Merck、過去最高となる2015年度業績を発表

ニュースリリース
2016 年 3 月 18 日
メルク株式会社
メルクセローノ株式会社
※本ニュースリリースはドイツ・ダルムシュタット 3 月 8 日発表英文ニュースリリースの抜粋・抄訳です。
Merck、過去最高となる 2015 年度業績を発表
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売上高(13.0%増)、特別項目計上前 EBITDA(7.1%増)ともに過去最高水準を達成
グループの 3 つのビジネス領域すべてにおいて本業の伸びを達成
アジア太平洋地域がグループの売上の伸びを牽引
2015 年度の当初目標を達成
昨年から 5%増の 1 株当たり 1.05 ユーロの配当案を提出
2016 年 3 月 8 日、ドイツ、ダルムシュタット発 - サイエンスとテクノロジーの分野における世界有数の企業
である Merck(以下メルク)は 3 月 8 日、2015 年度の決算を発表しました。2015 年度は、2007 年からス
タートした変革プロセスがさらに力強い成果を遂げ、売上高、特別項目計上前 EBITDA ともに、350 年近い
当社の歴史の中で最高水準の業績を達成しました。
メルク会長のカール-ルドウィッグ・クライは、「2015 年はメルクにとって、さまざまな施策に取り組んだだけ
でなく、極めて大きな成果を遂げた年となり、前年に引き続いて増益を達成しました。また、シグマ アルド
リッチの買収によって、近年取り組んできた事業ポートフォリオの再編も完了することができました。腫瘍免
疫学分野において 6 件の重要な治験を開始したほか、研究開発を一段と進めて将来に向けた投資を行う
ことによって、今後の成長基盤を確立させています。さらに、大胆で活気ある新ブランドの展開によって、メ
ルクらしさを明確に打ち出しました」と述べています。
2015 年通期のメルクグループの売上高は 128 億ユーロで、2014 年の 114 億ユーロから 13.0%の大幅
増となりました。売上の伸びのうち、4.3%が AZ エレクトロニックマテリアルズ(AZ)およびシグマ アルドリッ
チの買収によるものです。また本業の売上が 2014 年から 2.6%増となったことに加え、主として米ドル高に
よる為替のプラス影響が 6.2%でした。
メルクグループの 2015 年の営業利益(EBIT)は 18 億ユーロで、2014 年から 4.6%増となりました。また、
メルクグループが事業運営を図る上で主要な決算指標とする特別項目計上前 EBITDA は、ライフサイエン
ス・ビジネスとパフォーマンスマテリアルズ・ビジネスの好調な業績により、2014 年の 34 億ユーロから
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7.1%の大幅増の 36 億ユーロとなりました。
株主に帰属する税引き後の 2015 年通期の純利益は 11 億ユーロとなり、2014 年の 12 億ユーロから 3.7%
減となりました。これは、シグマ アルドリッチの買収および統合に関連した一時費用に加えて、買収資金の
調達に伴う金利が上がったことによるものです。
2015 年通期の特別項目計上前 1 株あたり利益は、2014 年の 4.60 ユーロから 5.9%増の 4.87 ユーロで
した。これに基づき、メルクは 2016 年 4 月 29 日に開催する定時株主総会において、前年から 0.05 ユー
ロ増となる 1 株あたり 1.05 ユーロの配当を提案する予定です。
メルクは 2015 年通期の売上高、特別項目計上前 EBITDA ならびに特別項目計上前 1 株あたり利益につ
いて、当初の業績予想を達成、または上回る結果となりました。
メルクは 2015 年前期終了時点まではネットキャッシュポジションを高めたものの、2015 年 12 月 31 日時
点の純金融負債は 127 億ユーロとなり、当初の予想通り、シグマ アルドリッチの買収に伴う支払いにより
2014 年末時点の 5 億 5,900 万ユーロから急速に上昇しました。過去に行った主な買収時と同様に、メル
クはグループ内の資金調達力の高さを活かし、短期間で負債を削減する見通しです。2015 年 12 月 31 日
時点におけるメルクグループの全世界の従業員総数は 49,613 人で、主にシグマ アルドリッチの統合が完
了したことにより、2014 年 12 月 31 日時点の 39,639 人から約 1 万人増加しました。
各ビジネスの概要
ヘルスケア・ビジネス - 堅調な業績と成長市場への投資拡大
2015 年通期におけるヘルスケア・ビジネスの売上は、2014 年の 66 億ユーロから 4.7%増の 69 億ユーロ
となりました。これは、本業の 1.6%の伸びに加えて、為替変動による 3.1%のプラスの影響を受けたことに
