Merck、戦略的施策が奏功し

ニュースリリース
2015 年 3 月 19 日
※本ニュースリリースはドイツ本社 3 月 3 日発表英文ニュースリリースの抜粋・抄訳です。
Merck、戦略的施策が奏功し、過去最高となる 2014 年度業績を発表
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好調な事業運営と AZ エレクトロニックマテリアルズの買収効果で、売上高(5.5%増)、一時費
用計上前 EBITDA(4.1%増)ともに過去最高水準を達成
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グループの 4 事業部すべてで本業の伸びを記録
新興市場での事業が売上拡大を牽引
将来のさらなる成長に向けた事業基盤を確立
売上高、一時費用計上前 EBITDA ともに当初目標を達成
昨年から 5.3%増の 1 株当たり 1.0 ユーロの配当案を提出
メルク株式会社(本社: 東京、会長兼社長カール・レーザー)及びメルクセローノ株式会社(本社: 東京、代
表取締役社長ジェームス・フェリシアーノ)の親会社である Merck(本社: ドイツ・ダルムシュタット、会長カー
ル-ルドウィッグ・クライ、以下メルク)は 3 月 3 日、2014 年度の決算を発表しました。2014 年度は重要な戦略
的施策を複数完了し、当初の事業目標を達成しました。
メルク会長のカール-ルドウィッグ・クライは、「2014 年度、当社はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマ
ンスマテリアルズの 3 つの事業分野全てを強化し、AZ エレクトロニックマテリアルズの買収やシグマ アルド
リッチへの買収提案、腫瘍免疫学分野におけるファイザーとの提携など、今後の成長に向けた事業基盤を
確立することができました。こうした取組は、いずれも当社の長期的な変革・成長戦略に基づいています。患
者様やお客様のより良い生活の実現に貢献するという目標に向け、当社は高度に専門化したグローバルテ
クノロジー企業への変革を進めております」と述べています。
2014 年通期のメルクグループの総売上高は 2013 年の 111 億ユーロから 3.7%増の 115 億ユーロ、売上高
は 2013 年の 107 億ユーロから 5.5%増の 113 億ユーロへと拡大しました。これは主として、本業の 4.0%の
伸びに加えて、AZ エレクトロニックマテリアルズの買収に伴う 3.3%の売上増加によるものです。同時に、為
替変動により 1.8%のマイナスの影響を受けています。
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メルクグループの 2014 年の営業利益(EBIT)は 18 億ユーロで、2013 年の 16 億ユーロから 9.4%の大幅な
増加となりました。また、メルクグループが事業運営を図る上で主要な決算指標とする一時費用計上前
EBITDA は、2013 年の 33 億ユーロから 4.1%増えて 34 億ユーロになりました。これは、好調な業績および
AZ エレクトロニックマテリアルズの買収効果によるものです。2014 年は、ロイヤリティ、ライセンスおよび手
数料収入が 2013 年の 3 億 9,500 万ユーロから 47%減の 2 億 900 万ユーロと急激に低下したものの、ここ
でも堅調な業績の伸びと事業拡大がマイナス分の相殺に大きく貢献しました。株主に帰属する税引き後の
2014 年通期の純利益は 11 億 5,700 万ユーロで、2013 年の 12 億 200 万ユーロから 3.7%減少しました。
これは 2013 年度の所得税率が 13%と極めて低水準であったことにより、一時的な恩恵が生じたことによる
ものです。
2014 年 6 月に実施した 1:2 の株式分割を考慮した一時費用計上前 1 株当り利益は、2013 年の 4.39 ユー
ロから 4.8%増の 4.60 ユーロとなりました。これに基づき、メルクは定時株主総会において前年比 0.05 ユー
ロ増となる 1 株当り 1.0 ユーロの配当を提案する予定です。
AZ エレクトロニックマテリアルズの買収に関連して約 19 億ユーロの支出があり、2014 年 6 月 30 日時点の
純金融負債は 22 億ユーロへと一時的に上昇しましたが、2014 年の純金融負債は 5 億 5,900 万ドルと、
2013 年の 3 億 700 万ユーロを 2 億 5,200 万ユーロ上回るに留まりました。これは、メルクグループ内にお
ける資金調達力の高さを改めて証明するものであり、シグマ アルドリッチの買収に向けて十分な支払能力
を有していることを示しています。なお、2014 年 12 月 31 日時点におけるメルクグループの全世界の従業員
総数は 39,639 人でした(2013 年 12 月 31 日時点における従業員総数は 38,154 人)。
メルクグループは、売上高、一時費用計上前 EBITDA ならびに一時費用計上前 1 株当たり利益について、
穏やかな伸びを見込んだ業績予想を達成しました。しかしながら、微増を見込んだ営業フリーキャッシュフ
ローについては、当初見通しの達成に至りませんでした。
各事業部の概要
メルクセローノ事業部 ‐ 新興市場が本業の成長を牽引
メルクのバイオ医薬品事業部門であるメルクセローノ事業部は、2014 年度に本業の売上を 3.6%伸ばし、過
去最高を記録しました。為替変動による 1.9%のマイナスの影響を含めた事業部全体の売上高は、前年比
