MEMO 31 vol. 1759 昭和54年 4 月24日第三種郵便物認可 週 1 回月曜日発行 ウィメンズ・ウエア・デイリー・ジャパン 2013年 (平成25年)8月5日 (月曜日) 発行 WWD FOR JAPAN ファッション化が進む 「モードシティ」 ランジェリーとスイムウエアの国際見 1月の 「パリ国際ランジェリー展」 (秋冬 感をテーマにしていたのが興味深い。 リでは 「オートクチュール展」が開催され 本市「モードシティ」が7月6 ~ 8日の3日 物)に比べると、 「モードシティ」は水着の ランジェリーの方向性としては、機能 ていたが、それを見て痛感したのも女性 間、パリで開かれた。開催30周年にちな 華やかさが目につく。日本では下着と水 性が 前面に出る時 代から再びエモー の多面性であった。ランジェリーはまさ んだ「サニー・サーティー」というテーマの 着の市場に距離感があるが、世界的には ショナルな時代へと移行した前シーズン にその原点にあるように思われる。 通り、それまでの低温とは打って変わっ リテーラーや売り場が共通。ほとんどの に引き続き、ファッション化が進行。特 た真夏の日差しの中で、2014年春夏コレ ランジェリーメーカーが水着も手掛けて に今回は、女性の持 クションが披露された。 おり、春夏シーズンは後者の比重が半分 つ二面性、 “フラワー 製品の出展者は、35ヵ国から500ブラ を占めるところもある。 「水着は見た目の ガーデンに象徴さ ンド (新規153ブランド) 。来場者は前年 第一印象が重要なのに対して、ランジェ れるイノセントで柔 比微増の1万5330人、併設の素材展「ア リーはよりパーソナルで素材の選択肢が らか なイメージvs ンテルフィリエール」は同96.7%の1万 広い」 。両者のデザインポイントの違い 黒を基調にしたセク 1054人で、合計2万6384人となった。日 を、 「ユイット」 のデザイナーはこう話して シーで秘密めいたイ 本企業の出展は、製品がワコールフラン いた。 メージ”をクローズ ス、 素材が栄レース、 タケダレース、 ユタッ トレンド発信の要となるトレンドフォー アップしていたブラ クス (以上は海外法人として) 、旭化成ク ラムでは、製品が「ウェルビーイング」、素 ンドが少なくなかっ ロダレース、三菱レーヨンと素材メーカー 材が「ハッピー イズ シック!」と、いずれ た。 が中心。 も今の時代に切望される幸福感、充足 同展初日まで、パ 優しくイノセントなフラワーガーデン (委託ジャーナリスト:武田尚子) 2014年春夏シーズンの製品トレンドを4テーマで見せた 「ウェルビーイング・フォーラム」 (トレンド ユニオン監修) “フェティシズム” がモードに昇華 今、改めて見直されているのが、子ども時代 良さそうな演出がぴったりくる、よりオーガニッ ここ数シーズン、セクシーな傾向が強まって トな花畑に憧れる半面、こういう秘めた部分を を懐かしむようなイノセントなトレンド。パステ クで健康的なイメージとなっている。 いたが、今回はトレンドフォーラムの1テーマに 持ち備えているというわけだ。 ルカラーの優しい花柄プリントや刺繍レースに 普遍的なテーマだけに、いかに新鮮さを出 は、一斉に花が咲き乱れる季節、あるいは田舎 すかが決め手。 “フェティシズム” が掲げられていたほど、 有力な フェティッシュな感覚のひも使いが多用され トレンドに発展した。もともと女性は、イノセン ているのを始め、ボディラインを強調した透け 従来のロマンティックで甘 い雰囲気というより、トレンド SILENT ASSEMBLY ンには欠かせない。 IMPLICITE 築的なデザインが特徴となってい などの天然素材も、春夏シーズ AUBADE るレースや縁取りのラインなど、建 ちが反映されている。コットン CHANTAL THOMASS でのバカンスを待ち望む気持 VANNINA VESPERINI る。意外なところを開けるといっ たカッティングの工夫で、体をいか に魅力的に見せるかも重要なポイ ント。 フォーラムで見られたように、 背中を大きく開けたスタイルも 野菜や果物などいかにも体に 増えている。 