知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

い~な
あまみ
中 央
しらさぎ
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 1598 号 2013.10.24 発行
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コミックエッセー:発達障害の彼女と一歩ずつ 聴覚障害の男性が出版
毎日新聞 2013 年 10 月 22 日
発達障害のある「彼女」との日常を描いたコミックエッセーを、聴覚障害を持つくらげ
さん(29)=ペンネーム、千葉県市川市=が出版した。彼女が生活の中でぶつかる困っ
たことを、一緒にもがきながら受け止めていく姿が共感を呼んでいる。【下桐実雅子】
くらげさんは「私が書けるのは、彼女という人間を通した発達障害との付き合い方。自
分の考えを少し変えれば、お互いに楽になれる。楽しく読んでもらえれば」と話す。
「ボクの彼女は発達障害〜障害者カップルのドタバタ日記〜」(学研教育出版)。くらげ
さんは進行性の難聴だが、21歳で人工内耳の手術を受け、一対一での会話ならさほど不
自由しない。5年前、ネット上の掲示板をきっかけに「あおさん」(27)と知り合い、交
際するようになった。あおさんとのやりとりを投稿していたツイッターが編集者の目に留
まり、出版に至った。
あおさんは自閉症スペクトラム障害と診断されている。本では、あおさんの季節感に乏
しい独特の服装を変えさせようとして、けんかになった失敗談を紹介。食事のメニューを
選べない▽計算が苦手で財布の中がいつも小銭だらけ▽「朝専用」をうたう缶コーヒーは
夜飲めないと思っている−−などのエピソードを、二人の会話を通じて明るく描く。
「障害を持っていることが魅力でもある。私自身も障害に悩んできたが、彼女と付き合
うことで障害を受け入れられるようになった」と、くらげさん。本ではそれぞれのエピソ
ードについて、発達障害の専門家の解説も添えている。
発達障害の家族がいる読者からは「自分が頑張らなくても、寄り添えばいいんだと分か
り、肩の力が抜けた」などの反響が多いという。
障がい者芸術文化祭 キャラ名「アートリピー」
読売新聞 2013 年 10 月 23 日
愛称が「アートリピー」に決まった全国障がい者芸術・文化祭とっとり大
会キャラクター(県提供)
来年7月~11月、県内で開かれる「第14回全国障がい者
芸術・文化祭とっとり大会」の実行委員会総会が22日、鳥取
市内であり、大会の愛称が「あいサポート・アートとっとりフ
ェスタ」
、大会キャラクター・トリピーの愛称が、芸術にちなんだ「アートリピー」=写真
=に決まった。
今年7~9月、大会とトリピーの愛称を募集、大会愛称は190点、トリピー愛称は2
24点の応募があった。トリピーはベレー帽とスカーフ姿で、芸術や文化を象徴する絵筆
やパレット、楽器などが一緒に描かれている。
総会では、同大会の開催計画案も了承。「国際障がい者アート展」や特別支援学校の合同
音楽祭、コンサートや演劇、障害者と芸術家の共同作品制作などが行われることも決まっ
た。
参加した委員からは、
「障がいを知り 共に生きる」の大会テーマに沿い、多くの障害者
や健常者が参加できるよう、交通手段や参加方法などに工夫を求める意見が挙がった。
アートトラックほのぼの発進
佐賀・鳥栖
朝日新聞 2013 年 10 月 22 日
アートトラックの前であいさつする福岡運輸の富永泰輔社
長=佐賀県鳥栖市
【宮田富士男】大型トラックのボックス部分を知
的障害者の絵で飾った「アートトラック」が21日、
佐賀県鳥栖市幡崎町の福岡運輸九州配送センター
で披露された。
原画を描いたのは、福岡市の指定障がい福祉サー
