さまざまな資産クラスと市場に おけるキャリーとトレンドを分析

Viewpoint
April 2015
Your Global Investment Authority
さまざまな資産クラスと市場に
おけるキャリーとトレンドを分析
ヴィニア・バンサリ、Ph.D.
マネージング・ディレクター
ポートフォリオ・マネージャー
ジョシュ・デイビス、Ph.D.
エグゼクティブ・バイス・プレジデント
ポートフォリオ・マネージャー
投資家が資産運用において直観的に理解している基本的
原則は2つあります。それは(1)
トレンドに逆らってはいけ
ないこと、そして(2)投資対象に高過ぎる価格を支払って
はいけないことです。
しかし、この単純な原則は優れたリ
ターンに実際に繋がるのでしょうか。このレポートでは、
4つの資産クラス合計20市場と、1960年から2014年
までの 期 間を 対 象とした実 証 的 分 析 の 結 果を 紹 介し
ます。この 分 析 結 果 は、
トレンドとキャリーを適 切 に捉
えることができれ ば、絶 対リターンでも、リスク調 整 後
リターンでも、大幅に優れた結果が得られることを強く
裏付けるものです。さらに、こうした結果は、1960年か
ら1 9 8 2 年までの金 利 上 昇 局 面を含め、サンプル 全 体
で、意外なほど一貫して見ることができます。特に、キャ
リー は、ほ ぼ 無 条 件でリターンを 予 測 することができ
ますが、キャリーとうまく組み合わせることができれば、
トレンド・フォローの方が、はるかに良好な成果を残し
ていることがわかりました。この単純な2スタイル・アプ
ローチは、引き続き、優れた運用ポートフォリオを構築する
ための重要な知見になると確信しています。
さまざまな資産クラスの予想資産収益率を求める基礎として、長い間、利回りが利
マット・ドーステン
シニア・バイス・プレジデント
ポートフォリオ・マネージャー
用されてきました。例えば、
コクランは、2011年の論文で、利回りから将来のリターン
を予測することが、さまざまな市場で見られる
「広汎な現象」であると指摘しており、
リーボヴィッツは2014年の論文で、
こうした方法をさまざまな種類の債券ポートフォ
リオに一貫して適用しています。運用の現場、特に先物などのデリバティブ市場で、
「キャリー」は利回りに近い意味の言葉として利用されており、実際、同市場では資
金調達コストが考慮されることもあるため、キャリーは利回り以上に一般的に利用
されている言葉となっています。債券投資の場合、例えば、イールドカーブが長短逆
グラハム・レニソン
シニア・バイス・プレジデント
ポートフォリオ・マネージャー
転した形状となっている局面で、利回りとキャリーを区別することが重要になります。
投資対象のトータル・リターンを、価格変動から生み出されるリ
とができるとの考えを示しました。
ゴートンは、2012年の論文で、
こ
ターンと、時間経過によって発生するリターンに分けると、キャリー
うしたリスク・プレミアムを変動させる要因(現在と将来の在庫水準
は後者に属するリターン、すなわち、時間経過に伴う期待リターンと
を含む)に関する包括的な分析を行い、
(キャリーの指標である)先
捉えることが最も適切です。コージェンは、2011年の論文で、
物ベーシスなどの価格指標に、将来のリターンを予測するための
キャリーを「価格を含め、市場環境が変化しないと仮定した上で期
重要な情報が含まれていることを示しました。
待されるリターン」
と定義しています。そのため、キャリーは、所与
の資産クラスにおける単純ながらも安定し、
モデルに左右されない
リスク・プレミアム指標である、
と考えることも可能かもしれません。
この点で、
キャリーがプラスになる場合、平均して、
より高いリターン
が得られる可能性が高くなるものの、価格が変化しないとの想定
が現実化することは極めて稀であるため、潜在的により高いリスク
を取っていると考えることは妥当です。
債券市場では、期間プレミアムと関連するイールドカーブの形状に
より、名目米国債のリスク・プレミアムを直接測定するケースが多
く見られます。
ファーマとブリスは、1987年の論文で、債券の期待リ
ターンが時間と共に変化するものであり、期間プレミアムの変動が
景気サイクルと密接に関係していることを示しました。コクランと
ピアゼッシによる2005年の論文と、キャンベル、
スンダラム、
ヴィシ
エラによる2013年の論文は、債券のリスク・プレミアムを、短期と長
歴史的に見ると、各種文献で注目されてきたのは、主に為替市場
期の債券利回りの平均に対する中期金利の水準で大まかに定義さ
におけるキャリーという考え方でした。
ブレトンウッズ体制が崩壊
れるイールドカーブの凹型の形状と直接関連づけています。ギー
した後、1980年代から1990年代にかけて、市場参加者の間では、
ゼッケ、
ロングスタッフ、
シェーファー、
ストラビュラブによる2011年の
通貨キャリー・トレード戦略が一般的になりました。学者はこの動
論文では、150年にわたる実証データから、
デュレーションが同一の
きを注視し、将来のリターンを予測する手段としての通貨キャリー
米国債に対する社債クレジット・スプレッドが示す社債のキャリー
の有効性と一貫性について、妥当と思えるさまざまな説明が示さ
について、
平均すると少なくともその半分がリスク・プレミアムである
れました。非裁定金融環境で、通貨キャリーからリターンを予測
としています。
さらに、著者らは、実際のデフォルトが株式のリターン
