NO.3 横手市農業技術センターだより 平成27年5月8日

NO.3
横手市農業技術センターだより 平成27年5月8日
稲作情報
横手市
ゆとりを持って計画的な田植作業を‼
== 適正な水管理で、活着促進と初期生育の確保 ==
5月に入りいよいよ本田作業に入ります。ゆとりを持って計画的な田植作業と、適正な水管理
で活着促進と初期生育の確保に努めましょう。好適な出穂日と登熟を考慮して、遅くとも6月5
日までに田植えを終わらせるようにしましょう。
1.畦畔管理
ふるさとecoらいす基準では田植え前までは畦畔への除草剤散布は農薬成分カウントしませ
んので、田植え前に畦畔除草剤を散布しましょう。(田植え後は成分カウントします)また、ネ
ズミ穴の補修や畦畔のかさ上げ等畦畔整備は後の本田除草剤散布時の水持ちに大きく影響します
ので、必ず行いましょう。
2.耕起作業
土壌水分が多すぎると、耕起作業ができないので、適当な土壌水分になった段階で行います。
*作業能率の向上を目的に作業速度を早くする傾向がみられ、耕深が浅くなっています。耕深が
浅いと地水温が上昇しにくく、初期の稲の生育が劣ります。さらにワラや稲株が田面に露出し
やすくなり、ガスわきしやすくなります。
*発根の活力を高め収量を確保するため、耕深は15㎝程度を目安にして下さい。
*耕盤が凹凸だと後の代かき・田植作業に影響しますので、一定の耕深作業を実施する。
JA秋田ふるさと 営農経済部 米穀畜産販売課 ☎ 56-4113 ─────────────
各営農センター
金 沢 ☎ 37-2124
大 雄 ☎ 52-3665
横 手 ☎ 32-8220
増 田 ☎ 45-2035
平 鹿 ☎ 24-3110
十文字 ☎ 44-3101
大 森 ☎ 26-4155
雄物川 ☎ 22-2266
秋田広域農業共済組合平鹿支所 ☎ 32-4150 ────────────────────
事業1課 (農作・畑作・損防) ☎ 32-4404
事業2課 (家畜・果樹・園芸) ☎ 32-4407
事業3課 (建物・農機具)
☎ 32-4119
秋田県平鹿地域振興局 農林部 農業振興普及課 ☎ 32-1805 ─────────────
横手市農林部:農業振興課 ☎ 32-2112・32-2113 ─────────────────
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4.田植・栽植密度
安定した収量・品質を得るには、目標茎数を早期に確保することが大切です。
近年管内の栽植密度は全体的に〝疎植〟の傾向にありますが、「あきたこまち」は穂数型の品種
ですので「疎植」で穂数を確保できず収量低下の要因となっています。安定した収量を維持して
いくには70株/坪の栽植密度が理想となります。
*低温・強風の日に田植を行うと植え傷みを起こし、活着や初期生育の遅れにつながります。
*田植は最高気温20℃前後の温暖な日に行ない、15℃以下の肌寒い日や強風の日は避けて、天気
の回復を待ちましょう。
*田植後の圃場を見ると、株当たり植込み本数が多めの傾向が見られます。植え込み本数が多い
と初期分げつが抑制されますので株当たり植込み本数3~4本となるよう調整しましょう。
☞☞☞ 田植スタート時に実際に植込みされた本数を確認する。
*植え付けは活着・分げつに影響します。極端な浅植は浮き苗や除草剤の薬害が起きやすく、深
植は分げつを抑制しますので植えつけの深さは2㎝程度としましょう。
3.代かき作業
代かき作業は、田植の前に耕起した水田に水を入れて行う砕土均平作業です。
*できるだけ浅水状態にして、田面に高低差が生じないように行います。
*水量が多すぎる場合、圃場凹凸がわかりにくいため均平作業がうまくいかず、また、わら・稲
株等のすき込みが難しくなります。☞☞☞ 圃場での水量調整する。
過度の代かきは作土全体が泥状になり土壌還元の促進や表層剥離の原因となります。作土の下
部は軽く土塊が残るくらいに仕上げましょう。
◆ カメムシ対策 ◆
雑草地はカメムシ類の生息地と繁殖地になります。管内の主要となっているアカスジカス
ミカメムシは産卵で越冬し、6月上旬頃からふ化しはじめることから、ふ化前に草刈りを実
施することで発生密度を低下させることが可能です。畦畔・農道や転作圃場では、5月頃か
ら計画的に草刈りや耕転・除草剤散布等の雑草管理を徹底し、『地域一斉防除』で密度抑制
に努めましょう。‼
5.水 管 理
苗の生育状態や気象条件を考慮し、最適な水管理を行いましょう。
*活着するまで水深4~5㎝程度の水深を保ち、発根・活着(保温的水管理)を促進します。
*活着を確認したら、分げつを促進するため、日中浅水(2~3㎝)として止水し夜間にかん水
を行います。
