Merck、厳しい環境下も、2015 年第 1 四半期は堅調な業績を達成

ニュースリリース
2015 年 6 月 4 日
※本ニュースリリースはドイツ・ダルムシュタット 5 月 19 日発表英文ニュースリリースの抜粋・抄訳です。
Merck、厳しい環境下も、2015 年第 1 四半期は堅調な業績を達成
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AZ エレクトロニックマテリアルズの統合、有利な為替環境、本業の伸びにより、純売上高が
15.7%増
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本業の売上高は 1.3%増
特別項目計上前 EBITDA は 5.7%増
AZ エレクトロニックマテリアルズ買収に伴う負債を大幅削減
2015 年度業績予測を正式発表
メルク株式会社(本社: 東京、会長兼社長 ラルフ・アナセンツ)及びメルクセローノ株式会社(本社: 東京、
代表取締役社長 岡本光治)の親会社である Merck(本社: ドイツ・ダルムシュタット、会長カール-ルドウィッ
グ・クライ、以下メルク)は 5 月 19 日、2015 年第 1 四半期の決算を発表しました。当期は堅調に売上が拡
大し、特別項目計上前 EBITDA も前年同期比で増加しました。
メルク会長のカール-ルドウィッグ・クライは、「厳しい環境下にもかかわらず、メルクの 3 つのビジネスすべて
が好調な業績を達成し、嬉しく思います。2015 年度通期においても、本業の売上高が微増するものと予測し
ています」と述べています。
2015 年第 1 四半期のグループの純売上高は、前年同期の 26 億ユーロから 15.7%増の 30 億ユーロに拡
大し、本業の売上高は 1.3%増となりました。この売上高には、為替変動による 8.9%の大幅なプラスの影響
に加え、AZ エレクトロニックマテリアルズ(以下、AZ)の統合に伴う 5.5%のポートフォリオへのプラスの影響
が反映されています。当期は、メルクグループの 3 つのビジネスすべてが売上を伸ばし、地域的には、主に
アジア太平洋地域とラテンアメリカ地域が本業の売上拡大を牽引しています。
グループの主要決算指標である特別項目計上前 EBITDA は、好調な業績と有利な為替環境を受け、前年
同期の 8 億 700 万ユーロから 5.7%増の 8 億 5,300 万ユーロとなりました。主に腫瘍免疫分野の研究強化
に伴う研究開発費の拡大が、特別項目計上前 EBITDA の伸びを鈍化させています。また、2014 年第 2 四
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半期に失効したロイヤリティ及びライセンスの収入がなくなったことに加え、マーケティングや販売費用が拡
大したことも、特別項目計上前 EBITDA にマイナスの影響を与えています。グループの EBIT は 2.5%増の
4 億 8,000 万ユーロとなりました。2015 年第 1 四半期の純利益は 2 億 8,200 万ユーロで、前年同期の 3 億
2,500 万ユーロから 13.4%減少しました。これは、シグマ アルドリッチの買収に向けて、資金調達費用が発
生したことによるものです。
2014 年に実施した株式分割を考慮すると、2015 年第 1 四半期の特別項目計上前 1 株当たり利益は 1.12
ユーロとなりました(前年同期は 1.15 ユーロ)。
2015 年第 1 四半期の純金融負債は、2015 年 3 月 31 日時点で 7,800 万ユーロまで減少しました。純金融
負債は、AZ の買収により、2014 年半ばには一時的に 22 億ユーロにまで達していました。短期間での大幅
な負債圧縮は、シグマ アルドリッチの買収を前に、メルクに確かな内部資金調達能力があることを立証して
います。なお、2015 年 3 月 31 日現在におけるメルクグループの全世界の従業員総数は 39,842 人でした。
各ビジネスの概要
ヘルスケア・ビジネス ‐ 研究開発投資の 1 年が始動
2015 年第 1 四半期におけるヘルスケア・ビジネスの本業の売上は、0.3%増となりました。純売上高は、為
替変動による 7.1%のプラスの影響を含め、前年同期の 16 億ユーロから 7.4%増の 17 億ユーロでした。本
業の成長は、特に糖尿病治療薬の Glucophage、心血管疾患治療薬の Concor、不妊治療薬に加え、コン