するには、通貨キャリーが分散不可能な「市場」
リスクに対する報
およびボラティリティと密接に関連していることを示しています。
酬ではなくてはなりません。学問的に、通貨リスク・プレミアムを、
確率的ディスカウント・ファクターに対する共変動リターンの直接
的帰結であると仮定します。
ラスティグは2007年の論文で、
通貨キャ
リーは、キャリー・トレードのペイオフと消費の伸びの共変動によ
り、実証的に機能する傾向が見られることを指摘しています。バン
サリ
(2007年)
とメンコフ
(2012年)の論文では、
自国通貨でヘッジ
されたオプション価格というレンズを通して、通貨キャリーを見る
ことにより、ボラティリティ・リスクに対するエクスポージャーを取
得する報酬として、
このキャリー・リスク・プレミアム間の直観的な
結びがあるとの考えを提起しています。
ケインズは、その重要な論文である
『貨幣論』
(1930年)の中で、
コ
モディティのバックワーデーション(逆鞘)、すなわち、先物価格が
スポット契約よりも低くなる傾向について、正常なものであり、
コモ
ディティの生産者が先物価格を利用したロックインによるヘッジを
求めるため、保険を提供する側の投機家がプレミアムを手にするこ
2
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株式のキャリーの算出はやや異なる形になり、株式先物におけ
る推計配当利回りから、国内リスクフリー金利を差し引いた水準
が、キャリーを決定する1つの要因になります。
ファーマとフレンチ
は、1988年の論文で、配当利回りが株式のリターン予測に寄与し、
期間が長くなるほど、予測の精度が上がると主張しています。株式
市場では、キャリーという概念がさほど浸透しておらず、後ほど示す
推計値は、他の資産で採用した方法に近い形で推計したものであ
り、
さらなる改善の余地があると考えられます。
リスク移転に対する報酬という観点から直観的に説明できるキャ
リーとは対称的に、
トレンド・フォロー(もしくはそれを横断的に示
したモメンタム)は、数十年にわたってリターンを生み出す可能性
を持ちながらも、解明することが困難な金融市場の謎であると、長
い間、位置づけられてきました。
さらに、
ゲッツィ
(2013年)
、
レンペリ
エール(2014年)、モスコヴィッツ(2013年)など、最近の研究では、
数世紀にもわたってリターンを生み出す可能性すらあるとされて
を対象とした広範なデータ集合を作り上げ、
それぞれの資産クラス
います。
トレンド・フォローからのリターンについては、さまざまな
から、現在、そして過去に投資可能な流動性に特に優れた主要5市
行動的解釈がある一方、古典的なファイナンスと整合性のある解
場を選択しています。
株式では、
S&P500指数、
ユーロ・ストックス50指
釈を見つけることは困難です。そのため、古典的には、
トレンド・
数、
日経平均株価、
FTSE100指数、
S&P ASX500指数を選択しました[i] 。
フォローについては、一貫したアノマリーと考えられてきました。
債券は米国10年国債、
ドイツ10年国債、
日本10年国債、英国10年
そのため、
トレンド・フォローを説明する確定的なモデルはありま
せんが、ポートフォリオ構築の観点からすると、キャリーとトレンド
が相互に分散を高め、特に市場が極端な状況に陥った場合に、そ
国債、豪州10年国債です。通貨は、ユーロ
(1999年以前はドイツ・マ
ルク)、円、英ポンド、豪ドル、
スイス・フランを利用しています。最後
に、
コモディティは、
トウモロコシ、原油WTI、金、銅、天然ガスです。
の特性が強くなることを裏付ける数々の材料があります。そのた
ここでは、
リスクフリー金利を上回る超過リターンを分析対象とし
め、
この2つを組み合わせることは、直観的に好ましいように思え
ている上、
この研究を、実際に利用できるものとするため、利用可
ます。概念上、キャリーはリスク・プレミアムを確保するためのポジ
能な市場では主に先物データを利用しています。ただし、
スワップ
ションであり、価格が大きく変動しない場合に最良のパフォーマン
を利用して、
より効率的に実行できる場合も多く、そうした場合に
スとなる一方、
トレンド・フォローは、ロング・テールのオプション複
は、
スワップを利用すべきと考えられます。最近までの長期にわた
製戦略であり
(ファン、2002年)、金融危機期間中に経験したような
る金利低下局面に付随するバイアスを回避するため、可能な場合
ファット・テールのイベントの帰結として、価格が変動する際に、利
には、1970年代と1980年代序盤の金利上昇局面も分析に加えてい
益を手にできると考えることができます。そのため、
この2つの戦略
ます。
そのためには、
データ集合を先物データが利用可能になる以
を組み合わせることにより、多様な環境でポートフォリオの運用成
前まで、広げることが必要であり、先物の代替として、現物証券市場
績が向上することになると考えられます。
を利用しています。図表1は、データの出所と概要を示しています。
PIMCOは、
このレポートがアスネス、モスコヴィッツ、ペデルセンに
よる2013年の論文と高度に補完し合うものと考えています。
この論
文で、著者らは、さまざまな市場と資産クラスのリターンを予測す
るバリュー・シグナルとモメンタム・シグナルの能力について、分析
しています。著者らが注目したのは、
「簿価」、すなわち、現在の市場