ビス事業所「ひまわりパーク六本松」に通う川崎光
義さん(59)と秋穂治巳さん(43)。2人は8
年前から絵を描き始めた。川崎さんは少女や動物を鮮やかで派手な色づかいで表現。秋穂
さんはネコや熊などをほのぼのとした感じで描いた。
原画をもとにしたシールをはり付けた10トントラックは福岡から東京や大阪までを往
復する予定。川崎さんは「採用されてうれしい」と喜んだ。
障害者の作品を商品化して、利益を障害者に還元する「だんだんボックス実行委員会」
(神
崎邦子代表)の活動を知った、福岡運輸(福岡市)の富永泰輔社長(38)が昨年、アー
トトラックの導入を決め、ひまわりパーク六本松に原画を依頼した。神崎代表は「このト
ラックを見て、優しさのネットワークが広がれば」
。
障害者アート:輝く 26、27日・中央区でコラボファッション展示会 滋賀のアーティ
スト作品ベースに /大阪
毎日新聞 2013 年 10 月 22 日
障害者アートの魅力を広める活動に取り組むクリエーターチーム「PR−y(プライ)」
がファッションブランド「NUDE:MM」とコラボレーションした洋服の展示会が今月
26日、27日の両日、大阪市中央区で開かれる。知的障害者の創作活動に力を入れる滋
賀県甲賀市の社会福祉法人「やまなみ工房」
(http://a-yamanami.jp/)のアーティストの作品
をデザインのベースにしており、関係者は「洋服を通して障害者アートの持つ力を知って
ほしい」と話す。
【石戸諭】
「PR−y」
(http://www.pr-y.org/)は大阪市の広告会社役員、笠谷圭見(よしあき)さん
(44)が主宰し、カメラマンらと11年から活動を始めた。笠谷さんは長男(9)が幼
少期に軽度の自閉症と診断されてから障害者施設に通いだし、制作されている独特の魅力
を持つアート作品に引き込まれたという。
「PR−y」と「NUDE」のコラボは13年春夏シーズン向け商品に続いて2回目。前
シーズンは大阪市の障害者施設「アトリエコーナス」のアーティストの作品をもとにした
Tシャツ、シャツなどを展開した。作品の持ち味を生かした洋服は国内外で販売され、ミ
ュージシャンの斉藤和義さんも着用するなど話題を呼んだ。
今回は笠谷さんがやまなみ工房に提案を持ちかけ、コラボが実現した。ホームページの
リニューアルも笠谷さんらが手がけ、「NUDE」のデザイナー、丸山昌彦さん(45)も
加わって、デザインのベースになる作品が決定。14年春夏シーズンの新作として販売す
ることになった。
パリや東京で開かれたバイヤー向けの展示会では、作品を大胆に配置したジャケットや
ストールが並んだ。モノトーン中心のシンプルな配色の中に、生地をいかしたデザインを
施す「NUDE」の特徴とアーティストの感性が合致したものに仕上がっている。
笠谷さんは「コラボを通して、既成概念にとらわれない彼らの作品が持つ力を知っても
らいたい」と話す。
展示会はリッシ(大阪市中央区船越町1、06・4794・1500)で開かれる。入
場無料。ベースになった作品も一緒に展示され、男女ともに試着やオーダーが可能。
個性光る力作ずらり 障害者芸術祭エナジー2013開幕
徳島新聞 2013 年 10 月 22 日
個性あふれる作品が並ぶ徳島障害者芸術祭エナジー2013=県
立近代美術館ギャラリー
芸術創作を通じて障害者の自立と共生社会の実現を目
指す「第19回徳島障害者芸術祭エナジー2013」
(徳
島新聞社、徳島新聞社会文化事業団、ねっとわ~くAs
主催)が22日、徳島市の県立近代美術館ギャラリーと
県立21世紀館多目的活動室で始まった。27日まで。
県内の219人と28グループが絵画や書道、写真、
工芸など247点を出品。最優秀賞のエナジー大賞には、
障害者支援施設「草の実学園」
(鳴門市大麻町板東)の川口和子さん(61)のアクリル画