ランジェリーがプレタポルテに接近 ネックラインとシルエットで新しさを ファッションの歴史において、インナーのアウター化は繰り返され ランジェリー の 基 幹 アイテムであるブラ バストに心地よくフィットする。上に着るトップ ジャーは、機能性ブラとソフトブラに二極化。 スやドレスとの相性も良さそう。女性らしい優 両方に共通して、ネックラインやシルエットに新 雅でグラマラスな雰囲気を持っており、これは しさを感じるものが登場している。その代表 ブラに限らず、スリップやラウンジウエアなどに が、ニュートライアングルブラともいえるスタイ も広く応用されている。いずれにしても、極端 ラウンジウエアブランド 「マダム・ウ ル。大きく開いた胸元のVゾーン、バスト全体 にバストをプッシュアップして谷間を強調する イリアム・M」が登場。シルエット を優しく包み込む安定感のあるシルエットで、 時代ではない。 MADAME WILLIAM M. カラフルな花柄プリントとレースの組み合わ せ (左)から、淡いグレーにピンクの刺繍レー ス (右) まで、バリエーション豊か MILLESIA リアーナがトップショップとの訴訟で 月 日勝訴した。彼女はトップショップが「ウィ・ファウンド・ラヴ」のビデオから彼女のイメージを無断で Tシャツに使用し販売したとして同社を起訴していた。 7 40 ている事実であるが、ランジェリーとプレタポルテの中間を狙うブラ ンドが確実に増えている。前シーズンにデビューした 「モネット」は、 夏らしいシルク混コットンレースでブラやボディ、ロングスカートをラ インアップ。今回の新ブランドとしては、 界が、 ランジェリー業界に戻ってき ている。これ以外にも、服の胸元 や裾からちらりと見える効果を意 ストレッチサテンがガードル機能 も果たすおしゃれなボディシャツ (左)から、ロング丈のローブ (上) まで 識したデザインも。服の着こなし に奥行きを与えてくれる。 SIMONE PERELE HUIT BARBARA もの。非日常ともいえる女優の世 MONETTE あくまで家でくつろぐ時のための NICHOLE DE CARLE の美しいロングドレスやローブは、 体のポイントをラインでどう切るか。視覚的効果 がセクシーな表現には欠かせない。アクセサリー 感覚で楽しみたい リバーレースのロングブラタイプ (左) もソフトなタイプも、 ナチュラルな胸元のラインが決め手 水着の新ブランドとして話題だったのが、フ イデアいっぱいだ。 ランスで大人気のオリンピック水泳金メダリス 全体的に水着は、世界各地の民族性を背景 ト、ロール・マナドゥのデザインによる 「LMデ にしたカラフルな色柄に加え、ひもや透ける素 レースを始め、フロッキープリント、スピログラフで ザイン」。競泳用からタラソテラピーやスパ向 材を大胆に使った、グラフィック感覚が目立つ。 描いたような幾何学的花模様の刺繍レース。そし けのものまで、全4ラインで構成する。 てプリントでは、ヴィンテージ風のボタ カッティングと色の美しさがフランス ニカル柄や、墨や絵の具をにじませ らしい。同ブランドを発売するトップ たような微妙なニュアンスのものが セックエキップメント社は、もともと公 ティに富んでいる。軽やかなクチュール感覚の総 HUIT 新鮮に映った。 WACOAL のの人気が続いているが、今シーズンはよりバラエ 営プールにおける水泳帽の自動販 2014 -15年秋冬シーズンにかけて 売機設置からスタートしているだ は、久々にリッチな感覚のベロアも けあって、 売り方の提案もア 復活し、 表面変化に富んだ素材が さらに多彩になりそう。 これもランジェリーがプレタポ ルテに近づいている証拠だ。 チュールストレッチにベ ロアのフロッキープリ ント (左)を始め、平凡な レース使いとは一 線を 画した工夫が トップセックエキップメント社の ティエリー・アリモンド 社 長 (左 ) も、水 球のナショナルチームにい たという元アスリート CRYSTAL DUST ランジェリーの素材はより軽く透明感のあるも LM DESIGN カッティングで見せる水着の注目ブランド I.D.SARRIERI 表面変化に富んだ素材が多彩に登場
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