各市場で、利用可能な場合には実際の先物データを利用しており
(個別サンプルの大半)、それ以前のデータは、先物代替指標のリ
ターンを利用しています(S&P500、債券、通貨のみ)。先物代替指
標リターンは、以下のように、それぞれの現物市場データから算出
しています。
価格に対する長期的価値指標という観点から見たバリューです。
そ
S&P500:配当金再投資を含むトータル・リターンから、3カ月米財
のため、
この研究は、必然的に、利用するバリュエーション・モデル
務省短期証券(Tビル)のリターンを差し引いています。
に左右されることになります。PIMCOは、ほとんどの資産クラスで、
モデルから独立したキャリーと、資産価格の時系列特性に注目する
ことで、ポートフォリオ構築に対する同じ効果が得られると考えて
債券先物:利回りデータを利用し、短期金利で資金調達した、ロー
ルダウンを含む10年債リターンを算出しています。
います。
さらに、
プレーンバニラな先物を利用して、
キャリーとトレン
通貨:スポット為替レートに国内預金金利と外貨預金金利の差を
ド双方を組み合わせたポートフォリオを容易に構築できるため、
こ
キャリーとして加えたリターンを利用しています。
の分析は、幅広い投資家に役立つものであると考えています。
上記の定義と矛盾しないよう、それぞれの市場の(推計)キャリー
キャリーとトレンド:定義、
データ、実証研究
を、
スポット価格が変動しないと仮定した場合の年率超過リターン
キャリーおよびトレンドと先物リターンの実証的関連性を調べるた
と定義しています。
この値は、各市場について、
日次ベースで算出し
め、株式、債券、通貨、
コモディティという代表的な4つの資産クラス
ています [ii] 。
それぞれの市場のキャリーの定義は以下の通りです。
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3
コモディティ:季節要因を排除するため(1)限月までが1年以上の最
します(限月が1年以上先になる先物を利用することができず、先物
期近限月と
(2)直近限月の格差として測定したロール利回りを利用
ロール利回りを利用していないため、配当の季節性を調整する方
します。
法はありません)
。
通貨:季節性を考慮する必要がないため、第1限月と第2限月のロー
債券先物:利回りとロールダウンの合計から短期金利を差し引いた
ル利回りを利用し、先物データが利用可能になる前の期間につい
ものと定義し、先物価格からではなく、イールドカーブから直接計
ては、短期金利差を利用します。
算しています。
株式:トレーリング12カ月の合計配当を現在のスポット・インデック
トレンドは、現在の先物価格がロール調整後の1年トレーリング移動
ス水準で除し、そこから各国の短期金利を差し引いた水準を利用
平均先物価格よりも高い場合にはプラス、低い場合にはマイナスと
図表1: データの出所と概要
市場
開始時点
出所
平均超過リターン/年
ボラティリティ/年
平均推計キャリー/年
トウモロコシ
1960年6月
ブルームバーグ
-2.2%
22.0%
-4.7%
原油
1987年4月
ブルームバーグ
9.7%
34.8%
4.1%
金
1976年1月
ブルームバーグ
2.2%
19.6%
-5.1%
銅
1989年12月
ブルームバーグ
8.7%
26.5%
3.6%
天然ガス
1991年3月
ブルームバーグ
-7.1%
49.7%
-6.9%
日経平均
1993年5月
ブルームバーグ
2.4%
24.4%
0.5%
S&P500
1960年1月
ブルームバーグ、ヘイバー
5.5%
16.9%
-2.0%
ユーロ・ストックス
1999年6月
ブルームバーグ
3.1%
25.0%
1.0%
S&P ASX
2001年4月
ブルームバーグ
5.6%
16.4%
-0.7%
FTSE 100
1993年5月
ブルームバーグ
5.9%
18.6%
-1.0%
コモディティ
株式
通貨
豪ドル
1977年12月
ブルームバーグ、RBA
2.5%
11.2%
2.7%
英ポンド
1972年12月
ブルームバーグ、IMF、DMS*
1.6%
9.7%
2.1%
ユーロ
1972年12月
ブルームバーグ、IMF、DMS*
1.2%
10.3%
-0.9%
円
1972年12月
ブルームバーグ、IMF、DMS*
0.1%
10.6%
-2.6%
スイス・フラン
1972年12月
ブルームバーグ、IMF、DMS*
1.3%
11.8%
-2.6%
英国債
1983年11月
ブルームバーグ
2.8%
7.4%
1.1%
日本国債
1975年8月
ブルームバーグ、
日銀
2.9%
4.6%
1.3%
ドイツ国債
1992年7月
ブルームバーグ
4.6%
5.5%
1.6%
米国債10年
1972年8月
ブルームバーグ、GSW**
2.9%
7.1%
1.4%
豪国債10年
2002年6月
ブルームバーグ
2.4%
7.6%
0.5%
債券先物
* ディムソン、マーシュ、
スタウントンのデータベース
** グルカニャック、サック、
ライトのデータベース
4
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する最も単純な形で定義しています。
これよりも洗練された方法を
図表3は、10年債先物の過去のリターンを先程紹介した4つの
利用すれば、
トレンド・フォロー戦略のパフォーマンスを改善でき
グループに分けたものです。
この期間には、キャリーがプラスで、
ることは明らかですが、