シューマヘルス事業部が取り扱っていた Neurobion によるものでした。これらの製品の売上拡大は、主力
製品である再発型多発性硬化症治療薬 Rebif の売上減少を補って余りあるものでした。地域的には、主に
ラテンアメリカ地域とアジア太平洋地域が本業の伸びを牽引しました。
がん治療薬 Erbitux の本業の売上高は 5.9%減少し、2 億 500 万ユーロとなりました。不妊治療薬 Gonal-f
の本業の売上は、非常に好調であった前年に続き、1.7%の微増となりました。為替によるプラスの影響も
含め、売上高は 1 億 6,400 万ユーロに増加しました。
ヘルスケア・ビジネス全体では、腫瘍免疫プロジェクトをはじめとした研究開発費の増加や、ロイヤリティ及
びライセンス収入の減少に加え、Rebif の売上減少が、為替によるプラスの影響を上回りました。その結果
として、ヘルスケア・ビジネスの 2015 年第 1 四半期の特別項目計上前 EBITDA は 3.8%減少し、4 億 6,100
万ユーロとなりました。
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ライフサイエンス・ビジネス ‐ 安定した業績で 2015 年をスタート
ライフサイエンス・ビジネスは、主にプロセスソリューションズ事業の拡大に牽引され、2015 年第 1 四半期
の本業の売上は 3.4%と穏やかな伸びを見せました。売上は特に、北米で好調でした。為替による 9.8%
の顕著なプラスの影響や、Discovery and Development Solutions 事業の売却により、ライフサイエンス・
ビジネス全体の純売上高は、前年同期の 6 億 5,700 万ユーロから 12.4%増の 7 億 3,800 万ユーロとな
りました。
医薬品製造向け製品・サービスを扱うプロセスソリューションズ事業、本業の売上が 5.4%増となりました。
これは主に、バイオ医薬品業界向けのシングルユース・ソリューションや精製ソリューションに対する需要
の増加によるものです。また、研究者・研究機関向けに幅広い製品を提供するラボソリューションズ事業の
本業の売上の伸びは 2.2%、医薬品研究開発部門や学術研究機関向けの製品・サービスを主に手掛ける
バイオサイエンス事業の本業の売上も、0.5%増を記録しました。
パフォーマンスマテリアルズ・ビジネス ‐ 新世代の液晶と AZ 買収によって業績を拡大
特殊化学品事業を手掛けるパフォーマンスマテリアルズ・ビジネスの 2015 年第 1 四半期の純売上高は、
前年同期の 4 億 200 万ユーロから、53.4%増となる 6 億 1,700 万ユーロへと大幅に拡大しました。これ
は主に、AZ 買収に伴う売上拡大(37.0%)および為替による大幅なプラスの影響(14.8%)によるもので
す。また、すべての事業が貢献し、当ビジネス全体の本業の伸びは 1.6%増となりました。
新設のディスプレイマテリアルズ事業は、メルクの好調な液晶事業と、それを補完する AZ のディスプレイ
材料事業で構成され、最新世代のモバイルデバイスの液晶ディスプレイに使用されている、省エネ性能の
高い UB-FFS 技術により恩恵を受けました。一方、大型ディスプレイの Ultra-HD など、高性能テレビの需
要による後押しもあり、既存の液晶技術も堅調です。改称された顔料・機能性材料(旧ピグメンツ&コスメ
ティクス)事業の 2015 年第 1 四半期の本業の売上は、わずかに増加しました。売上の伸びは、主に自動
車用塗料として使用される Xirallic 顔料などの塗装用顔料によるものです。IC マテリアルズ事業には、AZ
の事業も含まれ、集積回路の製造に用いられる材料を取り扱っています。同ユニットの本業の売上は、前
年同期と比べて穏やかに増加しました。また OLED ディスプレイや LED 蛍光体の高い需要に支えられた
先端技術事業も、本業の伸びを見せています。
2015 年度の業績予測を正式発表
メルクは引き続き、2015 年における本業の売上の微増と、通年での AZ 統合によるポートフォリオへの若干
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の影響を見込んでいます。この業績予測は為替によるプラスの影響に支えられるものと予想されます。全
