2011年2月2日ロイヤリング講義 講師:弁護士 野村 祥子 先生 文責 須藤勇人 会社更生事件について~具体的事例より~ 私は大阪大学の法学部を平成9年に卒業しました。その後2年間司法修習を受 けて、平成12年に弁護士登録をしました。当初から大阪市内にある堂島法律 事務所に所属しています。堂島法律事務所にはロイヤリングにも何人か来てお りますが、20人近くの阪大出身の弁護士がいる状況です。弁護士事務所とし ては幅広く業務を扱っていまして、いわゆる事業再生案件も割と多く扱ってい ますし、離婚等の裁判や、刑事事件等も一定程度扱っています。その中でも私 は企業法務と言われたりしますが、訪問先の会社から通常の会社法の手続きで あるとか、人事問題だとか、日常的な法律業務を扱っています。民事再生や会 社更生等法律を使わない私的な債務整理を行うことが割と多いです。この中に もロースクールに進学しようとか弁護士になろうとか考えている方もいらっし ゃると思いますが、うちの事務所の状況もかねて弁護士事務所のお話をさせて 頂きたいと思います。事務所によってやり方が違うとは思いますが、弁護士は 登録した年によって、何期の弁護士という言い方をしていまして、一番新しい 弁護士は64期です。私は52期なのですが、うちの事務所は12期の弁護士 が3名で始めました。その後は34期、46期、というように徐々に人数が増 えました。なので、若手の弁護士の数の方が多いという状況です。57期まで がパートナー弁護士と言って、事務所を運営する側の弁護士です。59期以降 が、イソ弁と呼ばれますが、パートナー弁護士から給料が支払われる弁護士で す。うちの事務所はみんなで売上を共有して、その中から経費を引き、給料を 支払うという形です。事務所によっては、自分が稼いだ分は自分でもらい、経 費だけを払うという形をとっている事務所もあります。うちの事務所は稼いで いる弁護士にとっては、不公平のように思えるかもしれませんが、稼いでいる 弁護士は他の弁護士に協力してもらっている面もあるので、平等と言えば平等 です。うちの34期の弁護士が倒産や会社更生の案件では精通しています。そ の関係もあって、こういった案件をうちの事務所が扱うことが多くなっている ようです。うちの事務所では弁護士によって担当している事件はバラバラで、 他の弁護士は個人の事件を担当し、1日に何度も裁判に足を運んでいる弁護士 もいます。司法試験に受かって、どこの事務所に入るかという場面になると、 就職活動ということで色々な事務所を訪問します。私の頃は今ほど就職難だと は言われていなかったのですが、広島で司法修習をし、大阪の事務所をあちこ ち訪問して、行きたい事務所を探していました。この堂島弁護士事務所にした のは、20人前後弁護士を抱えている弁護士事務所をいくつかまわって、企業 法務をやっていますとか、倒産案件やっていますとかいう事務所はありました。 でも、堂島弁護士事務所は国選事件だけでなく、私選の事件も結構やっていま した。国選というのは弁護士会から割り当てられて裁判所が弁護士を選出する 事件ですが、私選というのはプライベートでお客様が相談に来る案件です。私 選でそういった事件をやっているということはかなりバラエティに富んだ事件 を扱えるのではないかと思い、面白そうだと感じていました。実際、今まで1 0数年弁護士を務めてきて、仕事に飽きたことはありませんので、最初の考え は正しかったのではないかと思っています。何でもできる事務所が良いという 訳ではないです。大阪では最近、労働事件を専門に扱っていますというように、 特殊な分野を専門としてやっていますという事務所も出てきて、そういった事 務所も必要だという考えはあると思います。専門性を目指すというのももちろ ん大切なことだと思いますが、内の事務所はそのところを模索中といったとこ ろです。 今日お話ししようと思っているは「会社更生法事件について」です。 今日はワールドトレードセンターのお話だけをしようと思っていましたが、も う1つ他の事件についてお話をしようと思っています。内容としては、会社更 生に限らず、民事再生等についてもお話ししていきます。 会社が資金繰りに行き詰まりましたというように、事務所に相談に訪れるお客 さんが多いです。