ここではそのようなデータマイニングを行
トレンドもプラスとなる局面が最も多く
(サンプルの53%)、1982
わない状態でのベータを捕捉することが我々の分析の利点である
年から現在までの債券ブル相場と一致していることがわかります。
と考えています。
しかし、24%の期間は、キャリーがプラスとなる一方で、
トレンドが
それぞれの市場について、各取引日を(1)キャリーがプラスで、
ト
レンドがプラス、
(2)キャリーがプラスで、
トレンドがマイナス、
(3)キャリーがマイナスで、
トレンドがプラス、
(4)キャリーがマイ
マイナスとなっています(すなわち金利が上昇し債券価格が下落)
。
キャリーがマイナスとなる期間(サンプルの23%)は、
トレンドが上
昇した局面と下落した局面にほぼ半々に分かれています。
ナスで、
トレンドがマイナス、の4つのグループに分けることが可能
です。そして、それぞれの市場で各グループの平均超過リターンを
図表2: 超過リターン・インデックスとローリング米国10年債先物の
算出し、
それを年率換算します。上記の通り、
この計算は直観的にバ
推定キャリー
イアスがかかっていない上、長期にわたって、投資家がモデルに依
存しない形で利用してきた方法に近いものです。
3.5
10.0%
金利先物のキャリーとトレンド
3.0
8.0%
最初に分析の叩き台として、10年米国債先物について検討します。
2.5
6.0%
この先物の取引が開始されたのは、1982年6月でしたが、利回り
2.0
4.0%
1.5
2.0%
をロールした場合の超過リターンを指数化したものです。この
1.0
0.0%
チャートの右軸は、推計キャリーを示しています。キャリーは平均し
0.5
-2.0%
データを基にした代替先物リターンを利用し、1972年までデー
タを遡っています。図表2は1972年8月に開始した先物ポジション
て1.4%のプラスですが、変動は大きく、1970年代、80年代終盤、90
年代、2006年にはマイナスとなっています。
こうした局面は、イール
ドカーブが長短逆転していた期間とほぼ一致します。
0
-4.0%
1972 1977 1982 1987 1992 1997 2002 2007 2012
推定キャリー(右軸)
ローリング米国10年債先物超過リターン・インデックス
出所:ブルームバーグ、PIMCO
図表3: 米国10年債先物の歴史をキャリーとトレンド別に分解
1972
1977
キャリーがプラスで、トレンドがプラス
1982
1987
1992
キャリーがプラスで、トレンドがマイナス
1997
2002
キャリーがマイナスで、トレンドがプラス
2007
2012
キャリーがマイナスで、トレンドがマイナス
出所:ブルームバーグ、PIMCO
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5
図表4はそれぞれのグループと、サンプル全体について、平均超過
とならない資産を見つけ出すことも可能と考えられますが、そうな
リターン(年率換算)を示したものです。サンプル全体の平均超過
る状況は、比較的、少ないと見ることができます。
リターンは年2.9%でしたが、
トレンドとキャリーが共にプラスと
なった局面では、年率換算平均超過リターンが全体の2倍近い5.2%
に達しています。反対に、
トレンドとキャリーが共にマイナスとなる
局面の平均リターンは、-4.2%と落ち込んでいます。キャリーと
トレンドのいずれかがプラスになるグループは、一方が1.6%、
もう
一方が3.2%と、中間のリターンになりました。また、各種資産の
個々の四分位のリスク調整後リターンを比較するため、ボラティリ
ティにより正規化したリターンも算出しています。
この場合も、同様
の傾向が見られるものの、その特徴が一段と鮮明になっています。
これはキャリーがプラスで、
トレンドもプラスとなる局面は、
リターン
が最も高くなるだけでなく、平均するとボラティリティも低くなるた
めです。
加えて、
「トレンドがプラス」になっているトレードだけを見ると、
キャリーがマイナスとなる局面よりも、
プラスとなる局面の方が、多
くの利益を獲得できることがわかります。セクター別に見ると、
こう
した傾向が特に顕著に見られるのがコモディティであり、米国10
年債先物でも、同じ傾向が見られます。
こうした結果の一部には、
固有の特異的性質があり、注目する価値があります。
トウモロコシ
先物は、1960年6月まで、データを遡ることが可能であり、その期
間でこうした結果が見られます。天然ガスは、キャリーがプラスで、
トレンドがマイナスとなる局面で、極端なマイナス・リターンとな
ります(しかし、その件数は比較的少数)。金は常にコンタンゴ(順
鞘)であり、キャリーがプラスとなる局面はありません。重要な点と
して、
リスク調整後リターンは5種類のコモディティ市場全体で同じ
資産クラス間のトレンドとキャリー
傾向を維持しています。
ここからは、
こうした結果を他の資産クラスにも広げ、同じ傾向が
株式市場でも、1960年1月までデータを遡ることができるS&P500
見られるかどうか、すなわち、
トレンドとキャリーが相互に補強しあ
う場合にリターンが最も高くなり、逆の場合に最も低くなるかどう
かを確認します。
また、異なる金利局面における分析を行い、金利
上昇局面であっても、
トレンドがプラスで、キャリーがプラスとなる
投資が有利になるとの結果を得ています。
図表5は、
コモディティ、株式、通貨、債券のセクター別に、それぞれ