よるものです。さらに、アジア太平洋地域が本業の伸びを牽引したことも堅調な業績につながりました。
がん治療薬 Erbitux の 2015 年通期の売上は 8 億 9,900 万ユーロで、本業の売上が-1.5%と若干減少
したものの、為替による 0.9%のプラスの影響により一部相殺され、2014 年の 9 億 400 万ユーロとほぼ横
ばいとなりました。不妊治療用の遺伝子組換え型製剤の有力製品である Gonal-f は、本業の売上を前年
から 3.7%伸ばし、為替によるプラスの影響を含めた売上高は 2014 年の 6 億 2,800 万ユーロから 6 億
8,500 万ユーロに増加しました。
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ヘルスケア・ビジネスの 2015 年通期の特別項目計上前 EBITDA は 20 億ユーロで、前年並みとなりまし
た。これは、2014 年は前期終了時点でロイヤリティ、ライセンス収入が大幅に減少した一方で営業費を大
幅に削減したのに対し、2015 年は成長市場への投資を継続したことに加えて為替の影響を受けたことで、
営業費が前年から大幅に増加したことによるものです。
ライフサイエンス・ビジネス - 2015 年のグループ全体の成長を牽引
ライフサイエンス・ビジネスは 2015 年、利益率を上げると同時に、売上を前年の 27 億ユーロから 25.1%
増の 34 億ユーロへと大幅に拡大しました。これは、本業の売上を 6.5%増と堅調に伸ばし、為替変動によ
る 8.4%のプラスの影響を受けたことに加え、主にシグマ アルドリッチの買収に伴う 10.2%の買収効果に
牽引されたものです。
医薬品製造向け製品・サービスを扱うプロセス・ソリューションズ事業は、本業の売上を 11.6%伸ばしまし
た。これは主に、欧米におけるバイオ医薬品製造業界向け製品の需要が増加したことによるものです。研
究者・研究機関向けに幅広い製品を提供するラボソリューションズ事業は、本業の売上が 3.1%増となりま
した。医薬品研究開発部門やバイオテクノロジー研究機関、学術研究機関向けの製品・サービスを手掛け
るバイオサイエンス事業の本業の売上は、0.7%の微増でした。2015 年 11 月 18 日にシグマ アルドリッチ
の売上が初めて組み入れられたことによって、ライフサイエンス・ビジネスの売上は 2 億 7,900 万ユーロ押
し上げられました。これは 2015 年通期のライスサイエンス・ビジネスの売り上げ全体の 8%に相当します。
2015 年通期のライフサイエンス・ビジネスの特別項目計上前 EBITDA は 8 億 5,600 万ユーロで、2014 年
の 6 億 5,900 万ユーロから 30%増と著しく増加しました。これはすべての事業分野が堅調に業績を拡大し
たことに加え、シグマ アルドリッチの買収効果によるものです。
パフォーマンスマテリアルズ・ビジネス- 先端技術製品が業績拡大に貢献
パフォーマンスマテリアルズ・ビジネスの 2015 年通期の売上高は 26 億ユーロで、前年の 21 億ユーロか
ら 24.1%の大幅増となりました。為替変動が 13.1%と大きくプラスに影響しただけでなく、買収に伴う売上
が 10.4%増となったことも業績拡大に大きく貢献しました。これは主として 2014 年の AZ エレクトロニックマ
テリアルズの買収効果によるもので、さらに、2015 年 11 月中旬にシグマ アルドリッチの SAFC Hitech 事
業が初めて組み入れられたことによって、パフォーマンスマテリアルズ・ビジネスに約 1,000 万ユーロの売
上が加わりました。パフォーマンスマテリアルズ・ビジネスの 2015 年通期での本業の売上は 0.6%増とほ
ぼ前年並みとなりました。
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2015 年初めに組織されたディスプレイマテリアルズ事業は、為替の影響と買収効果によって堅調に売上を
拡大し、グローバルリーダーとしての地位を強固にしました。先端技術製品が従来型液晶技術製品の販売
量の低下を凌ぐ勢いで売上を伸ばしました。顔料・機能性材料事業は 2015 年も堅調に推移し、前年並み
の業績を維持しました。旧 AZ の事業を含めた集積回路製造用材料および 2015 年 11 月に取得したシグ
マ アルドリッチの SAFC Hitech 事業を取り扱う IC マテリアルズ事業は、本業の売上を若干拡大しました。
先端技術事業はパフォーマンスマテリアルズ・ビジネスのうち最も大きく売り上げを伸ばし、中でも勢いをみ
せる OLED ディスプレイ材料事業は大きく事業を拡大しました。メルクは 2015 年 6 月にドイツ・ダルムシュ
タットで約 3,000 万ユーロを投じた OLED 材料の新たな生産ユニットの建設に着工しました。