お客さんとしては、今までの取引先とこれからも取引をした いであるとか、なんとしても会社をつぶしたくないといった思いがあるにもか かわらず、目の前の支払ができないという問題を抱えています。そもそも、相 談に来られた会社全てが法律を適用すれば上手くいくという訳ではないので、 まずは会社の事業を活かしていくことができるかというお話を聞いて、判断す るというところからスタートするということになります。本当にあらゆる業界 の方々がお話に来ることがあって、私たちはその業界に精通している訳でも、 経営コンサルタントでもないので、どういった状況を見て判断しているのかと いうお話をしたいと思います。 会社が行き詰まっているというのがどういう状態かという話です。 貸借対照表(BS)というのがあります。会社の負債があって、資産があって、 資本があります。例えば会社が債務超過に陥っている状況があるとします。帳 簿上の資産(土地5億、建物3億)があっても、実は建物が老朽化している場 合、時価に直すと資産が圧縮されることがあります。そのとき、負債の方が資 産と資本の合計よりも大きく、すぐに会社をたたんで会社の資産を全て売り払 っても、銀行からの借入金取引の時の売掛金金等負債を返却することができな いことを債務超過と言います。これは会社が行き詰まっている状態の一つです。 また、債務量かの他にも資金繰り破綻というものがあります。支払いが明日に 迫っているときに、債務の支払いができない状態のことを支払不能、支払がス トップしていることを支払停止と言います。つまり、債務の支払ができない状 態です。流動資産(お金や売掛金)がない状態、仮に債務超過になっていない としてもこの状態になってしまうと、資金繰り破綻になったと言います。 どちらにも該当する場合が多いですが、片方の場合もあります。どちらの場合 でも会社が行き詰まっています。 話が前後しますが、再生型法的倒産手続きと呼ばれるものが2つあって、一つ は民事再生法、もう1つは会社更生法です。どちらも会社を生かしていくこと が目的で作られた法律です。それとは対照的に破産法があります。新聞に会社 更生法適用申請と書いてあることがありますが、正しくは会社更生手続き開始 の申し立てと言います。民事再生法も同様に再生手続き開始の申し立てという のを行います。ここから手続きが開始します。これに対して裁判所が一定の要 件を満たしていると判断すれば開始決定をし、実際の手続きが行われます。具 体的には、会社自体が債務超過であったり、破綻していることが開始決定をす る要件としてはあります。少し話が飛びましたが、相談にこられた場合には債 務超過か資金繰り破綻のどちらかに陥っていることが多いです。法律を使った 方が良いのか、使わずに会社を建て直すことができるのかをまず判断します。 いくつか目のつけ所のポイントをレジュメに書いてあります。 まずはその会社が行き詰まった理由等の話を聞いていきます。大阪ワールドト レードセンターの場合がそうだったのですが、財務状況が民間の売上高が46 億円しかないのに、借金が600億円近くあるんですね。そうするといくら利 益が出たとしても金融機関への返済には届きません。そうすると、黒字経営を 行っていても、返済を行うため赤字続きになってしまいます。なので、利益に 見合った量まで、負債を圧縮する必要があります。逆に言えば、負債さえなく なれば上手くいく可能性があると言うことになります。これはビルを建設する ときに莫大な負債を負ってしまったのが原因です。返済物が減れば、利益がつ く状況になれば、その利益で投資を行ったり、給料を支払ったりすることがで きるので、その債務さえカットすればいいという目安がつくこともあります。 また、経営手法に問題を抱えている場合や、無駄な経費を沢山出している場合 にはそういった問題を解決して、事業が上手くいくこともあります。ただ、経 営手法を変えたからといって急激に上手くいくということは通常無いので、債 務処理と合わせて経営手法も改善していくことになります。そもそも相談に来 られるのは経営者の方なので、経営手法に問題があるかは第三者の視点から弁 護士や会計の人とお話ししていく中で明らかになっていくことが多いです。 そういう症状を突き止めた後に、問題を解決できるかを検討します。