のグループの比率を示しています。図表6は、
トレンドとキャリーの
4通りの組み合わせそれぞれにおける各資産クラスのパフォーマン
指数を含め、同じ傾向が明確に見られます。キャリーがプラスでト
レンドがマイナスとなる局面のリターンが、キャリーとトレンドが
共にプラスとなる局面よりも高い市場もありますが、キャリーとト
レンドが共にマイナスとなる場合のリターンは、すべての市場でマ
イナスであり、ポートフォリオの構築にあたっては、市場に逆行し、
高過ぎる価格を支払うことが、誤った戦略であることが裏付けられ
ています。興味深い点として、株式市場の場合、暴落時を含め、
ト
レンドがマイナスとなる局面では、ボラティリティが高くなるため、
スを詳細に示しています。
平均すると、
リスク調整後リターンは、キャリーがプラスでトレンド
この結果は明確であり直観的です。例外となった1つのケース
ナスになる戦略で最も低くなります。
(ドイツ国債先物)を除き、すべてのケースで、キャリーがプラスで
トレンドがプラスとなる区分が、キャリーとトレンドが共にマイナ
がプラスとなる戦略で最も高くなり、キャリーとトレンドが共にマイ
通貨に関する分析結果は明確であり、すべての通貨でサンプル期間
スとなる区分を大幅に上回るパフォーマンスとなっています。
ドイ
は1970年代序盤から現在となっています。すべての通貨で同じ傾向
月未満と、他の市場よりも大幅に少なくなっています。PIMCOによ
の場合も、
こうした組み合わせとなるケースは少なく、
きわめて活発
円だけは、
キャリーがプラスでトレンドがマイナス
ツ国債先物は、サンプル期間が短い上(1992年7月-2014年12月)
、 が見られるものの、
となる区分のリターンが他の通貨と大きく
異なっています。
ただし、
こ
キャリーとトレンドが共にマイナスとなる期間は、対象期間中、6カ
る分析は、あらゆる資産を漏らさずカバーしたものではなく、実際
に、
トレンドとキャリーがプラスとなる戦略が最良のパフォーマンス
6
APRIL 2015 | VIEWPOINT
な動きを見せ、
介入に前向きな中央銀行の姿勢に原因があると考え
ることができます。
図表4: 米国10年債先物の区分別平均リターンとリスク調整後リターン
(1972~2014年)
市場
起点
サンプル期間
全体
区分別年率換算リターン
キャリー>0
米国10年債
1972年8月
区分別年率換算リターン/ボラティリティ
キャリー<0
キャリー>0
キャリー<0
平均リターン
トレンド>0
トレンド<0
トレンド>0
トレンド<0
トレンド>0
トレンド<0
トレンド>0
トレンド<0
2.9%
5.2%
1.6%
3.0%
-4.2%
0.8
0.2
0.5
-0.5
出所:PIMCO
図表5: 市場別に見たキャリーとトレンド区分の発生比率
市場
起点
区分別発生頻度
キャリー>0
キャリー<0
トレンド>0
トレンド<0
トレンド>0
トレンド<0
コモディティ
トウモロコシ
1960年6月
17.5%
8.6%
19.5%
54.4%
原油
1987年4月
47.7%
11.4%
11.1%
29.7%
金
1976年1月
0.0%
0.0%
48.4%
51.6%
銅
1989年12月
37.6%
11.7%
17.3%
33.4%
天然ガス
1991年3月
26.0%
10.2%
7.5%
56.4%
25.8%
8.4%
20.8%
45.1%
セクター平均
株式
日経平均
1993年5月
41.4%
35.2%
10.8%
12.5%
S&P500
1960年1月
17.9%
7.2%
48.1%
26.8%
ユーロ・ストックス
1999年6月
44.9%
18.8%
18.0%
18.3%
S&P ASX
2001年4月
21.5%
12.6%
44.2%
21.7%
FTSE 100
1993年5月
21.9%
7.7%
44.6%
25.9%
29.5%
16.3%
33.1%
21.0%
51.9%
31.7%
6.0%
10.5%
セクター平均
通貨
豪ドル
1977年12月
英ポンド
1972年12月
54.0%
35.8%
3.2%
7.1%
ユーロ
1972年12月
19.8%
10.7%
33.3%
36.1%
円
1972年12月
8.1%
3.4%
43.3%
45.2%
スイス・フラン
1972年12月
6.1%
4.1%
44.9%
44.9%
28.0%
17.1%
26.1%
28.8%
セクター平均
債券先物
英国債
1983年11月
38.1%
15.5%
25.8%
20.6%
日本国債
1975年8月
68.0%
16.1%
6.7%
9.1%
ドイツ国債
1992年7月
65.5%
22.4%
9.5%
2.6%
米国債10年
1972年8月
52.9%
23.6%
10.0%
13.5%
豪国債10年
2002年6月
34.9%
27.4%
17.5%
20.2%
51.9%
21.0%
13.9%
13.2%
セクター平均
出所:PIMCO
VIEWPOINT | APRIL 2015
7
図表6: 市場別の全結果一覧、最大サンプル期間:1960~2014年
市場
起点
サンプル
期間全体
区分別年率換算リターン
キャリー>0
区分別年率換算リターン/ボラティリティ
キャリー<0
キャリー>0
キャリー<0
平均リターン
トレンド>0
トレンド<0
トレンド>0
トレンド<0
トレンド>0
トレンド<0
トレンド>0
トレンド<0
コモディティ
トウモロコシ
1960年6月