2015 年通期のパフォーマンスマテリアルズ・ビジネスの特別項目計上前 EBITDA は 11 億ユーロとなり、
為替のプラスの影響と AZ の買収効果に加え、販売を確実に増加させたことによって、2014 年の 9 億ユー
ロから 26.5%と大幅に拡大しました。
2016 年度ガイダンス: 本業の若干の伸び、特別項目計上前 EBITDA の 2 桁台前半の上昇の見通し
2016 年度メルクは本業の売上について若干の増加を見込んでいます。売上については、シグマ アルド
リッチの買収によってポートフォリオ拡大によるプラスの影響が予想されることから 2 桁台前半の増加を見
込んでいます。2016 年度の特別項目計上前 EBITDA は、業績の伸びとシグマ アルドリッチの買収効果に
より、2 桁台前半の増加を予想しています。
メルクグループの主要決算指標 (100 万ユーロ)
純売上高
営業利益(EBIT)
EBIT 利益率(%)
EBITDA
EBITDA 利益率(%)
特別項目計上前 EBITDA
特別項目計上前 EBITDA 利益率
(%)
2015 年
2014 年
増減(%)
2015 年
第 4 四半期
12,844.7
11,362.8
13.0
3,463.6
2,998.6
15.5
1,843.2
1,762.0
4.6
298.1
423.8
-29.7
14.3
15.5
8.6
14.1
3,354.1
3,122.9
803.2
804.2
26.1
27.5
23.2
26.8
3,629.8
3,387.7
933.4
878.4
28.3
29.8
26.9
29.3
7.4
7.1
2014 年
第 4 四半期
増減(%)
-0.1
6.3
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1 株当たり利益(ユーロ)
2.56
2.66
- 3.8
0.29
0.64
-54.7
特別項目計上前 1 株当たり利益
(ユーロ)
4.87
4.60
5.9
1.13
1.14
-0.9
1,114.8
1,157.3
- 3.7
125.7
280.0
-55.1
純利益
純金融負債
2015 年
12 月 31 日
2014 年
12 月 31 日
12,653.7
559.1
全文リリースはウェブサイト上の英文資料をご参照ください。
http://news.merck.de/N/0/E9FAE38C8400CF88C1257F6F00629D01/$File/Merck_FY2015_EN.pdf
メルクについて
Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノ
ロジーの企業です。がんや多発性硬化症を治療するためのバイオ医薬品療法から、科学研究と生産に関する最先端システ
ム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約 5 万人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一
層の進歩を目指しています。2015 年は 66 カ国で 128 億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは 1668 年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、創業家が今でも上場企業が率いるグループの
株式の過半数を保有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、ドイツのダルムシュタットに本社を置く
メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国では EMD セローノ、ミリポアシグマ、EMD パフォーマンスマテ
リアルズとして事業を行っています。
メルク株式会社はメルクの日本法人として1968年に設立。液晶や顔料などの化学品の研究開発・製造・販売や、試薬・分析
機器などバイオサイエンス基礎研究や医薬品製造、創薬にかかわるライフサイエンス関連製品・サービスを手がけています。
2011年に日本ミリポア株式会社を吸収合併、2014年にはグループ傘下にAZエレクトロニックマテリアルズを統合。パフォー
マンスマテリアルズとライフサイエンスの両分野で高付加価値製品とソリューションを幅広く提供しています。
メルク株式会社についての詳細は、www.merck.co.jp をご覧ください。
メルクセローノ株式会社は、ドイツ・ダルムシュタットに本社を置くメルクのバイオ医薬品部門の日本法人で、2007 年 10 月 1
日に発足し、がん及び不妊治療領域を重点領域としています。
メルクセローノ株式会社の詳細については www.merckserono.co.jp をご覧ください。
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