「主体性醸成のプロセスと要因にかかる学際的研究: 中南米における事例

「主体性醸成のプロセスと要因にかかる学際的研究:
中南米における事例を中心に」
①研究の背景と上位目標
・途上国の人々の主体性に基づいた「課題対処プロセス」を効果的に支援することは、開発援助に関する政策
策定や実務上、最も重要なアジェンダの一つである。
・しかしこのアジェンダを実行するには、実際にアクションを取る課題対処の前段階にある、ウェルビーイング(よ
き生)実現のための、主体的な課題設定のプロセス、いわば「主体性醸成プロセス」への支援が必要となる。
・現在実務家の多くは、プロジェクトや研修などを通じて人々の「やる気」「オーナーシップ」を高める工夫をしてい
るが、経験は体系化・理論化されていない。
⑤上位目標達成へのシナリオ
・実務面:今後の関連研修事業や開発プロジェク
トにフィードバックされ、開発効果向上に寄与する。
・政策面:CD・CCT・SPFS・テリトリアルアプローチ
といった援助潮流の議論への知的貢献が期待さ
れる。
②研究の目的
・「主体性醸成プロセス」をけん引・阻害する要因
を学際的な研究(経済学・地域研究・認知科学・心
理学・人類学)により明らかにする。
・上記の分析を基に支援モデルや、指標について
の仮説を構築する。
④これまでの成果と課題
・準備研究段階においては、研究方法、事例、基
礎的な文献調査、関係者への聞き取りがなされた。
・今後は、現地調査を通じて、現地から可能な限り
詳細な情報やデータを入手し、分析し、要因分析
と支援モデルの構築と指標の素案作成をすること
が課題となる。
③研究の方法
・中南米地域において、地方分権化の流れの中で
持続可能な地域づくりプログラムを作ることに寄
与してきた、日本の生活改善事業の経験を生か
そうとする試みを中心事例とする。
・対象国はニカラグア、メキシコ、コスタリカであり、
対象事例については、文献レビュー、現地調査、
データ(定性・定量)分析を行う。