稲作だよりNo.1【平成27年6月】

平成27年産水稲
生育と今後の管理
平成27年6月22日
販 売 部
米 麦 課
1
気象状況(さいたま気象台の気象データ )
今年の梅雨入りは、6月8日で平年でした。
気
温:5月の平均気温は、20.8℃で昨年に比べ1.2℃高く経過しました。
降 水 量:5月の降水量合計は、56.5㎜と昨年に比べて14㎜少なく、ここ
数年で最も少なかった一昨年とほぼ同様の降水量でした。
日照時間:5月の日照時間は、244時間で昨年とほぼ同様に経過しました。
6 月 18日発表の1ヵ月予報では、向こう1ヶ月、曇りや雨の日が多く、気温は
平年並みまたは低い、降水量は平年並みまたは少ない、日照時間は平年並みと予
想されております。
2
現在までの生育状況
6月17日の生育状況は下表の通りです。5 月上・中旬の田植えは、生育は早くな
っています。5 月下旬の田植えは、草丈はやや低く、茎数は多めに生育しています。
田植え時期・品種ごとの生育状況(6月17日調査結果:JA展示ほによる)
内容
品種
彩のきずな
田植期
5月上旬植
5月下旬植
5月中旬植
5月下旬植
本 年
60.2
31.9
39.8
30.2
昨 年
54.6
40.6
38.9
33.5
本 年
23.8
13.7
21.1
15.6
昨 年
22.0
13.1
15.1
13.5
草 丈(cm)
径 数(本)
3
コシヒカリ
管理ポイント
田植え後は、活着を良好にし、①初期生育の促進による早期の有効茎数確保、②中干
しによる無効分げつ抑制が大切です。
そのために、特に水管理 がポイントとなります。
(1)田植え後は浅水管理
表1:中干し開始時期の目安
田 植 え 後 、除草剤が落ち着いたら 直ちに 2~3c m
程 度 ( 一 部 の土が見える程度)の浅 水にし、水温・地
田植え時期
中干し開始
温を上げて初期生育を促進しましょう。
特別 に 低温 時 や強 風 時の み 、保 温 のた め に深 水 管理
5月上旬植
田植え後40日頃
します。
(2)早めの中干し
中干しの効果は、「倒伏防止」「健全な根の育成」
5月中旬植
田植え後35日頃
「無効分げつの抑制」 等があります。
開始時期は、一株当たりの有効茎数(しっかりした茎)
が20本程度確保できたら行います。 田植え後30~
40日が目安です。(表1)
5月下旬植
田植え後30日頃
中干しが遅れると、無駄な分げつが増え、倒伏しや
すくなり、病気にも弱くなるので、早めに行いましょ
※ 約20本/株 有効茎数を確保した時
う。
期
期間は、約10日間程度で田面に小ヒビが入る程度
です。
(3)中干し後は間断かん水
中干し期間の直後から幼穂形成が始まります。 幼穂形成期には水が必要なので間断か
ん水を行い、根に十分酸素と水をやって活力を保ちます。
【参考資料】埼玉県病害虫防除所発表『病害虫発生予報6月版』5月28日発表
病害虫名
発生時期
いもち病
発生量
少
備
考
昨年の発生量は少
ニカメイチュウ
やや早
やや少
イネミズゾウムシ
やや早
並
本田での成虫飛来数は平年よりやや少
イネドロオイムシ
やや早
多
本田での発生量は平年より多
早
やや多
ヒメトビウンカ
縞葉枯病
多
予察灯の誘殺数は平年より少
第1世代幼虫の発生量は平年並
ヒメトビウンカの保毒虫率は、縞葉枯病が
多発した平成25年よりも多い
イネ縞葉枯病対策はお済みですか?
ヒメトビウンカの保毒虫率は、過去10年間で2番目(県平均6.5%)であり、イネ
縞葉枯病の多発が埼玉県病害虫防除所(第2号)より予想されています。
縞葉枯病の症状・
ヒメトビウンカ画像
ヒメトビウンカ
に対する箱粒剤
の効果期間は、
50 日程度です。
ヒメトビウンカの本田防除を実施!!
◇本田防除推奨農薬◇
農 薬 名
規 格
使用時期
本剤の
当用価格
(収穫前)
使用回数
(税込)
使用量/10a
パダンバッサ粒剤
3kg
3~4kg
30 日前まで
5回以内
1,152円
スタークル粒剤
3kg
3kg
7日前まで
3回以内
2,818円
スタークル豆つぶ剤
250g
7日前まで
3回以内
3,127円
21日前まで
3回以内
250~
500g
100cc
トレボン乳剤
500cc
821円
1000~
2000 倍
3,374円