NO.2 横手市農業技術センターだより 平成27年4月9日 稲作情報 横手市 こまめな温度・水管理で健苗をつくりましょう いよいよ浸種作業に入っていきますが、浸種水温に注意し、浸種は種子が十分水に浸かってい るかこまめに確認しましょう。 播種はハト胸状態を確認してから行いましょう。 ★播種量は多すぎないように! 播種時のポイント 播種量は中苗で乾籾100~120g(催芽籾125~150 g)を目安に播種しましょう。 乾籾120g(催芽籾150g)の播種量目安 播種時のかん水量をチェックしましょう。かん水は 2.0~2.5㍑が適量となります。少なすぎると水分不足 から発芽不良となります。 また、水がひく前の覆土は発芽不良の原因となりま すので水がひいてから覆土がかかるようにします。 1.育苗期管理 《温 度 管 理》 早朝や風があると寒く感じても陽が射すと、ハウス内 は直ぐに高温になります。必ず温度計を設置して急激な 温度変化やハウス内温度の上がりすぎに注意しましょう。 播種後から出芽までの日中のハウス温度は、32℃を超 えないようにし、被覆期間を必要以上長くしないように しましょう。育苗後期(硬化期以降)はできるだけ外気 JA秋田ふるさと 営農経済部 米穀畜産販売課 ☎ 56-4113 ───────────── 各営農センター 金 沢 ☎ 37-2124 大 雄 ☎ 52-3665 横 手 ☎ 32-8220 増 田 ☎ 45-2035 平 鹿 ☎ 24-3110 十文字 ☎ 44-3101 大 森 ☎ 26-4155 雄物川 ☎ 22-2266 秋田広域農業共済組合平鹿支所 ☎ 32-4150 ──────────────────── 事業1課 (農作・畑作・損防) ☎ 32-4404 事業2課 (家畜・果樹・園芸) ☎ 32-4407 事業3課 (建物・農機具) ☎ 32-4119 秋田県平鹿地域振興局 農林部 農業振興普及課 ☎ 32-1805 ───────────── 横手市農林部:農業政策課 ☎ 32-2112 農業振興課 ☎ 32-2113 ────────── ◆出芽後の苗立枯病防除 薬剤名 病 苗立枯病菌 徴 ・ 発 生 条 件 ピ シ ウ ム 地際部や根が水浸状に腐敗する。部分的に発生し坪枯れ状にな ることが多い。緑化期以降の低温時に発生しやすい。 フ ザ リ ウ ム 地際部の葉鞘が渇変腐敗する。地祭部に白色または淡紅色のカ ビを生ずる。播種後低温にあったりすると発生しやすい。 リゾクトニア 下葉の葉鞘が初め灰緑色になり、褐色に枯れ上がる。くもの巣 状のカビや白褐色菌核ができる。高温・多湿で発生しやすい。 白 絹 対 策 タチガレエースM液剤の500倍液 を1箱当たり500㏄かん注 (播種14日後まで) バリダシン液剤5の1000倍液を1 地際部分の1~2㎜の白色・褐色・籾根の周囲に絹糸状の菌糸が 箱当たり500㏄かん注 病 まん延し、下葉は黄化し、菌に侵されやすい部分は淡褐色になる。 リ ゾ ー プ ス 土の表面に白いクモの巣状のカビが発生する。 過湿を避け日光にあてて殺菌する。 ダコニール1000の1000倍液を1箱 当たり500㏄かん注 (播種14日後まで) ※診断方法:カビが発生した場合の多くは、発根が抑えられます。また、カビは外観から見えない ので苗を2~3本引き抜き、箱内部の根張り状況とカビの有無・色を確認して下さい。 ◆苗いもち防除 本田における「葉いもち」の多発主要因は、育苗期間中に感染・発病した苗の“持ち込み”です。 育苗施設内や周辺の稲わら・籾殻が伝染源となるので放置せず、適切な育苗管理を行うと共に、 「育苗期防除」を実施して、本田への“持ち込み”を防ぐように心がけましょう。 ◆育苗期薬剤防除 *育苗期防除…「ビームゾル」で緑化始期(第1葉完全展開)に苗いもち防除ができます。 使用倍率:500倍(500㎖/箱) ※特栽米には使用できません。 ※使用時期の遅れや極端な高温(30℃以上)が続くと、薬害(葉先が黄化)を生ずることもあります。 3.箱処理剤 にならし健苗育成に努めましょう。 床土混和~播種時使用することで葉いもち病・初期害虫~イネアオムシまで防除できる箱処理 ※新しいビニールに張り替えた方は特に注意を!! 《水 管 理》 かん水は床土の水分状態を確認し、午前9時頃までの早いうちに行います。地温が上昇した午 剤があります。 使用する薬剤によって使用時期が違いますので間違えないように確認しましょう。 後からのかん水は、地温を下げ夜間の過湿になり、根張り不良や軟弱徒長の要因となります。 育苗後期から低温が長く続く場合に「苗立枯病」が発病することがあります。また、過乾燥も 苗立枯病(トリコデルマ菌)の原因となる場合もあるので、苗箱内の床土状態を確認し、適切な 水管理を心がけましょう。 2.育苗期防除 苗立枯病は発生してからでは手遅れとなることが多いので、病徴により早期に発見し、苗箱表 面・種子回りにカビ等が発生している場合は、カビの種類(色)・増減を確認しながら、「苗立枯 病」の予防防除と早期防除に努めましょう。 資 材 名 特栽米使用可否 使用時期 使用量 適用病害虫 床土混和~ 50g/箱 いもち病・もみ枯細菌病 播種時(覆土前) イネミズゾウムシ・ドロ ル ー チ ン ア ド ス ピ ノ 箱 粒 剤 特栽米には使用不可 床土混和~移植当日 50g/箱 オイムシ・イネアオムシ ファーストオリゼフェルテラ粒剤 特栽米に使用可 いもち病・紋枯病 嵐プリンスフェルテラ箱粒剤 特栽米には使用不可 床土混和~移植当日 50g/箱 イネミズゾウムシ・ドロ (採取圃周辺では使用しない) オイムシ・イネアオムシ 毎年育苗障害の発生がありますが、まだ大丈夫と思ったり、もう少し様子を見ようとしたり して苗の障害発生から日数が経過してしまい、手遅れになることがあります。初期段階での対 処でその後の回復が見込める場合が多いですので、自分で判断がつかない場合やおかしいなと 思ったらすぐに各地区営農センターへ連絡をしてください。 育 苗 管 出 理 芽 出芽長の伸ばしすぎは「腰高の軟弱苗」につながります。被覆資材の取り遅れに注意‼ ~ 不 全 葉 1.5 葉 期 1 葉 期 (10日~15日目) (10日~15日目) 2.5 葉 期 (20日目) 3 葉 期 (25日~30日目) ○出芽は30~32℃の適温で ○出芽から緑化に移す場合 ●温度管理 30 出芽長1㎝を目標にする。 は温度を25℃前後まで下 ○極端な温度変化をさける。 25 ただし、育苗器内の余熱 げる。 (適温25℃前後) 日中の温度 20 を 考 え 、 芽 が 3 ㎜ 位 に ○水はけよく、乾燥してい ○日中の最高温度は27℃位 15 最低温度 なったら電源を切る。 ない苗床に箱を並べる。 に。 10 覆土が持ち上がった場合 ○夜間は最低10℃位を保つ は、かん水し、露出した ため、夕方早めに閉める。 ○日中はできるだけ屋根ビ ○日中 20℃位 ○徐々に夜間も外気になら 種籾には必ず土をかける。 ニールを開ける。 ○夜間 10℃位 す。 ○前半弱光、後半直射光と ○適温は25℃ ○徒長に注意。 ○かん水は早朝に行う。 する。 ○第1葉鞘高は2.5㎝、草 ○ 草 丈 1 0 ㎝ ( 2 .5 葉 期 以 ○ムレ苗に注意。 