金融機関 も債務放棄等は簡単にしてくれないので、交渉によって債務を圧縮できるのか、 強制的に民事再生法等の手続きによって債務をカットしなければならないのか といった検討をすることになります。仮にこういう手続きを開始してしまうと、 倒産手続きを行った会社とみなされてしまうため、取引先との契約を存続でき るのかといった事項も検討してくことになります。このように、債務免除が受 けられることがあるのか、経営手法が適切なのかを検討します。 次に、生かす価値のある事業かどうかを検討します。事業について利益が出て いなければ、債務を圧縮しても結局また膨らんでしまうので、生き残れなくな ってしまいます。なので、当該事業についてそもそも利益が出ているのかが問 題となる場合もあります。それは、例えば A 社(サトーセンを例に)があると 仮定します。 A 社の甲事業(電子部品事業)と乙事業(メッキ事業)がありました。電子部 品事業は携帯電話の中等に入っている基盤等を扱っていました。メッキ事業は、 お客様にはメーカーが多く、その工場の中で使っているロールという機械を扱 っていました。機械にメッキをつける作業を行っていました。 実際サトーセンの場合、メッキ事業は利益がよく、電子部品事業はそこまで利 益を出していない状況でした。メッキ事業は黒字、電子部品事業が赤字、そし て全体が赤字という状態について考えます。トータル赤字なのでこの負債だけ を消しても、また赤字が積み上がるというように見えます。しかし、ここはだ めな方の事業を切り捨てることによって、工場や人件費を削減することができ るので、黒字事業を残すことによって全体的に黒字にすることも可能です。こ のように企業全体で赤字だから無理だと判断するのではなく、黒字事業を残す のかといった方法を考えていくのも、一つの相談のあり方だと思います。 あと、希少価値のある事業を展開している企業、つまりその会社でしか持って いない技術等がある場合には、その企業がつぶれると取引先が困りますよね。 ですので、業界としてその事業が独占しているような企業は強く、事業を残す 価値や残すことのできる可能性が高いのが一般的です。サトーセンの場合は競 合企業が多く、民事再生になった場合、取引先が他の会社に流れていってしま うという問題がありました。そういった場合には、民事再生したことを知らせ ると同時に訪問して、民事再生したことが倒産したことにはならないという説 明をする必要がありました。また、厳しく前から方法を探っていて、資金の提 供先が見つかっている場合には、再生の可能性が高まります。 そういったように事業の内容や取引先や取引の状況等について色々聞いて、事 業を残すことができそうだと判断した場合に、どういったことが問題になるか についてお話しします。債務が大きすぎるとか、経営の方法が悪いという問題 があるので、どういった対策を行うことができるのかを考えます。経営改善策 としては、GOOD 事業と BAD 事業の切り分けを行います。A 社の事業の1つ はよく、1つは赤字であった場合には、とりあえず共倒れになることは避け、 良い事業だけ残すようにしようと考えます。切り分けの方法としては、事業を 閉鎖するだけでなく、事業譲渡や会社分割することも選択肢としてあります。 片方の事業を閉鎖することももちろん考えられますし、後は経費削減策もでき るだけとります。 弁護士としてもう一つの役割としては負債の圧縮があります。会社として抱え ている負債が大きすぎるので、圧縮する必要がある場合があります。圧縮方法 としては債券をカットしてもらったり、返済方法に関して利息をぐっと低くし てもらって長期の返済にしてもらうこと等があります。 そういったことを達成する方法として、大きく分けて、A 私的整理 B 特定調停 C 再生型法的倒産手続きの3つがあります。 B と C は裁判所を通して行うのに対して、A は裁判所を通さずに、民間でやる 手続きのことです。実際には全く法律の根拠なくという訳ではないが、裁判所 には行かず、強制力もない手続きです。銀行等債権者の同意を得ながら進めて いく手続きだと考えて下さい。私的な債務整理をするための中立的な機関があ ります。JAL が企業再生支援機構(ADR)等を使って事業再生を行った事例も ありますが、中小企業再生支援協議会という中小企業用の相談窓口もあります。 