受賞作品 [PDFファイル/146KB]

岡山県知事賞(作文
「土砂災害の被害とその防止」
中学生の部)
こんこうがくえん
私立金光学園中学校3年
たかはら
髙原
けん
健
土砂災害はテレビの特集で何度か見たことがあるが、家の近くでは起きたこ
とがなかった。なので、どのような被害が起きるのか、予想程度しかできなかっ
た。なので、今回は土砂災害について調べようと思う。
そもそも土砂災害とは、山などの斜面の崩壊や、土石流、地滑りによって起き
ることだ。それらの原因は集中豪雨や台風などの、短時間で多くの雨が降った時
に起こりやすい。それに加えて大きな地震が起きた時にも、土砂災害が起きるそ
うだ。また、それによって建物や人を押し流したりし道路を埋めたりして、人が
いる地域を孤立させたり、最悪の場合命に関わったりするということもあるそ
うだ。
その中でも大きな被害が起きたのは平成五年の八・六豪雨が誘発した土砂災
害だ。鹿児島市吉野町の病院を土砂崩れが直撃し、十五名が亡くなった。また、
鹿児島市の竜ケ水地域では約四キロの区間で二十二ヶ所で、土石流が発生し、国
道十号ではその区間を走っている車が孤立してしまった。また、その区間に含ま
れる竜ヶ水駅に停まっていた電車も身動きが取れなくなってしまった。その上、
土石流に電車が巻き込まれてしまった。ほとんどの乗客は乗務員の指示により
電車から避難した後だったが、乗務員の指示を無視して電車内に留まった乗客
は亡くなってしまった。周囲の住民と列車の乗客、電車の運転者を含めた約二千
五百人がその区間に孤立したが、近くの漁船や桜島フェリーによって救出され
た。これや、これを誘発した八・六豪雨の影響で多くの人が亡くなった。
また、僕の地元の岡山県でも大きな土砂災害が起きていることが分かった。平
成十年の7月十七日から十八日にかけて吉井川周辺に大量の雨を降らせ、百年
に一度の記録的な豪雨だった。それによって久米郡で大きな地滑りが発生し、死
者が三名、負傷者三名、全壊一戸という被害が発生した。
しかし、土砂災害にも前兆というものがある。
がけ崩れの場合は特徴として、斜面が雨水や、地震などで緩み、崩れ落ちるの
で崩れるまでの時間が短い。なので人家の近くでは逃げ遅れることがあり人命
を奪うこともあるということだ。がけ崩れの場合は主な前兆としてがけがひび
割れたり、小石が落ちてきたり、がけから水が湧き出たりする。個人的に、前兆
が出てから、がけ崩れが発生するまで短時間なので、山や斜面などに違和感を覚
えたらすぐに逃げないと逃げ遅れてしまうと思う。
地滑りの場合は、斜面の一部、もしくは全部が地下水や重力によってゆっくり
と斜面の下方に移動する現象である。土砂の移動が大きいのでその分大きな被
害が発生しやすいということである。前兆は地面がひび割れたり陥没したりす
る。がけから斜面から水が噴き出す。井戸や沢の水が濁るということがあげられ
る。しかし、個人的にはゆっくりと土砂が移動するので、その分前兆が発見しや
すくなっていると思われる。だが油断してはいけない、油断することが命取りに
なると考える。
土石流は山腹、川底の石、土砂が集中豪雨によって下流に押し流されてしまう
という現象である。押し流すスピードは時速二十キロから四十キロなので一瞬
で人家や畑などを壊滅させてしまう。土石流の前兆は山鳴りがしたり、急に川の
水が濁り、その水に木がまざったり、降雨が続いているのに川の水位が下がった
りという状態である。個人的には土石流はスピードが速いので、発生してから逃
げても間に合わないだろう。なので前兆や異変を見つけたらすぐに避難するこ
とが大事だと思う。
何においても土砂災害は火事のように世帯ごとで防ぐことが出来ないので、
日頃の備えや何か土砂災害の前兆を見つけたらすぐ避難という事を徹底すれば、
死者や負傷者をゼロにすることができると思う。
また、各自治体で土砂災害警戒区域が設定されている。それを日頃から確認し
ておくのもいいだろう。そして、その上に気象庁から大雨による土砂災害の危険
度が高まった時に住民の自主避難の参考になるようにと土砂災害警戒情報とい
うものが発令される。これも土砂災害が起きそうな時に避難の判断の一つにす
るといいと思う。
以上のことから、日頃から土砂災害の場合に限らず、全ての災害において避難
の準備をしておき、集中豪雨の場合や大雨を降らす大風が来て、土砂災害の前兆
を発見したり、何か異変を感じたりしたら、すぐに安全な所へ避難することが大
切だ。まさに、天災にとっては「備えあれば憂いなし」だと思った。