3.5 葉 期 (30日~35日目) 温度管理 ウ 加温育苗(育苗器) ハ ス 式 無加温ハウス 方 無加温折衷(トンネル) 折 衷 方 式 プール 育 苗 完 ○30℃前後の適温を保ち、 高温の時は換気する。 (被服資材の種類に注意) ○出芽長8~10㎜で被覆資 材を取る。 ○覆土の厚さに注意! 見かけの出芽長が8㎜で も覆土の厚さを忘れずに。 ○置床の過乾、過湿と練り すぎに注意。 ○ビニールは、異常高温を 除き密閉。(適温は22℃ ~32℃) ○畦間は湛水状態。 丈3.5㎝位が健苗の基本。 ○かん水は夕方箱土の表面 が白く乾き、翌朝湿って ○被覆期間の水分が少ない ●一般管理 いる程度。 と根上がりや、高温障害 ○かん水は朝1回とする。 (ヤケ)が出やすい。 しかし、日中箱土の表面 ○かん水は早朝に行う。 ※覆土の持ち上がりや、根 が白く乾き、葉が巻いて ○育苗マットを使用した場 合や箱土が白く乾きすぎ 上がりがある場合は、早 いる場合はかん水する。 た場合は十分にかん水す めに水で落とし、種籾が、 ○夕方、葉先に水滴がのれ 露出したら必ず土をかけ ば翌朝までかん水しない。 る。 降)から温暖な日は夜も ハウスを開けはじめる。 徒長苗に ナエベストン(0-5-3) 50倍500㏄/箱 る。 ○覆土の持ち上がりに注意 し、持ち上がった場合は かん水し、露出した種籾 には必ず土をかける。 ○リゾープス菌等のカビの 発生に注意し、よくトン ネル内を観察する。 ●温度管理 ○寒い日以外はビニールを ○トンネル内温度が25℃ ○徐々に夜間も外気になら ○暖かい日は日中に換気を 開き外気にあてる。 以上にならないようにす す。 はじめる。 ○急激な温度変化には注意。 る。 (適温22~25℃) ○徐々に最高温度を下げる。 ○ジャンボ有孔ポリを切る。 ●一般管理 ○置床が乾かない程度の水 管理とする。 ○畦間に水をためる程度と する。 ○葉が巻きはじめたら箱の 中位まで湛水し、水分が 箱内に浸み通ったらただ ちに落水。 ○ジャンボ有孔は丸穴をし だいにあける。 【追 肥】 ○中 苗 2葉期と3葉期頃 ○稚 苗 1.5葉期頃 液肥2号 100倍0.5㍑/箱 大塚ポット液肥 200倍1㍑/箱 追肥後は軽く散水し、葉に ついた肥料を流すようにす る。 ○畦間の水を徐々に切り、 落水管理とする。 ○ジャンボ有孔の丸穴を全 開する。 ○徒長しやすいので畦間の 水を切る(排水の良好な 苗代においては床面に亀 裂ができないように注意 する) 【弁当肥】…田植前日 サイコー11号(13-13-13) 10g/箱 または 大塚ポット液肥 200倍1㍑/箱 ※「育苗マット・培土」を 使用している場合でも肥 料はやや少なめの配合と なっていますので、2葉 期頃から田植まで1~2 回追肥を実施して下さい。 出芽の管理は無加温ハウスに準ずる。1葉展開したら苗箱のへりまで湛水し、同時に昼夜サイドビニールを下げる。水の補給は2~3日に1回箱の上又は1葉の付け根位まで補水する。高温時は朝に水の 入れ替えをする、低温時は深水にして保温するなど水で温度管理をする。 ~水稲育苗ハウスで後作に野菜を作付される方へ~ 育苗期間中に使用した農薬が、後作の野菜に吸収され、残留農薬の基準を上回る事例があり、出荷停止・回収対象となる危険があります。農薬が土壌に浸透しないよう、「苗箱の下に無孔 のポリを敷く」または「プール育苗にする」「箱施用剤は田植当日にハウスから外に移動してから散布する」等の対策を実施してください。
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