第一席 茶道を通して学んだこと 植田 友希子

第一席
茶道を通して学んだこと
「茶道部って、何をするの?」
鳥取市立北中学校二年(鳥取県)
「これは鮎。こっちの四角いのは氷室だよ。夏になるからね」
と教えてくださいました。
日本は一年間のうちに、春夏秋冬という四つの季節があります。
茶道は、お菓子を通して、日本の自然を感じられる素晴らしいもの
だと感じました。
入部してしばらくすると、盆を使ったお点前のお稽古が始まりま
した。お茶を点てる以外に何をするかよく知らなかった私は、動作
「茶道」といえば「お茶を
としか答えることが出来ませんでした。
飲む」というイメージしかなかったからです。
お茶を点てる以外の小さな動きもとても大事だと感じるようにな
りました。
りました。
植田 友
希子
の決まりの多さに驚きました。畳の上での歩き方、立ち方、座り方、
道具の扱い方など、たくさんの決まりがありました。初めは「多す
ぎて覚えられるはずがない」と思いました。しかし、それらの動作
しかし、茶道部で活動をするうちに、そのイメージは変わりまし
た。
二年生になり、山陰地区大会に参加しました。お家元もいらっしゃ
るとても大きな大会です。多くの方の前でお点前をすることになり、
が道具を清めるため、お客様に敬意を表すためなど、それぞれが意
入部して一ヶ月ほどしたある日、次の日の部活のため、お菓子を
買いに行きました。店に着いて棚を見ると、
「桜」や「あけぼの」な
お稽古の成果を発揮するため、がんばりました。
夏が近づいてきたとき、再びお菓子を買いに行きました。そこで
私は驚きました。この間まではあった春らしいお菓子はなくなり、
のだ」と驚きました。着物も季節感があり、とてもきれいでした。
いらっしゃって、「鳥取にもこんなに茶道をしている人がおられるも
味を持っていることを知ると、次第に覚えることができるようにな
ど、春らしい名前のお菓子が並んでいます。その日は「桜」を買っ
茶道部に入ったばかりだった私は、
「お茶を飲む…」
て、学校へ戻りました。
大会では、お菓子はもちろん、お花やお茶碗なども、季節に合っ
たものになっていました。私のお点前が始まると、たくさんの方が
魚の形や、白く四角い形をしたお菓子が並んでいるのです。お店の
大会を通して、「茶道はお茶を点てるだけではない」ということを実
私は茶道部に入って変わりました。茶道の中にある季節を大切に
感しました。
方に、
「これは、何ですか?」
と尋ねると、
する思いを感じました。ひとつひとつの動作の大切さも分かりまし
た。また、着物など、茶道以外の日本の伝統文化にも興味を持つよ
うになりました。今では、浴衣・着物の着付け教室に通っています。
これからも茶道を通して、さまざまな日本の文化を学んでいきた
いと思います。そして、それらをたくさんの人に伝えていきたいで
す。