1.7%増の 58 億ユーロに拡大しました。ほぼすべての疾患領域が売上増に貢献し、中でも最も大きく本業の
売上を伸ばしたのは不妊治療用製品群でした。地域的には、新興市場で最も大きな売上の伸びを達成しま
した。
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がん治療薬 Erbitux は 2014 年に本業の売上が 5.9%増加し、為替による 3.4%のマイナスの影響を含めた
売上高は前年から 2,200 万ユーロ増加して 9 億 400 万ユーロとなりました。また、不妊治療用の遺伝子組換
え型製剤の有力製品である Gonal-f は、本業の売上を前年から 9.1%伸ばし、為替によるマイナスの影響を
含めた売上高は 6 億 2,800 万ユーロに増加しました。
メルクセローノ事業部の 2014 年の研究開発費は前年を上回りました。これは、戦略的に重要なパイプライン
プロジェクトに引き続き重点的に取り組む一方で、より将来性の低いプロジェクトの研究開発を中止したこと
によるものです。また、2014 年の同事業部のロイヤリティ、ライセンス、手数料収入は前年の 3 億 7,200 万
ユーロから 1 億 9,200 万ユーロと、48.5%の大幅減になりました。その他の営業費および純利益については
大幅な改善が見られ、一時費用計上前 EBITDA は 18 億ユーロと 2013 年の 19 億ユーロから 1.3%減に留
まりました。
コンシューマヘルス事業部 ‐ 中核事業で確実な成長を達成
市販薬の製造・販売を行うコンシューマヘルス事業部の 2014 年の売上は 7 億 6,600 万ユーロで、2013 年
の 7 億 4,200 万ユーロから 3.2%増でした。本業の売上の 5.4%の増加は、為替変動による 2.2%のマイナス
の影響で押しとどめられました。一時費用計上前 EBITDA は前年の 1 億 7,200 万ユーロから 1 億 6,900 万
ユーロになり、戦略ブランド強化に向けた販売促進費が前年を大幅に上回ったにもかかわらず、利益率では
ほぼ前年並みを達成しました。
パフォーマンスマテリアルズ事業部 ‐ AZ エレクトロニックマテリアルズの買収効果と本業の成長で売上を
大幅拡大
特殊化学品事業を手掛けるパフォーマンスマテリアルズ事業部の 2014 年の売上は、2013 年の 16 億ユー
ロから 25.4%増の 21 億ユーロとなりました。本業の売上を 4.1%増と着実に伸ばしたことに加え、買収に伴う
売上が 22.8%と大幅に増加し 3 億 7,500 万ユーロとなり、事業部全体の業績が急速に拡大しました。事業部
全体の売上に関し、為替変動によるマイナスの影響は 1.5%でした。また、すべての事業ユニットが、事業部
全体の本業の伸びに貢献しました。中でも売上の伸びに最も大きく貢献したのが、メルクがグローバル市場
のリーダーとしてイノベーションを牽引する液晶事業で、ウルトラ HD を始めとする高品位大型テレビに対す
る強い需要の恩恵を受けました。さらに、次世代スマートフォンやタブレット PC のディスプレイ向け新技術で
ある省エネ性能の高い UB-FFS (Ultra-Brightness Fringe Field Switching)の売上拡大も事業部の売上の
伸びに貢献しました。
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ピグメンツ&コスメティクス事業ユニットの 2014 年の本業の売上は、前年をわずかに上回りました。売上の伸
びは、主として自動車用高品質塗料として使用される Xirallic 顔料と機能性材料によるものです。有機 EL
ディスプレイ材料の高い需要に支えられた先端技術事業ユニットも、パフォーマンスマテリアルズ事業部の
本業の伸びに大きく貢献しました。
2014 年の事業部全体の一時費用計上前 EBITDA は、特に AZ エレクトロニックマテリアルズの買収効果に
より、2013 年の 7 億 8,000 万ユーロから 8 億 9,500 万ユーロへと 14.8%拡大しました。
メルクミリポア事業部 ‐ バイオ医薬品業界の強い需要で業績を拡大
ライフサイエンス向けビジネスを展開するメルクミリポア事業部は、主としてプロセスソリューションズ事業の
好調な業績に牽引され、4.5%増と本業の売上を堅調に伸ばしました。地域的には、新興市場で極めて好調
に売上を拡大しました。為替によるマイナスの影響と Discovery and Development Solutions 事業の売却に
よって相殺されたものの、事業部全体の 2014 年の売上高は 27 億ユーロとなり、2013 年の 26 億ユーロか
ら 2.1%増でした。事業部の一時費用計上前 EBITDA は、2013 年の 6 億 4,300 万ユーロから 2.5%増の 6
億 5,900 万ユーロとなりました。
医薬品製造向け製品等を扱うプロセスソリューションズ事業ユニットは、本業の売上が前年比 8.9%増と、特
に顕著に業績を拡大しました。これは主として、バイオ医薬品業界向けの消耗品や精製ソリューションへの
需要の高まりによるものです。研究者・研究機関向けに幅広い製品を提供するラボソリューションズ事業ユ
ニットの本業の売上の伸びは 1.9%でした。医薬品研究開発部門や学術研究機関向けの製品・サービスを手
がけるバイオサイエンス事業ユニットの本業の売上は、抗体の需要が低下したこともあり前年から 0.5%減と