「魚つり」と、障害者支援施設「野菊の里」
(吉野川市鴨島町敷地)の利用者約30人によ
る立体アート「のぎくの木」が選ばれた。
川口さんの作品は、赤や緑、水色などで魚を表現し、勢いのあるタッチが印象的だ。「の
ぎくの木」は、10本ほどの流木を牛乳パックをちぎった紙で固めて組み合わせた作品。
葉の形の陶芸作品を張り付け、大樹を表現した。
このほか、ビルをかたどった陶芸やカラフルな色合いの七宝、大きな渦潮を描いた藍染
など、趣向を凝らした作品がずらりと並ぶ。小松島市田浦町東内、自営業森光さん(76)
は「個性が存分に発揮された作品ばかりで、パワーをもらっている」と感心していた。
午前10時から午後5時まで(27日は午後4時まで)で、入場無料。
障害者就労支援:ピザ移動販売車完成 角田の社福法人「臥牛三敬会」、山元の仮設でお披露
目 /宮城
毎日新聞 2013 年 10 月 22 日
障害者の就労支援として、県内で多機能型施設・店舗を運営する社会福祉法人「臥牛三
敬会」
(角田市、湯村利憲理事長)が製作を進めていた「石窯搭載ピザ移動販売車」が完成
し、山元町坂元の「中山熊野堂仮設住宅」で21日、お披露目会があった。
同法人は角田市や川崎町などで8店舗を運営し、障害者がパンやピザ、菓子類の製造販
売や企業からの下請け作業などをしている。しかし、東日本大震災の津波で山元町内2店
舗と多賀城市内1店舗が流出。山元町の住民から「もう一度、地元特産のホッキを使った
ピザが食べたい」との声が上がり、日本財団の助成補助金(400万円)を活用し、約5
30万円をかけて窯搭載ピザ車を製作した。
お披露目会には同仮設住宅に入居している被災者が参加。山元町の斎藤俊夫町長が「被
災した2店舗は地域住民に親しまれてきただけに残念だった。以前の店舗型とは違うが、
就労支援が再開でき大変ありがたい」とあいさつ。テープカットの後、石窯で焼いたピザ
や、同法人の施設で作っているギョーザ、ジェラート、だんごなどが振る舞われた。
同町ではホッキ漁が再開していないため、
「ホッキピザ」には北海道産を使ったが、同仮
設住宅の鈴木勝雄行政連絡員代表(66)は「震災以来ピザを食べておらず、磯の香りが
して格別の味だった」と語り、ピザの復活を喜んでいた。【豊田英夫】
トイレ清掃:田川の障害者作業所、市の委託で 優先推進法で発注増に期待 /福岡
毎日新聞 2013 年 10 月 22 日
田川市で障害者作業所を運営する「つくしの里福祉会」が今年度、市内5カ所の公衆ト
イレ清掃の業務委託を受け、通所の男性3人が働いている。同市の清掃業務を障害者が担
うのは今回が初めて。今年4月、障害者施設の商品やサービスを国や自治体が積極活用す
る「障害者優先調達推進法」が施行され、障害者施設への発注増が期待されている。
業務にあたるのは、身体のまひなどがある20〜50代の男性3人。6月から平日の午
前中、商店街そばのトイレを巡回し、床にブラシをかけたり、手洗い場を拭いたりする。
ブラシを手にした松上進さん(52)は「きれいになるので、気分が良い」
。地域に出るこ
とで、近くの商店主らとの交流も増え、施設職員の白石亮さんは「施設内と違う仕事の厳
しさにも触れながら、継続的に働く力を身につけられれば」と話す。
推進法は、障害者の就労機会拡大や工賃増を目指し、省庁や都道府県、市町村が毎年度、
障害者施設の商品やサービスを購入する予定額など調達方針を公表、その実績も示すよう
定めている。田川市は調達方針を策定中だが、清掃業務を管轄する市環境対策課の鶴川靖
孝係長は「仕事ぶりを知ってもらうことで、就労の可能性が広がっていけば」と話してい
る。
【青木絵美】
障害者自立へ就労を支援 空き店舗で製作品販売
山陽新聞 2013 年 10 月 23 日
備前焼や手芸品など障害者が作った商品が並ぶ店内
