カルチャー・ショック外国人のみた日本 Qiao Xiaochun 出身地:中国・遼寧省瀋陽所属:中国人民大学人口統計学部教授日本滞在:2003 年 6 月∼ 12 月日本人の特徴を表すには、﹁勤勉﹂といと感心ばかりしていると、次のような質︵前海外客員研究員／訳＝清水実穂︶動したものである。く思いやりがあるのだろう、としみじみ感だ。この一件で私は、日本人はなんて温かるかどうか、ずっと心配していてくれたの当に稲毛駅で正しい電車に乗ることができを弾ませた。驚いたことに彼女は、私が本﹁そう、この電車でいいんですよ！﹂と声ち続けているのである。とも怠らず、人々はずっと礼儀正しさを保る一方で、教育によって古い価値を守るこしい価値を積極的に受け入れて先進国となうのだ。日本は、この両方に成功した。新ち続けるには、教育の力が大きくものをい新たな課題であり、勝負どころなのだ。ンスをいかにうまくとってゆくかが今後の成してきた日本にとって、正負両面のバラもできよう。これまでさまざまな課題を達裏面ばかりが露呈してしまったという解釈最近の二つの事件については、コインの女は私を見つけると車内に飛び込んできて、ながらこちらに歩いてくるではないか。彼きの女性が電車の窓をひとつひとつのぞきて電車が出発するのを待っていると、さっには努力が必要である。古きよき伝統を保はたやすいが、内なる古いものを守り通すって、外から新しいものを受け入れること育の賜物であるということだ。若い人にと熟考の末、私が出した結論は、それは教ぎれば慇懃無礼や自己卑下に陥りやすい。などの危険性をはらむ。礼儀正しさも、過順さは、没個性や創造性欠如、思考力喪失にもすべて負の側面があるのだ。勤勉や従される勤勉、従順さ、礼儀正しさ、それら 53─アジ研ワールド・トレンド No.101（2004．２）車に乗り換えることができた。座席に着い着くと、なるほどカンタンに私の目指す電教えられたとおり電車に乗って稲毛駅に行く電車が出るホームを指し示してくれた。より稲毛駅が便利ですよ﹂といって稲毛へ性が、﹁その電車への乗り換えなら千葉駅英語が通じない。すると近くにいた若い女ちに迷ってしまった。売店で尋ねてみるが千葉駅で降りたが、構内をウロウロするうあるとき私は電車を乗り換えるためＪＲ経験から私が考察したことをお話ししよう。まれていた。短い間であったが、日本でのでなく、日本と日本人を理解することも含と社会保障﹂に関する研究を行うことだけ私が日本へ来た目的には、﹁高齢化社会なり得たのかということであった。それどころかもっとも代表的な文化にさえ美徳が失われることなく連綿と受け継がれ、は、どうして日本ではこれほど永い間この本人の特徴である。私が不思議に思ったの﹁礼儀正しさ﹂もまた、よく知られた日人は世界に誇れる国を手に入れたのだ。献身的なハードワークの報償として、日本ひとつに成長することができた所以である。れほどのスピードで世界で最も進んだ国のークは当然のことと思っている。日本がこを会社︵ひいては国家︶に捧げ、ハードワ彼らは、自分のすべての時間とエネルギー職場を家庭と同視するところから来ている。う言葉も不可欠である。日本人の勤勉さは、りなかったとはいえるだろう。るということについて、いささか思慮が足ことでも、中国では大問題になる場合があは誤りである。ただ、日本では何でもない件をもって典型的日本人の行動と考えるの断すべきではないのと同様に、これらの事犯罪に走る中国人をもって中国人全体を判向を表しているとは思っていない。日本で私は、これらの事件が特別に日本人の性劇事件﹂のことである。﹁珠海市集団買春事件﹂と﹁西北大学寸買った事件をどう思いますか？﹂問を受けた。﹁最近日本人が中国でヒ顰ンシ蹙ュクをうに正と負の両面がある。日本人の美徳とものごとには常に、コインの表と裏のよコインの表と裏喬暁春