若干の減少となりました。
メルク会長のカール-ルドウィッグ・クライは、「当社は患者様やお客様、地域社会の成長に貢献するソリュー
ションを提供しており、当社ライフサイエンス事業はまさにこれを実行しています。今回予定しているシグマ
アルドリッチの買収を通じて、この事業をさらに拡大し、世界各国の研究機関や関連業界のお客様に対し、
より幅広い製品をお届けしたいと考えています」と述べています。
2015 年度予測:本業の売上および一時費用計上前 EBITDA は微増の見通し
2015 年度のメルクグループの本業の売上は、為替による穏やかなプラスの影響を受け、前年から若干の増
加を見込んでいます。さらに、AZ エレクトロニックマテリアルズの統合効果が通年に渡って計上されることに
よって、ポートフォリオ拡大による若干のプラスの影響が予想されます。2015 年は予定されている事業展開
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と為替によるプラスの影響が見込まれることから、一時費用計上前 EBITDA は若干の上昇が予想され、少
なくとも 2015 年も 2014 年並みの水準を達成する見通しです。
メルクグループの主要決算指標 (100 万ユーロ)
2014 年
増減(%)
2014 年
第 4 四半期
2013 年
第 4 四半期
増減(%)
総売上高
11,500.8
11,095.1
3.7
3,036.4
2,741.8
10.7
売上高
11,291.5
10,700.1
5.5
2,976.5
2,636.3
12.9
営業利益(EBIT)
1,762.0
1,610.8
9.4
432.8
264.2
60.4
EBIT 利益率(%)
15.6
15.1
14.2
10.0
3,122.9
3,069.2
804.2
725.9
27.7
28.7
27.0
27.5
3,387.7
3,253.3
878.4
795.2
一時費用計上前 EBITDA 利益率(%)
30.0
30.4
29.5
30.2
一時費用計上前 1 株当たり利益
(ユーロ)1
4.60
4.39
4.8
1.14
1.06
7.5
1 株当たり利益(ユーロ)1
2.66
2.77
-4.0
0.64
0.65
-1.5
2,605.1
2,960.0
-12.0
674.7
730.5
-7.6
559.1
306.6
82.3
1,157.3
1,202.2
-3.7
EBITDA
EBITDA 利益率(%)
一時費用計上前 EBITDA
営業フリーキャッシュフロー
純金融負債
(2014 年 12 月 31 日時点)
純利益
1
2013 年
1.7
4.1
280.0
10.8
10.5
280.6
-0.2
株式分割を考慮し、前年度の数値を調整
全文リリースはウェブサイト上の英文資料をご参照ください。
http://news.merck.de/N/0/5B0DAA780E3C646BC1257DFC005F48E3/$File/Press_release_FY2014
_EN.pdf
メルクについて
Merck(メルク)は、ヘルスケア、ライフサイエンス及びパフォーマンスマテリアルズ分野において、最高水準の品質と高度な
技術に基づく革新的な製品を提供するリーディングカンパニーです。メルクセローノ、コンシューマヘルス、アレルゴファーマ、
バイオシミラー、メルクミリポア、パフォーマンスマテリアルズの 6 事業部を有し、2014 年の売上高は約 113 億ユーロとなって
います。世界 66 カ国におけるグループ従業員約 39,000 名が、患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上や顧客企業の支援、
グローバルな課題の解決に向け取り組んでいます。
メルクは世界で最も歴史の古い医薬・化学品会社です。1668年以来、革新性、事業の成功及び責任ある企業家精神を標榜
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しています。メルクの創業家は全体の約70%の株式を保有し、今日にいたるまで株式の過半数を所有し続けております。
EMD Serono, EMD Millipore, EMD Performance Materials として事業を行っているカナダ及びアメリカ合衆国を除き、ドイ
ツ・ダルムシュタットのメルクはMerckの名称及びブランドのグローバルな権利を有しています。
メルク株式会社はメルクの日本法人として1968年に設立。液晶や顔料などの化学品の研究開発・製造・販売や、試薬・分析
機器などバイオサイエンス基礎研究や医薬品製造、創薬にかかわるライフサイエンス関連製品・サービスを手がけています。
2011年に日本ミリポア株式会社を吸収合併、2014年にはグループ傘下にAZエレクトロニックマテリアルズを統合。パフォー
マンスマテリアルズとライフサイエンスの両分野で高付加価値製品とソリューションを幅広く提供しています。
メルク株式会社についての詳細は、www.merck.co.jp をご覧ください。
メルクセローノ株式会社は、ドイツ・ダルムシュタットに本社を置くメルクのバイオ医薬品部門の日本法人で、2007 年 10 月 1
日に発足し、がん及び不妊治療領域を重点領域としています。
メルクセローノ株式会社の詳細については www.merckserono.co.jp をご覧ください。
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