体では、2015 年に純売上高が 123 億~125 億ユーロまで拡大する見込みです。各ビジネスのより効果的
な運営に向けて、2015 年第 1 四半期の時点で、手数料収入を純売上高の一部として開示しています。ただ
しこれは、発表済みの予測には影響しません。メルクでは、2015 年の特別項目計上前 EBITDA は、ヘルス
ケア・ビジネスの研究開発費の増加や、米国及び欧州での Rebif 開発の停滞、ロイヤルティ及びライセンス
収入の欠如といった要素にもかかわらず、34 億 5,000 万~35 億 5,000 万ユーロになるものと予想してい
ます。メルクグループの営業フリーキャッシュフローは、2015 年は 24 億~25 億ユーロになると見込まれま
す。
メルクグループの主要決算指標 (100 万ユーロ)
2015 年
第 1 四半期
2014 年
第 1 四半期
増減(%)
3,041.2
2,628.2
15.7
480.0
468.3
2.5
15.8
17.8
805.4
770.2
EBITDA 利益率(%)
26.5
29.3
特別項目計上前 EBITDA
853.0
807.1
28.0
30.7
1 株当たり利益(ユーロ)
0.65
0.75
-13.3
特別項目計上前 1 株当たり利益(ユーロ)
1.12
1.15
-2.6
営業フリーキャッシュフロー
360.5
684.1
-47.3
純利益
281.7
325.2
-13.4
純売上高
営業利益(EBIT)
EBIT 利益率(%)
EBITDA
特別項目計上前 EBITDA 利益率(%)
2015 年 3 月 31 日時点
純金融負債
4.6
5.7
2014 年 12 月 31 日時点
78
559
-86.0
全文リリースはウェブサイト上の英文資料をご参照ください。
http://news.merck.de/N/0/A397CF7391EEB162C1257E490055F51E/$File/PM_Q1_EN.pdf
メルクについて
Merck(メルク)は、ヘルスケア、ライフサイエンス及びパフォーマンスマテリアルズ分野において、最高水準の品質と高度な
技術に基づく革新的な製品を提供するリーディングカンパニーです。メルクセローノ、コンシューマヘルス、アレルゴファーマ、
バイオシミラー、メルクミリポア、パフォーマンスマテリアルズの 6 事業部を有し、2014 年の売上高は約 113 億ユーロとなっ
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ています。世界 66 カ国におけるグループ従業員約 39,000 名が、患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上や顧客企業の支
援、グローバルな課題の解決に向け取り組んでいます。
メルクは世界で最も歴史の古い医薬・化学品会社です。1668年以来、革新性、事業の成功及び責任ある企業家精神を標榜
しています。メルクの創業家は全体の約70%の株式を保有し、今日にいたるまで株式の過半数を所有し続けております。
EMD Serono, EMD Millipore, EMD Performance Materials として事業を行っているカナダ及びアメリカ合衆国を除き、ドイ
ツ・ダルムシュタットのメルクはMerckの名称及びブランドのグローバルな権利を有しています。
メルク株式会社はメルクの日本法人として1968年に設立。液晶や顔料などの化学品の研究開発・製造・販売や、試薬・分析
機器などバイオサイエンス基礎研究や医薬品製造、創薬にかかわるライフサイエンス関連製品・サービスを手がけています。
2011年に日本ミリポア株式会社を吸収合併、2014年にはグループ傘下にAZエレクトロニックマテリアルズを統合。パフォー
マンスマテリアルズとライフサイエンスの両分野で高付加価値製品とソリューションを幅広く提供しています。
メルク株式会社についての詳細は、www.merck.co.jp をご覧ください。
メルクセローノ株式会社は、ドイツ・ダルムシュタットに本社を置くメルクのバイオ医薬品部門の日本法人で、2007 年 10 月 1
日に発足し、がん及び不妊治療領域を重点領域としています。
メルクセローノ株式会社の詳細については www.merckserono.co.jp をご覧ください。
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