備前市西片上の片上商店街に、障害者が作った商品
を販売する「ニコニコ堂」がオープンした。空き店舗
を活用し、就労による障害者の自立と商店街活性化へ
の貢献を目指す。
NPO法人「あおぞら会」
(岡山市中区倉田)が運営
する県内3店目。「きずな」(備前市西片上)をはじめ、同法人が備前、岡山市で営む4事
業所の知的、身体障害者らが備前焼の食器や草木染、ラスクなどを出品。他の障害者施設
の商品も取り扱う。店内では「きずな」の利用者7人が手芸品の製作や陳列、レジを担当
する。出店には、改装や設備費用の3分の1(上限100万円)を補助する同市の空き店
舗対策事業を活用した。同法人の岡田伸政常務理事は「障害者福祉の発信基地として収益
を上げ、賃金に反映させたい。商店街のにぎわい創出にもつながれば」と話している。
営業は午前10時~午後5時。日曜定休。
児童虐待対応素早く 県と県警連携強化
読売新聞 2013 年 10 月 23 日
児童虐待の立ち入り調査を想定した訓練
児童虐待が疑われる家庭への立ち入り調査を想定し、
県と県警は22日、関市の県警察学校で実践的な合同訓
練を実施した。両者の合同訓練は初めてで、お互いの連
携を深めるのが目的。担当者は「児童虐待と疑われるケ
ースはすぐに通報を」と呼びかけている。(宮地語)
「虐待なんかしていない。いいから早く帰って」
。県警
察学校内の模擬家屋で、強く抵抗する母親の声が響いた。
家庭への立ち入り調査に訪れた県子ども相談センター
(児童相談所)職員や警察官らが説得を続けるが、母親は一向に応じない。さらに説得を
続けたり、ドアチェーンを切断したりしてようやく母親を制し、室内の女児を保護した。
県と県警が初めて合同で行った訓練の一コマだ。
訓練は、子ども相談センターの職員や警察官が、興奮する親を冷静な口調でなだめ、強
制手続き等の臨検捜索許可状を示すタイミングなどを確認しながら、実際のケースを想定
して行われた。県警によると、児童虐待の件数は2011年に過去最多の92件を記録。
昨年はやや減少したものの、今年は9月末現在ですでに79件と、11年に迫るペースと
なっているほか、児童虐待に関する通報や相談の件数も年々増加傾向にあるという。
県では、児童虐待に対応するため、県内5か所に子ども相談センターを設置。全国共通
ダイヤル(0570・064・000)で24時間、児童虐待に関する相談や通報を受け
付けている。また、各市町村でも対応窓口を設けている。
県子ども家庭課の村瀬康仁・児童虐待対策監は「児童虐待で最も重要なのは、早期の発
見と対応。少しでも児童虐待の疑いを感じたら、遠慮せずに通報してほしい」と話してい
る。
児童虐待予防
妊娠期から
助産師が支援/相談窓口を設置
読売新聞 2013 年 10 月 22 日
助産師を対象にした虐待予防の研修会。困難を抱える妊婦への対応などを学んだ(大阪
市内で)
児童虐待が後を絶たないなか、母親を孤立させないように妊娠期からサポ
ートする取り組みが広まってきた。
虐待で死亡した子どもの4割以上を0歳児が占めるためで、関係者は「出
産前から切れ目のない支援が必要」と訴える。
大阪府助産師会は8月から、府の委託を受けて虐待予防の研修会を始めた。
「虐待の背景には、望まない妊娠や貧困など複雑な要因がある。相談する相手がいなく
て困っている妊婦の力になってほしい」
。9月末に大阪市内で開かれた研修会では、府立母
子保健総合医療センターの佐藤拓代・企画調査部長の話を、病院などで働く助産師16人
が熱心に聞いていた。
府では、妊婦健診をほとんど受けずに出産する未受診妊婦が昨年、調査開始以来で最多
の307人に上った。児童虐待につながる恐れも指摘されており、妊婦と接する機会が多
い助産師に着目して、妊娠期からの支援強化に乗り出した。