そういった機関を通さずに弁護士が代理人として、債権者に状況を説明し、債 務のカットに同意してもらうこともあります。また、債務者自ら債権者に同意 を求めるケースもあります。 B の特定調停というのは A と C の中間のようなものです。C は法律に基づいて 行われるもので、一定の基準を満たせば自動的に債券が強制的カットされます。 B は裁判所を使うが、当事者間の合意が前提になって進んでいく手続きです。 裁判所が間に入って調停を行ったり、提案を行ったりして、債権者の理解を得 ていきます。A と異なり、裁判所を使っているため、強制力等がなくても案件 がスムーズにいくことがあるため、B を利用することもあります。 それでは次に、どういった視点で債権カットを選択するかということを考えて いく必要があります。債権カットがそもそもできそうか、債権者の合意を得ら れそうかというのがポイントになります。債権者の合意を得られそうにない場 合には、法的倒産手続きをすることになります。 基本的には会社の債権者と言えば、銀行と取引債権者に分かれます。銀行は大 体借入金で取引債権者は仕入や外注等による債務です。銀行等の方が数が少な く金額が大きいという特徴があるのに対し、取引債権者は数は多いが1つ1つ の金額が少ないということが多いです。どちらにせよ、C を選択した場合は銀 行であっても取引債権者であっても同等に扱われ、債権カットの対象になりま す。ただ企業の債権の大半は銀行の借入金というのが一般的なので、A や B な どの場合は銀行だけが対象になることが多いです。それは、銀行さえ債権整理 に応じてくれればぐっと負担が軽くなるからです。銀行だけが対象であれば守 秘義務のおかげで、企業の信頼を保つことができるが、C のように全債権者が 対象になってしまった場合には、取引先との信頼等が破壊されてしまうおそれ もあります。あとは、手続きの透明性がどの程度保たれるかという問題もあり ます。WTC のケースでは大阪市が債権者でもあったのですが、市の合意を得る には裁判所を通した手続きが必要とされました。また、現経営者が経営を続け る意志があるかというところも大事なポイントになります。担保権消滅請求と いうものもあります。債務者の事業をする上で欠かせない工場に担保権がつい ている状況があると考えて下さい。債権者は工場を売りたがっているが、債務 者としては売る訳にはいけない場合、担保権を行使されてしまうと工場を使用 することができなくなってしまいます。そういった場合に民事再生には担保権 消滅請求という手続きがあり、一定のお金を支払うことで担保権を実行させな いようにすることができます。レジュメには書いていませんが、税務上の対策 も不可欠なので、会計士の先生等と相談しながら進めていくことが多いです。 倒産手続きというのは、どうしても周りの人々を巻き込むことになるので、債 務者の代理人という立場には立ちつつも、一方的に債権者が不利益を被ること が無い様、公平な観点から仕事を行う必要があると思います。弁護士自身のみ を守るためにも、しっかり説明した上で仕事に取り組むことも求められます。 手続きを開始した後に、事業を存続させていくためには経営者を変えなければ いけない可能性があることを理解してもらうことや、個人保障の支払のリスク も説明する必要もあります。 それでは簡単に民事再生の流れを説明した上で、事例に入っていきます。 民事再生も会社更生も似た手続きではあるのですが、どういった流れで進むか といった大きな流れだけ話すと、 企業が申し立てを行い、裁判所が開始決定を行います。その後はどのような債 権があるか債権調査を行います。また、財産評定を行い、資産がどれほどある かを確定させる手続きを行います。この2つの手続きで、実際の債務がいくら あるのか、実際の資産がどれくらいあるのかを確定します。そのうえで、再生 計画案や構成計画案を策定します。その中でいわゆる債権カットの定め等を決 定していきます。その後、債権者集会で計画について可決されると、裁判所が 認可を行い、実際に実行し、終結に向かいます。民事再生の場合は債務者側か ら依頼を受けた弁護士が申し立てからずっと裁判を行うのが一般です。他方で 会社更生の場合、通常は弁護士が管財人となり、財産管理・処分権や経営権が 管財人に所属します。この場合には経営者から経営権がなくなります。