-2.2%
21.2%
-8.9%
-5.7%
-7.4%
0.8
-0.4
-0.2
-0.4
原油
1987年4月
9.7%
27.6%
29.6%
-15.4%
-17.1%
0.8
0.9
-0.5
-0.4
金
1976年1月
2.2%
-
-
7.1%
-2.4%
-
-
0.3
-0.1
銅
1989年12月
8.7%
20.6%
8.1%
1.9%
-0.9%
0.8
0.3
0.1
0.0
天然ガス
1991年3月
-7.1%
10.5%
-46.8%
32.4%
-13.3%
0.2
-1.1
0.9
-0.3
2.3%
20.0%
-4.5%
4.1%
-8.2%
0.6
-0.1
0.1
-0.3
セクター平均
株式
日経平均
1993年5月
2.4%
9.1%
1.9%
-15.6%
-2.5%
0.5
0.1
-1.0
-0.1
S&P500
1960年1月
5.5%
13.4%
21.4%
6.0%
-4.9%
1.1
0.8
0.5
-0.2
ユーロ・ストックス
1999年6月
3.1%
6.7%
27.4%
7.3%
-35.2%
0.4
0.8
0.4
-1.1
S&P ASX
2001年4月
5.6%
14.9%
10.4%
5.7%
-6.7%
1.2
0.4
0.5
-0.3
FTSE 100
1993年5月
5.9%
8.4%
29.2%
5.8%
-3.2%
0.6
1.0
0.4
-0.1
4.5%
10.5%
18.1%
1.9%
-10.5%
0.8
0.6
0.1
-0.4
セクター平均
通貨
豪ドル
1977年12月
2.5%
5.2%
2.1%
-6.5%
-4.6%
0.5
0.2
-0.9
-0.4
英ポンド
1972年12月
1.6%
4.7%
-2.1%
-1.5%
-2.0%
0.5
-0.2
-0.2
-0.2
ユーロ
1972年12月
1.2%
5.8%
3.2%
6.2%
-6.6%
0.6
0.3
0.6
-0.6
円
1972年12月
0.1%
5.1%
11.7%
4.7%
-6.1%
0.6
2.3
0.4
-0.6
スイス・フラン
1972年12月
1.3%
0.8%
7.4%
4.9%
-2.9%
0.1
0.6
0.4
-0.3
1.3%
4.3%
4.5%
1.6%
-4.4%
0.4
0.6
0.1
-0.4
1983年11月
2.8%
2.8%
4.9%
2.2%
2.0%
0.4
0.6
0.3
0.3
セクター平均
債券先物
英国債
日本国債
1975年8月
2.9%
3.7%
5.3%
-2.1%
-3.4%
0.9
0.9
-0.4
-0.6
ドイツ国債
1992年7月
4.6%
4.7%
2.6%
6.6%
11.8%
0.9
0.5
1.2
2.1
米国債10年
1972年8月
2.9%
5.2%
1.6%
3.0%
-4.2%
0.8
0.2
0.5
-0.5
豪国債10年
2002年6月
2.4%
7.3%
1.6%
-6.8%
3.1%
0.9
0.2
-0.8
0.5
3.1%
4.7%
3.2%
0.6%
1.8%
0.8
0.5
0.2
0.4
セクター平均
出所:PIMCO
最後に、債券先物はまちまちの結果となったものの、
ここでもドイツ
合を含め、
必然的に高くなります。
サンプル期間が長いのは、
米国、
日
国債を除くすべてのケースで、
トレンドとキャリーがプラスとなる区分
本、
英国であり、
米国と日本は、
ほぼ一貫した傾向が見られます。
一方、
が、
キャリーとトレンドがマイナスになる区分を上回るパフォーマンス
英国の結果には、
日米ほどの一貫性が見られません。
これは恐らく、
英
となっています。
サンプル期間の大半は、
30年にわたる金利低下局面
国債カーブ長期セクターのテクニカルな需要要因によるものと考え
となるため、平均リターンはキャリーやトレンドがマイナスとなる場
られます。
8
APRIL 2015 | VIEWPOINT
図表7: 市場別の全結果一覧、最大サンプル期間:1960~1982年
市場
起点
サンプル
期間全体
区分別年率換算リターン
キャリー>0
平均リターン
トレンド>0
トレンド<0
42.6%
-0.9%
区分別年率換算リターン/ボラティリティ
キャリー<0
キャリー>0
キャリー<0
トレンド>0
トレンド<0
トレンド>0
トレンド<0
トレンド>0
トレンド<0
1.6
0.0
-0.4
-0.8
1.0
-0.8
コモディティ
トウモロコシ
1960年6月
-0.9%
金
1976年1月
6.0%
セクター平均
-7.6%
-11.4%
30.8%
-20.6%
2.6%
42.6%
-0.9%
11.6%
-16.0%
1.6
0.0
0.3
-0.8
1.8%
16.0%
12.9%
5.2%
-11.6%
1.9
0.7
0.5
-0.8
1.8%
16.0%
12.9%
5.2%
-11.6%
1.9
0.7
0.5
-0.8
株式
S&P 500
1960年1月
セクター平均
通貨
豪ドル
1977年12月
-0.3%
1.2%
-5.2%
-0.5%
1.9%
0.3
-1.3
-0.1
0.6
英ポンド
1972年12月
-0.5%
7.9%
-6.9%
-15.5%
-39.1%
1.1
-0.7
-1.8
-3.3
ユーロ
1972年12月
1.4%
13.9%
3.0%
5.4%
-6.4%
3.3
0.6
0.5
-0.6
円
1972年12月
0.4%
1.9%
4.8%
9.8%
-10.6%
0.5
