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再帰定量化解析による非線形時系列解析の手順
1.アトラクタの再構成
時間遅れパラメータの決定
埋め込み次元の決定
時系列の相空間内への埋め込み
2.再帰プロットの作成
半径パラメータの決定
その他のパラメータの決定
3.各指標の算出
再帰率、決定率、最大線長、
エントロピー、トレンド
再帰プロット
1.アトラクタの再構成
時間遅れパラメータの決定
埋め込み次元の決定
2.再帰プロットの作成
半径パラメータの決定
3.各指標の算出
再帰率、決定率、最大線長、
エントロピー、トレンド
アトラクタの再構成
決定論に従う力学系の構造はd個の状態変数の関数として
記述でき、その運動はアトラクタとして表現できる。分析対象
となる系の構造が明らかでない場合には、1個の状態変数か
らd個の状態変数を復元するTakensの埋め込み定理を用い
る。Takensの方法によって再構成されたアトラクタは本来の
アトラクタと本質的に微分同相が保証される。ターケンスの手
法により遅れ時間を用いて未知の状態変数を復元することを
埋め込みという。
1.アトラクタの再構成
時間遅れパラメータの決定
埋め込み次元の決定
2.再帰プロットの作成
半径パラメータの決定
3.各指標の算出
再帰率、決定率、最大線長、
エントロピー、トレンド
埋め込み遅延時間の決定
埋め込みの際に用いる遅延時間 t は、時系列の平均相互
情報量 I(t) が最初に極小となるt の値を用いる。
平均相互情報量とは、ある二つ
の事象において、一方の情報を
知ったとき他の情報に関して得
られた情報量のこと。この指標
はノイズに対して頑健であり、座
標系のスムーズな変換に対して
不変。以下の式により表される。
I (t ) 

xn , xn t
P( xn , xnt ) log2
P( xn , xnt )
P( xn ) P( xnt )
両手協応動作における時系列変化の
平均相互情報量
(cross average mutual information)
1.アトラクタの再構成
時間遅れパラメータの決定
埋め込み次元の決定
2.再帰プロットの作成
半径パラメータの決定
3.各指標の算出
再帰率、決定率、最大線長、
エントロピー、トレンド
埋め込み次元の決定
埋め込みの際に用いる次元は、時系列の幾何学的
構造に着目する誤り最隣接法を用いる。
時刻 n’ から始まるベクトル XnNN' (m)
をm次元空間における Xn (m) の隣接
ベクトルとする。このとき、Rn(m)を
満たす隣接ベクトル数と
xn  mt  xnNN
'  mt / Rn ( m )  RT
を満たす誤りベクトルの比がゼロに
なるときの m* を埋め込み次元の推
定値とする。
松葉(2000)より
3次元および2次元のアトラクタに
埋め込んだローレンツモデルの解
1.アトラクタの再構成
時間遅れパラメータの決定
埋め込み次元の決定
2.再帰プロットの作成
半径パラメータの決定
3.各指標の算出
再帰率、決定率、最大線長、
エントロピー、トレンド
再帰とは
相空間内の軌跡が、一定時間後、十分に近
い位置へ再び訪れたとき、軌跡が再帰した
と定義する。
DELAY = 0
DELAY = 10
X(t)
X(t+t)
×
×
RADIUS = 5
X(t)
X(t+t)
RADIUS = 10
X(t)
X(t+t)
1.アトラクタの再構成
時間遅れパラメータの決定
埋め込み次元の決定
2.再帰プロットの作成
半径パラメータの決定
3.各指標の算出
再帰率、決定率、最大線長、
エントロピー、トレンド
半径パラメータの決定
半径パラメータは、半径と各指標を両対数軸
プロットしたときに両者が直線的に変化する範
囲で決定する
半径(RADIUS)を最大距離の0.1%
から30%まで0.1刻みで変化させた
ときの再帰率および最大線長。条
件間の比較に用いた半径の値を
赤の垂直線で示した。
1.アトラクタの再構成
時間遅れパラメータの決定
埋め込み次元の決定
2.再帰プロットの作成
半径パラメータの決定
3.各指標の算出
再帰率、決定率、最大線長、
エントロピー、トレンド
RQAによって得られる指標
指標
算出法
再帰率
(%RECUR)
再帰点と、可能な再帰点
との比
決定率
(%DETER)
対角線上の再帰点と全再 系の決定論的構造
帰点との比
最大線長
(MAXLINE)
エントロピー
(ENTRONPY)
トレンド
(TREND)
意味
系の安定性
ノイズに関連
連続した対角再帰点長の 系の安定性
最大値
リアプノフ指数に関連
シャノンのエントロピー
系の複雑性
再帰点の広がり
系の定常性
今後の可能性(1):シミュレーションの利用
Ohgane, et al. (In press)
Ohgane, et al.
(In preparation)
Hirashima, et al. (2003b)
今後の可能性(2)
:心理学的な問題への学際的なアプローチ
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はやさと正確さのトレードオフ
学習のスケジュール
あがり
動作やパフォーマンスの変動
動作パターンの変化
知覚と行為のカップリング
Thank you
おまけ
リアプノフ指数 l
・ リアプノフ指数とは何か?
相空間内の2点の指数的な時間拡散の指標
誤差の指数的増大の速さ
初期条件の変化に対する敏感さの度合
・ リアプノフ指数はどのように計算されるか?
x ( t ) を1次元空間内の時刻 t の座標とし,その写像を f(x(t)) とすると,
一次元の力学系ではリアノフ指数 λ は次式のように定義される。
1
l  lim
N  N
N
 log f ' ( x(t ))
t 1
システムの相関次元が低く、かつリアプノフ指数が正であれば低次元
カオスの可能性がある。
・ リアプノフ指数によって何が分かるか?
不規則変動がノイズに由来するのか、それとも非線形性に由来するのか
判別できる。このため、システムがどれくらいカオスに近いのかを判断す
る数値として利用できる。
リアプノフ指数と分岐ダイアグラム
複雑な分岐をする場所はリアプノフ指数が大きい
情報量
・ 情報量 I
C.E.Shannonの情報伝達理論:情報とは確率である
生起確率Pの情報量は –log2P [bit] 。
・ 平均情報量 (エントロピー)H
n
H   p(ei ) log2 p(ei )
i 1
あいまいさの尺度。
エントロピーが大きいとき、何が起こるか予想することは難しい。
・ 平均相互情報量 I (t)
I (t ) 

xn , xn t
P( xn , xnt ) log2
P( xn , xnt )
P( xn ) P( xnt )
ある二つの事象において、一方の情報を知ったとき他の情報に関して
得られた情報量
両手協応ダイナミクスにおけるアトラクタの形状は
再帰定量化分析により推定できる
アトラクタの位置f*
ノイズの大きさQ
および正の最大の
リアプノフ指数 | l |
f *  f 
Q
SDf 
2|l |
%RECUR  1/Q
MAXLINE  l
システムのモデル
入力
刺
激
同
定
反
応
選
択
プ
ロ
グ
ラ
ミ
ン
グ
xBlack Box
フィードバック
環境
冗長性・階層
性をもち自律
的に時間発
展する複雑な
システム
出力
システムのモデル
環境
観
測
環境情報
重力
生理学的(神経-筋)活動
物理学的時間発展
生理物理学的相互作用
外力
動作
パフォーマンス
キーワード
•ダイナミカルシステム
•自己組織化
•オートポイエーシス
•エコロジカルアプローチ
•ベルンシュタイン問題
•観測問題
•自律性
•引き込み