研修は計6日間。自治体など関係機関との連携方法やカウンセリング技術など、未婚や
若年といった困難を抱える妊婦を見つけた場合の対応を学んだ。今後は職場や地域でリー
ダーとして活動する。参加した助産師の小西知子さん(44)は「支援を必要としている
人を見つけ出す力を養っていきたい」と意気込む。
厚生労働省の児童虐待に関する専門委員会の検証結果では、2005年1月~12年3
月に虐待死した子ども420人(心中は除く)の44%にあたる184人が0歳児。この
うち76人は生まれた日に亡くなり、加害者のほとんどが実母だ
った。背景にある問題(複数回答)では、望まない妊娠(88人)
や妊婦健診未受診(83人)が多く、10代の妊娠(74人)も
目立つ。
こうした結果から、同省は11年7月、自治体に妊娠などの悩
みに応じる相談体制の整備を通知。これを受けて、妊娠に特化し
た相談窓口の設置が各地で進んでいる。
三重県は昨年11月、電話相談「予期せぬ妊娠『妊娠レスキュ
ーダイヤル』
」を開設。助産師や看護師らでつくるNPO法人「MCサポートセンターみっ
くみえ」
(三重県桑名市)が運営にあたっている。
9月末までに43件の相談があり、ほぼ半数が10代。「産むか迷っている」など切実な
内容が多く、相談者の状況に応じて、病院などを紹介する。松岡典子代表は「妊娠相談と
明確にしたことで、
『ここなら聞いてもらえる』と安心し、電話しやすくなっているようだ」
と話す。
虐待につながるかもしれない〈芽〉を早期に発見し、関係機関に連絡する仕組みを整え
る動きもある。
岡山県産婦人科医会は11年1月から、「妊娠中からの気になる母子支援連絡票」を県内
の産科施設に配布している。
医師らが「望まない妊娠」
「胎児への愛着が弱い」など17項目をチェックし、一つでも
該当する妊婦がいれば、医会へ連絡票を送る。医会は、DV被害など緊急性が高いと判断
した場合は、本人の同意がなくても市町村に情報を送り、保健師の自宅訪問など早期支援
につなげる。
妊婦の健康や胎児の発育だけでなく、健診では見過ごされがちだった家庭環境などの社
会的リスクも把握できるようになり、早期にきめ細かな対応ができるようになった。報告
件数は増加傾向で、11年は445件、12年は531件、今年は6月までに274件。
関係機関が連携しやすい仕組みに他県からも注目が集まる。
連絡票を作成した岡山大医学部の中塚幹也教授(生殖医学)は「妊婦の孤立を防ぐため
に、地域の子育て広場と産科施設の連携も進めたい。子育て支援も虐待予防も胎児から、
という視点で、妊娠中から地域で支援できるシステムが必要だ」と指摘する。
(古岡三枝子、
写真も)
「予期せぬ妊娠『妊娠レスキューダイヤル』」などの各地の相談窓口は、厚生労働省の女
性健康支援センター一覧(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken14/)で紹介
している。
「地域支援センター」知って
岡山市役所でフェア
山陽新聞 2013 年 10 月 22 日
介護予防を目的にした体操を体験する市民ら
岡山市の地域包括支援センターをアピールするフェア
(市ふれあい公社主催)が21日、市役所1階市民ホール
で始まった。22日まで。
介護予防ケアプラン作成や高齢者虐待の早期発見・防止
といった同センターの業務などを記したパネルを展示。管
理栄養士が応じる栄養相談、介護福祉士による認知症予防
ゲームなどのコーナーを設けている。介護予防のための体
操体験もある。同センターは市が市内6カ所に設置し、運営を同公社に委託。フェアは2
006年度から毎年開かれ、8回目。
被災した障害者招き 災害弱者支援考える
朝日新聞 2013 年 10 月 22 日
学園祭に向けて話し合う小川研究室の学生たち=神奈川工科大
神奈川工科大(厚木市)の小川喜道教授(障害者福祉論)の研究