1.4
0.9
-1.0
スイス・フラン
1972年12月
2.0%
5.8%
-1.8%
0.4
-0.2
セクター平均
0.6%
6.2%
-1.1%
1.0%
-11.2%
1.3
0.0
0.0
-0.9
0.1%
6.0%
-1.9%
-2.9%
-2.2%
2.7
-0.6
-0.9
-0.5
債券先物
日本国債
1975年8月
米国債10年
1972年8月
セクター平均
-1.9%
4.7%
-3.8%
-5.6%
-6.6%
0.7
-0.6
-0.8
-0.7
-2.4%
5.4%
-2.9%
-4.2%
-4.4%
1.7
-0.6
-0.8
-0.6
出所:PIMCO
金利局面におけるキャリーとトレンド
この表からは、
全体的にほぼ同じ傾向が見られます。
ただし、
サンプル
しかし、
この分析からは、
必然的に、
単に金利低下局面の影響でこうし
集合が小さいことと、全体的にボラティリティの高い期間であった影
た結果が得られたのではないか、
という疑問が浮かび上がります。
金
利上昇局面におけるトレンド・フォロー戦略の全体的なパフォーマン
スを分析した文献もあります
(レニソンによる2014年の論文)
。
サンプ
ル期間序盤については、
利用可能なデータが限られているため、
統計
分析が難しいことは確かです。
それでも、
ほぼ半分の市場では、
1960
年から1982年12月まで、
金利が全体的に上昇していた局面だけに限
響で、結果は図表6よりもやや極端になっています。
このテストで5年
分のデータしかない豪ドルを除き、
すべての市場で、
キャリーとトレン
ドがプラスとなる戦略が、キャリーとトレンドがマイナスになる戦略
を上回るパフォーマンスとなる共通した傾向が見られます。
この分析
は、他の局面でも、
トレンドがプラスで、
キャリーがプラスとなる基本
的戦略が事実上、
他の戦略よりも優れていることを証明するものであ
定した分析を可能にするデータがあり、
図表7に、
図表6と同じ形式で、 るというのがPIMCOの判断です。
その結果を示しています。
VIEWPOINT | APRIL 2015
9
結論
参考文献
このレポートでは、
最初にキャリーとトレンドが生み出すリターンが、 Asness, Clifford S. and Moskowitz, Tobias J. and Pedersen,
資産クラスを問わず、
長期的に安定していることを示しました。
特に、 Lasse Heje, “Value and Momentum Everywhere,” Journal
キャリーがプラスで、
トレンドがプラスとなるポジションは、
ほぼすべ
ての資産クラスとあらゆる金利局面で、キャリーとトレンドが共にマ
イナスになるポジションよりも、優れた成果を上げています。
さらに、
キャリー自体、
期待リターンがプラスとなる戦略ですが、
トレンドがプ
ラスとなる戦略は、
さまざまな期間や資産の組み合わせで、
キャリー
がプラスとなる戦略と同程度、
もしくはそれ以上のリターンを得られ
る可能性があることがわかりました。
しかし、
事前の段階では、
最良の
トレンドと最良のキャリーを幅広く獲得できるポートフォリオを作り
上げることが、
最良の組み合わせとなります。
投資における意味は明確です。キャリーがプラスで、
トレンドがプラ
スとなるポジションを組み合わせることで、高水準のリスク調整後期
待リターンが得られます。キャリーがプラスとなるポジションを見つ
け出せない場合、
このレポートの分析結果を拡大すると、
トレンドが
of Finance, 2013, vol. 68(3), pp. 929-985.
Bhansali, Vineer, “Volatility and the Carry Trade.” Journal
of Fixed Income, 2007, 17(3), pp. 72-84.
Campbell, John and Sunderam, Adi and Viceira, Luis M.,
“Inflation Bets or Deflation Hedges? The Changing Risks
of Nominal Bonds,” NBER Working Paper. February 2009.
Cochrane, John H., “Presidential Address: Discount Rates.”
Journal of Finance, 2011, 66(4), pp. 1047-1108.
Cochrane. John H. and Piazzesi, Monika, “Bond Risk
Premia,” American Economic Review, 2005, 95, pp.
138-160.
プラスとなるポジションで、
マイナスのキャリーを最小化することが、 Fama, Eugene F. and French, Kenneth, “Dividend Yields
期待リターンの高い戦略であるとの判断が得られます。
これはポート
フォリオの資産配分決定に重大な影響を与えます。要するに、
この分
析は、長期ポートフォリオの構築で最良の戦略が「トレンドを適切に
掴むこと、
そして、
それに高過ぎる価格を支払わないこと」
であること
を裏付けるものです。
and Expected Stock Returns.” Journal of Financial
Economics, 1988, vol. 22, issue 1, pp. 3-25.