また、水の冷たいところでは、温水チューブを利用して水温の上昇に努めましょう。
6.苗いもち対策
水田に放置された補植苗は、葉いもちの伝染源となります。
周囲の迷惑となりますので、補植は田植後早めに行ない、畦畔・
本田等へ放置せず、直ちに埋没処分しましょう。
「葉いもちの発生源」
◆苗箱処理防除薬剤
近年1箱あたりの薬量を減らして「いもち病」の発生するケースが多くなっています。薬量は
50g/箱の使用量を守ってください。
いもち病
イネミズゾウムシ
ドロオイムシ
イネミズゾウムシ
ドロオイムシ・イネアオムシ
使用時期
ノビエ
効果
ソ ル ネ ッ ト 粒 剤
1㎏
移植時~移植後5日
1.0葉
1
マ ー シ ェ ッ ト 粒 剤
1㎏
移植時~移植後5日
1.0葉
1
キ
剤
1㎏
移植時~移植後5日
1.0葉
1
使用ポイント
成分数
使 用 時 期
Dr.オリゼ箱粒剤
50g/箱
田植3日前~当日
1回
1
オンコル粒剤5
50g/箱
田植3日前~当日
1回
1
ガゼット粒剤
50g/箱
田植3日前~当日
1回
1
メ
剤
1㎏
移植時~移植後5日
1.0葉
1
フェルテラ箱粒剤
50g/箱 播種(覆土前)~移植当日 1回
1
ヤ イ バ 豆 つ ぶ 剤
250g
移植後3日~
2.5葉
2
剤
1㎏
移植時~
3.0葉
2
剤
1㎏
移植後5日~
2.5葉
2
ビ ク ト リ ー Z 粒 剤
1㎏
移植時~
3.0葉
2
バ
ッ
チ
リ
粒
剤
1㎏
移植時~
2.5葉
3
コ
メ
ッ
ト
粒
剤
1㎏
移植後5日~
2.5葉
3
ウ
ィ
ナ
ー
粒
剤
1㎏
移植時~
2.5葉
新規剤
3
ア ク シ ズ M X 粒 剤
1㎏
移植後7日~
4.0葉
新規剤
3
シリウスエグザ粒剤
1㎏
移植時~
2.5葉
4
ヤ イ バ ジ ャ ン ボ
250g
移植後3日~
2.5葉
2
エ ー ワ ン ジ ャ ン ボ
300g
移植後5日~
2.5葉
2
キクンジャーZジャンボ
500g
移植後5日~
2.5葉
2
バ ッ チ リ ジ ャ ン ボ
400g
移植直後~
2.5葉
3
トップガンジャンボ
250g
移植後3日~
2.5葉
エーワンフロアブル
500ml
移植後5日~
2.5葉
2
ゲットスターフロアブル
500ml
移植後5日~
2.5葉
2
バッチリフロアブル
500ml
移植時~
2.5葉
3
ボデーガードフロアブル
500ml
移植後5日~
3.0葉
2
トップガンフロアブル
500ml
移植時~
3.0葉
使用
成分数
回数
デジタルコラトップアクタラ箱粒剤 50g/箱
田植3日前~当日
1回
2
ヤ
デジタルメガフレア箱粒剤※ 50g/箱
田植3日前~当日
1回
2
Dr.オリゼプリンス箱粒剤
50g/箱
田植3日前~当日
1回
2
エ
ツインターボ箱粒剤
50g/箱 播種(覆土前)~田植当日 1回
2
Dr.オリゼフェルテラ粒剤
50g/箱
2
緑化期~田植当日
1回
8.雑 草 防 除
*カナ・表層剥離・藻の発生は除草剤の拡散を妨げますので、発生前に散布する。
ジャンボ剤
除草剤の効果を高めるためには、散布時期・散布後の水管理が重要となります。
雑草の生育は代かき後から始まり、10日後にはヒエ2葉、12日後にはホタルイ2葉になりますの
で、代かきから田植えまでの日数が長くならないようにしましょう。また、田植えが1週間以上
かかる場合は、田植えの途中で除草剤散布日を設けるなど散布遅れのないようにしましょう。
*粒剤は均一散布を心がけ、散布ムラや重複散布がないようにする。
初 中 期 一 発 剤
いもち病・イネミズゾウムシ
ドロオイムシ・イネアオムシ
散布量・薬量
(10a)
散布量
薬 量
薬 剤 名
粒
剤
いもち病・イネミズゾウムシ
ドロオイムシ・イナゴ
ニカメイガ
除 草 剤 名
区分
初 期 剤
対 象
◆主な水稲用除草剤 (ふるさとecoらいす基準では初期剤の田植前使用はできません)
★ 除草剤使用ポイント ★
ル
ク
テ
オ
イ
ー
サ
粒
バ
ワ
粒
粒
ン
粒
ヒエクリーン入
フロアブル剤
ヒエクリーン入
4
4
★水田内雑草をなくすことがカメムシ防除の第1歩!★
ヒエ・ホタルイが水田内にあるとカメムシの繁殖場所となってしまいます。特に
アカスジカメムシはヒエ・ホタルイの穂に産卵し増殖しますので、除草剤を効果的
に使用し残草をなくしてカメムシ被害を回避しましょう。
初中期一発剤の効果不足が見られたら、迷わず中後期剤を使用し雑草を繁殖させ
除草剤散布前の水深は田面の高い所で5㎝以上確保する・足し水はできるだけ静かに入れることが水管理
のポイントです。また、通常の水管理に入ってからも田面を露出させないことが除草剤の残効を長く保ち
ますので、水を切らさない湛水管理することが重要です。
ない管理をしましょう。