室は11月9日の学園祭で、「震災と障害者」をテーマにしたイベ
ントを開く。岩手と福島で被災した障害者ら2人を招き、「災害弱
者」への支援のあり方を考える。
ドキュメンタリー映画「逃げ遅れる人々~東日本大震災と障害
者」(74分、飯田基晴監督)を上映。その後、岩手県釜石市で認
知症高齢者のデイサービスセンターを運営する古川貞治さん(39)と、福島県いわき市
出身の障害者、小野和佳さん(30)を交えて討論する。
震災時、古川さんのデイサービスセンターは1階が津波で水没し、高齢の入居者らをテ
ーブルの上に乗せ、職員が体を支えながら全員の命を守った。自宅も津波で流され、仮設
住宅に暮らしている。
小野さんは、NPO法人いわき自立生活センターの職員だった時に被災し、車いすでの
避難に苦労した。いまは相模原市に移住している。
小川教授の研究室は4月からイベントの準備を進めてきた。4年生の安楽智樹さん(2
2)は卒論研究で、停電時、電動車いすの利用者が何を備えたらいいかなどを調べている。
「障害者に大切なことや不安に思うことでも、健常者が気付かないことがある。命に直結
する問題なので、被災者の生の声を聞いて、ぜひ一緒に考えてほしい」と話す。
イベントは午後1時半~午後4時、同大のE3号館で。参加無料。手話通訳とパソコン
要約筆記がある。小川研究室(046・291・3153)へ。
「逃げ遅れる人々~東日本大震災と障害者」の上映会は11月14日、厚木YMCAの
主催で厚木市文化会館ホールでもある。午後6時半開場。入場無料。問い合わせは厚木Y
MCA(046・223・1441)。
石巻の小学校でPTSD恐れの子倍増
余震や仮設生活が影響か
信濃毎日新聞 2013 年 10 月 22 日
大街道小児童の保護者と面会し、相談に乗る古林さん(左)=6
月、宮城県石巻市
東日本 大震災被災
地の宮城 県で松本大
(松本市)の学生が続
ける支援 活動の一環
で、臨床心理士古林康江さん=安曇野市=が、同県石巻
市大街道小学校の児童を対象に7月に実施した3回目
のアンケート結果をまとめた。心的外傷後ストレス障害
(PTSD)になる可能性が「ある」児童が1年前の約2倍になったことが判明。古林さ
んは、余震や、仮設住宅暮らしが続くといった生活環境などが要因とみて、長期的な心の
ケアの必要性を指摘している。
松本大の学生有志らは2011年4月に同小を拠点に支援活動を開始。放課後に勉強を
見る「学習支援」などに取り組む。古林さんは今春まで同大スクールカウンセラーで、今
も月1回、学生らと同小を訪れ、児童や保護者の相談に応じている。
アンケートは全校児童302人の回答を得た。「いやな夢やこわい夢を見る」「いやなこ
とを思い出させる場所や、人やものごとをさけてしまう」など12項目を、
「よくある(3
点)
」
「ある(2点)
」
「すこしある(1点)」
「ない(0点)」の4段階で聞いた。高得点でP
TSDになる可能性が「ある」は12・6%(38人)
。昨年7月のアンケート(316人
が回答)の分析では5・4%(17人)で2倍以上になった=グラフ。得点が少ない層の
可能性が「ほとんどない」は、ほぼ前年と同じ割合だった。
今アンケートで「ときどきおこる地震がこわい」が平均1・08点で、全項目の平均0・
61点を上回った。古林さんは「余震に怖がり、親に抱きつく子がいると聞く。震災後に
父親が単身赴任したり、仮設住宅暮らしが続いたりする家庭環境も影響しているのではな
いか」と分析する。
古林さんによると、阪神大震災で兵庫県教委が同県の小中学校で行った調査では、震災
3年余後に「心の健康に配慮」が必要な子どもの数がピークになったという。
一方、今回新たに「大人になったらやってみたい仕事を思いつく」
「おやつや食事の時間