弁護士 が会社に赴いて、従業員に説明して、会社の会計に関する決定を弁護士が行う ことになります。取引先の債権もカットの対象になる訳ですが、そうすると取 引先の経営に打撃を与えることになり、2次倒産や3次倒産になる可能性があ ります。そういったことを防ぐために、融資先を紹介することや銀行に説明し て取引先の債権は返済する方向で進めていくといった方法を考えることが求め られます。当該会社が地域に密着している場合には、その地域に影響が出ない ようにすること等も考えなければなりません。倒産手続きというのは、ただお 金の返済手続きではなくて、その会社の影響等について一つ一つ考えていく必 要があると思います。 それでは事例についてお話しします、2つのタイプが違う事件を用意しました。 WTC ビルの事件と最初に少し触れましたが、ビル建てて運営を始めたはいいが、 借金が大きすぎて返せなくなった事件です。大阪市が株主で、99.9%の株 を所有しています。大阪ワールドトレードセンタービルディング株式会社が所 有しているビルで、この会社の事業はこのビルの賃料収入のみによって成り立 っています。ビルの建設にあてた借入金をその賃料で返済していました。最初 に入っていたテナントも少しずつ抜けていき、賃料収入も減ってくるという状 態になってしまいました。そのため、大阪市の部局が入り、大阪市が賃料を払 うことになりました。しかし、賃料が高すぎるため、市の施設としては不適切 だという声が多く、裁判にまで発展していました。そのため、やはり600億 の負債をカットしてもらうしかありませんでした。 方法としては、C のように裁判所を通して行う手続きが一番透明性が高くてい いだろうという話になり、会社更生法の申し立てがなされました。管財人のや ることはこのビルを売却することでした。その売却した資金で債権を埋め、会 社を清算することを目的としていました。売却先を探すために非常に多くの会 社に声かけを行いましたが、立地条件があまりよくなかったため、希望価格で 買収してくれる相手は見つかりませんでした。そのときに、府庁移転が重なり、 大阪府で府庁として買収しようという動きがありました。府の提示した価格が 適正だということもあり、府に売却しようということになりました。しかし、 府の決定をするためには府議会の合意を得る必要がありました。府議会として は、市の作った負の遺産をなぜ府が背負わなければならないのかといった意見 や、市長自ら府に頼むべきだという意見がありました。最終的には当時の市長 の平松市長が府庁である橋本府長にたのんだこともあり、買収に動き出しまし た。府議会の決議としては、府庁を全て移転することはできないが、買収でき るという結果になり、現在では府庁の一部として使用されています。 サトーセンの件は組合との団体交渉等民事再生に関する様々なことを行いまし た。電子事業とメッキ事業の2つの事業を所有していましたが、2つの事業の 間に関連性はなく、工場の場所も異なっていました。アーツという親会社の経 営が厳しくなり、企業再生支援機構に申し込みを行って債務の免除に取りかか りました。アーツの子会社は沢山あったので、子会社のいくつかも同時に倒産 手続きを行いました。サトーセンも最初はそこに所属していたのですが、サト ーセンの場合は債務超過の量が多すぎたので、独自に倒産手続きをする必要が 生じました。どういう風に再生させたかというと、2つの事業が関連していな かったので、事業を切り離してそれぞれの引取先を探しました。メッキ事業に ついては割とすぐに譲渡先が見つかったので、事業の譲渡を行いました。しか し、電子事業はなかなか引取先が見つからず、今後出てくる見通しがつかなか ったため、会社分割をしてサトーセンの子会社にし、株式の買い手を捜すとい う計画を立てました。その結果、株式の売却先が見つかりそうになっていると ころです。ですが、税務面で債務免除益を消すことができるかどうかという問 題を未だに抱えています。 ということで、なかなか事業再生安閑というのは一定時期会社の中心で仕事が できるので、非常に面白いです。みなさんも是非興味があれば本等をよんでみ てください。 以上で終わります。有り難うございました。
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