することで、幅広い株式・債券・オルタナティブ投資戦略を提供しています。 ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントの本社はパリおよびボストンにあり、運用資産額は、2014 年 9 月 30 日現在で 8,943 2 億ドル(7,080 億ユーロ)です 。ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントの親会社であるナティクシスは、フランス第 2 位の銀行 グループ BPCE の子会社です。ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントの傘下には以下の投資運用会社および関連サービス 会社があります。 Natixis Asset Management Asia Ltd 3 Active Investment Advisors AEW Capital Management AEW Europe AlphaSimplex Group Aurora Investment Management Axeltis Capital Growth Management Darius Capital Partners 4 Dorval Finance Gateway Investment Advisers 4 H2O Asset Management Harris Associates IDFC Asset Management Company Loomis, Sayles & Company 3 Managed Portfolio Advisors McDonnell Investment Management 5 Mirova Natixis Asset Management Natixis Environment & Infrastructure Luxembourg Ossiam Reich & Tang Asset Management 6 Seeyond Snyder Capital Management Vaughan Nelson Investment Management Vega Investment Managers Natixis Global Asset Management Private Equity, which includes (Seventure Partners 、 Naxicap Partners 、 Alliance Entreprendre、Euro Private Equity、Caspian Private Equity、Eagle Asia Partners を含む) なお、詳細は ngam.natixis.com でご確認いただけます。 1 Cerulli Associates 社のグローバルマーケッツ 2014 によると、ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントの運用総資産額は、 2013 年 12 月 31 日現在で世界 16 位にランクされています。 2 運用資産(AUM)には、規制対象外の資産運用サービスの対象である資産が含まれている可能性があります。規制対象外の運用資 産には、米証券取引委員会(SEC)によるフォーム ADV パート 1「規制対象の運用資産(AUM)」の定義に該当しない資産が含まれま す。 3 NGAM Advisors, L.P.の部門 4 Natixis Asset Management の関連会社 5 Natixis Asset Management の子会社 6 Natixis Asset Management の組織のグローバル投資部門であり、Natixis Asset Management U.S.を通じて米国で業務展開してい ます。 本文書に含まれる情報は情報提供のみを目的とするものであり、金融商品やサービスの販売および勧誘を目的とするものではありま せん。本文書の記載内容、データ等は作成時点等のものであり、今後予告なしに変更することがあります。 お問い合わせ先: アシュトン・コンサルティング マス彩子/中馬美佳 Email: [email protected] 電話: 03-5425-7220 NATIXIS GLOBAL ASSET MANAGEMENT Wesley Eberle, Global Public Relations (英語) Tel.: +44 (0) 78 76 89 99 10 [email protected]
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