Fama,Eugene F. and Bliss, Robert R. “The Information in
Long-Maturity Forward Rates.” American Economic Review,
1987, 77(4), pp 680-692.
Fung, D. and Hsieh, D.A., “The Risk in Hedge Fund
Strategies: Theory and Evidence from Trend Followers”, The
Review of Financial Studies, 2002, 14(2), 313.
Geczy, C. and Samonov, M. (2013). “212 Years of Price
Momentum”, Working Paper, URL:http://ssrn.com/
abstract=2292544.
Giesecke, Kay and Longstaff, Francis A. and Schefer,
Stephen and Strebulaev, Ilya A., “Macroeconomic Effects of
Corporate Crisis: A Long-Term Perspective,” Journal of
Financial Economics, 2014, 111, pp. 297-310.
Gorton, Gary B. and Hayashi, Fumio and Rouwenhorst, K.
Geert, “The Fundamentals of Commodity Futures Returns”,
Yale ICF Working Paper No. 07-08. February 2012.
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Yield Curve: 1961 to the Present”, Finance and Economics
Discussion Series, Divisions of Research & Statistics and
Monetary Affairs, Federal Reserve Board, 2006
10
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Lemperiere, Y., Deremble, C., Seager P., Potters, M.,
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Rennison, G., Dorsten, M. and Bhansali, V. “Trend
Following and Rising Rates”, PIMCO, September 2014.
VIEWPOINT | APRIL 2015
11
[i]
本稿では、デリバティブ市場を中心に扱っており、個別株は対象としていません。
サンプルの初期段階に不定期で見られる不良データの影響を排除するため、実際には、過去10日間のデータから外れ値上
位2つを排除したトレーリング平均(8/10中心平均)を利用しています。
[ii]
ピムコジャパンリミテッドが提供する投資信託商品やサービスは、日本の居住者であり、かつ法律による制約のない方に対して
提供するものであり、かかる商品やサービスが許可されていない国・地域の方に提供するものではありません。
過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。本資料には、本資料作成時点での著者の見解が含ま
れていますが、これは必ずしもPIMCOグループの見解ではありません。著者の見解は、予告なしに変更される場合があります。本
資料は情報提供を目的として配布されるものであり、投資助言や特定の証券、戦略、もしくは投資商品の推奨を目的としたもので
はありません。本資料に記載されている情報は、信頼に足ると判断した情報源から得たものですが、その信頼性について保証す
るものではありません。
全ての投資にはリスクが伴い、価値は下落する場合があります。債券市場への投資は市場、金利、発行者、信用、インフレ、流動性
などに関するリスクを伴うことがあります。ほぼ全ての債券及び債券戦略の価値は金利変動の影響を受けます。デュレーションの
長い債券及び債券戦略は、より短い債券及び債券戦略と比べて金利感応度と価格変動性が高い傾向にあります。一般に債券価
格は金利が上昇すると下落し、現在のような低金利環境ではリスクが高まります。債券取引におけるカウンターパーティーの取
引能力の低下が市場流動性の低下や価格変動制の上昇をもたらす可能性があります。債券への投資では換金時に当初元本を
上回ることも下回ることもあります。株式の価値は一般的な市場、経済、産業の実体と見込み両方の状況によって減少する可能性
があります。為替レートは短期間に大きく変動する場合があり、ポートフォリオのリターンを減少させる可能性があります。コモ
ディティは市場、政治、規制、自然などの条件により高まるリスクを伴い、全ての投資家に適しているとは限りません。分散投資によ
って、損失を完全に回避できるわけではありません。
モデルは証券および証券市場を、市場要因の相互作用に関する特定の仮定に基づき評価します。用いられているモデルが特定
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が非常に大きくなる場合があります。本資料で言及した投資戦略が、あらゆる市場環境においても有効である、またはあらゆる
投資家に適するという保証はありません。投資家は、自らの長期的な投資能力、特に市場が悪化した局面における投資能力を評
価する必要があります。投資判断にあたっては、必要に応じて投資の専門家にご相談ください。
本資料は仮定上の例を含み、説明を目的としたものです。いかなる口座、商品、戦略についても、記載されている収益、損失または
同様の成果を達成することを表明するものではありません。仮定上のパフォーマンス、およびシミュレーションには本質的な限界
があります。実際のパフォーマンス・レコードと異なり、シミュレーションは実際のパフォーマンスを示すものではなく、通常、事後
的に作成されます。しばしば、パフォーマンスのシミュレーションと特定の口座、商品また戦略から得られる実績との間には大き
な差異が生じます。さらに、実際の取引は行われていないため、シミュレーションは流動性リスクなど特定のマーケット・リスクの
影響を考慮することはできません。他にも市場全般や特定の投資戦略の実行に関連する要因は多々あり、それらの要因はシミュ
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運用を行う資産の評価額は、組入有価証券等の価格、デリバティブ取引等の価値、金融市場の相場や金利等の変動、及び組入有
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受けます。したがって投資元本や一定の運用成果が保証されているものではなく、損失をこうむることがあります。運用によって
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