が楽しみ」など前向きな気持ちを聞く5問を加えた。これらが高い点だった子どもたちは
PTSD関係の問いでは得点が低く、心が安定している傾向がうかがえた。古林さんは「P
TSDになる可能性がある子が増えたが、将来に希望を持てるようになった子も多い。二
極化しないよう方策を考えたい」と話した。
大街道小の佐藤文昭校長は取材に「アンケートを検討し、学校として対応を考えていく」
と話した。
宮城県教委は心のケアを重視し、カウンセラーを全小学校を回るように全市町村に、中
学校は全校に配置している。
論説:福岡医院火災 防火の備え、検証し徹底を
佐賀新聞 2013 年 10 月 23 日
入院患者ら10人が犠牲となった福岡市の整形外科医院の火災は、防火の備えが全く機
能しなかった。医院の対応が不十分なだけでなく、法律や行政の不備も浮き彫りにした。
改めるべきところは改めてほしい。
10人が一酸化炭素(CO)中毒で死亡した。1、2階で死亡した患者8人は70~8
9歳と高齢で、半数が自力で歩けなかった。簡単に逃げられない状況でありながら、出火
時は女性の当直看護師1人だけで初期消火もされなかった。
医院は市消防局に夜間の消火担当者を3人と報告していた。火災安全工学の専門家は「病
院や診療所では年間約150件の火災があるが、ほとんど関係者が消し止めている」と指
摘する。人的な初動態勢が整っていなかった。
設備面でも課題や過失があった。今年2月に長崎市の認知症グループホームで5人が死
亡した火災を受け、総務省消防庁は全グループホームにスプリンクラー設置を義務付ける
方針を決めた。しかし、この医院のように19床以下の「有床診療所」は、延べ床面積6
千平方メートル未満であれば設置義務はない。設置基準の見直しが必要だろう。
防火扉は大半が開いたままで、2カ所は1974年の建築基準法改正後には設置できな
い旧式のものだった。法改正でより安全性の高い「煙感知式」が求められるようになった
が、火元となった1階の階段近くの防火扉は旧式の「熱感知式」で、出火時は開いたまま
だった。
医院は3年前に増築した際に、新式に替える義務があったが放置していた。市消防局は
増築を把握していたが、防火扉を担当する住宅都市局に伝わっておらず、行政側が改善指
導の機会を逃していたことも判明している。
建築基準法は、防火扉と連動する感知器を実際に作動させ、閉鎖するかどうかを確認し
て自治体に報告するよう定めている。ただ対象の建物は自治体の裁量であり、福岡市は有
床診療所を「対象外」にしていた。
消火器や火災報知器など消防設備の点検を定める消防法も歯止めにならなかった。年2
回の点検と年1回の報告を義務とする一方、防火扉の作動確認はこちらでも「対象外」だ
った。地元消防が6月に医院を査察した際も、扉の動きを妨害する障害物の有無を確認し
ただけだ。
医院側の防火意識、順法意識の低さは論外だが、被害拡大を止めきれなかった法や設置
基準の検証が欠かせない。消防庁は早速、有床診療所の火災の初期対応や消火設備の点検
方法を検討する部会を設置するとした。素早く対応してほしい。
厚生労働省によると、診療所数はこの20年で6割減少している。有床診療所の入院費
は看護態勢が整った20床以上の「病院」の半額以下で設定され、長引けばさらに減ると
いう。手薄な当直態勢の背景に厳しい経営状況も指摘されている。スプリンクラーを自主
的に設置するにも負担がかかり、経営難では設備更新を後回しにしかねな
い。
有床診療所は、大病院を退院後も安静が必要だったり、日常生活が困難
だったりする一人暮らしの高齢者の「受け皿」にもなっている。二度と犠
牲を出さないためにも、命を預かる施設の環境づくりには、ある程度の行
政の関与も必要だろう。
(宮崎勝)
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行